猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ボルベール<帰郷>

2016-04-19 05:23:25 | 日記
2006年のスペイン映画「ボルベール<帰郷>」。
失業中の夫と14歳の娘パウラを養うために、せわしなく働くライムンダ(ペネロペ・
クルス)。明るくたくましい彼女にも、10代の頃、確執のあった母イレーネがその
まま父と一緒に火事で亡くなってしまうという苦い過去があった。ある日、夫が
「本当の父親じゃないから」と言ってパウラに関係を迫り、抵抗したパウラに刺し
殺されてしまう。ライムンダは娘を守りたい一心で、夫の死体の処理に奔走し、
事件の隠蔽を図る。そのさなか、今度は故郷のラ・マンチャに住む伯母の急死
の知らせが。ライムンダの姉ソーレが葬儀へ駆けつけたところ、彼女はそこで
死んだはずの母の姿を見たという町の妙な噂を耳にする。

ペネロペ・クルス主演の人間ドラマ。いかにもヨーロッパ映画らしい映画。ライム
ンダは気性は激しいが明るくたくましい女性。姉のソーレは反対に温厚な性格。
2人は衝突することも多いが、まあうまくやっている。おとなしいタイプのソーレが、
何故こっそりと無許可で美容室をやっているんだろう、とは思うが。夫が失業し、
今まで以上に仕事に励むライムンダだが、ある日娘のパウラが父親に乱暴され
そうになり、パウラは父親を殺してしまう。近所の廃業したレストランの冷凍庫に
夫の死体を隠すライムンダ。そうこうしているうちに今度は愛する伯母が亡くなっ
てしまう。
物語の中のライムンダはいつもせわしなく動き回っている。次々に事件が起き、
息つく暇もない。それでも彼女は希望を失わず、常にやれるだけのことはやる。
これが前向きなラテン系女性の特徴なのだろうか。夫が娘の本当の父親では
ないというのは本当である。娘は知らなかったのだ。見ているだけで感動を覚
える女性たちに比べて、ライムンダの夫も父もクズ男である。この対比が女性
たちの気丈さをいっそう強調している。
ライムンダが母に教わった歌を歌うシーンや、母に「話したいことがたくさんある
の」と言うシーンはとても素敵である。悲しくて切なくてホロリとする、人間賛歌
である。
ペネロペ・クルスは一見スマートに見えるけど、胸がバーン!お尻がバーン!
のラテン系女性なのだと、改めて思った。



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