【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「ターミネーター4」:なぎさニュータウンバス停付近の会話

2009-06-06 | ★亀29系統(なぎさニュータウン~亀戸駅)

色鮮やかな花が咲いて、なぎさニュータウンという名にふさわしい、のどかな光景ね。
こういうカラフルな景色も、2018年には見られなくなるんだろうな。
それって、「ターミネーター4」の世界の話?
ああ、機械軍による「審判の日」が終わったあとの世界。
9年後、世界はこんなんなっちゃうのと想像するとゾッとするけどね。
でも、そう想像させるだけの力が映画にはあった。
草木も生えない、荒涼たる風景のなかで物語が展開していく。
ざらついたセピア調の画面が、ただならぬ終末感を漂わす。
あのフィルムの深みというか質感にはうなったわ。「ターミネーター」の世界観にぴったりなんだもの。
がっちりと練られたドラマ、クリスチャン・ベイルをはじめとする重量感ある役者陣。
重量感?そんなに太ってたっけ?
あのねえ、体重の話じゃなくて、演技の話。
って、まじめに受け取るんだから、やあねえ。冗談言っただけじゃない。
そう、そう。この映画、思った以上にまじめなハリウッド戦争映画になっていた。
うん。アクション映画とか、SF映画とか言うより、正統な戦争映画っていう印象がいちばん近いかな。
たとえば、「エイリアン2」がそうであるように。
「ターミネーター」を撮ったジェームズ・キャメロンが「エイリアン」の続編でブレイクし、彼が撮った「ターミネーター」の続編でマックGがブレイクする。そういう連鎖があるとすれば、これほど嬉しいことはない。
マックG?ハンバーガー屋の店員?
あのねえ、れっきとした映画監督。
って、またまた、まじめに受け取るんだから、やあねえ。
この映画、まじめすぎて、面白みがないというかもしれないけど、こういうきっちりとエンターテインメントしているプロの映画を観てしまうと、いま大評判の「スター・トレック」なんか、やっぱりまだまだ脇が甘いと思っちゃう。
どちらもタイムパラドックスがからんだ父子のドラマになっているんだけど、こっちのほうが大人の鑑賞に耐えるドラマになってた。役者の違いもあるのかな。
スター・トレック」は、まだちょっと腰が座った感じがしなかったもんな。
そして、お待ちかね。シュワちゃんの登場シーンも決まってる。
シュワちゃん登場シーン?そういう言い方、誤解を呼ばないか?
そうね。まじめな人には誤解されるかも。でも、見方によってはそうとも受け取れる、なかなか含蓄が深いシーンよ。
初めて「ターミネーター」を観たときの興奮が一気に蘇ったのはたしかだな。
ついつい、第1作を見直したくなっちゃう。
よし、帰りにTSUTAYAに寄っていくか。
ついでに「トランスフォーマー」でも借りていく?
いや、「ターミネーター」第一世代には、ああいう極彩色の世界はついていけない。やっぱり、映画は渋くなくちゃ。
たしかに、派手なシーン満載なのに、ひとことで言えば渋い映画だった。
俺みたいにな。
やあねえ、いきなり冗談言って。
あれ、お前は極彩色な男のほうが好きか?
まさか。極彩色は、なぎさニュータウンの花だけで十分よ。




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ふたりが乗ったのは、都バス<亀29系統>
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