トコ
キュ キュ
チンチラがいる・・・
「・・・」
3段の木箱に乗っているメタボネコの上に。
まるまるしていて大きなメタボネコは、上に乗ってくつろぐのにはいいのかもしれない。
バサ
まだ乾いてない髪を手で払って、少し水滴を飛ばす。
シャワーを浴びて、ナイロン袋を箱ベッドの所に置いてきた。
直に太陽が出てくるから、北の廃墟に財宝を探しに行く。
6人で。
バックパックはトレーラーに置いてある。
お弁当は持って行くけど、朝ごはんは食べて行く。
昨日は夜の見張りはしなかった。
ぐっすり寝るため。
ガチャ
ヮヮヮワワ ――――
ピピ ♪
外に出ると、センサーライトが点いた。
バタン
大タープの木箱で寝ていたらしい小鳥は、もう起きてる。
「ピピ」
風が強い。
夜はすこしさむかったけど、風は暖かい。
歩けば熱くなるだろうから、半袖でよさそう。
でも、急な天候の変化に備えてブルゾンを畳んでバックパックに入れてある。
タ
パチチ
ドラム缶たき火から燃える音。
早起きしたハットさんが、タブレットを見ながら見張りをしてくれているみたい。
さっきまではノッポさんがいた。
ハットさんも廃墟に行きたがっていたけど、ポールさんが同行には入れなかった。
ポールさんがいない間は、ガードさんがリーダになる。
「おはようございます」
「・・・おはよう」
こっち見た。
6人の中には、マリオットさんもいる。
ドローンで警戒しながら、危険そうなら戻る。
だからハットさんも一緒でもいいかもしれないけど、高齢だし、一応安全のために残った方がいいと考えた様。
「移動時間を計るのを忘れないようにね」
ハットさんはたき火を見ながら、言った。
何度か廃墟に行くことになる場合もあるかもしれず、次は一緒に行く気なのかも。
ハットさんは高齢だけど、野外で調べていることも多いみたいで歩くのは速い。
彼がいるからと言って、私たちのペースが落ちることはほぼない。
「はい」
ハットさんの背中に返事して、私はトレーラーに向かう。
チチチ
動くとライトが点くから、森の小鳥たちはセンサーライトの近くで跳ねてる。
ト
斧さんとマッチョさんと、廃墟に行くのを提案したグリも一緒に行く。
ト
ニャッティラがこっちに来る。
壁の中を見回っていたみたい。
「おはよう」
「ミャ~ゥ」
返事した。
カチャ
トレーラーのドアを、横に動かして開けた。
トン
そのまま見ていると、ニャッティラが中に入った。
パタン
私も中に入って、ドアが閉まった。
開けた状態でロックもできるけど、そうしなければ勝手に閉まる。
足ふき用の水とタオルが玄関にはあって、ニャッティラはちゃんとそこで拭く。
カタ
私も靴を置いて、スリッパを履く。
機嫌がいいのか、ニャッティラのシッポは大きく、ゆっくり動いてる。
片方の親ネコがサーバルキャットだと思われ、ニャッティラは大きいネコ。
パタ
チュ
マヒワが通路にいる。
センサーライトが点くのが楽しいらしくて、よくここで跳ねてる。
「・・・」
ニャッティラのシッポが動かなくなった、そこを通って背中にマヒワが乗った。
「♪」
のせてあげたみたい。
飛ばずに、跳ねて移動するのがいいらしい。
パタ
――― ィィィ
洗濯機の音。
誰かが使ってる。
パタ
木の床を進むと、キッチンがある。
コックさんはまだ寝ているみたいで、ノロマさんとエレガントさんがいる。
朝ごはんをつくってくれていて、私は焼き魚を頼んでおいた。
鮭かな。
パタ
「あ、もう焼けてますよ」
「うん」
いつものカウンターに行く。
ピィ ♪
奥の長いテーブルに、ミニ2匹がいて寝てる。
床が少し低くなっていて、イスは長いソファー。
一番奥にはノッポさんが座っていて、タブレットを見てる。
朝ごはんができるのを待っているみたい。
私はシャワーを浴びたときに頼んでおいたから、先に来ると思う。
zzz
カウンターの上には、黒猫がいて寝てる。
夜の見張りを手伝ったみたい。
今日はレトリバーだけ同行で、黒猫はおいていく。
パタ
イスに座ると、スリッパの音。
「どうぞ」
ノロマさんがトレイを運んでくれた。
「ありがとう」
いいにおい。
カタ
鮭じゃない。
サバみたい。
焼きサバもおいしい。
「いただきます」
「はい」
パタ
私はお箸を持つ。
野菜小皿と、みそ汁もある。
パク
サバたべる。
モグ
おいしい。
「zzz」
黒猫のシッポにふれる・・・
ミィ ♪
チュ ♪
――― ♪ ♪