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「蠅の帝国: 軍医たちの黙示録」感想

2016年12月09日 09時09分36秒 | 乱読本感想
「蠅の帝国: 軍医たちの黙示録」
帚木 蓬生
新潮社 2013年12月24日

2014年10月01日 16:26
★4
帚木さんの久しぶりの長編だ!と喜んで買ってきたが、違った。
短編集だった。

これは読んでいくのがきつかった。

帚木さんの戦争作品は全部読んできた。
読むのをキツイと思ったことは一度も無かったけれど、それは長編でこの先がどうなっていくのかと興味があったので読めたのだろう。
また、どこかにこれはフィクションだとの思いがあったのだろう。

本書は医師として戦争に行った人の話で短編集。
フィクションだ。
ところが大勢の医師のそれぞれの体験が語られると、それも短く語られると、フィクションの部分が見えてこない。
もちろん、これは実際に体験した医師たち、大勢の話がもとになっているのだが、「事実」しか見えてこないのだ。
「事実」を、それも救いようのない現実を語られると本当にキツイ。

読むのは苦行のようだった。
でも、これは読むべき、知るべき「事実」なのだと、耐えて読んだ。

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