室井絵里のアート散歩

徒然現代美術&感じたこと、みたもの日記

萩原朔太郎のパノラマ館。

2014年01月28日 | アート他
家人が企画していた、入谷界隈のパノラマプロジェクト三日間が無事終了しました。

で、三日間を拝見しましたが、つーか、芝居を寒いのに3日も見るのは相当に来るモノがなければ絶対にしません。横浜から入谷はちょっと面倒くさい距離だし。
展覧会は、ささっとみにいきゃいいはずてすが、ビーコンに三日間行きましたね。

ビーコンも実際の葬儀場というあの場所を、ニュートラルな空間へと変容する力こそそれこそが「サイトスペシフィック」なんだろうと思ったけど、それをまだ言語化するのは難しい。

演劇のパノラマは、ぎりぎりまでやなぎみわさんが脚本を書き換え、唐ゼミのためにあて書きをして下さいました。以前のパノラマを見てないので、それと比べることはできませんが、
この三日間では変化し続け。

三輪眞弘さんの「みんなが好きな給食のおまんじゅう」の音楽とパフォーマンスも変化し続け、そこで全てを、町衆の舞踊とかともつないでくれていました。

まぁ、こういうのは決して商業演劇、商業美術つう言葉はないけど、そのあたりでは観られないものなんだろうと思いますね。
行政指導のイベントでも、なかなか、それを超えるのは難しいんで、適当にまとまっちゃうだろうし。

あと、音楽とか音というものとどう関わるかという態度もものすごく考えさせられることがありました。

この三日間で、色々なお人の模様を観られたのは、私がそこそこ自分自身で人との関わりをしてきたおかげなんで、それにも改めて感謝します。

パノラマの俳優。打ち上げで直接話せる時間がなかたっんで、ここに書いときますが。笑。
椎野さんの、ラストシーンの上みるところとか、禿ちゃんの奇術シーンとか、西村くんが物乞いから絵描きに変わるシーンとか、入谷入山の目つきとか忘れられないハッとするシーンあり。

ハギワラの熊野くんの動きが、垂直でものすごくよかった。
小山田画伯と、秋風亭の文句無い背の高さも垂直方向。

それと背中合わせに出て来る、新聞売りのハギワラ村の萩原役の松田信太郎君。
岡山勢らしいですが、彼がここにいるのも、色々な影の大人たちの動きなんで。
松田君ものすごく味ありましたね~ものごとに深みを醸し出してました。
今回の私的いちおし。

さて、細かくシーンと書きましたが、これこそが美術家のやなぎさんが書いた本だから出たもんなのでしょう。
画家のやりとりとかの台詞も、美術家の彼女ならでは。
これは、私が美術分野の人間でしかもアングラ好きだからちょっとは理解できるのかも・・・。そして、やなぎみわさんがどこに向かおうとしているのか。

これは、面白いですね。非常に興味深い。

ゼロアワーは、第二次世界大戦の時のことでしたが。
パノラマは日清戦争のころのこと。

「明治何年頃か覚えていないが、私のごく幼い頃、上野にパノラマ館があった。」
(萩原朔太郎 詩集『宿命』)

全くの偶然だけど、パノラマ初日に私自身ははじめて群馬県の前橋に行っていた。
そこで、萩原の生誕の地に寄り、現代美術を見て、戻ったら時間に間に合ったのて入谷に走ったんだけど。
そこで展開されているものは、たとえ家人゛かやっていても事前に知らなかった訳で、こういう
まー偶然なんだけど、なんだか、朔太郎の魂を詠んだみたいな感じもする。

キューレーションとか編集ってのは、そもそも間をつなげる、つまり目に見えていないことと、これから見えるだろうことをつなぐ仕事なんじゃないのかなと、最近思いもするのだが。
まーそんにこと書いたら、単なる霊感おばさんか。W


コメント
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