キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

父の祥月命日

2017年10月07日 | Weblog
4時前に目が覚めた。
昨夜9時には寝ていたから睡眠時間はたっぷり取れてるが、飲み過ぎで疲れた内蔵の疲労はそう簡単に取れるはずもなく快調とはいかない。
今日は父の祥月命日で、弟と墓参をしてから昼には平塚へ出て飲むことになっている。
隠居したお陰で初めて祥月命日に墓参が出来るので、酒が美味いかどうかは分からないが外したくない。
ちなみに弟は一年隠居の先輩で野菜栽に目覚めて、毎日新鮮な野菜にありついて悦にいっている。
子供の頃から植物の扱いに興味がなかったのに、今では多品目の栽培をしているから人間変わるもんだなと思う。
家を出て横浜を転々としたが、秦野にマンションを買い、その後伊勢原に一軒家を買って移り、去年伊勢原駅近くに土地を買って家を建てたので、考えてみると陸の人になったので土地に執着があり野菜栽培なのかもしれない。
海の人のままである私は釣りのほうだが、釣りは収穫するだけだから、育てる必要がなく基本的な考え方が大きく違う。
家も建てなかったし投資や貯蓄をあまり考えない、最近はやらないが博打に親和性があったしね。
海の人が陸の世界で仕事をしたので大変だったなあと思う、それでも貿易を生業としたから、海の要素があり、どうにか続いたのだろう。

8時半に下の息子とジバサンズへ仏花を買いに行く、子供の頃に乗ったバスに久し振りに乗ってお寺まで行こうと思い、そのバスが10時10分なのでゆっくりしていられない、バスは1時間に1本なんだ。
花と茄子、胡瓜、枝豆を買って急いで帰ってきても9時40分だった。
家の花を換え、墓に合うようにトリミングをしてたら10時になってしまい慌てて駅に向かったが、考えてみると駅から二つ目のバス停塩見橋が南に歩いて3分のところにあった。
ともあれ50年振りで懐かしい路線を走った。
何時も車で来ているので遠回りになるバスの路線の公所には来ないのだが、小さい頃にここで飲物やアイスクリームを買ってもらった商店があり、今もデイリーヤマザキのCVSとなって営業していた。
思ったより多くの人がバスを乗り降りしたが、のんびりした路線バスの旅もまた格別だ、それに50年の時間旅行でもあるからね。

墓の掃除をして花を活けて少し待っていたら弟夫婦が来て、美少年大吟醸を九谷焼の猪口で上げ、線香を上げてお詣りをした。

車で平塚へ出て、物心ついたときから平塚にある「川万」で酒を呑み始めた。
鰻屋だが肴もいろいろあり、何しろテーブルが広くてたっぷりとした気分で呑める。
燗酒をたのみ、猪口を3つもらい父の猪口にも酒を注ぎ乾杯し、酢の物、焼鳥、板わさ、胆煮、う巻き、刺身を肴に銚子を10本呑んで、うな丼、胆吸いで〆た。
その間、割と年配のかたが見えて鰻重を食べては出ていった、老舗なのでオールドファンが多いのだろう。
半世紀の時間を直ぐに遡れる場所はそうあるもんじゃない、生きている間はやっていて欲しい店だ。
去年の祥月命日には墓参はしなかったが、夜茅ヶ崎で待ち合わせ、やはり猪口を3つもらい酒を呑んだと弟から言われ、すっかり忘れていたのを思い出した。

オネエサンのところへ行ったら金曜日なのに開いていて、フルーツケーキを買う。
おまけにクッキーをくれた。
相変わらず気っ風がいい。弟を紹介した。

BOの隣のカフェに行きカプチーノを飲む、一緒について来る落花生の殻を床に撒き散らす。
オーナーは公所の人だ。

弟とBO前で別れる、今日はいい供養が出来た。

本を見ていたら弟から、餡パンをオネエサンの所へ寄って買おうとしたらすでに店仕舞いしていた、とメールが来た。
晩年、父は酒より甘いものを好んで、オネエサンの餡パンをいっぺんに2個も喰ったと話したからだが、次回に平塚に来るときにぜひ買って欲しい。

カズオ・イシグロ「夜想曲集」早川書房 2009年、祝ノーベル賞。
妻が読みたいと云っていたので購入した。知人からプレゼントされた文庫本がどこかにあるはずだが、ものごとにはタイミングがあるからね、読みたいときに読まないと。
しかしこれで早川書房はウハウハだろう。版権はすべて早川が持っているのだからね。

佐藤忠男「今村昌平の世界」学陽書房 1980年初版 1997年増補版、最近この人の本を集めている。
今村昌平はよく知らないが本を流し読みしたら幾つか映画の題名を知っていた。ただし観たことはない。
映画には小沢昭一がよく出ている。

吉本隆明「親鸞復興」春秋社 1995年、「最後の親鸞」なほうは持っているような気がする。しかも読んだのかも知れないが内容が理解できなかったので記憶にない。
だが最近、西部邁の親鸞を読んで少しわかるようになった。
そしてざっと流し読みをしてみたが良く頭に入るようになっていた。

以上3冊を買い外へ出ると雨が降りだしていた。
東海道線で帰る。

介護施設から母が帰ってきたので家に入れ、柿を剥いて食べさせた。
ゲッペルズの妻になり、ベルリンの地下壕で5人の子供に青酸カリを飲ませ自殺したヒトラーに夢中だったマクダのドキュメンタリーを観る。
プロパガンダにも使われた家族の死体の写真が痛ましいが、本人何をやっているかわかっていて、家族心中の道を選んだのは人間としての誇りだ。

風呂に入り晩飯の野菜のポタージュスープと枝豆を食べ、2階で少し寝る。
気がついたら9時を回っていたので慌てて下に降り「新日本風土記」対馬を観る。
息子が韓国人に占領されて何れ日本でなくなると危機感を持って話していたが、もともと韓国人=文化の通り道だったところで、影響を強く受けながらやって来たところなんだから、今後も交流と理解を深めて行くのがいいんじゃないの。

10時からNHK総合でドラマを観る。
前回は家庭を省みなかった男が妻から離婚を突きつけられて慌てかたが、今週はようやく自分が置かれた状況に気づいて修復不能だと分かったようだ。
ドラマだから、来週は彼に新しい恋が始まるんだろうね。
先週は身に詰まされるなあと思ったが、長い時間家族を見つめていなかった時間は取り戻せないね。
仕事が評価されるとそれが一番大切なことだと勘違いして、家族への愛情はカネが代償になると思い込んでしまう、そして他の異性からの強い誘惑があるもんなんだ。
私も深く反省しています。
コメント
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