年金暮し団塊世代のブログ

男寡になった団塊世代の年金の現実と暮らし向きをブログで。 今や仕事になった鳥撮り(野鳥撮影)の成果もアップします。

フェルメール作品メモ(#02)  マルサとマリアの家のキリスト

2008年01月17日 | フェルメール


Christ in the House of Martha and Mary 「マルサとマリアの家のキリスト」
c.1655, oll on canvas, 160x142 cm
Inscribed lower left, on the bench : IVMeer (IVM in ligature)
National Galleries of Scotland, Edinburgh, UK


キリストはテーブルに座っており、マリアは彼の足元の低い足置きに腰掛け、マルサは手でパンの入つたバスケットを持ってテーブルの後側に立っている。 救世主(=キリスト)にひたむきに注目することで良い模範を示したマリアをキリストが右手で指して、家事にのみ関心を持っているマルサをたしなめている。

伝統(=マルサをキリストとマリアから離して描く)から離れて、フェルメールは絵の中央にマルサを置き、構図の中央にキリストの右手を置くことで、物語のエッセンスを強調している。

カソリツクでは、救いは信仰と良き仕事が一緒になってはじめて得られると解釈されている。 一方プロテスタントでは、救いは神が直接与えるギフトであると解釈されている。 この絵は、カソリツク的解釈を表した絵である。 (フェルメールは結婚前(1653年)にカソリツクに転宗している)

この絵はサイズが大きく、更に薄暗い黄土色の室内といい、フェルメールの他の作品のムードとは全く違っている。 これは、誰かの依頼によって製作された可能性が高い事を示唆している。

「#01/聖プラクセディス」で書いたように、マリアのブラウスに重ね塗りのテクニックが使われている。


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