[もともとがデトロイトの衰退と崩壊はアメリカ自動車産業の技術の欠陥が基本となっている。ラフード運輸長官はトヨタ自動車のアクセルペダルやエンジン制御システムの欠陥など細かい点まで厳しく追及し、政治的に国民にトヨタに乗るのはやめるべきだと乱暴に述べている。しかしながら、一方アメリカの自動車はトヨタの細かい技術上の欠陥どころでなく、基本的に重大な問題を抱えている。
二年ほど前、日本企業の私の友人が運転中、ワシントンの坂の途中で突然車が止まってしまい、すべての動力が利かなくなってしまったことがあった。・・・・・・調べた結果なんとエンジンが二つに割れてしまっていたという。・・・・・・ディーラーが政府にそのことを報告した気配もなく、アメリカ政府もまったく対策をとっていない。・・・・・・各方面に訴え続けたが、アメリカ政府はまったく動かなかった。]
これは恐ろしいことである。日本では考えられないことである。アメリカは車社会である。車通勤が当たり前である。したがって通勤途中で車が故障してしまってはたいへんである。そんなことで朝の会議に遅れてしまえば、首になりかねないのだと言う。そのためにも、故障しないトヨタの車を使うのだと言う。だからラフードがなんと言おうが、トヨタの車は安全でトヨタ叩きなどは起きないと、日高氏の政府関係の友人は断言していたと言う。そしてそのためにも最近路線が延び始めた地下鉄などを使う若い人も多くなっているとも言う。だからトヨタも新幹線もアメリカでは、まだまだ伸びる余地が大きいのである。当ブログの2010.4.22のNO.16で紹介したように今年の3月のトヨタの売り上げが4割も伸びたことにも、そのような訳があったのである。
アメリカは最初からトヨタやレクサスの電子制御システムを槍玉に挙げていた。公聴会でも散々悪態をついた挙句に、更に電子制御システムに関して追加データの提出を命じている。3/18,NO.3のブログを参照願いたいが、ラフード運輸長官は、はなから、レクサスの電子制御システムを疑っていた。そのためメキシコ湾の原油流出事故をも放ったらかして、トヨタの電子制御システムの謎解きの為にNASAまで動員したのだった(4/20,NO.14参照のこと)。しかしその後調査が進んでいるやに思うのだが、何の音沙汰もなかった。それはあのNASAをしても、トヨタやレクサスの電子制御システムに何の問題も発見することが出来なかったと言うことではないかな。
案の定、なんの問題も発見していなかった。つまるところ、なんの問題も無い、ということなのである。そのためラフード運輸長官は、あれほど息巻いていたために、「なにも問題は無い」と言う事を発表出来ずにいたのだった。と言うよりも彼は、「公表せずに行こう」と決め込んだのである。しかし米国人の中には、腹黒いラフードとは違い、立派な人物も居るものである。暴走したと言うトヨタ車などは、すべてがブレーキではなくアクセルが踏み込まれていたと言う記録が残されていたのであり、それを実名で告発してくれた人物がいたのである。
p113トヨタに有利な情報隠蔽?米当局元幹部が告発 リコール
2010年7月31日13時28分
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルが30日、米運輸省がトヨタに有利な情報を意図的に隠し、公表していなかったと報じた。元幹部の実名による告発で、当局の対応に批判が集まる可能性が出てきた。
【ニューヨーク=山川一基】米国でのトヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題を巡り、 同省の高速道路交通安全局(NHTSA)でリコール担当のチーフを務め、今月初めにやめたジョージ・パーソン氏が証言した。「急加速して事故に至った」との訴えがあった複数のトヨタ車について同局が調査した結果、いずれも運転ミスによる可能性が高いとのデータが集まったという。パーソン氏は「幹部らがデータを公表しないよう決定した」と証言。その幹部の一人としてレイ・ラフッド運輸長官の名前を挙げた。
パーソン氏によると、急加速があったとされる23台の記録装置を解析したところ、すべてが事故時にブレーキが作動していなかった。一方で、アクセルを調節する電子制御スロットルは全開だったため、運転手がブレーキを踏もうとして過ってアクセルを踏み込んだ可能性が示された、と指摘した。
パーソン氏は「データを公表すると、NHTSAはトヨタに近すぎると批判されることを恐れた。トヨタへの(世間の)怒りは非常に大きく、非常に政治的な問題になっていた」との見方を示した。
http://www.asahi.com/business/update/0731/TKY201007310180.html
(続く)
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