室井絵里のアート散歩

徒然現代美術&感じたこと、みたもの日記

唐組・秋公演・盲導犬

2009年10月12日 | アート他
「盲導犬」三十七年位前に、石橋蓮司さんと魔子さんとで演じられた
芝居です。これまで、蜷川幸雄、唐ゼミ☆の中野敦之が演出してきま
したが、作者唐十郎自身による演出は始めて。

私は、この芝居は唐ゼミ☆バージョンでしか知りませんでした。
唐ゼミ☆が新国立劇場で公演をするという、なかなか大変な冒険をし
た時の演目でもあり、青テントでも何回かやったということもあり、
その頃
は毎日唐ゼミ☆の芝居を毎日みていたなどなど、主人公の渡辺がトチ
らないか、タダハル役の小川の滑舌は大丈夫かなど心配しつつみてい
たので、すっかり台詞が頭の中に入り、しまいにはプロンプターでき
る勢いになってました。

もちろん、何回もみたから、というだけではありません。

この本の唐さんの言葉って、本当一つ一つが生きて、重層的におりか
さなっていく。シーンの積み重ねが非常に論理的で明晰である。
暴力的なシーンへの展開にも説得力がある。

唐さんのエッセンスぎゅっとつまっているような説得力があるんだと
思います。

さて、そんな私にとっても思い出深い本を、唐さん自身が演出したらど
うなるのか。

一言でいえば、クール!
クールでいて、その時代の猥雑さが強く感じられるように思います。
それなのに、サラっとしている。

鳥山昌克はじめ、重要な役回りの唐組トップの俳優さんたちの演技も
そんな感じで、サラっと巧い。

なによりも、
唐さん自身が、これまでに無い役で出演していて、少年役との対の
対ではなく、唐さんの役は少年の役と重なっていて、そこが今迄にな
い役回りとなって芝居全体の深みを増しています。
しかも、ひょうきんでメチャ面白い。

若手の少年役の気田陸、タダハル役の高木宏、二人ともすごく頑張
ってました。刑事役の岡田悟一もなかなか。

あと、ダントツに主役の稲荷卓央がかっこいい!
なんか、滅茶苦茶役にはまっていて、彼の力が十全に発揮されてます。

主役の銀杏は唐ゼミ☆で椎野と禿がダブルキャストでしたが(あれって、私
が提案したんだよな~はじめの頃に W)
唐組でも今回はじめてダブルキャストです。

今日は、赤松由美が頑張ってました。犬になるところがコロコロしていて
可愛い。
藤井由紀のバージョンもきっと、お姉さん格の深みがあって素晴らしい
んだろうな。来週か再来週にみにいこう。楽しみ。

三鷹ジブリの森 17 18日 七時~
雑司ヶ谷・鬼子母神 23. 24 25 日 土曜は藤井。日曜は赤松 25は?
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