ネコとたべる

2018年09月26日 15時00分49秒 | マーロックの日記

               チチチ ♪

                                     ―――  ・・・・  

            ポコ ポコ

いいにおい・・・

ドローンで送ってくれた、プラスチックのプレートにカレーとライス。

私の、遅い昼食である。

大盛りのカレーの上には、イカフライと揚げソーセージがのっている。

空になったケースを、テーブルにした。

ゴミ袋を入れて、ゴミ箱にしたケースもある。

            カタ

カットしたソーセージとカレーライスをスプーンにのせる。

       パク

たべる。

                モグ  モグ

「・・・・」

おいしい。

トロッコ駅には、いくつものテントが置いてある。

エアフレームのテントがほとんどで、空気を入れるだけで張れる。

ペグで固定はしてなくて、置いてあるだけ。

バックパックなどを中に入れておけば、駅の中なら動いたりしない。

私のはエアフレームではない。

固定している部分を外して手を離せば、テントになる。

       パク

イカフライもたべる。

            モグ   モグ

おいしい。

壁の近くに大きめのテントが2つ並んでいて、女性たちが使う。

下の階にもテントを置いている様で、そっちで寝る人もいる。

「ニャ~」

・・・黒猫が来る。

メロンがほしいのかも。

サラダとかと一緒に、カットメロンも送ってくれていた。

3切れ別のプレートにのせてあって、それは私の分。

           モグ

カレーを食べながら黒猫を見ると、カットメロンを見てる。

「・・・」

そして、私を見た。

3つあるから、ひとつあげよう。

            パク

黒猫がカットメロンを銜えた。

「♪」

目が細くなって、おいしそうに食べてる。

               モグ   モグ

私もカレーをたべる。

黒猫のシッポも、機嫌がよさそう。

トロッコ橋では、まだドローンを飛ばしてる。

私たちの帰り道にできた川は、ずっと南の方まで伸びている。

途中に地面が大きく崩れた場所があって、そこが大きな池になっていた。

フェルトたちではないかと思われるキャンピングカーは、あの雨の中大丈夫だったかな。

「ニャ~」

黒猫が少し体を縮めた。

食べ終わって、そのまま歩いて行く。

             パチッ

ミニコンロの中から、枝が燃える音。

枝を少しだけ入れてあって、炎の勢いは弱い。

       ポコ  ポコ

水を温めている。

朝よりも、気温が下がっている。

外の視界が良くなったからか、駅にいた小鳥たちはかなり外に出て行った。

         ピョ

黒猫のシッポは、壁際のテントの方に向かって離れて行く。

リスやレトリバーがいるから、会いに行ったのかも。

「♪」

ミニコンロから少し離れて、1羽小鳥がいる。

音を聞いてるのかも・・・・

         ポコ ポコ

                                                 ヒュルル  ・・・・

            パチ


クグロフ

2018年09月24日 13時59分08秒 | 黒猫のひとりごと

              シャリ

りんごをかじる音・・・

ニャッティラが、おいしそうに食べているのである。

「♪」

シッポがゆっくり、大きくゆれてる。

もうりんごを食べ終わったレトリバーは、シートの端っこでくつろいでる。

「♪」

         モグ  モグ

コニとリフも、おやつ食べてる。

プリンをひっくり返したようなケーキ。

コニは、昨日はプリンをひっくり返して食べていた。

おいしそうな形である。

                  トコ

        モグ

男が来た。

橋でドローンを飛ばしているので、それを見ていたみたい。

「ニャ~」

ケーキ食べないの?

僕は、戻ってきた男に聞いてみた。

「・・・・」

チラッと僕を見たけど、そのままリュックのある方に向かった。

円盤テントが置いてある。

それを広げるんだと思う。

もう、駅の奥の方にはいくつかテントがある。

マッチョさんが空気を入れて膨らましたりしてる。

                     シャリ ♪

「ピョ」

街の小鳥たちも、いる。

テントの中に侵入する機会をうかがっているのかもしれない。

                       ボョン

駅の外はいい天気。

でも、昨日もいい天気だったのに突然大雨になった。

      ト  ト

僕は、広げたテントを置いている男の方に行く。

今日は、あのテントの中でゴロゴロしながら寝れるのだ。

                  ジィィ

男が、テントの入口を開いた。

「・・・・」

               ゴソ

自分のリュックを、中に入れたのだ。

入口の中にもう一つ仕切りがあって、その中が広くなってる。

リュックを置いた場所は、広くない。

                      ジィィ

さらに中に入るためのファスナーも、開けてくれた。

「ニャ~」

僕は、先に中に入る。

暗め。

                 カサ

やや縦長の横から、光。

テントの外から、男が窓の布をあげたのだ。

「・・・」

僕以外には何もなくて、広いのだ。

     ゴロ  ゴロ

僕はゴロゴロする。

挟まるものは何もないけど、悪くないのだ。

このテントの中なら、男もコッソリゼリーが食べれると思う。

その時は、僕も分けてもらう。

                     ピョ

小鳥の声がした。

                 

外に出よう・・・・

                                 ―――    

                                                  ゥゥゥゥゥ   ・・・・


横に並ぶ

2018年09月23日 00時43分24秒 | マーロックの日記

                           

              おいしそう ♪

                                               ヒュゥゥゥゥ  ――――

               チチチ ♪

トロッコ駅がにぎやか・・・

ごはんの入ったプラスチックケースを開けているみたい。

レトルト食品のケースと、コックさんがつくってくれたのをそのまま入れたケースがあった。

「ここに置いておくよ」

「うん」

私は、リフたちと水汲みに行っていた。

大タープから、折り畳みの水タンクをたくさん送ってもらったので、一度にたくさん運べるようになった。

下の階に置いてきたけど、2つだけ駅まで持ってきた。

「カレーもあるね」

後ろで様子を見ていたけど、カレーがあるのはにおいで分かる。

朝ごはんもカレーだったし、うれしい。

「イカフライもあるわ」

プラスチックケースの中に、小さなプラスチックケースがいくつもあって、その中にイカフライがあったらしい。

つまり、イカフライをのせたカレーができる。

私や斧さんは、まだ昼食を食べていない。

「カレー食べますか?」

ノロマさんが振り向いて、聞いてきた。

「うん」

コッヘルとミニコンロはあるので、カレーは温めることができる。

食べ物を温めるためのヒートパックも、たくさん送ってくれていた。

「すぐ温めますね」

「これ、サラダ」

ノロマさんたちがカレーを用意してくれるので、待っていよう。

「たべていい?」

「いいよ」

コニは、ケーキみたいなのを食べる様。

「クゥン」

レトリバーも近くにいて、お座りしてる。

「・・・・」

コニの後ろにリンゴがある。

勝手に食べることはできそうだけど、くれるのを待っているらしい。

          ―――

私がそのリンゴを取ってあげる。

「これあげていい?」

コニに聞く。

「いいよ」

振り向いたコニは、許可をくれた。

   トコ

手で合図すると、レトリバーは私に付いて少し移動した。

               パカ

りんごを半分に割って、片方をあげる。

          シャリ

「♪」

シッポをゆらしながら、レトリバーがりんごを食べ始めた。

「・・・」

ジッと見ていた黒猫にもう半分をあげようと思ったけど、こっちに来ない。

おなかは空いてないみたい。

      コト

残りも、レトリバーにあげる。

                パタ パタ ♪

「マロックさん、ドローンを飛ばそう」

早歩きで橋から戻ってきたマリオットさんが、駅に置いてあったレース用ドローンを取りに来た。

霧が流れたんだろう。

「うん」

カレーを温めるまで少し時間が必要だろうから、橋に向かう。

          シャリ ♪

                   パタ ♪

レトリバーのシッポが足にあたった。

「リフも食べる?」

「・・・うん」

              トコ

遠ざかるグランドシートを見ると、プリンをひっくり返したようなケーキがある。

リフも食べるらしい。

      トコ

昨日より、気温が低い。

もともと、この時期はもっと寒い。

夜にさらに冷えるのに備えて、毛布などもたくさん送ってくれていた。

マッチョさんは、さっそく送ってくれたテントをあちこちに張っている。

広げて置くだけの私のテントも、送ってくれてる。

平べったい円形なので、ケースには収まらないのでドローンに引っ掛けて飛ばしてもらった。

カレーをたべたら、広げよう。

私たちの帰り道を遮っている川がどのような状態であっても、今夜もここに泊まる。

      

                                   ―――――

                  ピピピ

・・・遠くまで見える。

霧が流れた。

朝見えた大きな水たまりは、まだそのまま。

「・・・・」

ポールさんがいる。

「もし連中が来たら、あの坑道の中が安全そうだな」

足音で気づいたらしいポールさんが、こっち見ずに話した。

サングラスの連中が、もしこの廃墟に来た場合の事だろう。

襲ってくるかわからないけど、あの坑道なら入口が狭くて守りやすい。

「飛ばしますよ」

「うん」

マリオットさんが、タブレットを私に渡した。

ドローンの撮った映像を、そのままこれで見ることができる。

             ――――

ハットさんとスコップさんが気づいて、こっちに来る。

一緒に見るためだろう。

東側には、大きな山。

木の橋の枠には、小鳥たちがいる。

視界は良くなったけど、駅の周りにたくさんいる。

にぎやかだからかな・・・・

               チチチ

                                                 ヒュルルルル  ・・・・・

                       ウィィィン


布に挟まる

2018年09月21日 14時01分10秒 | 黒猫のひとりごと

                   チチチ  ♪

                                                   ―――  ゥゥゥ

           ヮィ  ヮィ ♪

「ミャ~ゥ」

「おかえり」

ニャッティラが戻ってきた・・・

斧さんや男も一緒で、プラスチックケースをたくさん運んできたのだ。

巨大マグロを見つけるために、大タープには戻らずにここで過ごすことにしたのかもしれない。

でも、帰りたいけど帰れない方があり得そうである。

「ニャ~」

トラックの荷台には戻れなかったの?

僕は、ニャッティラに聞いてみる。

「ミャ~ゥ」

返事した。

どううやら、戻れなかったみたい。

「これにごはんが入ってるよ」

「うん」

グリもケースを運んできた。

ノッポさんやスコップさんも、下から運んでくる。

トロッコ駅の下にたくさんあるみたいで、台車で運んだのかもしれない。

「りんごがあるわ」

           ピョ ♪

「水タンクもあるね」

「うん」

「台車があるから、運ぶのが楽になったね」

「はい」

男が、ケースから蛇口を出した。

プラスチックがくっついていて、あれは折り畳みの水タンクである。

「水汲みに行こう」

「ァゥ」

「僕も行く」

           

いくつも入っていて、それをもって斧さんと男とリフが去る。

水汲みに行ったみたい。

「クゥン」

「テントがたくさん」

僕は、ケースを開けるのを見てる。

布の袋がたくさん。

テントとか寝袋である。

レトリバーがその間にいる。

今日はテントの中で眠れそうである。

ケースが空になれば、中に入ることもできるし。

「たべたいの?」

「クゥン」

コニが手にもっているりんごが食べたいみたい。

「ふふふ♪」

片手にりんごをもって、コニはレトリバーの頭を撫でてる。

僕の方に向いているシッポは動いているけど、布に邪魔されてあんまりゆれない。

       

                 ト

僕はそれに近づく。

         ピョ

布と布の間で、シッポが動いてる。

                 バシ

僕は前足でレトリバーのシッポをたたく。

斜め下から、上に向けて。

            バシ

                       パタ パタ ♪

2回目で、うまくいった。

「ピョ♪」

布の間から出ることができたレトリバーのシッポは、機嫌よくゆれている。

小鳥も背中に乗って、よろこんでいるみたい。

「あとで切ってあげるね」

「クゥン」

ニャ

コニは、りんごをレトリバーにあげない。

             

そのまま、反対向いた。

         パタ

シッポも元気がなくなったのだ。

りんごあげたらいいのだ。

「ニャ~」

僕はレトリバーのために、コニに抗議する。

「ピョョ」

                

コニは、こっちに振り向くこともしない。

「クゥン」

布の上で、動きをとめたシッポを僕は踏んづける。

フサフサ・・・・

                 ミャ~ゥ

         キキ

                                              ヒュルルル  ――――

                  ヮィ  ヮィ  ♪


届いた

2018年09月19日 14時03分41秒 | マーロックの日記

                 ジャポ  ジャポ

                                        ウィィィ  ン

ドローンが下りてくる・・・

太陽は高く昇り、きっとトロッコ駅ではお昼ご飯を食べている頃。

地面が崩れた川を見つけてから、3時間くらい経った。

霧は朝よりも薄くなっていて、かなり視界は良くなっている。

大型ドローンには、箱などを挟むためのアーム部分がある。

それでプラスチックケースに入れた食料などを運んでくれることになった。

でも、ここから見えるのは台車。

ケースの底に、台車を固定して一緒に運んでる。

30kgくらいのものまで、一度に浮かせて運べる。

空気を入れるタイヤの台車で、舗装されていない地面でもよく進む。

                  ジジ  ・・・・

                                 下ろすから気をつけて  ―――

トランシーバーから、カールさんの声。

ヘテロたちは、台車2台にケース12個を積んで来てくれた。

食料やテント、寝袋の他、エレガントさんたちがノロマさんたちの服なども一緒に入れてくれている様。

私たちの状況は、すでにポールさんたちも知っている。

ヘテロたちが大タープに戻ってすぐ、大型ドローンでトランシーバーの中継器を高く飛ばしてくれた。

雑音は多かったけど、トロッコの橋にいたプルームさんと話すことができた。

駅に残っていたみんなの要望も聞いて、大タープにのこっていたバレッタさんやコックさんが必要なものを詰めてくれた。

                 ウィィィィン

ドローンが地面に着陸した。

         ―――

「着いた」

                   ジジ   うん  ―――

川の向こうでカールさんが操作したから、ドローンはアームを開いてケースを離した。

「飛ばしていいよ」

                             ウィィィィン

そしてドローンはすぐに浮かび上がって行く。

ケースは12個なので、その数だけ運んでくれる。

バッテリーは、十分に持つ。

                   ガタ

マッチョさんがロープを緩めて、台車のハンドルを起こした。

12個のケースと一緒に、私たちはまたトロッコ駅に戻る。

もう少し霧が流れたら、ヘテロたちが川を渡れそうな場所がないか探してくれる。

そして、時間を決めて何度か中継器を飛ばしてくれる。

トロッコ駅に戻った後も、それで連絡できる。

霧が晴れれば、マリオットさんが持ってきたドローンで、私たちも周囲を探れる。

サングラスの連中が接近していないかは、それで分かるだろうけど、大タープでもカールさんが定期的に大型ドローンを飛ばして確認してくれる。

私たちもトランシーバーの中継器を持っているから、橋に置いておけば駅にいても受信できると思う。

「・・・」

ニャッティラはケースの中が気になる様子。

側面が半透明なので、中に入っているのが寝袋とかであるのは分かる。

         パカ

でも、開けてあげる。

「♪」

リンゴが入ってた。

寝袋やテントは、専用の袋に入っている。

そのフカフカの間に、リンゴを挟んで入れてある。

レトリバーが喜びそう。

             パタ

閉める。

「・・・」

            ガタ

そのまま、台車に乗せる。

1台に、6個ケースをのせて運ぶ。

もう2つ乗せてもよさそうだけど、舗装されていない場所を進むので6個がよさそう。

視界が良くなってきたから、帰りは歩きやすそう。

マッチョさんはライフルを持っているから、台車は私と、グリか斧さんで押して帰ろう。

            ジャポポ

ニャッティラがこっち見てる。

りんご食べたいのかな。

マッチョさんとかが、バックパックに入るソーラーパネルを持って来ている。

なので晴れていれば、ある程度は充電もできる。

だけど、12個のケースのどれかにバッテリーも入れてくれている。

「あとでね」

「・・・」

ニャッティラは川の方を向いた。

魚を見たいのかもしれない。

だいぶ遠くまで見えるようになったし。

水はにごっているけど。

少し離れているけど、音はよく聞こえる。

「・・・・」

もしかしたら、次のドローンが飛んでくるのを見ているのかもしれない。

私も同じ方を見る・・・・

                   ジャリ

                                             ヒュルルルル  ――――

                ジャポ ポポポ


赤色

2018年09月18日 14時35分52秒 | マーロックの日記

              ジャポポポ

                                               ヒュルルル  ・・・・

           ジャリ  ・・・

水の音・・・

川の流れの様な感じ。

       ジャ

先頭を歩いているマッチョさんが、辺りを見てる。

斧さんとグリとニャッティラも一緒。

「気をつけてください」

マッチョさんがこっちに手を広げた。

                         ジャポポポ ―――

水が流れてる。

太陽が出てしばらくして、この辺りは霧に包まれた。

視界は悪い。

みんな、バックパックなどに赤いライトを点けている。

霧の中でも、見えやすい。

私は、腕ライトを赤いライトにして点けている。

「この辺り、地面を削った跡があったんじゃない」

「ァゥ」

大タープから廃墟に向かう途中、地面の大きくへこんだ場所がいくつかあった。

               ジャポポ ・・・

その周辺の地面が崩れたのか、私たちの行く手を遮るように流れの速い川ができている。

「・・・あの光は?」

「ミャ~ゥ」

グリが川の向こうに注意を促した。

「・・・・」

赤い光。

                     ジジジ

「・・・聞こえる?」

グリがトランシーバに話しかけた。

           ジジ  ・・・

                            うん   ・・・  ジジ

ヘテロの声で、返事があった。

昨日、私たちが戻ってこなかったから様子を見に来てくれたらしい。

「渡れそうな場所を探してみる」

頭に装着するタイプのトランシーバーをつけているマッチョさんも、話しかけた。

                    ジジ      この辺には無かったです   ・・・・

グリの持っている端末から、返事。

「そう」

私たちより先にここに来て、調べていたらしい。

ここから、赤い光の場所は結構離れている。

川の幅は、50m以上はありそう。

                   ―――  みんな無事 ?  ジジ  ・・・

「大丈夫」

霧が晴れれば、ドローンを飛ばして遠くまで調べることができる。

               ジジジ

                        必要なものがあれば、ドローンでそっちに飛ばすよ   ・・・・

カールさんの声。

彼も来ているみたい。

ブラウもいるかもしれないけど、あまりしゃべらない。

「食料とテントがほしい」

              ・・・  分かった  ――

大タープには、大型ドローンがある。

ケースにいろいろ入れて、川のこっち側に飛ばすことができる。

                        ――――  今から用意するので、待っていてください  ・・・

「うん」

「台車もたのむ」

              ・・・・   はい   ジジ

川の向こうで、赤い光が動いてる。

大タープまで、取りに戻ってくれる様。

「・・・少し休みましょう」

「うん」

あちこちに大きな水たまりがあって、注意しながらここまで歩いてきた。

すこし休憩。

「・・・」

ニャッティラが座った。

地面が崩れるかもしれないから、川からは離れた方がよさそう。

もし魚がいたとしても、にごっているだろうしこの霧なので、見えそうにないし。

       ―――――

腰の輪から杖を引く。

                   チャプ

先を水の流れに入れてみる。

                            ジャポポポ

流れは強い。

      ジャリ

腕を伸ばして杖を浮かせる。

杖の先は、やや霞む。

風はよく吹いている。

「少し離れましょう」

「はい」

            ジャリ

マッチョさんが、水から離れる。

川の流れの方に耳を向けていたニャッティラの頭に、すこしふれる。

「ミャ~ゥ」

ニャッティラが足を伸ばした。

一緒に移動する・・・・

              ジャリ

                                                   ヒュルルル  ・・・・

                   ジャポポポ  ・・・・


かわりやすい

2018年09月15日 23時16分27秒 | 黒猫のひとりごと

                      ―――     

                                                   ヒュルルル  ・・・・

          ピョ ピョ ♪

空が青い・・・

大きな雲は去って、巨大マグロも去ったのだ。

でも、地面がモクモクしてる。

お日様が出てきて、霧がすごいのである。

僕らがいるトロッコ駅は高い場所なので、その上にいる。

風でモクモクが流れてくると、あたりが見えなくなる。

「何も見えないね」

リフが橋からそのモクモクをみている。

雲が地面に来たのかもしれない。

「ニャ~」

巨大マグロも地面に来ているかもしれないよ。

「・・・・」

男は、マッチョさんたちとリュックを背負ってどこかに行った。

                        ―――    

フワリさんとかコニは、トロッコ駅でにぎやかにお話してる。

         チチチ ♪

街の小鳥たちは、モクモクした上を自由に飛べる。

でも、いつもの建物はあの中。

霧の中は見えづらいから、橋や駅にみんな集まっている。

                   チュン  ♪

コニたちが楽しそうに話しているから、その周りにたくさんいる。

あれは話をしているだけなんだけど、コーラスと思っているのかもしれない。

僕は、橋の向こうを見る。

地面に坑道の入口がポッカリ。

今日は、あの中には行かないみたい。

僕はトロッコが走るレールの上に乗っている。

金属で、ひんやりする。

でも、ずっとのっているとそうでもなくなる。

                                                     ピィィィ

高く鳴く声。

「・・・」

僕は空を見る。

「どこだろう」

リフも、探しているみたい。

大きな鳥が、高い場所で鳴いたのだ。

            ―――

・・・みつからない。

駅の建物の向こう側かな。

          

足音。

「雲の上みたい」

プルームさんとポールさんがこっち来る。

「この霧だと、マロックさんたちが戻ってくるのは遅くなりそうですね」

「うん」

「坑道の中を探してみませんか?」

プルームさんは、橋の向こうを見てる。

「今日はダメだ」

「・・・・」

       

ポールさんは、僕らの場所を過ぎてもっと向こうに歩いて行く。

橋の左右を見ながら。

モクモクを眺めているだけで、坑道に向かうのではなさそう。

「落ちないように気をつけてね」

プルームさんが何か言った。

「ニャ~」

返事するけど、そっちは見ない。

僕はモクモクを見ていたのだ。

あの上には乗れそうだけど、のれないのは知ってる。

巨大マグロが下りてきているなら、泳ぐときにモクモクが乱れると思う。

それを見逃さないのだ・・・・

                           ピョ ♪

                                  ――    

          チチチ  ♪

                                                   ゥゥゥウウ  ・・・・・


反射する

2018年09月13日 14時16分19秒 | マーロックの日記

                    チチチ

                                                     ゥゥゥ   ・・・・

                  ――――

下から音・・・

風で窓とかがゆれた音だろう。

トロッコの橋は高い場所にあるから、下から聞こえる。

東には高い山があり、その向こうから太陽の光。

西側を見る。

大タープがある方向で、さっきまで暗くてよくわからなかった。

「・・・水だね」

ハットさんが、双眼鏡を下ろして眺めてる。

ここから何度か眺めているけど、細かな起伏は分かりにくい。

でも今は、キラキラ光る部分があちこちに見える。

地面がへこんでいて、そこが大きな水たまりになっているらしい。

全体が湖になっているわけではないから、歩いて移動できる場所は十分にある。

            

「マロックさん、できました」

マッチョさんが来た。

朝ごはんを食べてから、出発する。

「はい」

ポールさんやコニたちは、ここに残る。

           ピョョ

「ニャ~」

私のごはんは、昨日ハンスさんに渡していたカレー。

うれしい。

みんなの分、カレーがあるわけではない。

パエリアとかの人もいる。

早めに出発したいので、私たちの分を先につくってくれた。

        

駅に戻る。

カレーをたべに・・・・

                  チチチ

                                            カララ

      ニャ~


どこからか

2018年09月12日 14時07分16秒 | マーロックの日記

                     ジャポポポ

                                                  ヒュルルル  ・・・・

          ポチャ

水があふれてる・・・

朝、まだ太陽が出ていないから辺りは暗い。

水路に水汲みに来たけど、階段がほとんど水没している状態。

流れも速い。

マッチョさんたちがコンパクトなろ過ポンプを持って来ていたけど、チーフさんがもう少し大きいのを箱台車に乗せて持って来ていた。

               チャポポポポ

フロアポンプ型のもので、力が入りやすい。

マッチョさんがそれで、折り畳みの水タンクに入れてる。

2つタンクがあるので、それを満タンにして帰る。

プラスチックの蛇口も付いていて、タンクをすこし高い場所に置けばそのまま使える。

最初に見たときは、階段の下をほどよく流れる水はきれいだった。

ライトの光だとわかりにくいけど、今はそれほどきれいな水じゃないだろう。

でもこのろ過タンクは、そういう水でもきれいにして汲めるから安心。

とりあえず、食事に使うプレートを洗ったりするのに使う。

タンク2つなので、マッチョさんに任せておけばいいだろう。

私は、街の様子を見てる。

地面には水たまりが多いけど、歩ける。

太陽が出てきたら、一度数人でトレーラーまでの道の安全を確認しに行く。

「ミャ~ゥ」

すごい雨だった。

                  ――――

「・・・・」

リフも早起きしていて、一緒に来てる。

斧さんもいるから、タンクを運ぶのを手伝う必要はない。

2個なので。

ただ、街の様子を見に来ただけの様。

ニャッティラと一緒に、建物の横から空を見てる。

流れの速い雲の間から、星も見える。

とてもたくさん。

風は今日も暖かい。

建物の屋根からは、ポタポタ水が落ちてくる。

風が強く吹くと、それが飛んでいく。

肌にあたるとひんやりする。

雨ではないとわかっても、上を見てしまう。

         チャポポ

「・・・・」

もう水汲みは終わりそう。

         

すでに水の入ったタンクを持つ。

1つは、私が持って行く。

     

トロッコ駅は近い・・・・

                    チャポ ポ

                                                ゥゥゥゥゥ   ・・・・・・

             ポタ


すき間

2018年09月11日 14時00分59秒 | 黒猫のひとりごと

                                            ゥゥゥウウウ  ―――――

                パチ パチチ

動かない・・・

シッポや前足が。

         ゴソ

動いた。

            ボン

頭を出す。

                     パチッ

火の音。

                                           ―――  ゥゥゥゥ

風の音もするけど、雨音はしない。

            ―――

人間たちは寝ている。

駅に敷いたシートの上には、三角シート。

2本の棒で支えてあって、屋根になってる。

その下で、ノロマさんとコニとゴムさんとフワリさんとプルームさんが寝てる。

そんなに広くないのに、多すぎるのである。

毛布も数が足りていないから、集まって一緒に寝ているのだ。

僕やチワワはその間に挟まれて寝ていた。

挟まっているのはいいのだけど、目が覚めたら動きづらいのだ。

レトリバーも挟まって寝てる。

       グィ

僕は踏んづけて進む。

もう目が覚めたのだ。

三角屋根の下はライトが消えているけど、隙間から外の灯りが少し届いている。

それで十分である。

     グィ

「・・・・」

              zzz

チワワは寝てるみたい。

シッポだけ見える。

          

                     パチチ

やっとシートから出た。

外は暗い。

雨は降ってない。

「・・・・」

斧さんが、ミニコンロで燃やしてる。

上には小さい容器。

お湯を沸かしているみたい。

まだ、ポコポコ鳴ってない。

            

                  パタ

僕はそこに近づいて、シッポを動かす。

「・・・・」

斧さんは、鳴かなくても挨拶できる。

・・・壁際に男がいる。

自分のシートを敷いて、バックパックを背もたれにして寝てる。

          

小鳥たちも寝ているみたいだけど、この近くにはいない。

トロッコ駅の建物は広いから、それぞれ好きな場所で寝ているみたい。

「・・・」

ニャッティラはもう起きてる。

                  ――――

僕は体を伸ばす。

「・・・」

男が動いた。

起きたみたい。

僕を見ているけど、シッポを動かして挨拶する。

「・・・・」

外見てる。

僕も見る。

                 ―――

雨はもう降っていないけど、屋根の端っこから水粒は落ちてる。

          

靴は履いたままだった男が、正面を半分動かして起き上がった。

「おはよう」

           トコ

「水汲みに行こう」

「ァゥ」

そのまま、階段の方に歩いていく。

トイレかな。

                 ポコ ポコ

斧さんは、紅茶を飲むのかもしれない。

僕もお水ほしい。

ミニコンロに行く。

     

ノロマさんたちが持ってきた、僕ら用のプレートにお水が入ってる。

それを飲む。

「・・・」

僕はまばたきする。

まだ、目覚めたばかりなのだ・・・・

                     ポココ

                                               ヒュゥゥゥ  ――――

                 パチ チ