家の中

2018年06月29日 14時25分23秒 | マーロックの日記

             トコ

                             チュン

食器がある・・・

100年以上前、ここで暮らしていた人のものだろう。

窓のガラスが残っている建物もあるけど、ここはもうない。

「ピピ」

小鳥が中に入ってきてる。

いくつか建物の中を探してみた。

この街がにぎやかだったころのものが、そのまま残っている。

いきなり人がいなくなったわけではない様で、それほど散らかった状態ではない。

ものが適当に積んであるような場所もあったけど、たぶんもとから片づけない人だったのだろう。

それか、人がいなくなってから誰かがあさりに来たのかもしれない。

「・・・・」

私たちが探している財宝も、持ち去られていたらかなしい。

             ギィ

食器棚のガラスは残っている。

テーブルやイスは、ほこりっぽい。

樽の上には、古くなった短いロープがのっている。

アンティーク屋さんに置いてありそうなケトルも、ほこりをかぶってる。

「キキ」

                   ピチュ

壁はゆがんでる。

「何人かが一緒に暮らしていたみたいだな」

「ァゥ」

斧さんとポールさんが来る。

「床の下とかに隠してあったら、見つけるのは難しいですね」

「うん」

広い街だし、ここにあるという確信もないので探すのは大変そう。

財宝日記には、2つの地図以外にはヒントらしいものはない。

不親切である。

日記が書かれた当時であれば、これだけでわかる人もいたんだろうか。

「・・・・」

ポールさんが時計を見た。

そろそろお弁当食べるのかな。

「クゥン」

レトリバーも来た。

「出よう」

「はい」

       トコ

ドアに向かう・・・・

                             チチチ

                                                   ――――――

                   ギィ


石の階段

2018年06月27日 14時43分29秒 | マーロックの日記

               チャプ

                                  チャプ

       ピピ

きれいな水・・・

トロッコの橋から東側をみていたら、石で舗装された階段をみつけた。

地面を削ってつくったようで、その下に水が流れてる。

水路も石で舗装されていて、街の水源にしていた様。

手動のろ過ポンプは持って来ているから、水が必要ならここで汲める。

        ピチュ

上は長方形の空。

フタとかはないから、小鳥たちもこれる。

「もう行こう」

「ァゥ」

上からポールさんがのぞいてる。

             コン

私は階段をのぼる。

幅は4mくらいあって、広い階段。

「キキ」

財宝日記には、2つの地図が文字で書かれていた。

それぞれ、リフがわかりやすいように地図を描いた。

1枚目は西部の地図だと思われ、当時の地図があったのでそれを参考にした。

だから、それなりに信頼できそう。

財宝日記の著者の子孫であるファームさんも協力してくれて、私たちはこの辺りにあると考えて探しに来た。

「ここにある」という文字だけ、2つの地図に共通している。

1枚目の地図で見ると、最初の文字の辺りに来ている。

2枚目は、より詳細な地図だと思われる。

リフの描いた地図が正しいとすると、この廃墟も最初の文字の辺りになる。

同じ人が書いたものだし、同じようにありかを示している可能性は高いと思う。

具体的な手掛かりは何もないから、怪しそうな建物を探してる。

         コン

それほど怪しそうな建物もないんだけど。

マッチョさんたちは、最初に教会を見に行った。

それらしいものは無かったみたい。

何が、どのくらいの規模で隠されているのかもわからない。

      ピピ

小鳥たちも、一緒に階段を上ってくる。

人がめずらしいのかな。

        コン

橋から街を見て、ここが気になったのだ最初に来てみた。

もしここに財宝日記の著者が住んできたことがあるのなら、その建物に財宝を隠したかもしれない。

思い出の場所だから。

なので住居を順番に探してみる。

「・・・・」

斧さんがカメラ持ってる。

マリオットさんから借りた、小型のカメラ。

写真も撮りながら探す。

「キキ」

「行こう」

「はい」

ポールさんがどの建物に入るか決める。

だからついて行く・・・・

                  

                                                  ヒュルル  ・・・・

                 チュン


木の橋

2018年06月25日 14時57分58秒 | マーロックの日記

                        カン

            カン

階段をのぼる・・・

トロッコの橋がつながった建物に来た。

外にも階段があったから、それで上ってる。

錆びてる部分もあるけど、まだ使える。

                  ピチュ

この辺りにも小鳥たちが来ていて、休んでる。

平らな屋根の建物もあるし、ダンスの練習にはいい場所なのかも。

日当たりもいいし。

「キキ」

                       ギィィ ィィィ

「・・・・」

階段の先のドアが開いた。

「・・・・」

建物の中から上ったポールさんが、開けた様。

こっち見てる。

階段の強度を確認しながら上ったから、時間がかかった。

崩れて落ちたら痛そう。

線路の橋の先に、坑道の入口が見える。

街から、直接あそこに入れるようになっている。

            カン

中に入る。

「チチチ♪」

鳥。

線路の部分が開いているから、中に入ってこれるみたい。

       タ  タ

「クゥン」

レトリバーもいる。

ドローンで上から見たけど、近くには誰もいない。

2時間くらいで大タープまで戻れるので、夕方までは財宝を探せる。

もしこの街に財宝日記の著者が住んでいたのなら、どこかにあるかもしれない。

              トコ

木製の床の先、橋の方が明るい。

ここはすごくシンプルな構造で、線路とトロッコと、それに乗り降りするためのスペースだけ。

運んだ荷物は、すぐ下に落とせるようになってる。

「♪」

リスは肩から移動しない。

ポールさんや斧さんのライトが点いていて、影が2つ出てる。

リスのシッポの影も2つ。

動いていて、よろこんでいるのかも。

               トコ

グリとマリオットさんとマッチョさんは、もう街の中を探し始めている。

私たち3人は、ここから街の全体を眺めに来た。

トランシーバーは持ってきたから、連絡は取れる。

                  ギシ

橋に出る。

ここも、強度は大丈夫みたい。

                                               ゥゥゥウウウ  ―――

                       ピチュチュ

明るい。

木の橋に、線路が乗ってる。

         チチチ

下を見る。

建物がたくさん。

細長い煙突も多く見える。

いい眺め・・・・

                  ピ ピ

                                                   ルルル  ・・・・・

                  ギィ


鳥の街

2018年06月24日 00時13分57秒 | マーロックの日記

                     ピピピ

                                    チュチュン

         ソョョ

小鳥が多い・・・

建物がもう近い。

ここからでも、植物が張り付いた壁がわかる。

                       ―――

マリオットさんが写真撮ってる。

彼は、高そうなカメラ持ってる。

       ピョョ

錆びた車の上にも、小鳥。

「広いな」

グリがゆっくり歩いていて、追いついた。

「うん」

家はたくさんある。

木の板の壁のものや、レンガのもの、トタン屋根のものもある。

位置や向きもバラバラで、統一感はない。

馬に引かせる荷台のようなものもある。

どれも、人がいなくなって置いたままになってる。

          

「ドローンを飛ばそう」

「・・・はい」

ポールさんたちも、止まって待ってる。

「あれが線路ですね」

「うん」

大タープの辺りから撮影して、トロッコの線路があるのは分かっていた。

大きな建物から、橋を通って地面の方に向かってる。

あの先に坑道があると思う。

「・・・・」

広い。

ハットさんやスコップさんにも来てもらった方がよかったかも。

「♪」

リスのシッポが耳にあたった。

「・・・・」

マッチョさんがリスを見たけど、何も言わない。

勝手にバックパックに入っていたことは、説明しなくてもわかったみたい。

「クゥン」

斧さんが北を見てる。

遠くに森がある。

「ナッツある?」

「・・・・」

私が聞くと、こっち見た。

「キキ」

「ァゥ」

頷いた。

「・・・後でいい」

バックパックを下ろそうとしたから、とめた。

お弁当を食べるときでいいだろう。

                  ――  タ

斧さんの縦長のバックパックに、リスが張り付いた。

「♪」

より高い場所に移動したみたい。

ノッポさんがいないから、斧さんが一番高い。

     ―――

「飛ばしますね」

「うん」

マリオットさんがドローンを出した。

                               ウィィィィ     ン

そして、浮いた。

コントローラーについてる画面を見ながら、操縦してる。

安全がわかったら、とりあえずあの線路のある建物に行ってみよう。

この街の中では、高い場所にある。

大タープからだと、角度のせいで見えない場所もあった。

                    タン

・・・リスが戻ってきた。

ナッツを探しているのかな。

     

                ソョョ

この辺りも草は所々で、歩きやすい。

大きな木はいないから、建物も、そういう植物に大きく壊されてはいない。

草は張り付いてる。

                  ピピ ♪

近くのトタン屋根から、小鳥の声。

見に行ってみよう・・・・

            サク

                                                  ヒュルル  ・・・・

                         チチチ ♪


よく見える

2018年06月22日 14時56分44秒 | マーロックの日記

                                                   ピィィ ―――

                    ソョョ

鳥だ・・・

ずっと上。

           サク

いい天気。

雲はあまりいなくて、青い。

          チチチ ♪

この辺りは土が出ている部分も多くて、歩きやすい。

草もそれほど長くは伸びてない。

大タープを出て、北東の廃墟を目指している。

1時間くらい経っていて、たぶん半分くらい。

たまに地面が急にくぼんでいるような場所もあるけど、ほぼ平坦で歩きやすい。

出発前にドローンで周囲を撮影して、近くにサングラスの連中がいないか確認した。

ここからだと、かなり南の方にいるみたい。

それとは別に移動していたキャンピングカーは、場所がわからない。

どこかの廃墟にいるんだと思うけど、建物の陰で車が見えないのかもしれない。

       サク

マリオットさんが、カールさんからレース用の小型ドローンを借りて持って来ている。

たまに飛ばして、安全を確認する。

先頭はマッチョさんで、ライフル持ってる。

彼とポールさんは、ボディアーマーを着てる。

マッチョさんは、戦闘用のヘルメットも。

超高分子量ポリエチレンのヘルメットで、ライフルの弾も跳ね返すらしい。

そして軽い。

私は、一番後ろ。

「クゥン」

レトリバーも一緒で、横にいる。

私のバックパックには、隠しておいたフルーツゼリーが入っている。

お弁当を食べた後、たべようと思っている。

レトリバーのリンゴも、こっそり入れておいた。

風は今日も暖かく、半袖で大丈夫。

ただ、急な気温の低下に備えてバックパックにはブルゾンを畳んで入れてある。

        サク

                      ソョョ

森からは離れた。

ここからでも、森から立ち上る霧が見える。

この辺りの視界はいい。

ノロマさんやフワリさんたちがいないから、歩くペースは速い。

この6人なら、走って移動も大丈夫だろう。

日没前には戻る予定だけど、万が一に備えて非常食は持って来ている。

斧さんは、携行用のコンポストトイレを持ってる。

専用のケースがあって、持ち運ぶのに便利。

彼のバックパックは一番大きくて、お弁当もあの中に入ってる。

               ピピ

「・・・・」

空を見ると、さっきの鳥は南の方に移動してる。

昨日はよく寝たから、体は軽い。

走りたい。

でも走らない。

                ゴソソ

バックパックから小さな音。

「キキ」

・・・リスか。

                 ―――

ハイドレーションを通すファスナーを開ける。

        ゴソ

指でそこを動かしてあげると、リスが気づいた。

「キキ」

それほど大きくは開かないファスナーだけど、リスは通って出てきた。

「・・・・」

シャワーのとき、バックパックを開いたままだったかもしれない。

あの時中に侵入して、寝ていたのかも。

「♪」

              ジィィ

ファスナーを閉める。

私の腕を通って、肩に乗った。

知らない場所だと、黒猫とかの上か人の肩から下りることはあまりない。

このまま連れて行こう。

         サク

布の袋は、いくつかバックパックの中にある。

それを肩ひもに吊ってあげれば、その中でも安心して入っているかもしれない。

「キキ♪」

ナッツは持って来てないな。

誰か持ってるといいけど。

「・・・」

レトリバーがこっち見てる。

フサフサしていて、頼めばたぶんリスをのせてくれるだろう。

キョロキョロしているみたいで、シッポが耳にあたる。

チワワを探しているのかもしれない。

「・・・・」

リスに注意していたら、前を歩いていたグリから少し離れた。

               

速度を上げる。

        

レトリバーも、少し速く歩く。

土や草には、私たちの影。

リスの影もわかる・・・・

               

                                                ゥゥゥウウウ  ・・・・・

                    ソョョ


転がる

2018年06月19日 14時30分36秒 | 黒猫のひとりごと

              コロ  コロ  ・・・

「・・・」

目を開ける・・・

ボールが僕にあたったのだ。

「ミャ」

耳ネコたちが、ミニボールで遊んでいるみたい。

        パチ

前足で押した。

           コロロ  ・・・

お日様は今日も機嫌がいいみたいで、窓の外は明るい。

男や斧さんは、リュックを背負ってどっか行った。

きっと、巨大マグロを探しに行ったのだ。

僕はウトウト眠かったから、付いていかなかった。

たぶん大きな雨雲の上にいるし。

見つけられずに戻ってくると思う。

           フワ

「キュ♪」

フワフワしたポメラニアンがボールに近づいた。

丸いから、ボールを隠したのかもしれない。

                 

                        

朝ごはんをたべて、しまネコとオッドネコとトラネコもまだトレーラーにいる。

窓の近くでひなたぼっこしてる。

そのうち荷台に行くと思う。

「ミャ~♪」

            コロ

耳ネコがボールを見つけて、転がした。

「キュ」

僕らにシッポを向けているチワワの方に、転がっていく。

             パタ

シッポは動いていて、ミニボールはそれにあたって方向が変わる。

       コロ ロ ♪

接近するボールに、散歩中のマヒワが気づいた。

                     ツン

          コロ

クチバシでつついたから、また方向が変わる。

「♪」

耳ネコはそれを追う。

「・・・」

こんど僕の方に転がってきたら、強力なネコパンチで遠くに飛ばすのだ。

耳ネコはネコパンチの練習をしないけど、ジャンプの練習もしないのだ。

お気に入りのミニボールを遠くに飛ばせば、ネコダッシュの練習になるかもしれないのだ。

           コロ

ニャ

こっちに来る。

          ミャ ♪

耳ネコがそのボールに追いつく――

                      パチィン

僕は素早く前に動いて、耳ネコよりも早くネコパンチをボールにあてた。

                                        ポン  ――

キッチンのテーブルの方に跳ねて行ったのだ。

「?」

耳ネコはボールを探してる。

             パタ

スリッパの音。

「これ探してるの?」

バレッタさんが、僕が飛ばしたミニボールを手にもってこっちに来た。

「ミャ♪」

そして耳ネコに渡した。

        コロ コロ ♪

また転がして遊んでる。

「ニャ~」

僕はトレーニングのために、あえて遠くに飛ばしたのだ。

バレッタさんに抗議する。

「今日もあったかいね」

返事した。

「・・・」

            パタ

そして去った。

僕は横になる。

少しひんやりする・・・・

                        コロ ・・・

                                            ―――    

          クゥ ♪


伸びてる

2018年06月18日 00時20分22秒 | マーロックの日記

                              トコ

            キュ キュ

チンチラがいる・・・

「・・・」

3段の木箱に乗っているメタボネコの上に。

まるまるしていて大きなメタボネコは、上に乗ってくつろぐのにはいいのかもしれない。

        バサ

まだ乾いてない髪を手で払って、少し水滴を飛ばす。

シャワーを浴びて、ナイロン袋を箱ベッドの所に置いてきた。

直に太陽が出てくるから、北の廃墟に財宝を探しに行く。

6人で。

バックパックはトレーラーに置いてある。

お弁当は持って行くけど、朝ごはんは食べて行く。

昨日は夜の見張りはしなかった。

ぐっすり寝るため。

                    ガチャ

                                                ヮヮヮワワ  ――――

                ピピ ♪

外に出ると、センサーライトが点いた。

                      バタン

大タープの木箱で寝ていたらしい小鳥は、もう起きてる。

「ピピ」

風が強い。

夜はすこしさむかったけど、風は暖かい。

歩けば熱くなるだろうから、半袖でよさそう。

でも、急な天候の変化に備えてブルゾンを畳んでバックパックに入れてある。

       

                   パチチ

ドラム缶たき火から燃える音。

早起きしたハットさんが、タブレットを見ながら見張りをしてくれているみたい。

さっきまではノッポさんがいた。

ハットさんも廃墟に行きたがっていたけど、ポールさんが同行には入れなかった。

ポールさんがいない間は、ガードさんがリーダになる。

「おはようございます」

「・・・おはよう」

こっち見た。

6人の中には、マリオットさんもいる。

ドローンで警戒しながら、危険そうなら戻る。

だからハットさんも一緒でもいいかもしれないけど、高齢だし、一応安全のために残った方がいいと考えた様。

「移動時間を計るのを忘れないようにね」

ハットさんはたき火を見ながら、言った。

何度か廃墟に行くことになる場合もあるかもしれず、次は一緒に行く気なのかも。

ハットさんは高齢だけど、野外で調べていることも多いみたいで歩くのは速い。

彼がいるからと言って、私たちのペースが落ちることはほぼない。

「はい」

ハットさんの背中に返事して、私はトレーラーに向かう。

          チチチ

動くとライトが点くから、森の小鳥たちはセンサーライトの近くで跳ねてる。

        

斧さんとマッチョさんと、廃墟に行くのを提案したグリも一緒に行く。

                

ニャッティラがこっちに来る。

壁の中を見回っていたみたい。

「おはよう」

「ミャ~ゥ」

返事した。

                  カチャ

トレーラーのドアを、横に動かして開けた。

            トン

そのまま見ていると、ニャッティラが中に入った。

                            パタン

私も中に入って、ドアが閉まった。

開けた状態でロックもできるけど、そうしなければ勝手に閉まる。

足ふき用の水とタオルが玄関にはあって、ニャッティラはちゃんとそこで拭く。

                カタ

私も靴を置いて、スリッパを履く。

機嫌がいいのか、ニャッティラのシッポは大きく、ゆっくり動いてる。

片方の親ネコがサーバルキャットだと思われ、ニャッティラは大きいネコ。

      パタ

                 チュ

マヒワが通路にいる。

センサーライトが点くのが楽しいらしくて、よくここで跳ねてる。

「・・・」

ニャッティラのシッポが動かなくなった、そこを通って背中にマヒワが乗った。

「♪」

のせてあげたみたい。

飛ばずに、跳ねて移動するのがいいらしい。

         パタ

                            ―――  ィィィ

洗濯機の音。

誰かが使ってる。

             パタ

木の床を進むと、キッチンがある。

コックさんはまだ寝ているみたいで、ノロマさんとエレガントさんがいる。

朝ごはんをつくってくれていて、私は焼き魚を頼んでおいた。

鮭かな。

            パタ

「あ、もう焼けてますよ」

「うん」

いつものカウンターに行く。

                  ピィ ♪

奥の長いテーブルに、ミニ2匹がいて寝てる。

床が少し低くなっていて、イスは長いソファー。

一番奥にはノッポさんが座っていて、タブレットを見てる。

朝ごはんができるのを待っているみたい。

私はシャワーを浴びたときに頼んでおいたから、先に来ると思う。

            zzz

カウンターの上には、黒猫がいて寝てる。

夜の見張りを手伝ったみたい。

今日はレトリバーだけ同行で、黒猫はおいていく。

          パタ

イスに座ると、スリッパの音。

「どうぞ」

ノロマさんがトレイを運んでくれた。

「ありがとう」

いいにおい。

        カタ

鮭じゃない。

サバみたい。

焼きサバもおいしい。

「いただきます」

「はい」

          パタ

私はお箸を持つ。

野菜小皿と、みそ汁もある。

           パク

サバたべる。

      モグ

おいしい。

「zzz」

黒猫のシッポにふれる・・・

                ミィ ♪

                                        チュ ♪

                            ―――    


まるくない

2018年06月14日 14時36分16秒 | 黒猫のひとりごと

                                       

                                               ゥゥゥウウウ  ・・・・・・・

                パチチ

枝が燃える・・・

ドラム缶たき火に、ハンスさんが新しい枝を入れたのだ。

今夜も、寝ずに夜の見張りを交代でするみたい。

男は、もう寝てる。

                カサ

リフも手伝ってる。

「それ、食べるの?」

「はい」

荷台から、袋ラーメンを持ってきた。

「・・・」

よく食べているから、それが目的で起きているのかも。

ハンスさんはイスに座って、長テーブルに置いたタブレットを見てる。

暗くて何が映っているのかわからないけど。

             パチチ

夜になっても風はつめたくなくて、寒くはない。

でも少しひんやりするから、たき火してるみたい。

                                  ポォ

            

僕は大タープの外に向かう。

お月様がいると思うから。

「壁の外にでたらダメだよ」

後ろから声。

      

振り返らない。

少し行けば、ミニタープがあってその先は空がよく見える。

「ミャ~ゥ」

ニャッティラの声。

パトロールしてるのかな。

森の小鳥たちは、3つ積まれた木箱で寝てる。

みんなではないけど。

                   ――――

音がする。

「♪」

ライトの光で、長く伸びた人とネコの影。

           

「ニャ~」

「?」

僕が鳴くと、体を曲げてプルームさんがこっちを見た。

ニャッティラとプルームさんのがいた。

                         ――――

夜になっても、風はよく吹く。

「・・・・」

トレーラーの横に積んである土袋にもたれて、上見てる。

「・・・」

お月様がいる。

まるくなくて、少し向こうを見ているみたい。

「♪」

プルームさんがしゃがんだ。

ニャッティラを撫でるためである。

左見る。

星がたくさんの空に、大きな影。

暗いから見えないけど、大きな山があるのだ。

「ゴロロ・・・♪」

ニャッティラが転がってしまった。

       

僕はドラム缶に戻ろう。

リフに頼めば、何か持って来てくれるかもしれないから。

キウイがいいな・・・・

                       

                                          

                                                     ゥゥゥゥ  ・・・・・

                       パチ チ


四角い

2018年06月11日 14時19分10秒 | 黒猫のひとりごと

                        ピチュ ♪

           チュチュン ♪

マヒワとメジロ・・・

くつろぐ方の2羽で、仲良く並んで休んでる。

キッチンには、カレーのいいにおい。

外はもう暗くて、ごはんの時間である。

「明日の財宝探し、マロックさんも行くの?」

「うん」

「ふぅん」

男はいつものカウンターに座って、もうたべる直前である。

大きなプレートには、ライスとカレーが大盛り。

揚げソーセージものっている。

からあげじゃないから、マヒワたちから隠す必要はない。

だから僕は、窓の横に座ってそれを見る。

「ミィ」

シロネコはミニ2匹と遊んであげていたけど、カウンターに来て座ってる。

        ―――

「♪」

男が撫でると、目が細くなった。

           プチ

左手でスプーンを持った男は、揚げソーセージをそれで切った。

一口サイズにしたのだ。

ライスとカレーとカットソーセージを、スプーンで同時にすくった。

                  パク

       モグ   モグ

おいしそう。

カレーはいいにおいである。

僕は、食べないけど。

「ニャ~」

「・・・」

僕は床におりる。

                       ―――  トン

外は暖かいから、トレーラーの中も暖かい空気は出てない。

でも、くつろぐ2羽は同じ場所にいる。

あそこが気に入っているみたい。

「チュ」

マヒワもキッチンに来ている。

「ミャ♪」

「♪」

ミニ2匹がいた。

シロネコがいなくなったから、ポメラニアンは周囲を観察しているみたい。

            パタ タ ♪

耳ネコは、チワワのシッポを追いかけて遊んでる。

          パタ

ノロマさんが来る。

               ―――

しゃがんだ。

「キュ♪」

「クゥ♪」

ポメラニアンとチワワを撫でてる。

「ミャ」

チワワのシッポの速度が上がったから、耳ネコがひっくり返った。

「♪」

「♪」

転がったポメラニアンとチワワは、目が細くなってる。

「ニャ~」

メロンちょうだい。

お願いしてみる。

「メロンたべる?」

僕を見て、立ち上がった。

                   パタ

キッチンの金属のテーブルは、すぐそこ。

「・・・」

小さなプレートをもって、戻ってくる。

   カタ

「あげる」

カットメロンがひとつのせてある。

「♪」

うれしい。

            パク

僕はそれをたべた。

赤くないメロン。

       モグ

みずみずしい。

「♪」

背中にノロマさんの手。

           パタ

シッポでお礼。

ポメラニアンとチワワは、まだ転がったまま。

手が戻ってくると思っているのだ。

   ぺロ

おいしい。

メロンたべれて、僕はしあわせ。

       スリスリ

暇なので、僕も転がる。

チワワのシッポが動きをとめているから、転がった耳ネコもとまってる。

2匹はミニだけど、うまく移動すれば輪ができそう。

僕は転がっているけど・・・・

             ミャ ♪

                                   ―――     

                  モグ  モグ


違う向き

2018年06月10日 00時44分06秒 | マーロックの日記

                 ピョ ♪

                                                ゥゥゥゥウウウ  ・・・・・

         チャポポ ポ

水の音・・・

ホースから、トレーラーの水タンクに流れている。

         チチチ ♪

カールさんに頼んでいた、水汲み用のホースの先に付けるフタつきの部品ができた。

3Dプリンターでプリントした、カーボン素材のもの。

ホースにピッタリ。

川側と大タープ側とに、それぞれ付けた。

               チュン ♪

ホースを吊っているロープに、森の小鳥たちがとまって見てる。

「これは便利ね」

「うん」

おやつ時間で勉強を休憩中のコニも、見に来てる。

「クゥン」

りんごを食べて機嫌がいいレトリバーも、一緒にいる。

               ピチャ

        

川側には、斧さんとノッポさんが行っている。

こっちにはリフがいるし、任せて私は去る。

長テーブルは3つ出してある。

その一つに、ハットさんとポールさんとハンスさんが座っている。

屋根の上でドローンを飛ばしているから、その映像をタブレットで見てる。

私たちを襲ってきた連中と、新たに表れたキャンピングカーの3人は合流していない。

それぞれ、別の廃墟にいる。

どちらも財宝を探している可能性が高い。

ポールさんはまだ決めていないようだけど、明日、ここから北西にある廃墟に向かうことになると思う。

もし決まったら、私も行く。

「・・・・」

タープの外にヘテロがいた。

森の端っこの木をみている。

もう壁はできている。

でも、ヘテロたちはトレーラーの横などに積む土袋をつくっている。

今は休憩しているみたい。

私も根っこを見に行こうかと思ったけど、大バスの屋根の上に行こう。

トラックの荷台の屋根上と同じで、いい場所。

まだ黒猫がいると思う。

             

風は暖かく、よく晴れている。

タープの下にはセンサーライトを吊ってあって、それが点くから地面に人影。

トラックとトレーラーの間を通って、壁側に向かう。

そっちにもタープはなくて、太陽の光が届いている。

太陽の位置が変わって、影の向きと長さが変わってる。

小石の影も出てる。

間のタープを抜ければ、私の影も同じ方向に出るだろう。

まだない・・・・

                 

                                                ヒュゥゥゥ  ・・・・・

              ピョョ ♪