室井絵里のアート散歩

徒然現代美術&感じたこと、みたもの日記

癌猫・ポンが逝きました

2009年03月31日 | アート他
先週の今日。3月24日の午後八時半頃、家人の書斎で家族そろっているところで
飼い猫ポンが逝きました。

24日は家人の誕生日だったので、買って来た鰻をすりつぶしたのを少し食べて、血合いも飲み。
それから一時間後に、体温低下したと家人が言ってドライヤーかけたりしてやってましたが。

最期、断末魔というか、何か身体からエネルギーを絞り出すような音をあげ
「首がかくんとなったから静かにしたやろう」と言っている私に
「本当に死んだのか」と。

と、聞かれても。
考えてみれば祖母や祖父や父も亡くなっているものの、猫や犬も死んでるけど
実際に動物が死んで行く瞬間に
立ち会ったのはこの猫が始めてなんで、よくわからない。

ポンは、これまでターミネーターのごとく死にかけても元気になって闘病生活も五ヶ月を迎えてましたので
ひよっとして蘇るかとさえ思えました。

死ぬ前々日にはヨガをやっている私の足に乗って、たまたまオシメしてなかったので
おしっこひっかけて面白がったり。(変なことしてる~って顔してましたから)
ちよっと元気で、ベッドにしていた箱から出て日向ぽっこしてたいりしたのですが。

翌日には、箱で目を開けたまま眠るようになってました。
ただ、最後も鰻につきあったのはおつきあいの良い猫だったからかもしれませんが
人間用の酵素やら、少し餌も食べてましたから、本当最後まで食べて生きる気力は衰えないで、
それでいてスパっと嫌な感じも残さず、逝っのは、猫ながらあっぱれというか。

昔の猫は死ぬ時は消えたものですが、この子の場合はそれまで人間と寝ていたので自分から嫌がって
いた猫ベッドとして作った箱に入るようになったのが、その消え時だったのでしょう。

夜半、唐ゼミ☆の中野さんや女優の椎野さんが駆けつけてくれて通夜めいたことをして
翌日同じく唐ゼミ☆の安達くんに手伝ってもらって無事土に還してやりました。

ぎりぎりまで旺盛に食べていたので、餌がたくさん残りました。猫砂も残ったし。
初七日くらいはあげるかと思って、それ以外を三つずつ分けてご近所の猫のいる七軒の
お宅にもらってもらい、人間なみに形見分けさせてもらい。

私はそれを済ませて、本当は日曜までの京都近代美術館の椿さんの展覧会にでかけるつもりだったのですが
さすがにこの五ヶ月の猫看護の疲れがどっと出て、2日間寝続けてしまいました。

昨年の10月末に末期がん宣告されて、五ヶ月。
特に3月になってからはなんかずっとつききっりだったような気がします。
ふと、明日から自分が何したら良いのかわからなくなったりさえして。

二時間おきにすって餌を食べさせたり、口ふいたり。
血が出ているのをなんとかしてやったり・・・。最後少しの間おしめたり。
結構大変で、途中もかなり疲れていました。

時々猫は口きけないという人がいますが、十分色々なことを伝えています。
ポンは口の奥に癌が進んだので、それこそ「にゃん」さえも泣けなくなってましたが
口ふいてとか、おしめのつけ方が悪いとかちゃんと色々な手段で
コミュニケーションをとってきていました。
それも今となっては、楽しかったようでもあります。
ただ、渦中は人間の介護と同じく、
愛情だけではやれない、きれいごとではすまない部分もありました。
ずっとついてやりくても、所用で家をあけたら疲れているのに今度は
家へ帰りたくなくなったりしたこともあります。

家人も大変だったと思います。
私が夜中つきあい、彼もいれかわりに朝面倒をみて、また入れ替わりに私が起きて・・。

そんなわけで、何やったらいいのか身体がわからなくなったみたいです。
それで、一週間餌をやって線香たててました。
こういうことって、何すれば良いのかわからなくなった自分の身体の記憶を少しずつ
薄めて行くのに効果的なんですね。

家は、一応神道ですが(ほとんど無神論者ですが・・・。)
餌供えて、水替えて、線香がともっている間ポンが生きていた時にソバについてやって
いた通りやって、泣いて、ポンが汚したあとを掃除して。
そうしているうちに気持ちと身体がようやく現実と一致しはじめました。

ちょうど初七日くらいか。神道だと、10日祭あたりにはこうやっていったんの落ち着きを
得る。まぁ宗教的儀式ってのは、合理的なことなのかもとちょっとと感じました。

介護はやれるだけやったので、悔いはなくても、十四年一緒にいた命でしたから。
預かった命という意味では、サイズの大小はあるにせよ
家族というか、養女みたいなもんだったわけで。

実際に15歳の女の子が死んだら、そりゃ三日や四日じゃ立ち直ってたら変だわと。
寝込んでいる時に、自分で思ったあたりから気持ちが変わり始めました。

椿さんの展覧会には行けなくて、本当残念でしたが。。。

プログのタイトルと猫の写真は、しばらく残します。

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あと、猫の末期がんでも、猫によるとは思いますが頑張って五ヶ月生きるにゃんもいます。
普通すぐか、二ヶ月くらいで死んじゃうらしいですが・・・だから、もしかしてどこかの誰かがこれ読んだら
元気出して、色々工夫して介護してやってください。

手術して、流動食やら猫の胃ろうというのもあるようですが、私たちはその道は選ばず
ともかく猫のもっている生命力にかけました。
冬虫夏草やら、漢方はやり続けましたけれども。

大変なところもありましたが、それはそれで楽しい猫介護の日々でした。

コメント
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