年金暮し団塊世代のブログ

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フェルメール雑学(#2) : 透視画法(その1)

2010年07月27日 | フェルメール

フェルメールの透視画法

(1)フェルメールは、消失点と水平線を、特別なキャラクターとムードを構成する為に注意深く位置付けた。
 例えば、「#08/笑う女と役人」では、消失点が2人の人物の中間にあり、2人の関係を示唆している。
 (尚、「#02/マルサとマリアの家のキリスト」は、室内が正しく描かれていないので透視画法による絵ではない。)

(2)消失点

(a)下記の13作品の消失点にピン穴痕がある事が確認されている。 
  (#08) 「笑う女と役人
  (#09) 「牛乳を注ぐ女
  (#10) 「グラスのワイン
  (#14) 「ミュージック・レッスン
  (#16) 「天秤を持つ女

  (#24) 「画家のアトリエ
  (#27) 「天文学者
  (#28) 「地理学者
  (#30) 「ラブレター(恋文)
  (#31) 「メイドを傍らに待たせて手紙を書く婦人

  (#33) 「信仰の寓意
  (#34) 「ヴァージナルの前に立つ婦人
  (#35) 「ヴァージナルの前に座る婦人


(b)フェルメールは全作品を通じて消失点を、描かれている人物の後方か、観賞者とシーンの間にある他のバリアーに置いている。
 例えば、「#05/開けた窓辺で手紙を読む少女」(c.1657)では、消失点は、結局は消された壁にかけたキューピッドの絵の額縁の下側にあり、見る人の視線がキューピツドに行くので、キューピッドの絵を消したのである。


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