元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「SHOWER こころの湯」

2011-04-13 06:37:08 | 映画の感想(英数)
 (原題:洗澡)99年作品。北京の下町で銭湯を経営する親子と、そこにやってくる常連客との交流をペーソスたっぷりに描く人情喜劇だ。

 冒頭に出てくる“人体自動洗浄装置”はケッ作。キャスト面ではTV「大地の子」でもお馴染みのチュウ・シュイが実に良い。見ているだけでホノボノとしてくる。まさに“癒やし系”の老年俳優である。

 ただし、後半彼がいなくなると、作劇上の欠点が目立ってくるのも事実。余計なエピソードが多いし、そのどれもが納得できる決着をつけないまま漫然とエンドマークを迎えてしまう。チャン・ヤン監督は「スパイシー・ラブスープ」(97年)のようなオムニバスものならボロを出す前に切り上げられるが、長編映画におけるドラマの交通整理に関してはまだまだのようである。

 それにしても、先日観た「再会の食卓」でもそうだったが、銭湯の閉鎖をはじめとする容赦ない再開発を強行する中国当局は、地域コミュニティなんか屁とも思っていないのだろう。もちろん住民エゴが横溢するのも困るが、こういう有無をも言わせぬ遣り口は、決してホメられるものではない。

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