高い場所

2020年06月29日 14時49分30秒 | マーロックの日記

          キィ  ――

                           ゥゥゥゥ  ・・・・

                      ポ ポ

風の音・・・

昨日より、風が暖かい。

       コン

トレーラーの屋根に来た。

ハシゴは孤児院にあったのを借りた。

トレーラーの水タンク側の、窓のない場所にかけた。

「・・・」

しまネコもいる。

             コト

もってきたトレイを置く。

トレーラーにあったもので、プラスチックでできたもの。

枠もあって、食べ物を乗せて来た。

孤児院では、ちょうど夜のごはんをみんなが食べているところ。

スーパーから持ってきたパスタ。

私はすでにそれを食べたけど、お腹いっぱいにはなっていない。

それで、こっそりトレーラーのキッチンに行ってきた。

みんな孤児院に行っているから、誰もいなかった。

冷凍のカルビ肉とライスがあったので、温めて持ってきた。

「・・・・」

おいしそう。

トレイには、L型のライトとマグネットライトものせて来た。

トレーラーには、財宝を探していた時にマッチョさんが用意していた大きなバッグが載せたままになっていた。

その中に入っていたライトで、L型のは航空機用のアルミ合金の頑丈なライト。

L型のはクリップライトの様に、バックパックなどに付けることもできる。

私が使っていたクリップライトと同じメーカーのもの。

マグネットの方は、ミニフックも付いていて、どこか引っ掛けることもできる。

どちらも、手のひらで隠れる小型のもの。

     ――――

両方点ける。

L型のは3Vリチウム電池と、単3型の電池の両方が使える。

3V電池なら、腕ライトと同じ光量。

明るい。

         パク

カルビ肉とライスをたべる。

                  モグ

「ミャ~」

しまネコが鳴いた。

明るくなったからか、私が食べているからか分からない。

          パク

おいしい。

ラジオの天気予報だと、また雨が降りそうだという。

でも今夜は、いい天気。

月も星もよく見える。

玄米茶のペットボトルもある。

          ゴク

飲む。

目が光っているから、しまネコがこっち見ているのがよくわかる。

いいにおいがするから、気になっているのかも。

でもあげない・・・・

         ミャ~

                           ヮヮヮヮ  ・・・・・

                     ポォ


2020年06月22日 04時44分31秒 | 黒猫のひとりごと

              カタ

   ニャ~

                             ―――

シャープネコが鳴いた・・・

「・・・」

僕は横にいるけど、鳴かない。

         ガタン

人間たちが、パイプのベッドを組み立てている。

僕は組み立て中の板に乗っているのだ。

網みたいなのもあるけど、メジロが乗ってる。

乗ってしばらく待っていると、ベッドの足に乗って少し高い場所に浮くのである。

「2匹いる」

ニャ

孤児院の子供が来た。

昨日から、僕を捕まえようとしているのだ。

シャープネコと僕が並んでいるから、迷っているみたい。

同じ色なのだ。

       グィ

シャープネコが捕まった。

僕の方に腕が来たら避けるつもりだったけど、シャープネコは捕まってあげたみたい。

「うふふ♪」

            

シャープネコと一緒に、去った。

シッポが床にあたってる。

       ギィ

シャープさんが、板を押してる。

「・・・・」

できたみたい。

お昼にスーパーから持ってきたベッドたちである。

あの上にお布団がのって、人間たちが寝るのに使うのである。

部屋にはシートを張っている人もいて、小部屋をいくつも作ってる。

それぞれにベッドを置いていく様。

しまネコたちは、シートで区切られて迷路になった部屋を探検している様である。

          

僕は廊下に行く。

部屋は天井のライトを点けて明るいけど、廊下は動くと点くライトだけ。

昨日と同じ。

でもジッとしていると、消える。

そこに人が来るとまた点くのだけど、僕が座っているとこっち見る。

その動きを観察するのである。

               タッ

廊下に出ると、ネコが走ってる。

トラネコである。

ネコレースに向けて、練習してるのだ。

「ミャ♪」

                 タッ

トラネコが走っていると暗くならないけど、ジッとしていれば消える時もあるかもしれないのだ。

だから僕はジッとする。

トラネコも驚くかもしれないし・・・・

                  タッ

                                ――  ジジ

                


軽やかに

2020年06月08日 14時28分59秒 | 黒猫のひとりごと

                    ポ ポ ポ

                                ゥゥゥウウ  ―――

         ソョョ

しっとりした風・・・

地面も森も、まだ昨日の雨で水っぽいのである。

トレーラーのいた場所が変わっていて、見晴らしがいい。

坂を上って行けば、灯台がある。

お日様が帰って暗くなっているから、光っているのがよくわかる。

雲は少なくなっていて、お月様もいる。

横向いてるけど。

        

葉っぱが飛んでる。

空は星で明るいけど、葉っぱはそれを少し隠して移動する。

ネコジャンプしても、届かなそう。

                      ――  ・・・

昨日は孤児院の中でウロウロしていた港ネコたちも、外で散歩してる。

           

ごはんはまだ。

いまキッチンでつくっているはずである。

僕はそこに向かう。

作っている足元で待っていれば、少し早くくれることもあるからである。

そしてこれだけ人がいると、その後でも誰かからもらえる可能性があるのだ。

窓から光。

今日は部屋が明るい。

天井のライトを点けているから。

少し速度をあげる・・・・

       ト   ト

                                ヮヮヮヮ  ・・・・

            ソョ