白い羽

2020年09月28日 04時37分41秒 | 黒猫のひとりごと

       ソョョ

                            ゥゥゥゥ  ・・・・・

          タ    タ

「どこ?」

高齢の人間が、走ってくる・・・

                  ブロロロ

車はまだ低く鳴いてる。

スーパーから持ってきた荷物や、ノロマさんたちを荷台に乗せているのだ。

「あっちに・・・」

先に自転車で孤児院に戻っていた男が、その車の方に腕を向けた。

       タ    タ

それに促されて、また走っていく。

耳に赤い飾りを付けたレッドさん。

               ゴソ

リュックを地面に置いた男が、フタを開けてくれたので外に出る。

「・・・」

白い羽がひとつあったので、外に出しておく。

                ピョ

       

荷台の枠が開いて、木箱を階段にしてエレガントさんが下りて来た。

        コ コ

ニワトリを抱えてる。

「ああ・・・!」

走ってきた人が、そこに駆けて行く。

地面に足を付けたエレガントさんが、ゆっくりニワトリを土の上に放した。

「無事だったのね♪」

「コケ♪」

どうやら、レッドさんはあのニワトリの飼い主らしい。

            カタ

ノロマさんたちも降りてくる。

スーパーで自転車を見つけた男は、みかんゼリーを持ってコッソリみんなから離れたのだ。

町をウロウロした後、スーパーに戻る前にこっそりゼリーを食べることになった。

僕も一口分けてもらった。

そこに、あのニワトリが寄ってきたのだ。

しばらく様子を見ていた男が、僕をリュックから出してニワトリを入れた。

そしてスーパーでエレガントさんたちに渡したのである。

「あら、まるまるしたニワトリね」

「ふふふ♪無事だったのよ」

「マロックさんが見つけたの」

「あの雨で流されたとばかり思っていたわ」

レッドさんが撫でて、ニワトリは喜んでいる様。

側に来たコニが、一緒にしゃがんで撫でた。

「食べるつもりだったの?」

         

             コ コ

レッドさんが口を開けてる。

「この子は家族よ・・・!」

「ふぅん」

         ト  ト

ニワトリが歩いてく。

「遠くに行かないでね」

「コケ」

「うふふ♪」

コニが去るニワトリを見てる。

「ニャ~」

たべたらだめだよ。

僕は注意する。

「?」

僕の頭を撫でた。

          ウィィィン

フォーク付きのカートが来る。

大きなプレートをフォークに乗せていて、あれに運んできた荷物を載せるのである。

1回でたくさん倉庫に運べる。

「しばらく俺が見ているから、大丈夫ですよ」

「そう?」

            

男がニワトリを追う。

「中に戻りましょう」

「ええ」

          

                ―――  

コニやノロマさんたちが、レッドさんと一緒に去った。

       

僕は・・・男を追う。

からあげにしないか心配である。

「ピョ♪」

小鳥がニワトリの背中に乗ってる。

「コケ」

       

移動速度は速くない。

のんびり散歩する様・・・・

         

                              ザヮヮヮ  ――――

            コ コ

   ソョョ


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