草に囲まれる

2008年08月27日 15時10分59秒 | マーロックの日記

サヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・    ヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・         サヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の周りの草は、2メートルは超えている。

イネ科の草である。

でも、私が立っている場所の草は、焼けてなくなっている。

ヘリコプターが墜落し、爆発した場所だからだ。

しかし、雨季が終わったばかりで草も大地も水を十分に含んでいる。

その後激しい雨が降ったこともあり、それほど広くは焼けてない。

そして、機体はバラバラになっている。

かなりの部分が深い草の中に飛び散っていて、これでは空から見ても分からないかもしれない。

サヮサヮサヮサヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・    ヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・

私は、ぽっかり開けた空を、見上げる。

朝の霧は晴れて、青空がよく見える。

おや・・・鳥。

・・・・・・・・・そういえば、望遠鏡はなかった。

ヘリコプターから脱出する際、置いてきたものだ。

ダン     ダン     ・・・・・・・

半分草に隠れるようにして、一番大きな残骸がある。

コックピットの部分のよう。

その上で、モランが跳ねている。

ダン     ダン     ・・・・・・・

あれは、遊んでいるのだろうか・・・・

森に入る前に、少し寄り道をしてもらった。

でも、そろそろ出発しないと、日没までに森を出られないかもしれない。

「もう行こう・・・」

草の無い地面で、やはり跳ねていたイオニが、うなずいた。

ひと休憩で水を飲んでいたので、皆がそれを斧さんのカバンに戻す。

私のは、自分のカバンに入れる。

650ミリリットル入る、薄っすら緑がかったナルゲンボトルである。

ナルゲンは、研究者が実験で使うような頑丈なプラスチックで、中身がもれる心配が無い。

水だけでなく、その他の食品などを入れておくのにも最適である。

ガサガサ・・・・・・・      ガサガサ・・・・・・・・・・・・・・・・・

歩き出す・・・・

草を掻き分けながら・・・・

ブルゾンを着ているので、腕を切ったりすることは無い。

でも、少し暑いな・・・

そうかと思うと、急に寒くなったりもする。

モランがつけている赤いマントは、寒いと体に巻きつけて、暑いと風に翻している。

かなり便利だ。

赤いチェック柄。

彼らのマントはチェック柄が多いのだが、これは、最初に伝道師が赤いタータン柄の毛布を配ったためだという。

その時期は、少なくとも2世紀はさかのぼるらしい。

ガサガサ・・・・・・・・      ガサガサ・・・・・・・・・

モランは、腕に、白に模様の入った腕輪を着けている。

上腕のひじに近い場所にも、わっかを着けてる。

首にはカラフルなひもを着けていて、肩にかけて斜めにも、同様のものをかけている。

髪は・・・・言い方を良く知らないのだが、女の子のように何束にも細長く結った髪を、グルグル頭に巻いてる。

・・・・・いや、何束か垂れている。

とにかく、髪にしてもアクセサリーにしても、おしゃれである。

彼ら遊牧民全体にいえることだが、特に若い戦士は気を使っているようだ。

スポッ

ああ!

モランが、槍の先っぽを取った。

そして、片手に刃の付いた先っぽ、もう片方に残りの棒と盾を器用に持って、草を払っている。

ガサガサ・・・・・・・・・          ガサガサササ・・・・・・・・・・・・

外せるのか・・・・

そりゃそうだな・・・・

イオニは、先っぽが大きくて丸い杖で、草をどけている。

高い草と草の間から、森が見えてきた。

もうすぐだ・・・

ガササ・・・   ガササ・・・    ガサガササ・・・・・           ・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・          サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


滑り台

2008年08月27日 13時16分33秒 | 黒猫のひとりごと

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・                   ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・        サヮヮヮ・・・・・・      サヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・

「ミャ~~ゥ」

・・・・・スレンダーネコが、僕を急かす。

でも、僕は動かない。

ガサガサ・・・・・      ガサガサ・・・・・

キリンが、葉っぱを食べている。

僕は、その背中に乗っているのだ。

ユラ――

ニャ

首をおろした。

チャンスである!

トトトトトト・・・・・

僕は、キリンの頭に移動する。

「・・・・・」

すると、頭を高く上げた・・・

「ニャー」

成功である。

僕はキリンの頭に乗っかって、辺りを見下ろす。

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・            ・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・          ヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

草が、風でゆらゆら揺れてる。

心地よい風。

キリンは、こんないい眺めを自分だけ楽しんでいるのだ。

ずるい・・・

でも、木に登れば、僕はもっと高い場所から見ることが出来るのだ。

僕の勝ちである。

ユラユラ・・・・

ニャ

キリンが、頭を揺らして僕を落とそうとする・・・

「ニャー」

そうは行かないのだ!

僕は、キリンの角にしがみつく。

すると、耳を動かした。

「モォォォォォ・・・・」

ニャ

キリンが鳴いた・・・

ふふふん。

バシッ

キリンの頭を叩く。

そして、僕はシッポをくねくね動かす。

ミャ~~ゥ・・・・

下の方から、スレンダーネコの声がする。

・・・急かしているのだ。

しょうがない。

僕は、キリンの首を滑って降りることにする。

スルルルルル・・・・           ・・・・・・・・・・・・ストン

「ニャー」

たのしい。

「ニャー」

じゃあね、キリン。

「・・・ボォォ」

ガサ――

草原に、下りる。

「ニャー」

お待たせしたのだ、スレンダーネコ。

「ミャ~ゥ」

ガサガサ・・・・・・    ガサガササササササササ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

スレンダーネコと、歩き出す。

ニャ

そういえば、キリンの首の上から男達を捜せばよかった・・・

しまったのだ・・・

・・・まあいいのである。

その気になれば、木に登ればすむことなのだ。

ガサガサガサガサ・・・・・・・・・・・・              ガサササササササ・・・・・・・・

サヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・      サヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


水の林

2008年08月25日 14時50分53秒 | 黒猫のひとりごと

サヮサヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・        サヮサヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

湖に着いた・・・

もう霧も晴れて、見晴らしがいいのだ。

ペロペロ・・・・・

スレンダーネコが、水を飲み始めた。

「・・・・ミャ~ゥ」

・・・・僕を、水のみ場まで案内してくれたのだ。

ザヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

周りには、木が沢山。

ペロペロ・・・・・・・

僕も、水をいただく・・・

・・・・おいしい。

ポ~~・・・・  ポ~~・・・・   カタタタタタタタタ・・・・・・・・・・・・・

いろんな動物がいる・・・

みんな、ここで水を飲んでいるのだ。

「ニャー」

今日の朝、斧さんを見なかった?

「ミャ~ゥ」

・・・    ダンッ――――

ニャ

                        ――――スタン・・・

スレンダーネコが、跳んだ・・・・・・

ものすごいジャンプだったのだ。

高く、高く跳ね上がった・・・・・

・・・・・普通のジャンプでは、負けてしまうのだ。

「ニャー」

僕は、大きく身を沈めて、跳ねる――――

      ―――          タンッ   ・・・・・・・・・・・・

「・・・・ミャ~ゥ」

スレンダーネコが、感心している。

ふふん。

スレンダーネコよりは低かったけど、体の小さな僕が、思ったよりも高く跳んだからである。

次は、もっと高く跳ぶのだ。

「ニャー」

ネコジャンプ!

ッ――              ――――クル              ――――ストン・・・

「ミャーーゥ・・・」

今度は、スレンダーネコと同じくらいの高さまで跳んだのだ。

「ニャー」

おや。

スレンダーネコが、歩き出した。

遊びはここまでで、どこかに案内してくれるよう。

男の所かな・・・

僕は、付いていく。

スレンダーネコは、いいやつである。

ザヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・          ヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・                   ボォォォォォォォ・・・・・・・・・・・


迷子のネコ

2008年08月25日 14時20分15秒 | 黒猫のひとりごと

ガサガサガサガサ・・・・・・・・・・・・・・            ガサガサガサガサ・・・・・・・・・・

草を掻き分けて、進む。

「ニャー」

草が長すぎるのだ!

前が見えない。

これでは、迷子になってしまうのだ。

耳を澄ましても、いろんな音が聞こえるだけ。

男達の足音は、わからない。

ニャー

嫌になっちゃうのだ・・・

バシバシ・・・・・

草に、八つ当たりのネコパンチをお見舞いする。

しかし、草は元気。

・・・・僕は、がっかりしてしまうのだ。

ザヮザヮザヮザヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕は草に埋もれて、どっちを向いているのかもわからない。

困ったのである。

「ニャー」

鳴いてみる。

ガサ・・・

ニャ

近くの草が、動いた・・・

風じゃないのだ。

何かいる・・・

怖い動物だったら、ショックなのだ。

僕はジッとして、息をひそめる。

ザヮザヮザヮザヮ・・・・・・・・・・・・・・         ザヮザヮザヮザヮ・・・・・・・・・・・・・・

「ミャ~~ゥ」

ニャ

ネコ・・・

「・・・・・ニャー」

返事してみる・・・

ガサ・・・   ガササ・・・・・・・

・・・・大きいネコ。

昨日、村に向かう途中で見かけたネコである。

僕より、大きい。

薄い茶色に、黒い斑点。

そして、スレンダーなネコなのだ。

「ミャ~ゥ」

「ニャー」

ガサガサ・・・・・・

おや。

動き出した。

・・・・そして、僕の方を見ている。

どっかに、案内してくれるのだ。

「ニャー」

親切なネコ。

ガサガサガサ・・・・・・・・・・      ガサガサガサ・・・・・・・・・・・・・・・

スレンダーネコの後ろに、付いてく。

ガサガサガサガサ・・・・・・・・・・・・・・・・・         ザヮザヮザヮザヮ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・       ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


追跡するネコ

2008年08月24日 15時25分19秒 | 黒猫のひとりごと

「メーー」

「ニャー」

子ウシと、朝の挨拶をする。

そうだ・・・

男と斧さんが、どこに行ったか聞いてみるのだ。

「ニャー」

「メーー」

・・・・・・子ウシは、鳴くだけ。

朝から、男達がいない。

カバンが無いのだ。

男のも、斧さんのも。

僕をおいて、どっかに行ってしまった。

「ニャー」

ひどい・・・

また僕だけ、おいてけぼり。

「ひまそうだな・・・・」

おや。

バスさん。

歩きづらそうなのに、あちこち動き回っている。

そして、右足を伸ばしたまま座った。

なんだか、さっぱりしてる・・・

ひげがないのだ。

「ニャー」

・・・僕のひげは、とらないでね。

僕は、バスさんの右足に乗っかる。

霧が流れて、空が光っている。

「ニャー」

お日様に、こんにちは。

ニャ

バスさんが、僕の顔を手でさわる。

バシバシバシ・・・

連続ネコパンチで、どける。

すると、シッポをつかんだ!

「ニャー」

子供じゃないのに、大人気ないのだ!

僕が嫌がると、勝ち誇ったように笑うバスさん。

僕はバスさんの足の上で、後ろ足で立ち上がる。

両前足を掲げて、抗議するのだ。

「ニャー」

やめて。

・・・・すると、放してくれた。

「メーー」

一部始終を見ていた子ウシが、鳴いた。

子ウシの向こうには、作りかけのレンガの家。

この村の中で、一番高いのだ。

作りかけなのに。

ピョン――

僕はバスさんの足から飛び降りて、レンガの上に移動することにした。

「メーー」

      ・・・・・・・スタッ――

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・・・・

風が、心地よい。

見晴らしがいいのだ。

村も見下ろせるし、草原も良く見える。

遠くに見える森。

背の高い木が、風で動いてるのがわかるのだ。

・・・・・・男達は、きっとあの森に向かったのだ。

ホワイトさんが帰ってこないから・・・

ダッ                    ――――スタン

「メーー」

じゃあね、子ウシ。

また、帰ってきたら遊んであげるのだ。

タン   タン    タン    タン    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕も、森に行くことにした・・・・・

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・       ゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・


太陽の光

2008年08月24日 07時27分31秒 | マーロックの日記

パォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゾウの鳴き声・・・・

大きいな・・・

村から南西にある、湖に着いた。

きれいな水を湛えていて、広い。

私の目の前で、ゾウが水を飲んでいる。

大きいのが5頭に、小さいのが2頭。

家族だろうか・・・

ゾウはとても賢い。

湖を挟んで100メートルほど向こうに、ライオンがいる。

ライオンも、みんなで水を飲んでいる。

ちらちら、こっちを見ている。

「行きましょう・・・」

イオニに、急かされた。

さすがのライオンも、ゾウは襲わない。

よほど飢えている時には、群がって襲うこともある。

でも、基本的にゾウの方が強い。

普段はおとなしいが、本気を出したゾウはものすごい速さと驚異的な力を出す。

小ゾウは、大きなゾウが囲んで守っている。

かつては、マストドンやマンモスなどいろんな種類のゾウが、ほとんどの大陸で暮らしていた。

しかし今は、2属を残すのみとなった。

人間が、ほとんど食べてしまったのだ。

人間ではないが、近縁のチンパンジーも、狙った獲物の8割を仕留める。

チンパンジーは、果物が大好きだけど。

ちなみにライオンの狩りは、5~10%の成功率である。

サラサラララララララ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・・・・・・

水の音・・・

湖の周りは、低木林。

草が短くて、とても歩きやすい。

・・・キリンやシマウマがいる。

カバはいないかな・・・

カバは、長い間ブタの近縁だと思われていた。

しかし近年の研究により、遺伝子は、カバとクジラがもっとも近縁であることを示している。

このことは、分子生物学がもたらした数々の驚きの中でも、とりわけ大きなものの一つである。

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・

霧が晴れてきたようだ。

東の空・・・・進行方向の逆の空を見ると、雲の切れ間から太陽が覗いている。

・・・明るい。

太陽の力は、やはり強いのだと改めて思う・・・・

太陽エネルギーを使って、光合成生物が生産するものを純1次生産という。

純1次生産が、あらゆる生態系を支えている。

我々の科学技術も、還元すれば、純1次生産によって機能している。

人類の水使用量の増加や砂漠化によって、緑が失われている。

しかし気候温暖化によって、植物の活動期間が延長する。

さらに、二酸化炭素の増加による肥料効果と、大気からの降下窒素化合物の肥料効果が起きる。

それにより、今から1世紀後の時点では、純1次生産は今より増えると思われる。

ザヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、人類が環境問題を乗り越えて、更なる文明の飛躍を目指すのなら、技術革新しかない。

それは太陽の力を利用するための、技術である。

大きく3段階に分けると、太陽光発電が第1段階。

すでにこの技術は完成しており、半透明のものや折り曲げれるものなど、更に発展している。

やがて、服やカバン、カーテンなどあらゆるもので、発電が可能になるだろう。

その気になれば・・・だけど。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・・・・・

草原を見ると、霧が晴れて輝いている。

・・・・・・・・・今まで霧で見えなかったが、すごい動物。

バッファローやシマウマ、キリンなど、いろんな動物が見える。

あれは、インパラかな・・・・

ものすごい数。

・・・霧が徐々に晴れていく。

森だ・・・・

サヮヮヮ・・・・・     サヮヮヮ・・・・・     サヮヮヮ・・・・・     サヮヮヮ・・・・・

また、草原を歩く。

・・・ここからは、草が高くなっていく。

サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・

・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・      ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


霧の草原

2008年08月24日 05時44分18秒 | 黒猫のひとりごと

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・          ヒュゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・

風が吹いて、霧が流されていく・・・

ここは、レンガの家の屋根の上。

ひんやりして、寝心地が良かったのだ。

「ニャー」

時々、霧の間から森が見えるのだ。

朝、太陽は僕の後ろ。

お日様が沈む方の森である。

空から降りてくる時、ホワイトさんがあっちに行った。

まだ、帰ってこない。

・・・・・・ニャ

もしかして、あの森にはごちそうがあるのでは・・・

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・

朝からすごい霧で、お日様が昇っているのに薄っすら暗い。

ここから村の周りを見ても、草原が出てきたり隠れたり。

そして、男と斧さんがいないのだ。

・・・きっと、朝の散歩に違いない。

・・・・・・パシ    ・・・・・・パシ

シッポで、レンガを叩く。

僕も一緒に連れて行けばいいのに。

「ニャー」

帰ってきたら、斧さんにネコパンチをお見舞いするのだ。

「おい・・・・降りて来いよ・・・」

下から、バスさんが話しかけてくる。

――――スタン   ・・・・・・・・・

お水と、パイナップル。

「ニャー」

朝ごはんである。

・・・・・ニャ   ・・・・・・

バスさんが、前屈みで僕を見ている。

「・・・・お~し・・おしおし・・・・」

なにやら、妙な動きで僕の関心を誘っている様子。

・・・・めんどくさいので、無視する。

ペロペロ・・・・・・・・

おいしいお水。

パイナップルも、いただくのだ。

パク・・・・・

モグモグ・・・・・                  ・・・・・・・ゴクリッ

「ニャー」

おいしい。

朝から新鮮なパイナップルを食べられて、僕は幸せである。

サササッ・・・・・・・

・・・・・・・・さっきから、バスさんが僕の周りでウロチョロしている。

「ニャ~」

僕は右前足を頬に当てて、愛想鳴きをする。

「・・・・ははは、おいしいか・・・・」

すると、喜んだ。

あとはほっといて、ウシと遊んでくるのだ。

タッ  タッ  タッ  タッ  ・・・・・・・・          ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・     ゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・      モォォォォ・・・・・・・・


早朝の出発

2008年08月22日 17時24分53秒 | マーロックの日記

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・       ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

風が良く吹く・・・・・

時計を見ると、午前6時37分。

もうすぐ、日の出だ・・・

日の出に合わせて、村を出る。

ここから西にある森に、ホワイトさんを探しに行くのだ。

すでに私は、準備が出来ている。

暗い中では、斧さんのカバンに入っていたライトが便利だった。

ライトの本体に短い蛍光灯が入っており、ランプの代わりになる。

バスさんやブラウンさんも、起きている。

バスさんは、ランプの光でひげを剃ってる。

久しぶりらしい・・・・

カミソリも、斧さんのカバンに入ってた。

ちなみに、私は必要ない。

ほとんどひげが出てこないし、生えてもうぶげのようなものである。

1週間に一度剃れば十分なので、カミソリ1本で1年は持つ。

3本パックで買うと、1年後にはいつも残りが無くなるのである!

不思議だ・・・・・

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暗いが、霧が流れているのがわかる。

「アゥ」

斧さんも一緒に行く。

黒猫は置いていく。

何かと邪魔しそうだし・・・

斧さんにも残ってもらおうかと思ったが、ホワイトさんは怪我をしている。

歩けない場合、斧さんの体力が必要である。

案内のため、イオニとモランが一緒に来てくれる。

ただ、あの森には2人とも入ったことがないらしい。

精霊の住む森として、村人みんなが崇めている。

この草原の民は、よく跳ねる。

もともとは、悪霊を地面に叩き込むというのが由来だと聞いたことがある。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・       ゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・          ゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・

空が、薄っすら明るい・・・

・・・・・・・   これは・・・

霧がすごい・・・

森が見えない。

まあ、風が強いしその内晴れるだろう。

「そろそろ行こうか・・・」

「アゥ」

斧さんと、イオニがうなずいた。

モランは、すでに村の入り口で待っているという。

「お気をつけて・・・」

私は、ブラウンさんに軽くうなずく。

視界が悪いが、歩き出す。

ブラウンさんは、私達に捜索をさせることを気に病んでいる。

本当は、自分の仕事だと思っているのだ。

この事態を、自分の責任だと感じているのだ。

・・・・気にすることは無いと、私の意思は伝えてある。

サバンナ観光が出来なかったから、ちょうどいいのだ。

危険もあるが、心は大きく持つことにしている。

ゲリラが私達を追っているとしたら、そろそろ見つかるかもしれない。

護身のために、拳銃を渡された。

でも、返した。

撃ったことが無い。

それに、森で会う確立は低いだろう。

それより、この村に現れるほうが可能性がある。

だから、返した。

私が心配する必要があるのは、猛獣である。

モランがいるから大丈夫だと思うけど。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのモランが、槍と盾を持って、立っている。

長もいる。

起きて、待っていてくれたらしい。

私は、軽くおじぎをする。

危険があったらすぐ引き返すように・・・・それを、長は伝えに来たらしい。

・・・・ここは、村の南側の入り口。

夜は、アカシアの木で閉じてしまう。

すでに、通れるようになってる。

モランが先頭で、歩き始めた。

サヮサヮ・・・・・・・・・        ヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、南西に向かうことは聞いている。

本当は北西に向かうのだが、直接では歩きづらい。

遠回りだが、そのほうが時間を節約できるという。

ジャッ・・・・     ジャッ・・・・     ジャッ・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・

私とイオニが続き、斧さんは最後。

空が光っている。

日の出だ・・・・

私は、いつものカバンを持っている。

中にはライトなどのほか、ブラウンさんからもらった軍の非常食や飲み物がある。

いつもより、中身は多め。

カバンに付けっぱなしの金具には、高度計の他に、折りたたみの傘をつけている。

傘のカバーを、引っ掛けているのだ。

他の荷物でカバンのスペースが無くなったためだが、あるいは、外に出しておいた方が役に立つこともあるだろう。

左手には、昨日もらった黒い杖。

サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・

斧さんは、やはり自分のカバンを背負っている。

ブラウンさんからもらった非常食も、ほとんどは彼のカバンに入れてある。

マッチョさんがチョイスしたいろんな物が、入っている。

護身用のバトンは、カバンから出して斧さんの腰につけてある。

風のおかげで、視界が少し開けた・・・・・

・・・・なるほど。

このまま進むと、湖がある。

確かに草が低くて、歩きやすい。

サク・・・・     サク・・・・     サク・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・

昼ごろには、バスさんやブラウンさんが、のろしを上げる。

救助のヘリコプターが、発見してくれることを願って。

逆に、ゲリラがやってきたら嫌である。

もしホワイトさんが自力で村にやって来た場合は、2本上がる。

・・・・・・早く、霧が晴れないだろうか。

せっかくだから、動物が見たい・・・・・・

サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・           サヮヮヮ・・・・・・・・・・・

サヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・       サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜の歌

2008年08月21日 19時37分20秒 | 黒猫のひとりごと

パチチチチチ・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・

・・・・・目が覚めると、目の前に焚き火。

炎が、小さくなってる・・・

それを、棒でつつく人間。

ニャ

僕を、こんがり焼き上げるつもりではなかろうか・・・・

ズリズリ・・・・

地を這うように、後退する。

・・・・・・・・

「ニャー」

鳴いてみる。

すると、焚き火を囲んでいた数人が、僕を見た・・・・

「ニャー」

こんばんは。

小さくなった焚き火を、何人かで囲んでいる。

それ以外の村人は、もう寝たよう。

空を見上げると、三日月がだいぶ移動している。

夜も、遅い・・・

この村人達は、夜更かしをしているのだ。

パチチチチ・・・・・・・・・・      パチチチチ・・・・・・・・・・・

焚き火を後にして、僕はまた散歩に出かける。

「ニャー」

炎の声が遠ざかり、寒くなってきた。

ウシの柵の中に入ってみる。

ウシが丸くなってる。

ピョン・・・・      ピョン・・・・      ・・・・・・・・

ウシの背中から背中へ、跳ねながら進む。

ピョン――     クルリ――      ――スタッ    ・・・・・・・・・・・・・

そのまま、畑側の柵から飛び出る。

サヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もう子供はおらず、草の声が聞こえる。

僕は畑の葉っぱに近づいてみる・・・

クンクン・・・

においを、嗅ぐ。

ダッ    ・・・・・・・・・・・    ピョン・・・・・・

レンガの屋根に、体をひねらせながら飛び掛る。

      ガシッ・・・・・

今度は、一回で張り付いた。

サヮサヮサヮサヮサヮ・・・・・・・・・・・・・・     サヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・

仰向けに寝転がって、夜空を眺める。

「ニャ」

雲が流れていて、星の光が消えたり出たり・・・

ポン・・・・         ポン・・・・

シッポで、レンガを叩く。

リィィィィィィ・・・・・・・・・・・・           リィィィィィィ・・・・・・・・・・・・・・・・

虫の声も、聞こえるのだ。

サヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・       ヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・      サヮサヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

風のリズムに合わせて、草と虫が歌ってる・・・・・

ヒュルルルル・・・・・・     サヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・     キィキィキィキィ・・・・・

 サヮヮヮヮヮ・・・・・・・      サヮサヮサヮ・・・・・・     ヒュゥゥゥゥゥ・・・・・・

リリリリリ・・・・・・    ルールルルルル・・・・・・・・・   ・・・・・ヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・    ヒュールルルルル・・・ゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・


神の樹

2008年08月20日 15時48分40秒 | マーロックの日記

パチパチパチパチ・・・・・・・・・・        パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・       パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・今夜は、寒い。

村の人たちと、焚き火を囲んでいる。

その炎で、体の正面は暖かい。

でも、背中から冷やされる方が強く、全体としては寒い。

クーゥロ!・・・    クーゥロ!・・・・

村人が、何か叫んでいる。

・・・・・さっきから黒猫がいないので、探していたようだ。

そして、見つけた模様。

何人かの村人が、闇に消えた・・・・・

パク・・・・         モグモグ・・・・          ――ゴクンッ

・・・・・おいしい。

パイナップルである。

私の目の前には、野菜や果物。

幸せである。

ちゃんと、お皿に乗せてある。

そういった物は、揃っている様だ。

街からやってくるトラックの運転手が、村に泊まる際使うようだ。

レンガ造りの大きな家も建造中で、それも商人のものらしい。

完成しているレンガの家もいくつかあって、私もその一つに泊まらせてもらう。

遊牧民は、伝統的には野菜はあまり食べないはずだが、今は食べている。

定住化したから、だいぶ生活も変化してきているようだ。

トウモロコシの粉を、水に溶かして、それを食べる。

私達客人には、トウモロコシをそのまま出してくれる。

私達が、そうやって食べることも知っているのだ。

パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・・    パチチチチチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

風にあおられて、炎が勢いを増す。

・・・・そろそろよさそう。

私は、焚き火に近づく。

炎から1メートルほどの場所に、それはある。

炭を引っ張り出して、置いてある。

その周りに木で土台を作って、トウモロコシを載せてあるのだ。

トウモロコシの、直火焼きである。

取れたての新鮮なものなので、生でも食べれる。

でも、一工夫したのだ。

カプ・・・・・・    ホクホク・・・・・・・

熱い・・・・

でも、おいしい。

これはいいな・・・・

「僕のも焼いて良いですか・・・」

「・・・ええ」

バスさんがやって来て、自分のを焼きだした。

いいにおいが、辺りに立ち込める。

パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自分の席に戻ろうとしたところ、何人かの戦士がやってきた。

戦士は未婚の男性なので、だいたい若い。

焼いたトウモロコシに、興味があるよう。

私は、残りをあげることにした。

後ろでは、バスさんが焼いている。

パチチチチチチチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・

風が、強く吹いた。

年配の村人は、マントを体に巻きつけて、風をよけている。

トウモロコシをあげた戦士たちは、跳ねながら去った。

・・・・・どうやら、おいしかったらしい。

「マーロックさん・・・・」

おや。

イオニが私を呼んでいる。

パチチチ・・・・・・・・・・        チチチチチチ・・・・・・・・・     パチチパチ・・・

どうやら、長の所へ行くようだ。

焚き火の明かりのほかには、松明の明かりがいくつかある。

長の近くにも、松明がある。

村一番の、長生きおばあさんもいる。

日没ごろ、話を聞いた。

イオニの通訳で。

おばあさんが若い時、黒い猫を連れた男にあったことがあるそうだ。

まだ定住化する前のことで、この村では、その時の事を知っているのはもうおばあさんだけ。

長も産まれてはいたらしいが、赤ちゃんだった。

イオニに促されるままに、長の前に座る。

黒い木の棒を持っている。

それを、私に差し出した・・・・・・

「あなたにあげると言ってます・・・」

これは・・・杖。

隣村からやって来た人が、持っていたものだ。

長が、何か話し始めた・・・・・

この杖は、神木から切り出したものだという。

完成したばかりの一品で、長が隣村に発注していたものが、今日届いたのだ。

隣村は、この集落の人が作った新しい村である。

ここいらで、一番の杖作りがいるそう。

昨年の雨季は、あまり雨量が思わしくなかったという。

そこで神の木で作った杖で、雨乞いの儀式をするために作ったようだ。

なんだかんだで、完成までに一年かかった・・・・・

でも今年は、よく雨が降ったそう。

「大事な杖なんでしょう・・・もらっていいんですか?」

イオニが、通訳する。

・・・・・・かまわないという。

黒猫と一緒にいる、私にぜひもらって欲しいと・・・・

・・・ちょうどいい。

明日、森の中を歩く予定なのだ。

草を払ったり、動物を追い払うのに使える。

多分そのことも考えて、長はこれを譲ってくれるのだろう・・・・

とても、親切な人である。

私はお辞儀して、いただくことにした。

「あ・・・マーロックさん・・・・」

イオニが、呼び止めた。

長が、この村を去ってもその杖は大事にするようにと言っている・・・

彼らは、杖には魂が宿ると考えている。

だから、とても大事にする。

戦士たちも、普段は長い棒を持ち歩く。

あれも、杖。

「わかりました・・・」

もう一度お辞儀して、去る。

焚き火の近く・・・自分の席に向かう。

杖の長さは、1メートルと少しか・・・・

親指と中指を広げて、長さを測る。

・・・・・・・やはり、1メートル強。

ちょうどいい長さだ。

程よい重量。

そして黒い・・・・・

神木とは、黒檀だな。

非常に硬い木だ。

特にこの地方の黒檀は、世界で最も重くて硬い。

木材としては、非常に高価なものだ。

そのせいで乱伐され、今は数が少ない。

黒檀は生長が遅いので、よりである。

パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・・         パチパチパチパチ・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・・          パチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・

焚き火の炎で、杖をよく見る・・・・

黒いな・・・

わざわざ、キリマンジャロまで採りに行ったそうだ。

良質の黒檀の、芯を切り出しているよう・・・・・・

・・・・・相当高価なものだ。

彼らの持つ杖は、ただの棒も多い。

でも、これはしっかり作られている。

もち手は程よい太さで、少し加工されていて持ちやすくなっている。

端は、やや斜めに切り落とされて、丸みを帯びている。

丁寧に、加工してある・・・

もち手の反対は、先に行くほど若干細くなっている。

パチパチパチチチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

炎に照らすと、光沢がある。

樹脂で、防水加工をしてあるのだ・・・・

よく出来た、すばらしい杖。

これは、とてもいい物をもらった。

サク・・・・・

さっそく、杖で地面をつく。

パチパチパチチ・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・・

おや。

村の若者達が、トウモロコシを持ってやって来た。

・・・焼くらしい。

ふふん・・・

味を占めたな・・・・

ニャー      ・・・・・・     クーゥロ!・・・・・・・    クーゥロ!・・・・・・・

そして、黒猫が村人に掲げられて来た。

どこかで寝てたんだろう。

ニャー・・・・

あばれている。

ヒュ――

地面についた杖を、少し横に動かす。

いい感じ・・・・

パチチチチチ・・・・・・・・・・・・・・             ・・・・・・・・・・・・・・・・・

大きく息を吸って、歩き出す・・・・

少し、散歩することにした。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・           ゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・         ゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・