玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*九州への旅④

2024年05月09日 | 捨て猫の独り言

 最終日は大分県と福岡県。バスは別府市内にある甲子園常連校の明豊高校の横を湯布院に向かう。バスは山頂が二つに割れた特徴ある姿の由布岳をぐりるりと回るから、その裏と表を見ることができた。湯布院には先進的な街づくりの伝統が受け継がれているようだ。その例として毎年8月下旬の湯布院映画祭があげられる。「映画館のない町での映画祭」として知られている。湯布院を代表する観光スポットの金鱗湖まで歩いた。

  

 大分県の最も西にある日田市で、観光列車「ゆふいんの森」乗車のため、ひとまずバスを降りる。発車の13時まで駅周辺で待機することになった。日田駅から久留米駅までの、46分の乗車体験という趣向だ。特急は博多と湯布院の間を2時間20分かけて走る。ちなみに筑後川は阿蘇山を水源とし、東から西に、熊本(小国)、大分(日田)、福岡(久留米)、佐賀の4県を流れ有明海に注いでいる。

  

 つぎの柳川は江戸時代の城の掘割が市内を縦横に走り、有明海につながっていることから「水郷柳川」と呼ばれる。ハゼ類のドンコに姿が似ている「どんこ船」で巡る「川下り」は柳川の一番のおもてなしだろう。2016年の1月場所で、日本人力士として10年ぶりに優勝した大関琴奨菊の地元での優勝パレードは、15隻のどんこ船でのお掘り巡りだったという。川下りのグループと別れて私たちは北原白秋の生家を訪ねた。北原白秋は酒造業北原家の長男として生まれ、上京するまでの19年間を柳川で過ごした。母屋が復元されデスマスクが展示されていた。裏の敷地には生誕百周年記念事業として白秋記念館が建てられていた。振り出しの佐賀空港に戻り、18:55発で帰宅の途に着く。

 ベテランのガイドさんの話には味がある。有明海の鹿島市あたりは干満の差が6mと最も大きく、それを利用して海苔の養殖が盛んなのだという。また修学旅行の中高生相手の話もしてくれた。島原半島の口之津のイルカウオッチングで、「ショーは何時に始まるの?」との質問あり。待機のあとイルカに遭遇すると「チョー可愛い!生イルカだ~!!」川下りの冬の「こたつ船」では七輪を説明せねばならず、そのときには「グーグル先生に聞いて」とスマホに託すのだそうだ。旅の4日間は、黄砂に見舞われたものの連日いい天気に恵まれた。

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