ゴォォォォォ・・・・・・ン ・・・・・・ ゴロロロロロロロロ・・・・・・・・・・・
・・・・ ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・さっきから、ずっと雨が降っている。
ものすごい勢いで、おかげで暑くなくなった・・・・
チャチャチャチャチャ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・
男がご飯を炊いていた焚き火穴は、すっかり水たまり。
僕はそこにシッポを浮かべて、左に右に、ゆっくりと動かしている。
ピカピカと雷が光っているけど、最初に大きく返事しておいたので、いじけてやってくることも無いのだ。
・・・耳を動かしてみる。
左側を向く・・・・・
ここから、車が見える。
中にはガードさんとマッチョさんが乗っていて、密談してる。
ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・ クゥゥ・・・・・ ・・・・・・・・・・・ァァァァ・・・・・・・・・
・・・・おや。
雨音の中に、かすかにチワワの鳴く声・・・・・
僕は正面を向き、少し右の方を見る。
すると、チワワがいた。
背中には、子ネコを乗せている。
ゴォォォォォォ・・・・・・・・ン ・・・ゴォォォォ・・・・・ ・・・・・・・・ン
・・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ニャー
僕は、おどろいたのだ。
チワワが・・・僕の助けなしに、ノロマさんたちの手から逃れてきたのである!
・・・・・子ネコなんて・・・ずぶ濡れのチワワの上に、4つの足を伸ばして凛々とたたずんでいる。
チャチャチャチャチャ・・・・・・・・
・・・・2匹は、僕のシッポの動きに注目しているようだ。
チャプン―――
僕は、シッポを水の中にいれ、少し勢いをつけてはね上げた・・・・・
「・・・・・・ニャ・・・ニャー」
一緒に行くかい?
「・・・・・クゥー」
「ミャ~ォ」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ ゴォォ・・・・ン・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・2匹の意思を確認した僕は、立ち上がる。
そして、さらに激しさを増した雨の下、歩き出す。
シッポを立てて・・・・
後ろには、子ネコを乗せたチワワ。
・・・・右手には、男のテント。
テントの表面には、動き回る光が確認できる。
おそらく中で、男がライトを動かしまわしているに違いない。
ニャ・・・
左ずっと奥から、誰かが見ている。
・・・・あれは・・・斧さんのテントである。
ちょこっと顔を出して、見ているようである。
・・・・・斧さんを誘うのは、やめておく。
ピカピカ・・・ ゴロロロロォォォォォォ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ン
・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノロマさんたちの中に入った、大きなテント。
僕らは、その前を堂々と歩き去る。
・・・・・・ニャ
再び僕は、すばやく左手を見る。
・・・・・シャープさんのテントの中から、シャープネコがちょこっと顔を出して、見ている。
ニャー・・・・・ ・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ ァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・この雨である。
声は届かないと分かっていたけれど、僕は鳴いておいた。
・・・・・少し後ろを見ると、頼もしいチワワと子ネコ。
正面に向き直れば、もう樹が見える。
おや・・・・・
また、根っこにヘビがいる。
「ニャー」
・・・・・・・・・・・ シュルシュル・・・・・・・・・ シュシュル・・・・・・・・
去った。
――――トン
僕は、ヘビのいた根の上に跳び乗る。
少しブルブルして、後ろを見る。
「・・・・・・・アゥ・・・・」
おや・・・斧さん。
カッパを着てる。
「・・・・・ニャー」
来てしまったんだね・・・・・
・・・・・しょうがないのだ。
僕はシッポで、付いてくるように斧さんに伝える。
「・・・・ァ・・・ァゥ・・・」
おや。
斧さんは、僕を連れ戻しに来たらしい。
「・・・・ニャー」
ムダだよ・・・・
僕らは、子ネコにダンス先生である鳥に会わせなければいけないのだから・・・・・
斧さんが、ちゅうちょしている。
「ニャー」
もう行くのだ!
「ァゥ」
すると、付いてきた。
ビュォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・
空のずっと上のほうで、とても大きな風の音・・・・・
斧さんはカッパを脱いで、木の根の間に挟みこんだ。
「ニャー・・・・」
要らないんなら、着てこなければいいのに・・・・
・・・・そうは言ったものの、森の中ではだいぶ雨粒が減るからだということは、知っている。
パチッ・・・・
斧さんはチワワから子ネコを離して、手のひらに載せた。
・・・・まあ、チワワは遅いから、丁度よかった。
そして、僕らは雷の鳴り響く森の中へと入った・・・・・・・
ゴォォォォォォ・・・・・・・・・・・ン ・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・ ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・
チャッチャッチャッ・・・・ ・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・