室井絵里のアート散歩

徒然現代美術&感じたこと、みたもの日記

新宿梁山泊公演・唐版・風の又三郎

2007年09月16日 | アート他
今日は遠くにいる台風のせいか、あつぅとか、時間ギリギリに吉祥寺着いたせいで空腹を抱えたまま井の頭公園へ。

この本好きなんですよね。
岩波文庫もった織部がエリカに
「君は風の又三郎くん?」と問い、
「はい、君は誰?」「読者です」って答えるとこがともかく、なんか私的にヒットするわけです。

精神病院抜け出した織部の読者としての勝手な思い込みに、適当にあわせただけのエリカはエリカでありつつ、なぜだかそこから織部の幻想であったはずの風の又三郎に向っていく・・・。

ここから、勝手においかけまわすだけの「夜の男」とも、彼女が相手が死しても肉までせ食らったはずの愛しい「高田」との関わりの決定的差が生まれるようで、この二人の出会いの会話の決定性が面白い。

で、花園神社の立ち上げから、池袋でから帰りに深夜乗ったタクシーが自宅と反対の方に走ったとか、大阪公演のあと夜中に唐ゼミのN野くんの運転で夜中の東名を命がけで帰ってきたことやら、ソウル公演の暑い夜・・・やら、芝居にまつわる記憶も蘇ります。
最後に見てから、もう二年か。

その間梁山泊の方にも色々変化があり、主演の結花ちゃんはおめでたで退団。エリカの役は沖中さんに変わりました。
去年の「エビ大王」の時から、彼女いいところ見せ始めていますが・・・なんせ、好きだった男の肉を食らい、はすっぱでもあり、それで風の又三郎でもあるというエリカの役は、かなり複雑。精一杯頑張ってました。
大貫さんも、相手に引っ張られる役でもあり、自分がひっぱる役でもあって悩みつつも好演。

渡会さんの女医ぶりとかは安定。黒沼さんの夜の男は「どんどん相手役の女の子が若くなってきてこれでいいんかな」とか言ってらっしゃいましたが・・・いいですよ!

高田役は、私は唐組の丸山くんのなんか死人ぶりが好きでしたが・・・あと、個人的趣味ではソウル公演とかでの、仁吉さんが渋くて中年のハンサムぶり見せてくれていてとても好きでしたが、今回は「武人会」からの客演の川畑さん。

三幕目あたりから、彼の美青年ぶりは映えましたね。
まだ若いけれど、
歌舞伎の女形のような美形ぶりで、なかなか。

あと、唐さんの娘さんの大鶴美仁音ちゃんの踊りは、軽い。
風の精みたいで、しかも堂々としていてさすがです。
後からそっと彼女がエリカ役をと考えているらしいことを聞きました。恐るべし、高校生!

梁山泊も、池袋で初めてアングラみて入った十九歳とか
若くなってきていますね~俳優の人たちが。

今回沖中さんは、なんと私の小学校の後輩であることが分かったんで(彼女のお母さんも同じ小学校!)今後、この役をバネに
もっと、はすっぱな女として頑張ってほしいです!

三鷹ジブリの森美術館横の紫テントにて
今日・明日夕方みられます!

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横浜美術館・森村泰昌展

2007年09月14日 | アート他
熊本市立現代美術館との共同企画。
九月十七日まで。

森村泰昌の過去の作品を「美の教室・清聴せよ」展として再構成したもの。

会場に入ると、まず小さな教室がしつらえてあり、学校の教室に座ってTV画面の森村先生に出会い・ホームルームで予習がはじまる。ここで、森村の作品は名画を絵として描いたものではなく作家自身による扮装を何回も写真撮影等を重ねて、デジタルプリントで作られた平面作品だという説明を受ける。


そこで、まず六時間目までの各部屋の構成を予習して、無料の音声ガイドを借りてさぁレッスン。
ちなみにこの音声ガイドは森村自身によって説明されている。

一時間目 フェルメール・ルーム
二時間目 ゴッホ・ルーム
三時間目 レンプラント・ルーム
四時間目 モナリザ・ルーム
五時間目 フリーダ・ルーム
六時間目 ゴヤ・ルーム

放課後 ミシマ・ルーム

各部屋には、作品とその作品が作られた時の衣装やら小道具やら、部屋そのものやらも展示され、すごくわかりやすい説明を聞きながら歩むことになる。

歩きながらここまで、作品作りの手のうちを見せてしまって、サービス精神にあふれていいのだろうかという危惧さえもったりする。
放課後のミシマ・ルームは1970年の三島由紀夫の自死の時の演説シーンを、森村自身が三島に扮装し(ハチマキの文字が「七転び八起き」だが)建物の上から、道行く人に「清聴せよ」からはじめて
現代芸術の大いなる問題と、その死を演説する姿を実写した映像が流されている。床には、芸術の死を予兆するかのようなインスタレーション。

この作品は、これまであまり映像作品を作ってこなかった中では異色ではあるが、以前に、資生堂で見たカラオケの作品と印象が似ている。その時私は「この作家、ひよっとして死ぬ気か」と感じたものだが、何かそれと似た印象を受けるのだ。
(三島の自決の映像は、TV中継で見ていた。夜・一人で留守番していた十歳の子供にとってはかなりシヨッキングだったが。)

それで、最後にテストを受けて答え合わせをしてもらって、バッジをもらって一日の授業が終了する。

ついでに、常設展示のところにシンディーシャーマンと森村作品と石原友明の作品が展示してあって、そちらはミシマ・ルームとも呼応した形での作品展示となっていた。

さて、実はこの展覧会の初日に行った人に「新作は無いけど、森村さんのサービス精神にあふれたものだった」と聞かされていた。確かに、サービス精神にあふれている。

一方、実は耳の聴こえない学生さんが観に行ったらしいのだが、いきなり映像の森村さんが話しているのも、音声ガイドも聴けないので抵抗があったそう。

音声ガイドは、つけなくてもある程度説明文もあるのだが、確かに「授業」にこだわったこの構成では、森村が話している内容がわからなければ、展示と作品とをつなげてみることに意味を見いだすことはつらいかもしれない。

まぁ普通だと、私は音声ガイドはつけないのだが今日はつけて歩いたが・・・。オープニングに行ったら、つけないだろうな。
これまで、彼の作品をよく知っている人だと見方を理解しているから見られるけれど、見方を理解していないで耳も聴こえないとチト辛いのはわかる。

テストにも「森村さんは緑茶の味に案外うるさい」という答えが正解だったという問いも、これは森村さんのご実家がお茶屋さんだと知っていれば簡単・もちろん、他の問いが不正解であるとわかっていれば簡単にこの答えしか残らないけど、これだって、ある意味かなり自己満足的なマニアックな問いかけ方かもしれない。

それより、全体森村さんが作っていることはよく分かるのだがキューレーターという存在が希薄な気がするが。

ワークショップ形式や、夏休みの子供のため企画に迎合しないという意味では、さすがに森村と思わせるものではあったけれど、
かって京都近代美術館での「漂流教室」という、子供のためだがそれに迎合しない展覧会と(それにも作家として森村が選ばれていたが)スタンスがよく似ている。その点の実験度と、完成度の高さはさすがになと思わせる。しかし、普通に見せてくれたって別に十分じゃないだろうか。

十分に視覚芸術としての、見応えあるものなんだから。

モナリザ・ルームでモナリザの顔のところに自分の顔を出して鏡に映った自分の顔とモナリザの姿を見るという作品。
名画になった自分を見られるわけだ。
これ、写真撮ろうと思ったけど難しいよね。。。。一人だと。
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ありゃま

2007年09月13日 | アート他
展覧会見るのも、全くさぼっていて。
今日あたりから横浜美術館で今週末
最終日を迎える森村さんの展覧会にでもでかけようかと
準備していたら、安倍さんが辞職って。

ついTVみてしまった。

私がこの間組閣されたばかりの大臣なら、内閣総辞職じゃないんだから「あんただけ
辞めてよ」とか言っちゃいそう。あらら。

日本は、アメリカの属国と化しているようだからまさか
次期の総裁が女性だったりしたら、、、困る。
名前はあがってないみたいけど。

安倍さんが行った、外国とか考えるとアジア中心だから
この人の視点と戦いってのも少しは分かるけどね。

今辞めたのも、ありゃまだけど。
何かと戦っているのかが問題だ。
それが病気とか、スキャンダルだとしたらあまりに弱い。

なんかアート散歩もこういう政治の話と無縁じゃないんだよな。



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舛添さん、会ってあげてください

2007年09月11日 | アート他
私はC型肝炎については、不勉強で知らない。
その末端で、何が問題になっているかも知らない。

だが、なんか舛添さんが許認可しようとしている薬と
C型肝炎を患っているいる人たちが、今、彼に会いたいと
望んでいることは、切り離せない気がする。

この国で、もはや誰も「大臣に会ったから」といって何かが
解決すると思っている人はいないかもしれない。
だが、誰か一人の力で少しずつ変わるのも事実だ。

だけど、そのイキでかかった人がいて。
社保庁の膿を出したとして、それが、近い未来民営化されたとして。

その待っている先はなんだろう。

安倍さんを、格別好きではないが、まして自民党には一票たりとも
いれたくないが。

今、誰が国家を、私たちを守ってくれるんでしょうか。

だから、舛添さん。
大臣に会っても、何も変わらないかもと思っても
すごく疲れている病を抱えた人たちとは、その人たちの問題を解決するか
どうかともかく、会ってみてあげてください。

日比谷公園でね待っているんでしょう。



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公務員宿舎

2007年09月06日 | アート他
家人が、独法になったものの国家公務員になった時に
今よりは若くて貧乏だったし、関西から関東にうつってくる時に
紹介された公務員宿舎に入ろうとした。

ところが、横浜より遠隔地が多く、それじゃ私も仕事にならない。
おまけに当時飼っていた野良猫あがりの猫も飼えない。

猫を飼えるところとか、考え仕方なくものすごく割高だが一般の貸屋を借りた。

しかし、どこに公務員としての恩恵をこうむるのを潔しとしないという感じもあったんですよ。

今、赤坂の衆議院宿舎は半分以上あいているという。
昨日、千代田区の参議院宿舎予定地には石原都知事が行って、反対表明したそう。

あいている、衆議院宿舎に参議院議員は入れない。

それはともかく、そこ空いているなら新潟とかの被災地の人たちの宿舎にしてあげようとか
なんか無いか。

わざわざ、樹木を伐採してまで参議院宿舎建てる必要はない、それならプレハブで我慢しろってのは
発言として面白いかもしれないが、弱者というか、その税金を払った人たちのことを考えられた
発言とは、私には思えない。

もっと、人のためになることを言ってほしい。

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