三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

旅行用時計を調整すること

2024-05-14 06:00:14 | 日記
押入れを漁っていたら綺麗な時計が出てきました。

メッキもくすんでおらず,もちろん剥げている箇所もありません。さっそくゼンマイを巻くと動きます。なぜこんな綺麗な時計がこんなところに放置されているのか不思議に思い,居間に置いてしばらく使ってみることにしました。
ところが,間もなくこの時計の問題が明らかになりました。それは進み方が激しいのです。進み/遅れを最大限「遅れ」に設定しても1時間あたり1分以上も進むのです。つまり一晩で10分ほども進みます。

速度調整が適正な範囲内にないということは,らせん状のばねの固定位置(この辺の説明は簡単ではない。)が適切ではないとあたりをつけ,調整することにしました。
ムーブメントをあらわにします。

上の写真中央下の方にらせん状のばねが認められるでしょう?そのばねの端を楕円で囲んでいます。その矢印の先端部分のばねの直線部分(の長さ)にご注目ください。
下の写真はらせん状ばねを少し緩めた状態です。

矢印の先端部分のばねの直線部分が長くなっているのがお分かりいただけますか?少し緩めた分だけ直線部分が伸びているという訳です。
このようにするためには矢印の先端の左側に見える止め棒を,一旦抜いて,らせん状ばねを自由な状態にし,再び止め棒を差し込みます。この作業では誤ってらせん状ばねほかの部品を傷めないように細心の注意が必要です。

さて,速度調整を中央付近にして一晩置いたところ,1~2分の遅れでした。うまく行ったようです。さらに少し進めて一晩置くとほとんど無視できる程度になりました。(古いゼンマイ式の時計なので24時間に1分以下の狂いは許容しなければなりません。)

この時計,1960年代に随分流行した記憶があります。今では考えられないような代物ですが,旅行に携行し,目覚まし時計にもなるという優れモノでした。折りたたむと

このようになり,持ち運びに便利です。縦7.5cm,横8.8cmほどの大きさです。精工舎ほか時計各社から製品が出されていたように思います。
懐かしい時計でした。
以上

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