『それでも恋するバルセロナ』を渋谷のル・シネマで見ました。
予告編からするとたわいのない映画ではと躊躇したものの、ウッディ・アレン監督の作品は出来るだけ逃さないようにしているので、今回も出かけてきました。
実際のところは、現地の画家(ハビエル・バルテム)が、「うまいものを食い、おいしいワインを飲んで、それからセックスを」などとイトモあっけらかんにアメリカから来た二人の女性(スカーレット・ヨハンセン、レベッカ・ホール)を誘う辺りから、この映画はチョット変わっているなと思えてきて、前半は全然姿が見えなかった画家の元妻(ペネロペ・クルス)が、登場するやいなやすさまじい演技をしだすと、これはコメディー・タッチのファンタジーではと理解でき(舞台をいつものNYからスペインに移して、ファンタジー性を強めたのでしょう)、総じて随分とリラックスして楽しめました。
まあ、「情熱」と「観光」の国スペインというごく定型的に設定された舞台で演じられる美女3人を巡るおちゃらけたお話、といった映画といえるでしょう。
ですから、この映画について、「人を愛し、人を傷つけ、そして求めていたものと違う結果に自分もまた傷つく。そんな恋愛遍歴を重ねる女たちを通じて、男と女、女と女、さらに結婚とは何かを問う」などと言われると(福本次郎氏)、それほどのご大層な映画なのかしらと思えてきます。
そうした観点から見れば、福本氏の言うように、「そこには共感できる要素は何もな」いかもしれません。ですが、まずはこの映画の会話に笑ってしまうことが必要なのではないのかと思いました(とはいえ、こちらは、会話の細部が分からないために十分には笑えませんでしたが!)。それを踏まえた上で、ガウディの教会(サグラダ・ファミリア)とかグエル公園などといったバルセロナの風景を楽しめば良いのでしょう!
ですが、そんなことよりなにより、この映画はとにかく音楽なのです!!
なんといっても、スパニッシュ・ギターの調べが全篇に流れているのですから! 映画評の中には、「全編フラメンコ・ギターの音色が情熱的に躍る」などと言っているものもありますが、BGMのうち3曲ほどはクラシックギターの曲なのです。
とりわけ、重要なシーンに流れるアルベニスの「グラナダ」は、ワーグナーのライトモチーフの役割を果たしているような感じです(映画で流れる演奏は、フラメンコ奏者によるものか、やや荒っぽく、もう少し繊細な感じを出すべきではないのかと思いましたが。と言っても、この曲は難曲で、とても手が出ません)。
また、時折「聖母の御子」が流れます。この曲は一般にカタロニア民謡とされていますが、リョベートがギター曲にしたもので、以前私も練習したことのある名曲です(左手の押さえにくいところがあって、私にとってうまく演奏するのはなかなか難しい曲です)。
これらの曲が流れる上に、美人女優が何人も画面に登場するのですから、私にとってこの映画は堪えられず、とにかく◎といえます!
予告編からするとたわいのない映画ではと躊躇したものの、ウッディ・アレン監督の作品は出来るだけ逃さないようにしているので、今回も出かけてきました。
実際のところは、現地の画家(ハビエル・バルテム)が、「うまいものを食い、おいしいワインを飲んで、それからセックスを」などとイトモあっけらかんにアメリカから来た二人の女性(スカーレット・ヨハンセン、レベッカ・ホール)を誘う辺りから、この映画はチョット変わっているなと思えてきて、前半は全然姿が見えなかった画家の元妻(ペネロペ・クルス)が、登場するやいなやすさまじい演技をしだすと、これはコメディー・タッチのファンタジーではと理解でき(舞台をいつものNYからスペインに移して、ファンタジー性を強めたのでしょう)、総じて随分とリラックスして楽しめました。
まあ、「情熱」と「観光」の国スペインというごく定型的に設定された舞台で演じられる美女3人を巡るおちゃらけたお話、といった映画といえるでしょう。
ですから、この映画について、「人を愛し、人を傷つけ、そして求めていたものと違う結果に自分もまた傷つく。そんな恋愛遍歴を重ねる女たちを通じて、男と女、女と女、さらに結婚とは何かを問う」などと言われると(福本次郎氏)、それほどのご大層な映画なのかしらと思えてきます。
そうした観点から見れば、福本氏の言うように、「そこには共感できる要素は何もな」いかもしれません。ですが、まずはこの映画の会話に笑ってしまうことが必要なのではないのかと思いました(とはいえ、こちらは、会話の細部が分からないために十分には笑えませんでしたが!)。それを踏まえた上で、ガウディの教会(サグラダ・ファミリア)とかグエル公園などといったバルセロナの風景を楽しめば良いのでしょう!
ですが、そんなことよりなにより、この映画はとにかく音楽なのです!!
なんといっても、スパニッシュ・ギターの調べが全篇に流れているのですから! 映画評の中には、「全編フラメンコ・ギターの音色が情熱的に躍る」などと言っているものもありますが、BGMのうち3曲ほどはクラシックギターの曲なのです。
とりわけ、重要なシーンに流れるアルベニスの「グラナダ」は、ワーグナーのライトモチーフの役割を果たしているような感じです(映画で流れる演奏は、フラメンコ奏者によるものか、やや荒っぽく、もう少し繊細な感じを出すべきではないのかと思いましたが。と言っても、この曲は難曲で、とても手が出ません)。
また、時折「聖母の御子」が流れます。この曲は一般にカタロニア民謡とされていますが、リョベートがギター曲にしたもので、以前私も練習したことのある名曲です(左手の押さえにくいところがあって、私にとってうまく演奏するのはなかなか難しい曲です)。
これらの曲が流れる上に、美人女優が何人も画面に登場するのですから、私にとってこの映画は堪えられず、とにかく◎といえます!
それにしても、ペネロペ・クルスの荒れっぷりもなかなかでした。はじめて彼女の魅力も感じたところです。
30年ほど前に、マドリッドから出発してスペイン南部のセヴリアとかカディスなどを旅行しましたが、この映画のような街だと前もって分かっていれば、何はさておいてもバルセロナに出向いたでしょうに!