山本兼一著"とびきり屋見立て帖 赤絵そうめん"を
読みました。
幕末の京都で道具屋の若夫婦の真之介とゆずの話です。
ゆずの実家も道具屋でそこの奉公人の真之介と駆け落ち
しました。
なんかそのへんの事情がわからないなぁと思って
いましたが、この本はシリーズの3冊目なのでした。
前のものも読んでみたいです。
"赤絵そうめん"
銅屋吉左衛門は何世代にわたって集めた莫大な道具を
持っています。
そのうちの赤絵50品をまとめて売りたいととびきり屋へ
声をかけてきました。
三国屋権太郎は病気の孫娘のため赤絵の鉢を欲しがって
います。
赤絵の鉢でそうめんを食べさせてやりたいということです。
"しょんべん吉左衛門"
談合で安く買おうとしている人々の話にのらず適正
価格で買い取る約束ができましたが吉左衛門が
しぶりだしました。
吉左衛門の心に沿うように宗太郎とゆずは大勢の人に
声をかけせりを開きます。
まとめて一人に売るより高い値段で売れました。
"からこ夢幻"
赤絵を買うつもりで店の品物を全部売って現金に
したため店には何もありません。
仕事ができないので店をお茶室にしつらえて奉公人たちに
お茶の手ほどきをすることにしました。
がらくたに見える物を収集していた人が亡くなりすべて
の品を引き取りことになりました。
"笑う髑髏"
引き取ってきた品物の中にミイラとか髑髏とか
いうものがいっぱいあります。
相撲興行の隣で頼まれて見世物小屋をすることに
なります。
手代たちが楽しんで小屋をやることになりました。
お茶の家元がそれらの品物は自分がもらう事になって
いた品だと全部を買い取っていきました。
"うつろ花"
銅屋吉左衛門から蔵にある品の目録を作って欲しい
と頼まれます。
品物を点検しながら作業をしていると空の入れ物が
あります。
中には借用書が入っています。
お茶の家元の宗春が借りていってます。
真之介は返してもらいにいきます。
宗春はゆずに家にきてお茶を立ててくれるならと
いいます。
ゆずはお茶会の準備をしに宗春のところへ行きます。
"虹の橋"
桂小五郎にお寺の別邸で三条実美をもてなすために
お茶をたててくれるよう頼まれます。
北森さんの冬狐堂シリーズで骨董品を扱う人々の
姿を見ました。
いろいろ細工したり人を陥れたりと、品物をただ
愛するというのとは違う姿が描かれていました。
その点こちらの本はそういう、えげつなさが薄く
構えて読み始めましたが肩の力を抜きました。
ただまったくないというわけではないです。
道具を愛する部分が強いです。
お茶会やお茶の道具がよく出てきます。
お茶を習うっていったい何習うのだろうと知らない
者は思います。
本の中でお茶室の準備をする場面や実際のお茶会の
描写などで、あー、こういうのいいなぁと感じます。
自然の美しさと人工の美しさが混ざり合って幸せな
時なんだろうなと思わせられます。
じゃお茶習ってみるかといわれれば、いえ結構ですと
しり込みします。