フワフワする

2019年02月28日 19時07分14秒 | 黒猫のひとりごと

                             チュン ♪

                                         ォォォォォォ   ・・・・・

                             ―――     

いいにおい・・・

             モグ モグ

「おいしいわ♪」

コニが、ホットケーキをたべている。

メープルシロップの、おいしそうなにおい。

     zzz

               zzz

トレーラーの中は暖かくて、耳ネコとポメラニアンはテーブルの上で寝てる。

まだミニだから、遊ぶとすぐ寝るのである。

「チュ」

マヒワも、僕らと同じテーブルにいる。

                          ジュゥゥゥ

                                      ピチュ ♪

ホットケーキは、キッチンで男が焼いてる。

くつろぐ方のマヒワとメジロは、暖かい空気の出る近くにいる。

           パク

                         

焼いているのを見に行こう。

僕はマグロのお刺身もらったから、もう満足である。

パンいらないし。

「おなかすいたの?」

             パタ

バレッタさんが、何か言った。

                             パタ

別のスリッパ。

「中は暖かいな」

ポールさんが来た。

「コーヒーのおかわりですか?」

「・・・うん」

                スル

キッチンのテーブルにのる。

金属なので、ひんやりするのだ。

                ジュゥゥゥ

「パンケーキたべますか」

男がポールさんに言った。

「・・・うん」

                パタ

返事をしたポールさんは、コニたちのいるテーブルに去った。

火のないコンロから、ホットケーキを焼くいいにおい。

「クゥ♪」

右のカウンターの近くで、ノロマさんがチワワと遊んでる。

ミニ2匹が眠って、遊んであげていたチワワが暇になったためである。

                   ポト

「・・・・」

小皿にホットケーキをのせて、男がこっち見た。

「ニャ~」

焼けたみたい。

               コト

                           パタ

男がテーブルに置いた小皿は、バレッタさんが持ち去った。

それを見ていた僕の前に、男が手を伸ばした。

指がひとつ、伸びている。

       ぺチ

左前足でタッチする。

「・・・」

僕がホットケーキいらないことは、知っているはずである。

カットメロンならいるけど。

            パタ

手を引いて、男はまた背中を向けた。

僕はテーブルの上で、ジッとしている。

もう、ひんやりしない・・・・

                             チュン  ♪

                                                 ォォォォォ   ・・・・・

                ジュゥゥゥ

                                          ―――  


たくさん

2019年02月25日 14時19分14秒 | マーロックの日記

            ピピ

                                            ザヮヮヮヮヮ  ・・・・・・

                           ヮィ  ヮィ  ♪

影がたくさん・・・・

もう夜になった。

             モグ  モグ

お肉おいしい。

今夜は、トラックの荷台にあった冷凍肉とかいろいろ焼いてる。

明日にはタイヤの交換をして、西海岸に向かう予定。

なので、みんなでごちそうを食べている。

大タープはすでに外してあるけど、森側に斜めに張ってあるタープは残っている。

その内側にドラム缶たき火があって、そこで焼いている。

火の粉が舞っても、森に飛ばないように。

      パク

いつもどおり、マッチョさんが焼いてくれている。

私はトラックの荷台に乗って、上から見てる。

大きめのプレートに、焼いたお肉にバーベキューソースがかかったものをのせている。

玉ねぎとかピーマンも少し。

お肉と一緒に食べると、ピーマンもおいしい。

ランタンライトはたくさんあって、人も多くて影がいろんな方向に向いている。

どれも薄め。

                     ―――       

黒猫たちも、マグロのお刺身をもらって食べているだろう。

                           パタタタ

「ピィ」

メジロが飛んで、私のいる屋根の上に来た。

はしごを上らなくてもいいから、翼は便利そう。

「♪」

オレンジでも食べたのか、機嫌がよさそうにしてる。

私が提げているライトの光があるから、近くにいる。

         モグ  モグ

        コト

木箱テーブルに置いてあるコップをとる。

       ゴク ゴク

おいしいぶどうジュース。

      ―――

木箱イスに座って、荒野の方を見る。

                     パチチ

                                        ―――  ヮィヮィ ♪

暗くて見えないけど、人工物のない広い場所。

よく晴れているから、帯状に集まった星も見える。

私たちの様子を見に来たボーダさんも、下で食事している。

ネコレースの準備は順調な様で、協力してくれる学生は増えているみたい。

「・・・・」

プレートに乗せてきたお肉がなくなった。

          

もらいに行こう。

        ピィ

立ち上がって手を伸ばすと、メジロが乗った。

私が去ると暗いだろう。

ライトを置いて行ってもいいけど。

           ギィ

はしごに足をのせて、荒野の方を向いて下りる。

プレート持って下りやすい。

メジロはとんとん跳ねて、頭の上に移動した。

クチバシでつつくかな。

       

地面に下りると、土壁があった場所がわかる。

すでに袋はすべて崩してあり、もとあった場所に土を戻してある。

「・・・」

その上にニャッティラがいる。

4つの足をしっかり伸ばして立っていて、すこし上を見てる。

   

何してるのだろう。

シッポまで伸びたニャッティラの横を通って、私はたき火に向かう。

                      ―――    

人間だけで26人いて、たき火の近くはにぎやか。

長テーブルのイスに座っている人もいるけど、立ったまま食べている人もいる。

トレーラーで食べている人もいるみたい。

コックさんがいた。

バレッタさんやエレガントさんたちと一緒に、みんなの食事の準備をしてくれた。

少し遅れて、彼らも食べに来たみたい。

      

お肉をもらいに行く前に、私はそっちに向かう。

                   パチチ

       ミャ~

「ガゥ♪」

サングラスの連中はみな捕まって、ドーベルマンは私たちと一緒に来た。

「足りないならカレーでもつくろうか?」

私の接近に気付いて、コックさんが言った。

「明日の朝でいいよ」

「そう」

「・・・後で、パンケーキを焼こうか?」

いつもは依頼されれば焼くけど、今日はみんな疲れているだろう。

コックさんは土壁を崩すのを手伝ったあとで、食事の準備をしてくれたようだし。

「そうだな・・・」

返事した。

「じゃぁ、私たちで生地はつくりますね」

「そうだね」

近くにいたバレッタさんとノロマさんも、手伝ってくれるみたい。

「うん」

私は焼く。

26枚いるかな。

    

ドラム缶たき火に向かう。

先にお肉を食べてから。

                パチチ

ネコたちは目が光っている。

「ピィ♪」

メジロが頭からいなくなった。

ノロマさんたちの所に行ったみたい。

     

                      ジュゥゥゥ

ドラム缶に近づくと、おいしそうな音。

ポカポカする・・・・

                     パチチ チ

                                                   ヮヮヮヮヮ  ・・・・・

                        ヮィ  ヮィ  ♪


自然に

2019年02月17日 23時58分12秒 | 黒猫のひとりごと

                                            ザヮヮヮヮヮヮ   ・・・・・・

                     パチチチ  ・・・・

      ピョョ ♪

ポカポカする・・・

トレーラーの外にある、ドラム缶たき火に来たのだ。

「チュ♪」

            ピピ ♪

廃墟の小鳥たちもいる。

僕らと一緒に森に遊びに来たのである。

森の小鳥も来ていて、マヒワは一緒に歌ってる。

            パチッ

マッチョさんがたき火にグリルを置いて、お肉とかを焼く準備をしている。

僕の予想通り、今夜のごはんはごちそうの様。

トロたべれるかな。

「ニャ~」

僕は鳴く。

からあげが出てこないかだけが、僕は心配である。

            チチチ  ♪

      チチ ♪

                      チュチュン  ♪

今は楽しそうに歌っている小鳥たちの歌が、抗議に変わってしまうのだ。

男たちはそれでもからあげを食べると思うけど、僕はシッポを向けてしまうしかなくなるのである。

「ピョョ」

まだごはんはできていないようなので、散歩しよ。

        

「鳥が多いね」

ボーダさんがいる。

「ニャ~」

返事して、僕は歩く。

                  

チワワはキッチンにいたし、僕だけで行く。

                                             ヮヮヮヮヮヮ  ・・・・・

風で、森はいつもざわざわしてる。

     

足音。

荷台の方。

               

プルームさんがいる。

「さむくない?」

僕を見て、体をかがめた。

「・・・」

僕は歩くのをやめて、プルームさんの様子を伺う。

撫でるために手が伸びてきたら、素早いネコパンチでたたいてやるのだ。

「・・・・」

ニコニコしているだけで、手は出てこない。

      

前進する。

             スル

ニャ

僕の後ろから、背中を撫でた。

「ニャ~」

「♪」

       パチ

シッポで一撃して、僕は去る。

プルームさんが荷台でなにかつまみ食いしていた可能性については、指摘しないことにした。

「ミャ~ォ」

しまネコの声。

僕が向かう先の方。

      

木箱があって、斧さんが座ってる。

その足元で、しまネコがシッポを動かしてる。

遊ぼうとしているのかもしれないけど、斧さんは空をみてる。

                チュチュン

空に雲はなく、星がたくさん。

                                  ―――    ・・・・

荷台の屋根の上からも人の声。

すこし空に近いから、そこで見ているのかも。

下の方で切り取られるまで、ずっと星が見える。

「・・・」

いた。

お月様も、どっか向いてるけどいる。

             

土袋を積んでいた場所は、もう片づけてある。

左を見ると、大きな山があるのがわかる。

周りよりもより多く、星がみえない。

廃墟があった方向である。

       

           ミャ~ォ

しまネコの声の位置が変わった。

斧さんの膝にのったみたい。

あきらめて、そこでくつろぐのかも。

後ろをみて確認はしない。

       ミャ

            ミュ ♪

オッドネコとトラネコの声がする。

どこかにいたみたいだけど、しまネコの方に移動してる。

「ァゥ」

斧さんの所に集まっている様である。

僕は振り向いて確認しないけど。

      

進む。

空と地面の境目まで、大きな陰はない。

広い場所。

僕はそこで座る。

前足を浮かせて、上を見る。

動くのいるかな・・・・

                ミャ~

                                           ゥゥゥウウウ  ―――――

               ピョ


いくつも

2019年02月12日 15時11分52秒 | 黒猫のひとりごと

                チャポ

                                       ァァァァァァァ   ・・・・・・

       ポチャ

白い・・・

モクモクした湯気で、シャワー室の壁も見えない。

すぐそこにあるのだけど。

大タープに戻った男が、シャワーを浴びているのだ。

            チャポ ポ

久しぶりなので、いつもより長め。

だから僕も、いつもより長めに上から来るお湯にあたってる。

雨に似ているけど、温かい。

  ポチャ

足に、流れていくお湯もあたる。

「・・・・」

                         キュ

ハンドルが回る音がして、急にお湯がとまった。

            パタ

もう出るみたい。

                

開いたドアから、着替えをする部屋に出る。

硬いマットがあって、その先がフカフカのマット。

                          ――――――

でも、流れてきた湯気でそれも見えなくなった。

あっという間にモクモクである。

                    バサ

上からタオルが落ちてきた。

         ゴロン

僕は拭いてもらわなくても、自分で拭けるのだ。

                ゴロロ

適当にしか吹かない男に見本を見せてあげようと思ったけど、モクモクできっと見えてない。

空気はひんやりするけど、さっきまで温かいお湯にあたっていたから平気。

                      ガララ

廊下に出るドアが開いたから、僕は先に出る。

              

そうすると、後ろから湯気がついてくるのだ。

               チュ ♪

マヒワがいる。

廊下で、待っていたみたい。

「♪」

流れてきた湯気で見えなくなるかと思ったけど、廊下は広くて湯気は薄くなって消えていく。

「・・・」

ざんねん。

             

マヒワは、飛ばずに跳ねて僕の上に乗った。

         タ         タ

そのまま、キッチンのある方に向かう。

コックさんたちが、ごはんの準備をしていた。

カットメロンがあるかもしれない。

お日様が帰る前、コックさんたちは荷台からたくさん食べ物を運んでいた。

巨大マグロは見つからなかったし、たぶん街に戻る。

だから、今夜はごちそうをみんなで食べるのだ。

マグロのお刺身もあるかも。

                ト         ト

廊下を進むと、暖かい空気が流れてくる。

キッチンの向こうには、暖かい空気が出る場所がある。

くつろぐ方のメジロとマヒワは、たぶんそこでくつろいでる。

                                  ――――      

                           ・・・・  

            

                                                   ォォォォォ  ・・・・・

人の声がいくつも聞こえる。

コニやフワリさんはよくしゃべるから、2人でもにぎやかになる。

でも、キッチンにはそれ以上の人がいるのだ。

                

「ピィ」

メジロがいる。

荷台は空気がつめたいから、こっちにいるみたい。

                   キュ ♪

「ミャァ」

ポメラニアンはフサフサしていて、ひっくり返ったお腹を耳ネコが前足でたたいてる。

耳ネコの耳は、今日も折れてる。

「・・・」

ドーベルマンは木のイスの側にいる。

少し前に洗ってもらって、さっぱりしてる。

「・・・」

散歩していたらしいシロネコが通りかかって、ドーベルマンを見てる。

「・・・」

ドーベルマンは前足を伸ばして、シロネコの鼻に近づけた。

「・・・」

シロネコにドーベルマンを紹介しようと思った僕は、それをやめてジッとみる。

・・・もしかしたら、一撃するのかもしれない。

「・・・」

「キャン」

ニャ

前足は引っ込んで、ドーベルマンはひっくり返った。

「キキ」

テーブルの足に張り付いて様子を見ていたらしいリスが、鳴いた。

ドーベルマンも、失敗したのだ。

            

シロネコがこっちに来る。

「ミィ♪」

                   パタ

男のスリッパの音が追い付いてきているから、そっちに行くみたい。

シロネコもフサフサだから、ポメラニアンと並ぶとそれが増える。

                              グッ   グッ

キッチンから、おいしそうなにおい。

でもまだ、ごはんの準備中みたい。

                    パチ

「ガゥ」

僕は横になっているドーベルマンに近づいて、前足で鼻をたたく。

「チュ」

大きなイヌだから、マヒワが鳴いた。

レトリバーの様に、乗せてくれるかもしれないのだ。

「ネコさんも元気そうね」

エレガントさんの声。

上見ると、足をとめて僕を見てる。

「ニャ~」

返事しておく。

「♪」

                             スル

             カタタ

僕はカウンターに乗る。

窓から外が見える。

たき火が見える。

外にも人が多い。

ボーダさんもいる。

「ニャ~」

外に出る?

「チュ」

マヒワが返事した。

どっちかな・・・・

                     キュキュ

                                                  ォォォォォ   ・・・・・

                     ――――    


同じ様

2019年02月10日 00時17分12秒 | マーロックの日記

              ドサ

                                              ヒュルルルル   ・・・・・

                       ピピ

街を見下ろす・・・

坑道に続く橋の上から。

もう誰も住んではいない。

数日を過ごした私たちも、ここを去る。

財宝はあった。

先に大タープに戻ったポールさんたちが、それは運んで行った。

私は、マッチョさんやグリたちと残って片づけをしていた。

坑道の入口に積んである土袋とかの。

トロッコ駅の建物を中心に、ライフルの弾の跡がいくつも残った。

それは消すことはできない。

「ニャ~」

ニャッティラやレトリバーも戻っているけど、黒猫は一緒にいた。

先に戻っているマリオットさんたちが、大タープの土袋の片付けもしているだろう。

袋に詰めるためにへこんだ土のすぐ前に積んでいたから、崩すのは速いと思う。

午後の3時。

太陽はすこし傾いて、東側にある大きな山がよく見える。

      ピピ

小鳥の数羽は、財宝の箱とかに乗って大タープに一緒に行った。

残ったのは、屋根とか橋にいるのが見える。

サングラスの連中は、警察に捕まった。

連絡がないのを心配したボーダさんが、車で様子を見に来ていた。

座標は教えてあったから、大タープまで来てくれた。

彼が持っていた衛星電話で、助けを呼んでくれた。

連中が乗ってきたトラックも、警察官が乗って去った。

もう1台は、食べ物やバイクを入れておくのに使っていたようで、ここから少し離れた場所にあった。

私たちの乗ってきたトラックやトレーラーは、タイヤがパンクしている。

明日には修理が来る予定。

                                               ゥゥゥゥ   ・・・・

雲はすこし。

風はつめたい。

「・・・」

黒猫が、駅の方を見てる。

斧さんがいて、もうバックパックも背負っている。

「帰ろう」

「ニャ~」

私もすでに背負っていて、これから大タープに戻る。

マッチョさんたちは、下にいると思う。

橋の反対を見る。

「・・・・」

最初にここに来た時と、同じ景色。

大きさも材料もバラバラな建物が、それぞれの距離も向きもバラバラに建っている。

             グィ

黒猫がこっちを見ていたから、掴んで浮かせる。

「♪」

浮いて歩きたいんだと思う。

       トコ

「ピピ」

「ニャ~」

駅にあったテントとかも、もうない。

私が歩き始めたのを見て、斧さんも階段の方に向かった。

       パタ

シッポが足にあたった。

黒猫が、なんとなく動かしているみたい。

4つの足は、動いてる・・・・

            トコ

                                          ゥゥゥウウウ  ―――――

                                              ピィィィ


大きな音で

2019年02月04日 03時52分57秒 | 黒猫のひとりごと

                                                ォォォォォ  ・・・・・

              ―――――

小さな石が転がってくる・・・

ヘリコプターが、廃墟に来たのである。

5つ。

3つは、サングラスたちを捕まえに来たのだ。

坑道に避難していたマッチョさんやプルームさんも来ている。

「よしよし」

「ガゥ♪」

コニがドーベルマンを撫でていて、シッポがよく動く。

グラスの中にはけがをしているのも何人かいて、2つのヘリコプターはけがをした人を寝かせたまま運ぶために来たみたい。

坑道からは誰も運ばれてこないから、みんな無事みたい。

男と斧さんも無事に戻ってきた。

ツイードたちはいなくて、去った様である。

「♪」

男がドーベルマンの耳と耳の間を撫でると、目が細くなった。

大きな犬である。

レトリバーと同じくらい。

                  ト     ト

助けに来た警官たちと話をしていたポールさんが、フェルトと一緒にこっちに来る。

「ガゥ」

「すっかり懐いたみたいだね」

「うん」

ドーベルマンは、周りの人間たちを見てる。

「コニ、俺はもう行かないといけない」

「うん」

「これからしばらくは、一緒にいられなくなるけど・・・」

「・・・大丈夫よ、わたしなら」

「そうか」

「ガゥ」

         ピョ

「じゃぁ、もう行くよ」

        

フェルトが動く。

たぶん、一緒にヘリコプターに乗っていくのだ。

捕まるんだと思う。

「ありがとう」

コニが声をかけたら、フェルトがこっち見た。

「パパ」

「お前が無事なら、それでいい」

フェルトが笑った。

「牢屋に会いにいくからね」

「うん」

         

ヘリコプターの方に去った。

「・・・」

お座りしていたドーベルマンが動いて、男の後ろにいる。

                         ―――   ・・・・

建物から人の気配。

        ―――

ノロマさんやフワリさんも、坑道から戻ってきたみたい。

「もう大丈夫なの?」

「ァゥ」

こっちに駆けてくる。

ゴムさんとハンスさんも、元気そう。

「けがしてない?」

「うん」

コニの所に集まってくる。

ノロマさんやフワリさんが、コニをペタペタたたいてる。

「だいじょうぶよ」

「ガゥ」

「・・・ドーベルマン?」

「うん、わたしこのこ飼うわ」

「ガゥ♪」

「無事でよかったわ」

ゴムさんも来た。

「お腹すいたわ」

「そうね」

          チチチ ♪

小鳥たちも戻ってきた。

「きみも大丈夫そうだね」

「はい」

ハットさんも来た。

                       ――――     

にぎやかになった。

                                         ウォォォォ   ・・・・  ン

グラスたちやフェルトをのせた警察のヘリコプターが、浮いた。

「・・・・」

人間たちがみんなそれを見上げるから、僕も見る。

                                              ォォォォォ   ・・・・・

大きく唸って、どんどん上に行く。

風の勢いは増して、さっきよりも小石が転がってくる。

地面の土が湿っていなかったら、もっとたくさん飛んできていたと思う。

               ―――――

ポールさんがこっちに戻ってきた。

「トレーラーに戻ろう」

「うん」

ヘテロたちも来ているし、もう大タープに戻れるんだと思う。

・・・結局、巨大マグロは朝の霧と一緒に雲の上に去ってしまったのだ。

見つけることはできなかった。

「・・・」

でも、しょうがないかもしれない。

巨大マグロだって、お刺身にされるのはいやなのだ。

僕らに見つからないように隠れると思う。

「けが、なさそうね」

僕の頭を撫でる手。

「ニャ~」

今日のごはんはサーモン?

ノロマさんに聞いてみる。

「♪」

マグロかな・・・・

                          ―――

                                                ォォォォォ   ・・・・・

                ピピ