三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

トリオ TX-88 の再組立て

2020-06-27 13:09:22 | 日記
無線の話が続いて恐縮です。

42シングル 7 MHz 電信送信機は一応の完成を見ました。第二高調波の問題はトラッ
プで解決できる見通しがついたのです。出力は 4.2 W としました。
これ以上進めるとすれば,受信機との相互接続や VFO(可変周波数発振器)などの
ことになります。ここは一旦保留にして頭を冷やしながら考えることにしました。

頭を冷やすといっても,何もしないわけにはいきません。残された時間がありませ
ん。
数年前トリオ(現在はケンウッド)の TX-88 という送信機を手に入れました。1960
年代前半のもので,もちろん真空管式です。わたしと同じ世代より古い人は知って
いるのではないでしょうか?ただし,アマチュア無線を趣味としていた人に限ります。
TX-88 を知らなくても,その後継機種の TX-88A や TX-88D はご存知の人が多いと思
います。TX-88 はそれらの原型というわけです。
その TX-88 は一旦分解して不良部品を取り換えるなどしながら再組立てするつもり
でした。そして分解したまま眠ってしまったのです。
今回組み立てに着手しました。とりあえず,電信部分のみとしました。その前面パネ
ルをご覧ください。

つまみと端子しかないのっぺらぼうです。つまり,電流計などが備わっていないの
です。安く上げるため,テスターを使う設計になっています。
左下に水晶振動子が装着されています。お分かりいただけますか?出力は左上の陸
軍端子から取り出すのですが,不便なので BNC コネクタをその右側に取り付けまし
た。前面パネルで手を加えたのはこれだけです。
シャシ上面の状態です。

真空管として右から 6AQ5(発振),6AQ5(電力増幅),それに 6CA4(整流)が
装着されています。本来は発振,電力増幅には 6AR5 という五極管を使うのですが,
前の持ち主が 6AQ5 というビーム管に取り換えたようです。これなら回路を(ほとん
ど)変更なしに送信出力を高めることができます。
シャシ内部の状態です。

相変わらずの下手な配線です。子供の頃はもっと早く奇麗に組み立てることができて
いたように思います。知識,経験が増えた分だけかえって考えることが多くなってな
かなか手が出せなくなってしまったのかもしれません。
さて,出力を見てみましょう。

無線機テスターで周波数と電力を測定しました。その結果,周波数は水晶振動子どお
りの 7.01 MHz でした。上の画面の上側矢印で示すところです。
一方,出力電力は最良の状態にして 4.7 W でした。上の画面の下側の矢印で示すとこ
ろです。
まあ,こんなものでしょう。
気になるスプリアスを見てみました。下の写真です。

第二高調波である 14 MHz に不要な電波が出ています。しかも,ちょっと大きい。こ
のままでは運用は難しいようです。タンク回路のほかはフィルタが全く入っていない
のですから当然と言えば当然のことかもしれません。しかし,第三次以上の高調波が
認められないので対策は見通しが明るいと言えるでしょう。

まあ,電信だけですが,一応稼働状態になりましたので続いて終段(電力増幅段)の
真空管を 6BQ5 というもう少し大きいものに変えてみようかと思案中です。わたしは
ハイパワー主義ではありませんが,技術的な興味と免許上許されている 10 W までは
出せるようにしたいということです。実際の運用に際しては,可変抵抗で連続的に出
力電力を調整できるようにして,『通信に必要な最小の電力』に調整します。
以上

訂正: 42シングル送信機の組み立て

2020-06-07 10:04:34 | 日記
朝令暮改ならぬ「朝礼朝改」です。
先ほど「42シングル送信機の組み立て」という記事を掲載しましたが,その最後の
写真が不適切でした。
見る人が見れば直ちにわかりますが,「UNCAL」状態のスペクトルを載せてしまい
ました。話の内容には(ほとんど)影響しませんが,このままでは恥ずかしいので
訂正します。いつものおっちょこちょいです。ご容赦を。
適切な画像は下のとおりです。

主波の 7MHz は-7.27 dBm であり,第二高調波 14MHz では-50.86 dBm となって
います。このとき送信機からは(再調整して)約 2 W 出ていました。また,スペア
ナとの接続には 40 dB の減衰器を挿入していますので,計算上は
10 × log 2000-40 = 33-40 = -7 [dBm]
となり,マーカの値とほぼ一致しています。
第二高調波(14 MHz)では-50.86 dBm でした。したがって,その差は 43.59 dB と
なります。スプリアス領域では 50 dB以上の減衰が求められていますので,「不適
合」と判定されます。
頑張ります。
以上

42シングル送信機の組み立て

2020-06-07 07:15:35 | 日記
2016年9月2日に「和文タイプライターと42シングル送信機」という題で記事を掲載
しました。あれからもう4年近く経つのですね。
実は,その送信機,そのまま放置され埃をかぶっていました。それをこのたび取り
出して組み立てたという話です。
細かいことは抜きにして,組み立て・配線を完了して動作確認をしている場面です。

手前にあるのが送信機。その右にわたしが中学生時代から愛用している電鍵が見え
ます。奥にある箱は電源装置です。
送信機はアルミのシャシに組み立てており,上には左から真空管の6Z-P1,UZ-42
その右にプラグインコイルが配置されています。42とコイルの手前にはバリコン。
シャシの前面は,左から水晶振動子,バリコン,電流測定端子(RCAジャック×2
個),電鍵用ジャック,送受信切り替えスイッチ,バリコンです。
ついでに内部もお見せしましょう。

われながら下手な配置・配線です。古い部品や新しい部品が混在しています。懐か
しく思う方も少なくないでしょう。
電源投入。運よく発振しました。バリコンを調整して最良の状態にしたときの送信
周波数と電力を測定しました。下の写真です。

古い測定器なのでデータを吸い上げることができません。画面の写真で見にくいで
しょうがご容赦のほどを。
送信周波数 7.01006MHz,送信電力 1.48W と出ました。使用した水晶は 7.01MHz
ですから,正しく発振しているのでしょう。
それにしても,1.5Wとは・・・。もう少し,せめて 5W は欲しかったのですが。
さらに調整や改善を進める必要があるのかもしれません。
気になるスプリアスです。

第2高調波である 14MHz に大きく出ました。第3高調波は認められません。これから
改良・調整しましょう。
とにかく第1歩を踏み出しました。
またご報告いたします。
以上