ソョョ
ゥゥゥゥ ・・・・・
タ タ
「どこ?」
高齢の人間が、走ってくる・・・
ブロロロ
車はまだ低く鳴いてる。
スーパーから持ってきた荷物や、ノロマさんたちを荷台に乗せているのだ。
「あっちに・・・」
先に自転車で孤児院に戻っていた男が、その車の方に腕を向けた。
タ タ
それに促されて、また走っていく。
耳に赤い飾りを付けたレッドさん。
ゴソ
リュックを地面に置いた男が、フタを開けてくれたので外に出る。
「・・・」
白い羽がひとつあったので、外に出しておく。
ピョ
ト
荷台の枠が開いて、木箱を階段にしてエレガントさんが下りて来た。
コ コ
ニワトリを抱えてる。
「ああ・・・!」
走ってきた人が、そこに駆けて行く。
地面に足を付けたエレガントさんが、ゆっくりニワトリを土の上に放した。
「無事だったのね♪」
「コケ♪」
どうやら、レッドさんはあのニワトリの飼い主らしい。
カタ
ノロマさんたちも降りてくる。
スーパーで自転車を見つけた男は、みかんゼリーを持ってコッソリみんなから離れたのだ。
町をウロウロした後、スーパーに戻る前にこっそりゼリーを食べることになった。
僕も一口分けてもらった。
そこに、あのニワトリが寄ってきたのだ。
しばらく様子を見ていた男が、僕をリュックから出してニワトリを入れた。
そしてスーパーでエレガントさんたちに渡したのである。
「あら、まるまるしたニワトリね」
「ふふふ♪無事だったのよ」
「マロックさんが見つけたの」
「あの雨で流されたとばかり思っていたわ」
レッドさんが撫でて、ニワトリは喜んでいる様。
側に来たコニが、一緒にしゃがんで撫でた。
「食べるつもりだったの?」
!
コ コ
レッドさんが口を開けてる。
「この子は家族よ・・・!」
「ふぅん」
ト ト
ニワトリが歩いてく。
「遠くに行かないでね」
「コケ」
「うふふ♪」
コニが去るニワトリを見てる。
「ニャ~」
たべたらだめだよ。
僕は注意する。
「?」
僕の頭を撫でた。
ウィィィン
フォーク付きのカートが来る。
大きなプレートをフォークに乗せていて、あれに運んできた荷物を載せるのである。
1回でたくさん倉庫に運べる。
「しばらく俺が見ているから、大丈夫ですよ」
「そう?」
ト
男がニワトリを追う。
「中に戻りましょう」
「ええ」
♪
――― ♪
コニやノロマさんたちが、レッドさんと一緒に去った。
ト
僕は・・・男を追う。
からあげにしないか心配である。
「ピョ♪」
小鳥がニワトリの背中に乗ってる。
「コケ」
ト
移動速度は速くない。
のんびり散歩する様・・・・
タ
ザヮヮヮ ――――
コ コ
ソョョ