ミュウのCLASSIC ROCK LOVE

70年代、80年代のロックとその周辺の音楽について気の向くままつぶやきます♪最近のロックも取り上げます。

カンタベリー・ロック特集9 演奏力が秀逸!聴きごたえあり!キャラヴァンの名作「Waterloo Lily」

2021-12-26 19:56:40 | カンタベリー・ロック

キャラヴァンは日本で人気のプログレ・バンドです。

特に、当ブログですでに特集した「in the Land of Grey(グレイとピンクの地)」と「For Girls Who Grow Plump in the NIght(夜ごと太る女のために)」、「Cunting Stunts(ロッキン・コンチェルト)」は名作として有名。

プログレ好きでなくとも、「Cunting Stunts」で聴けるビートルズを思わせる超甘いポップメロディに中毒的なものがあり、一般のポップス・ファンもはまってしまったりします。

まあ、多くの人は上記3作を聴いて、満足し、それ以外の作品は聴かないというのが一般的なパターンでしょう。だって、いろんなところで代表作として書かれている3作品ですから。

でも、日本であまり聴かれていない1972年発表の本作品「Waterloo Lily」も実は名作なのです。

ポップな作品とは言えないので、ポップさを求める人にはお勧めできません(特に、歌なしのフュージョンやジャズ・ロックが苦手だと言う人には勧めません。)が、演奏パートにおける職人技に圧倒されたい人には聴きごたえがあると思われますので、ぜひ聴いていただきたいと思います。

ちなみに、この作品はマッチング・モウルのセカンド・アルバム、ソフト・マシーンの5枚目のアルバムと同時期です。メンバーはデイブ・シンクレアが脱退しており、スティーブ・ミラーがキーボード担当として加入しています。ゲストとして、リーダー兼ギター、ヴォーカルのパイ・ヘイスティングの実兄のジミー・ヘイスティング、そして、ロル・コックスヒルが参加しています。

大作を2曲紹介しましょう。

まずは「Nothing At All」

Nothing At All

この曲はロックというよりフュージョン(当時の言葉で言えば、ジャズ・ロック)という感じが強いかもしれません。ワウワウを効かせたギターがかっこいい。ベースはパンチがある。ピアノはジャジーでオシャレ。前作に比べ、クールでかつ激しさを感じる演奏です。このクールさは新加入したスティーム・ミラーの力が大きいのかも。この曲だけ聴くと、キャラヴァンってわからない(笑)。ベースの迫力、サックスの演奏、そして展開力。うーん、魅力的な曲です。いったん静かになったあと、またにぎやかになるのもいいですね。最後の方は実にかっこいい。

 

そして、もう一曲、このアルバムでハイライトになる作品「The Love in Your eye(瞳の中の愛)」

The Love In Your Eye

この曲も緊張感のあるインスト部分が飽きないんですねー。やはり展開力があるのがいい。曲調が劇的に変化するところには圧倒されます。キャラヴァンらしい、ふわっとしたポップな歌部分と楽器のバトルと言えそうな力強いインスト部分の対比が面白い。ジミー・ヘイスティングのフルートの部分なんてかっこいいですよ。

 

シングルヒットしそうな聴きやすい曲はありませんが、聴きごたえ十分のプログレッシブ・ロック・アルバムであることには間違いありません。

デイブ・シンクレアがいる時のキャラヴァンとはちょっと違った雰囲気を楽しめるのもいいと思います。

演奏力の高さは間違いありません。各人のテクニックとアンサンブルが絶妙で、その職人技に聞き入ってしまいます。

やはり、このアルバムは名作なのです。

 

次のカンタベリー・ロック特集は1月予定です。

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私にとってのクリスマス定番曲。Greg Lake ‘I Believe In Father Christmas’ (Official Lyrics Video)

2021-12-24 05:11:59 | クリスマスソング

Greg Lake ‘I Believe In Father Christmas’ (Official Lyrics Video)

I believe in Father Christmas - Greg Lake - Ian Anderson

今年もクリスマスがやってきたということで、私のブログではこの曲です。

ほぼ毎年のようにこの曲をアップしています。

グレッグ・レイクという偉大なアーティストを思い起こす時期にもなります。

やはり、癒しの声ですね。

歌が上手いとか下手とかではなく、印象に残る深い声です。

これはやはり才能。

この人の声があったから、あの「エピタフ」も感動するんだなあとつくづく思います。

私は死ぬまで、毎年この時期になったらこの曲を聴くでしょう。

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カンタベリー・ロック特集8 ロバート・ワイアット最後のドラム Matching Mole’s Little Red Record

2021-12-11 15:16:21 | カンタベリー・ロック

Matching Mole - Righteous Rumba& Brandy as in Benge

カンタベリー・ロック特集をゆっくりやっております。

今回はソフト・マシーンを飛び出したロバート・ワイヤットのバンド、マッチング・モウルのセカンド・アルバムです。1972年発表。

上の曲は、4曲目のRighteous Rumbaと5曲目の Brandy as in Bengeです。このアルバムの中では、聴きやすい曲なんです。創造性を拡げたロックと言ったところでしょうか。ジャズ・ロックというよりプログレッシブ・ロックですね。

 

アルバムタイトルですが、ファースト・アルバムのジャケットにそっくりなモグラ2匹の可愛い絵が描いてあったのが好評だったのでしょう。日本のレコード会社はセカンド・アルバムの邦題にも「そっくりモグラ」という言葉を使いました。でも、可愛いモグラの絵はアルバムジャケットにありません。バンド名は「マッチングするモグラ(そっくりモグラという和訳はジャケットのイラストから考えたものとでしょう。)」ではあるのですが。

アルバム・ジャケットは、当時の中国が作った台湾開放を訴える絵葉書をモチーフにしています。アルバムタイトルもずばり毛沢東語録(Little Red Record)という言葉を採用。

当時ロバートはかなり中国に影響を受けたのかな。

 

メンバーはドラム、ヴォーカルに、ロバート、キーボードはデイヴ・シンクレアに代わってニュー・クリアスのメンバーだったデイブ・マクレエ(1作目にもゲストで参加)、ギターはフィル・ミラー、ベースはビル・マコーミック。ゲスト・ミュージシャンはブラインアン・イーノ(VCS3シンセサイザー)、そして、コーラスというかおしゃべり担当で3人の女性が参加。

プロデューサーはクリムゾンのロバート・フィリップ。

この作品を発表した翌年、ロバートはパーティの際に建物の4階から転落、下半身不随となってしまいます。ドラマー生命を絶たれました。その後、シンガー兼キーボードプレイヤーとして再起したのは多くの方がご存知のとおりです。

この作品には、前作に「オーキャロライン」のようなポップな曲はありません。実験的な作品が多く、難解です。ロバート・フィリップがプロデュースしてて、クリムゾンに似ている部分もありますが、アルバム全体としてはクリムゾンと違って、完全に非ポップです。だって、クリムゾンのヴォーカルはちゃんとメロディ歌いますからねー。まあ、わかりにくいのがプレグレだ!だから魅力的なんだ!と言う人もいるので、いろんな評価はあると思います。

今回ご紹介した曲は最も聴きやすい曲です(下の曲も含めて)。他の曲はひねくれています。ポップ度が低いことを承知で聴くべき作品ですね。

下の曲"Flora Fidgit"はインストで面白いです。音の展開が目まぐるしく、飽きない。まさに、プログレ。色んな表情がありますね。曲が長すぎないのもいい。フュージョンっぽいところもあります。

Matching Mole "Flora Fidgit"

 

カンタベリー・ロック特集、次回はキャラヴァンです。「ウォータールーリリー」です。よろしくお願いします。

コメント (9)
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70年代の香りがする。これぞクラシック・ロックの魅力!Smith/Kotzen – Better Days (Official Video)

2021-12-11 14:49:16 | HARD ROCK

Smith/Kotzen – Better Days (Official Video)

先月EPで発表されたばかりの作品ですが、私の趣味にどストライクです。

いわゆるブルージーなハードロックで、粘るようなグルーブと弾きまくるギターがえらくかっこいい。

あのヘヴィ・メタルの権化であるアイアン・メイデンのギタリストの一人、エイドリアン・スミスとポイズンやミスター・ビッグ、そしてソロ活動やいろんなプロジェクトで活躍しているスーパー・ギタリスト、リッチー・コッツェンのユニットだ。

古い人間と言われようが、こういう地についた骨太のハードロックが好きです。

盛り上げ方が、まさに職人技。

さすが、一流ミュージシャン。

イギリス人のエイドリアンとアメリカ人のリッチー、意外な組み合わせなんですけど、ギターが超かっこいい。

リッチーは、何でもできるミュージシャンというイメージがあるんですが、エイドリアンも歌が上手いなー。エイドリアンのソロ・アルバム聴いてなかったけど、ここまで上手いとは。

 

EPに入っているこの曲もなかなか好み。大人のロックだなあ。こういう音楽を聴きたいのですよ。ギター・ソロのかっこよさには感動。

Hate and Love

 

 

 

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今聴くと、無骨なところがクセになる。Hot As A Docker's Armpit [2013 Remaster] / バッジー(Budgie)

2021-12-05 09:56:43 | ブリティッシュロック

Hot As A Docker's Armpit [2013 Remaster]

1969年結成の、イギリスはウエールズ出身のハードロック・バンドの1972年発表のアルバム「Squawk」からです。

このバンド、日本で人気なかったんですが、あのメタリカ、アイアン・メイデン、そして日本の「人間椅子」が評価してたりして、21世紀の現在は歴史に足跡を残したバンドとして評価されてますね。

このバンドが人気なかったのは、地味な曲調が多かったことが原因とは思いますが、70年代のロック・ジャーナリズムを牛耳っていた「ミュージック・ライフ」誌の影響もあるのではないか?と推測してます。

1974年、1975年当時中学生だった私は、「ミュージック・ライフ」を愛読してたのですが、この雑誌は「バッジー」の作品を酷評してました。当時は、インターネットなんてなかったわけで、ラジオでもこのバンドの曲は流れないから、雑誌で酷評されるとみんな買いません。私も買わなかったのですが、あまりにも酷評してたので、強烈に印象に残ってました。まあ、ミュージック・ライフ誌は女性編集長で、アイドル的なバンドを求めてたわけで、無骨なこのバンドは興味をもてなかったのかも。ちなみに、同時期あの「ラッシュ」についても扱いが冷たかったのを記憶してます。評価をしつつも扱いが小さいみたいな感じですかね。おかげで、ラッシュも「パーマネント・ウエーブズ」が出るまで、日本では無名って感じがしました。

この「バッジー」というバンドは、けっこう面白いリフや曲構成を持ってて、それが、後進のハードロック・バンドに強い影響を与えたようです。ハード・ロック、ヘヴィ・メタルという音楽の世界で、まちがいなく個性という輝きを放ったことは間違いないようです。

この曲は後半の展開が好きですね。聴きごたえあります。

コメント (4)
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