雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ええもんひとつ とびきり屋見立て帖

2012-07-08 19:47:47 | 

山本兼一著"ええもんひとつ とびきり屋見立て帖"を
読みました。
以前読んだ"赤絵そうめん とびきり屋見立て帖"の
前に刊行された本です。
この前にももう一冊あります。
シリーズの後ろから読んでいくなんて邪道ですね。
京都で道具屋のとびきり屋を営む真之介とゆずの夫婦の
物語です。

"夜市の女"
枡屋喜右衛門に頼まれて夜市に茶碗と扇子を市に出しに
真之介とゆずは出かけました。
値打ちがあるように思えない茶碗に高値が付きます。
粋筋の人にみえるきりっとした女の人が買っていきました。

"ええもんひとつ"
坂本竜馬がとびきり屋に滞在していきます。
青侍(公家に仕える侍)から香箱を買って欲しいと頼まれます。
いいものはありません。
ただ一つ仁清の雉の香炉はすばらしいものです。
いい香りをかがせてくれたらゆずるといいます。
なかなかうんとはいってくれません。
ゆずが行って売ってもらって帰ってきました。
いい香りとはおいしいにおいでした。

"さきのお礼"
清水にいいものがないか真之介とゆずは見にいきました。
色のついた蛍手の茶碗を食事によったうどん屋さんで
見かけます。
作った人は親方に色がついたののはだめだと叱られたと
いいます。

"お金のにおい"
壬生浪が虎の絵の徳利を付けた値段よりはるかに安く
譲れと居座っています。
壷を売るという家を紹介するといいます。
三両で買うと言ったつもりなのに三十両で買うはめに
なりました。
買ってきた中の一つが朝鮮の王家のものだとゆずは
見抜きます。
店に出さずに値打ちのわかる人のところへ持って行きました。
二百両で売れました。

"花結び"
桂小五郎のために部屋を貸しました。
大事な書状を預かりました。
ゆずは女子衆に道具を飾る花結びを教えていました。
茶壷に書状を入れて花結びをして置いておきました。
茶の湯の家元の若宗匠がやってきてその壷を売らないと
いうのにどうしても持って行くと無理をいいます。
壬生浪の芹沢がもめているところへやってきて
ゆずと若宗匠は花結びの対決をすることになります。

"鶴と亀のゆくえ とびきり屋なれそめ噺"
真之介がゆずの実家のふね屋の番頭だった時の話です。
茶の湯の家元に主人と真之介は呼ばれます。
そこで鶴の掛軸を見せられます。
鶴と対の亀の掛軸があるのだけど若宗匠が持ち出して
人にやってしまいました。
亀の掛軸を探し出して取り戻して欲しいと頼まれます。
真之介とゆずは恋に落ちて夜中に倉で逢引をしています。
なんとしても探し出してその上で結婚を許してもらおうと
します。
努力のすえ探し出してきます。
しかし鶴亀の掛軸は若宗匠とゆずの結婚のためのものと
きかされます。
一年後に店を持ち千両の結納金を持ってくるから待って
いてほしいといって真之介は店を出て行きます。

真之介とゆずは仲良く店をやっています。
店の従業員とも和気あいあいと働いています。
真之介とゆずのなれそめが最後の話ですが一年後には
真之介は約束を守ってゆずを迎えに来たのでしょうね。
軽く読める本です。