風に乗って

2011年07月29日 12時38分23秒 | 黒猫のひとりごと

クォーーーー・・・・                     ・・・・クォーーーー・・・・

    ・・・・・・ザァァァァァァ・・・・・・                  ・・・・ァァァァ・・・・・

 ボォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・           ・・・・ザァァ・・・   ・・・ン

         ニャー  ・・・・・

・・・・テラスから海を見ていると、濃い霧の向こうで船が鳴いたから、僕は返事をした。

空を見上げると、暗い青から薄い青になって、端っこの方はオレンジ色で、明るい。

「ニャー」

お日様が出てきたからで、僕は朝の挨拶をする。

ヒュゥゥゥルルゥゥ~~~・・・・・・・

・・・お日様は返事してくれないけど、いつもの事なので気にしない。

「クァーー」

おや。

テラスの手すりに、鳥。

    バサササササ・・・・・・・

・・・・すると、テーブルの上に小鳥もやってきた。

「ピチュン♪」

「ニャー」

手すりの鳥の方が、大きい。

・・・もしかして、どっちかがダンス先生なのかな。

僕のネコダンスはずいぶん洗練されたけど、まだダンス先生には及ばないのだ。

  トッ   トッ   トッ   ・・・・・・

・・・・小鳥は、リズミカルに跳ねて、テーブルの上を移動する。

あの動きは、ダンス先生に違いない・・・・

僕は、ダンス先生の動きを邪魔しないように、ゆっくりとイスに上に乗って、前足をテーブルにかけてのぞく。

「チュン」

鳴いた。

                ―――   タッ    ・・・・・

――足音がしたので見ると、ノロマさんが出てきた。

・・・・ダンス先生の邪魔をしないか、不安である。

               ――  カタッ    ・・・・・

僕の心配とは裏腹に、ノロマさん静かにイスに座った。

「おはよう」

「ピチュ・・・」

ノロマさんが声をかけると、小鳥は返事した。

                  カタッ  ・・・・

・・・・      トッ     トッ     トッ

頭をチョコチョコと動かして、ダンス先生は準備運動をしている。

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・

              ・・・・・ザァァァァァァ・・・・・・             ・・・・・・ン

・・・・ドキドキ。

  トッ    トッ     トッ

ダンス先生は、まだダンスをはじめない。

       チュン    チュン

                          ピピチュ  ・・・   ♪

ノロマさんの前で、何度もお辞儀してる。

        バサササササ      ・・・・・・・・・・・

・・・・飛んで行った。

ニャ ―――

僕は、後ろを見る。

「・・・・・クァ」

・・・手すりの鳥が、僕を見ている。

あっちが、ダンス先生だったのだ・・・・・

       ―――   バササササ   ・・・・・・・

本物のダンス先生は、空高く去った。

「ニャー」

がっかりなのだ。

けど、ダンス先生を見抜けなかったのだから、しょうがないのである。

    ・・・カタ  ・・・・

ノロマさんが立ち上がった。

    キャン  ・・・・・

タタタタタタ・・・・・・・

するとチワワが出てきて、ノロマさんの所に駆け寄る。

「ニャー」

チワワに、朝の挨拶をした。

「クゥ・・・」

「・・・一緒にいく?」

チワワとノロマさんは、一緒に階段の方へ去った・・・・・

・・・・そして僕は、斧さんの方を見る。

ダンス先生は見抜けなかったけど、ダンス先生の邪魔をしないようにひっそりしていた斧さんには気づいていたのだ。

「ニャ~・・・」

僕がダンス先生を間違えたことは、秘密だよ・・・・

「ァゥ」

・・・斧さんは、了解した。

        ゴロン  ・・・・・

安心した僕は、テーブルの上に転がる。

クォーーーー                          ザザァァァ・・・・        ・・・ン

        ザァァァァァ・・・・・       ・・・・・          クォーーーー  ・・・・・

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・      ・・・・ルルルル・・・・・・・・


粒の衣

2011年07月27日 17時51分10秒 | マーロックの日記

・・・・ァァァァァァ・・・・・                    ・・・・ザァァァァ・・・・   ・・・ン

    ザァァァァァァァ・・・・・・・・・・          ・・・・・・ン

           ・・・・・・・・・サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・                        ・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・

・・・・夜も9時を過ぎて、薄ら雨に覆われている。

傘がいるほどではなくて、風も吹いて心地いい。

今夜の夕食はバーベキューで、おいしいお肉を食べた。

食事が終わっても、みんなテラスで時間をつぶしている。

私は、トイレに行ったついでに、ちょっと散歩。

スリ・・・

ニャッティラが、私の足にお腹を当てた。

・・・勝手についてきた。

木の間を抜けて、丸太の桟橋の所に来た。

木陰を出ると、空が明るい。

丸い月が輝いているからで、ライトは持ってきていないけどあの光があるので平気である。

・・・・雨だけど、月は出ている。

           チャプン ――

・・・木の小舟がある。

昼間乗るのはたのしいけど、太陽の光が暑い。

ひりひりするのはいやだ――紫外線は皮膚がんのリスクを高めるし。

それで、今日の昼間はノロマさんが貸してくれた日焼け止めを腕とかに塗っておいたから、それほどでもない。

カタン ・・・・

                     ギィィィ・・・・

・・・・小舟に乗ってみる。

小舟は、桟橋にロープでつながっている。

そのロープはそのままに、小舟に寝転がる。

波に揺れて、空の光も揺れる・・・・・

・・・・日焼けには2つあって、どちらも紫外光が原因になる。

比較的狭い波長域の紫外光によって引き起こされる日焼けは、皮膚の深いところにある、メラニンを作る細胞を活発にさせることによって起こる。

そのため、1日くらい経って、メラニンが皮膚の表面に出てくるまでわからない。

メラニンは、植物のフラボノイドのような役割を持っていて、紫外光によって細胞中のDNAが損傷するのを防いでくれる。

フラボノイドと呼ばれる分子の中では、アントシアニジンと呼ばれるものが代表的だけど、たいていの葉っぱに含まれているクエルセチンはフラボノールと呼ばれるものの一種である――アントシアニジンは糖分子と結合するとアントシアニンになり、自然に存在する、赤や紫や青い色のもとになっていることが多い・・・別の化合物によるものもある。

クエルセチンは紫外線を吸収することで葉を守っているけど、青や赤の光は吸収しないので、クロロフィルが光合成のためにエネルギーを吸収するのを邪魔しない。

そして、葉っぱを緑色にするクロロフィルが秋になって減退すると、その色が見えるようになる。

そうすると、フラボノールは分子から酸素原子を外して、ぺラルゴニジンなどのアントシアニジン変わる。

この変換は、酸素原子が一つ失われることで起こるけど、人の目には鮮やかな紅葉となって映る――クエルセチンのヘテロ環についている-OH基がとれると、ルテオリンになり、これはフラボンと呼ばれるものの一種で、キクの黄色のもとになる。

もう一つの日焼けは、幅広い波長域の光によって起こるもので、皮膚の分子が損傷してメラニンが形成さるためで、すぐ消える――死体はずっと続くけど、一つ目のタイプの日焼けは生化学反応によるものなので、死体では起こらない。

また、皮膚の色素が皮膚上層部にあるアミノ酸とメイラード反応を起こすことで褐色になることがよくあって、これも着色された皮膚が落ちればすぐ消える。

日焼け止めは有害な紫外光を吸収することで皮膚を守るもので、日焼けのオイルは、短い波長域によって起こされる長い日焼けを防いで、すぐあらわれる日焼けだけを許すものである。

・・・・サヮヮヮヮヮヮヮヮヮァァァァ・・・・・・     ・・・・ヮヮヮヮヮ・・・・・・

                     ・・・・・ザァァァァ・・・・           ・・・・ン

メイラード反応は褐色反応とも呼び、炭水化物とタンパク質のアミノ酸が反応することを言う。

ふつう熱せられることで起こり、複雑な生成物ができる――こうして褐色化される過程で、味や香りの分子も形成される。

パンやビールや炒ったナッツなどの褐色は、メイラード反応による。

砂糖・・・スクロースを熱するとできるカラメルは、メイラード反応ではない――アミノ酸がないから。

カラメル化は、熱によって複雑な分解と再結合が引き起こされた結果で、その過程は詳しくは分かってない。

この分解によって、アクロレインなどの小さな分子もできて、カラメルの風味をうむ――アクロレインはお肉を加熱した際にも脂肪酸の分解で現れ、バーベキューなどの煙の香のもとにもなっている。

自然の褐色化の多くは、メラニンによる。

アミノ酸の一つであるチロシンは、神経細胞同士が信号を伝達する際の分子のもとになる分子で、これが酵素の作用でいくつも結合するとメラニンになる。

この分子は二重結合と単結合が交互にあり、電子の拘束がゆるいためにあらゆる光を吸収して自由に動き回る。

このため、メラニンは黒っぽく見える。

メラニンの分子は、タンパク質の分子と結合して粒状に集まって、黄色から褐色に黒まで、さまざまな色を出す。

肌や髪の毛の色も、メラニンによる――赤毛は鉄が沢山あるトリコシデリンという色素によるもので、過酸化水素での脱色は、メラニンが分解されることによる・・・過酸化水素は、色素分子の二重結合を外して酸素を与える。

眼がはっきり色を映すための暗い背景である虹彩も、メラニンによる。

肌のメラニンを作る細胞は、どのような肌の色の人でもその数はほぼ同じである。

ただ、活発に働くかどうかの差がある。

カメレオンは、皮膚内部の通路をメラニンが動き回っていて、その下にある色を隠したり出したりして、色を変える。

タコが色を変えるのも、メラニンを集めたり分散させたりすることによる。

果物に何かをぶつけると、組成が少しだけ違うメラニンが作られる――細胞壁が壊れると、反応が起きる。

ただ、果物のメラニンはチロシンに似た構造をした分子がつかわれており、必ずしもアミノ酸が使われているわけではない。

果物の褐色化を促すのはフェノールオキシターゼという酵素で、かんきつ類には含まれていないので、これらは何かにぶつけても、それほどはやくは色が変わらない。

ザァァァァァァァ・・・・・・・・             ・・・・ン

                          ザザァァァァァ・・・・・・         ・・・・・ン

・・・メロンにも、フェノールオキシターゼはない。

波に揺られていると、メロンが食べたくなった・・・・

たしか、テラスのお皿にまだあったはずである。

ギィィィ・・・・・

                           ―――  タッ  ・・・・

私は起き上がり、桟橋に戻った。

「ミャ~ゥ」

すると、一緒に船に乗っていたニャッティラも来た。

落ちてくる粒は小さくて少しだけど、ずっと受けていたからシャワーを浴びたみたい・・・・

戻ろう・・・・

・・・・サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・

           ・・・・・・ザァァァァァァ・・・・・             ・・・・ン

・・・・ァァァァァァァァ・・・・・                 ・・・・        ・・・・・・ァァァァァン  ・・・・・


月ふたつ

2011年07月25日 11時10分28秒 | 黒猫のひとりごと

ザァァァァァァァァ・・・・・・・・・                     ・・・・・・ン

           ・・・・・      ァァァァァァ・・・・・・

・・・・大きなお月様が空に見える。

でも、海にも見える。

    ジュゥゥゥゥゥ・・・・・・                ジュゥゥゥゥゥ・・・・・・・

ホテルのテラスでは、マッチョさんたちがお肉を焼いている。

僕は、テラスから下に向かう階段の手すりから、海を見ている。

「キキ・・・」

すでに食事を終えたらしいリスが、手すりの下を僕の方へ近寄ってきた。

ス――

そして、僕の頭の上に乗った。

・・・・どうやら、散歩をする気の様である。

                ―― スタ  ・・・・・

僕は頭を引いて、階段に前足をつける。

階段の上を見ると、メタボネコが寝てる。

・・・僕は階段を上って、テーブルの方を覗く。

チワワがいた。

「ニャー」

呼んでみる。

    ジュゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・               ジュゥゥゥゥゥ・・・・・・・・

                    ・・・・クゥ―

・・・しばらく辺りをキョロキョロしていたチワワは、こっそりのぞいている僕に気が付いた。

      タタタタタタタ・・・・・・・

・・・・こっちに来たので、僕は向きを変えて下に向かう。

                           ―― トッ

ニャ

階段の下に何かが現れた・・・・

・・・・・シャープネコとシャープさんである。

   トッ トッ トッ トッ

シッポを立てたシャープネコは、階段を上って行った・・・・

「・・・・・」

そのあとを上ってくるシャープさんとはすれ違って、僕は下って行く。

「クゥ―」

             サク・・・・      サク・・・・

       ・・・・ザァァァァァ・・・・・             ・・・・・ン

                     ・・・・・ザザザァァァァァ・・・・         ・・・・・ン

僕は砂の上を歩いて、海の音のする方へ向かう。

・・・歩きながら上を見ると、お月様。

細長くて薄い雲が、その前を横切ってる。

人間の灯りは届かないけど、明るいのである。

海には光る道ができていて、ゆらゆら揺れている。

サクサク・・・・

                    サクサク・・・・

・・・・テラスと海の中間辺りに、座る。

「クゥ―」

すると、チワワが隣に来た。

チワワもお座りしたから、僕は一緒にお月様を見る。

・・・・背中にいたリスが、僕の頭に移った。

           サク・・・・

                               サク・・・・

・・・・おや。

足音。

「・・・あかるいね」

ノロマさんである。

チワワの後ろについてきたらしい。

パサ  ・・・・

ノロマさんがタオルを敷いて、座った。

用意周到である。

「クゥ」

すると、チワワがひざの上に乗った。

ノロマさんがお月様の前に来たから、髪が光って見える・・・・

「キキ・・・・」

リスが、その光に引き寄せられて、ノロマさんの肩にのぼりはじめた。

・・・・そして、髪を引いている・・・・

髪が長いから、引っ張り甲斐があるのに違いない。

      ・・・・ザァァァァァァ・・・・・・           ・・・・・ン

                            ザァァァァ・・・・・       ・・・・・ン

・・・・髪の毛の向こうが輝いていて、一緒にリスも光ってる。

僕は、海の道の方へ3歩。

これで、僕の方がお月様に近くなったから、僕が光って見えるかな。

      パサ・・・

シッポを動かすと、タオルの上にあたって、サンダルから出た指にあたった。

・・・動いた。

ゴロ  ・・・・

僕は横になって、くつろぐことにした・・・・・

         ・・・・ザァァァァァァァ・・・・・・・・              ・・・・・・ン

ザァァァ・・・・   ・・・ン                 ・・・ザザァァァァ・・・・・        ・・・・・ン

・・・・                   クゥ・・・             ・・・・・・ァァァァ・・・・・・


ココーメロ

2011年07月20日 15時25分04秒 | マーロックの日記

ザァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・            ・・・・・・・ン

            ・・・・・・・・・・ザァァァァァァァ・・・・・              ・・・・ン

ギィィィィ・・・・・               ギィィィィ・・・・・

丸太を組んだ桟橋が、遠くに見える・・・・・

私の乗った木の小舟には、黒猫とリスが乗っている。

桟橋から右の方を見ると、緑の木々を挟んで砂浜が見える。

マッチョさんたちが、あそこで海水浴を楽しんでいる。

ノロマさんたち女性は、日焼けしたくないらしいから屋根のあるレストランでくつろいでいるはずである。

空気を入れて浮かべるゴムボートに乗ったカールさんが、必死にこっちに向かってくる・・・

しかし、木の小舟とでは速度が違う。

私は浜に平行に船を進めて、オールを上げる。

しばらくは、流れに任せる。

「ニャー」

黒猫が、鳴いた。

私が持ってきたスイカが気になるのだ。

この小舟に乗る前に、レストランでノロマさんたちが頼んでいたスイカを一切れもらってきた。

   クォーーーー

                        クォーーーー

・・・・上を見ると、まぶしい空のかなり低いところを、鳥が飛んでる。

よく晴れていて、暑い。

ギィィィィ・・・・                  ギィィィィ・・・・

       ・・・・・・ァァァァァァァ・・・・・・・              ・・・・・・ン

ザァァァァァァァ・・・・・・                      ・・・・ァァァァァ・・・・・ン

小舟を漕ぐのはたのしいけど、そろそろスイカを食べることにする。

「ニャー」

「少しまってろ・・・」

シャリ・・・・

                  シャリシャリ・・・・・

よく冷えているし、みずみずしくておいしい。

             ポト・・・

私は、スイカの種を小皿に落とす。

「キキッ・・・」

すると、リスが寄ってきた。

カリカリカリ・・・・・

・・・私の思惑通り、リスはその種を食べだした・・・

それで、リスを連れてきた。

しかし、黒猫はかってについてきた。

シャリ・・・・

・・・・あらかた食べ終わった私は、皮を置く。

「ニャー」

ぺロペロペロ・・・・・

                   サクサク・・・・      ぺロペロペロ・・・・・

・・・・黒猫が、それを食べだした・・・・・

あますところなく、スイカをいただくことに成功しそうである。

浜の方を見ると、まだカールさんのゴムボートは来ない・・・・

・・・・どうやら、進行方向とは反対の端っこにノッポさんが引っ付いていて、うまく前に進まないようである。

あのバランスの悪さは、ゴムボートならではである。

     チャプン  ―――

ギィィィィ・・・・・                     ギィィィィ・・・・・・

・・・私は、小舟を漕いで進める・・・・

沖の方を見ると、エンジンを積んだ小型の船が、観光客を乗せて海の上を進んでいる・・・・・

クォーーーー          ・・・・・・・

             ・・・・クォ ーーーー       ・・・・・

・・・私の乗っている小舟は、しずかに波を切って進むから、波や風の音がよく耳に届く・・・・

ギィィィィ・・・・・                      ・・・ザァァァァ・・・・      ・・・・ン

         ザザァァァァ・・・・           ・・・・ン

・・・・ァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・                   ・・・・クォーーーー  ・・・・・


砂と風

2011年07月17日 13時26分51秒 | マーロックの日記

ザァァァァァァ・・・・・・・・              ・・・・・ン          クォーーーー ・・・・

      クォーーーー         ・・・・・・ザァァァァァァァ・・・・・・・          ・・・・・・ン

海の向こうに、日が沈みかけている・・・・

空を見ると、薄暗い色から少し明るくなって、海との境目では赤い。

鳥の影が、黒く動いてる。

海が見えるホテルのテラスから下に降りると、木に囲まれた、簡単な屋根のついたレストランがある。

ホテルに泊まっている人が、主に使う。

食事を持ってテラスに上がっても良くて、今夜はここでご飯を食べる。

でも、まだ時間が速い。

今夜は、ここよりも北の国で、女子サッカーの試合がある。

私の祖国のチームと合衆国のチームが、試合する。

それで、レストランで試合を見ながら食べる。

通常はそういうことはしないレストランみたいだけど、偶然、私たちと同じ船の乗客の人たちが20人くらいで泊まっていて、彼らがお願いしたらしい。

おかげで、私たちもにぎやかに見ることができる。

ザァァァァァァァ・・・・・・                ・・・・・ン

                         ザザァァァァァ・・・・・・             ・・・・・ン

まだ中継には早いし、私はシャワーを浴びてレストランの前、海の近くに来ている。

ノロマさん達が連れて行かなかったので、黒猫も一緒にシャワーに入れて、ここまで連れてきた。

その黒猫は、私よりも海の近くに寄っていて、風にあたっている。

私は、折り畳み式のイスがあったから、ちょっと拝借してそれに座っている。

ジャリ  ・・・・・

・・・・足音がしたので見ると、ノッポさんだ・・・・

チワワと一緒。

散歩かな。

チラッと私の方を見て、チワワのひもを放した・・・・

ジャジャジャジャ  ・・・・・・

すると、チワワは黒猫の方に行く。

             ・・・・     ジャリ  ・・・・

ノッポさんはそのまま去った・・・・

ヒュルルルゥゥゥゥゥ・・・・・・・・

                         ・・・・・・ゥゥゥゥルルルルゥゥゥゥゥ・・・・・・・・

・・・・風が、シャワーを浴びてほとんど拭いていない私の頭や腕を、冷やしてくれる。

ジャジャジャ  ・・・・・

・・・・黒猫が固まっていて相手にしてくれないから、チワワがこっち来た。

「・・・・・・」

「クゥ・・・」

私は、見上げているチワワの頭を撫でてやった。

チワワは、前足を私の足に乗せている。

上に乗りたいんだろうか・・・・

しかし、チワワを乗せると暑いだろう。

「・・・・・・」

「・・・クゥ」

シッポを揺らしながら、チワワが待ってる。

ジャリ  ・・・

私は、苦し紛れにチワワを砂の上にひっくり返す。

頭を揺らしながら、チワワはシッポも揺らす。

私は上体を起こした。

黒猫は、あいかわらず動きもせずに海か空を見ている。

・・・・シッポは、少し動いている。

もしかしたら、黒猫は鳥を見ているのかもしれない。

大きな赤い太陽を向こうに、黒い鳥の影がきまぐれな感じで動いている。

ガサ・・・            ガサガサ・・・

――私が黒猫に気を取られている間に、チワワはいつの間にか起き上がって、私のひざの上によじのぼりはじめた・・・・・

さりげなく邪魔なように置いた私の腕の下をくぐって、足の上でお座りした。

「クゥ・・・」

鳴いたチワワは、そのまま丸くなった。

・・・・チワワが乗ってあったかくなった血液が体を巡って、私の体温を上げる。

しかし、まだ私の髪の毛は濡れていて、風が絶え間なく吹くから私を冷やしてくれる。

・・・チワワがこのまま眠ってしまったら、こっそりイスの上に移すことにしよう。

海の方を見ると、ノッポさんが海を見てたたずんでいる・・・・

クォーーーー  ・・・・・          ・・・・・・ァァァァァァァ・・・・・ン

   ・・・・ァァァァ・・・・・          ・・・・・ザァァァァァァァ・・・・・      ・・・・・ン

ザァァァァァァ・・・・・          ・・・・・ン                クォーーーー  ・・・・・


水面の位置

2011年07月12日 05時45分19秒 | 黒猫のひとりごと

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                 ・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・

ジィィィ・・・・            ジィィィ・・・・               チュチュチュン ・・・

    チョチョチョ・・・・                ピチャ  ――

・・・・風が吹くと、ひんやりして気持ちいい。

僕らは街の中にある公園に来ていて、通りに近いほうにある水の中にいる。

石に囲まれた中に水があって、真ん中からは霧が吹き出ている。

スリスリ・・・・

僕は、左前足で左のみみをさわる。

水を囲んでいる石には、男が座っている。

風が吹く方にいて、飛んでくる霧で涼んでいるのだ。

カールさんやコックさんは、通りの向かいにあるテーブルで、なんか飲んでいる。

「クゥ」

チワワも、水の中に足をいれて涼しそう。

・・・・今日は朝から暑かった。

ニャッティラもこの暑さには困っていて様で、今は石に頭を乗せて、水に体を沈めてくつろいている。

パチャパチャ ・・・・・

リスが、泳いでる。

僕らが泳ぐには浅いこの水も、リスにはいいプール。

「キキッ」

そして、水の中から島のように出ているメタボネコの背中に乗った。

チンチラは木陰にいて、地面や草の上でごろごろしている。

ノロマさんとウェーブさんも、そこにいる。

チョプ・・・          チャ ・・・

僕は霧の方を向いて、水の真ん中あたりに移動する。

「ニャー」

水から出て石の上を歩いていたシャープネコが、鳴いた。

男が邪魔で、それ以上進めないのである。

              ポチャン  ・・・・・

すると、男はシャープネコを持ち上げて水の中に入れた・・・・

「ニャー」

   ブルルル  ・・・・

                  チョ・・・           チョチョチョ  ・・・

シャープネコは、水の中を歩いて去った、

バシャバシャ  ・・・・・

・・・子ネコがごろりと水の中で回って、そのあと前足で暴れだした・・・・

いくら水の中が冷たくて気持ちいいといっても、あんなに動くとまた暑くなるのである。

「ミャ~ォ」

鳴いた・・・

おや。

男が、座っている場所を変えている。

風の向きが変ったのだ・・・・・

      ・・・・・・ピチャ  ・・・・                   ジャブジャブ  ・・・

        チュンチュン・・・          ピチュン          

ジィィィ・・・・・・                        ジィィィ・・・・・・・

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


白い陸と鳥

2011年07月09日 13時43分26秒 | マーロックの日記

ザァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・               ・・・・・・・・ン

             ・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァ・・・・・・・・       ・・・・・

    クォーーーー                   クォーーーー

・・・・きれいな海が見える。

首都を離れ、半島の南の方に来た私たちは、地中海を見下ろせるホテルに来た。

南北に長い半島だから、南の方は暑い。

今日も、気温は30℃を超えているようである。

湿度も高くて、ホテルにあるプールは結構な人。

ノロマさんたち女性3人は、マッチョさんや斧さんたちを連れて、買い物に行った。

私は朝のシャワーを浴びて、大きなテラスにいる。

カールさんやノッポさんもいて、まだ乾いていない髪の毛を風に当てて、涼んでいる。

お昼ご飯頃には私たちも街に出て、みんなと合流する。

全体的に白っぽい陸地の向こうに、海と空が広がっている。

海がきらきら輝いていて、きれい。

白っぽい鳥たちが、ふわふわ飛び回っている。

         クォーーーー                    クォーーーー

・・・・この国では、先日国民投票が行われて、原子炉の再開が否定された。

この国はエネルギー不足で、周辺の国から電力を買っている。

そのため電気代が高いので、一度やめた原子炉を再開させようと考えていた。

けれど、国民投票では再開反対が優勢であった。

現時点でも、隣の原発大国からエネルギーを買っており、事実上原子炉を利用していることには変わりない。

この国の人も、それはわかっている。

高い電気代が経済の足かせであることも知っているが、それでも反対した。

おそらく、私の祖国での原発事故の影響もあっただろう。

私の祖国でも、原子炉をこれ以上増やすことは難しいだろう。

何万人もの人たちが地域から避難を余儀なくされており、その人生を変えられた。

放射線による健康への影響は、正直言って、それ以外のリスクに比べると相対的にかなり小さいと思われる。

・・・あくまで放射線の影響で、これは避難している人の事で避難しているからだけど、避難生活自体のストレスは健康に良くないだろう。

微量の放射性物質であっても、食物を通じて体内に入れば、どんどん蓄積されていく・・・という不安を持つ人がいるようだけど、人の体を構成する粒子は、1年で脳細胞も含めて98%ほどが入れ替わる――末端の神経細胞や腱、ヘモグロビンの中心の鉄などは、数年かかる。

そもそも体内の粒子がどのくらいで入れ替わるかを調べる際に用いるのも、放射性同位体である。

したがって、短期間に大量の放射性物質が体内に入らなければ、それほど気にする必要はない。

もともと私たちが食べるものや体を構成する粒子には、微量の放射性同位体――主にカリウムや炭素――が含まれており、常に内部被曝に曝されている。

しかし非常時に、家財を奪われて行き場を失う人がこれほど出ることが分かった以上、原子炉に代わるエネルギー源を推進するべきだろう。

これほどの影響を及ぼす可能性のないエネルギーが必要である。

ザァァァァァァァ・・・・・・・・・・              ・・・・・・・・ァァァァン

            ・・・・・・・・・・・ザァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、原子炉ほどの供給安定性を求めるなら、核融合炉が一番いいだろう。

現在開発が行われているDT反応炉やさらに高い制御技術を必要とするDD反応炉なら、海から燃料が得られるので資源をめぐる駆け引きに左右されなくなる。

核と名前がついているから核分裂を用いた原子炉と似たイメージがあるけど、基本的に安全である――放射線やそれによる誘導放射能は出るけど、メルトダウンが起きることがないので、災害時にも安全である。

現在研究中の反応よりも高い技術が必要だけど、ヘリウム3を用いた核融合炉なら、放射線が少ないので理想的である。

保守点検と小型化が容易だとされる、レーザー核融合炉の研究も行われている。

けれど実用化はずっと先の話で、当面は火力発電以外は代替手段はなさそうである。

世界の発電量のおよそ7割ほどが火力発電で、主に石炭が使われる――全体の4割ほどが、石炭火力発電になる。

私の祖国でも石炭への依存度は高く、発電量では原子炉と同じくらいになる。

石炭の採掘現場で事故で死んでしまう人や、大気汚染で死んでしまう人がいる。

この意味で、石炭火力発電は原子炉以上に人を殺す。

温室効果ガスの排出量を抑えようとしている時でもあり、これに代わる発電施設が必要である。

私の祖国の北の大地で研究されているのが、太陽光レーザーを使ったマグネシウムの還元である。

豊富にあるマグネシウムは、だいたい炭酸マグネシウムや塩化マグネシウムとして存在している。

これを、太陽光を鏡で集めたレーザーを用いて純粋なマグネシウムに還元する。

マグネシウムに水をかけると酸化して、熱と水素を出す。

発生した水素は、燃料電池を用いることで発電が可能である。

発生する熱は同体積の石炭の半分ほどで、この熱は直接発電に用いる。

発電の規模は自由なので、発電する場所を選ばない。

ただ、火力発電の代わりにしたいのであれば、溶融炭酸塩形燃料電池・・・MCFCがいい。

これは高温型と呼ばれるタイプの燃料電池で、MCFCの場合650℃近くの高温になる――このため、この熱も発電に使える。

高温なので高価なプラチナの触媒が必要なく、大規模なものなら原子炉と同等の発電量が見込める――1ギガワット。

MCFCで発電すると、二酸化炭素を高濃度で回収できるので、大気中からの回収の試みも始まっている。

反応で酸化したマグネシウムは、また太陽光レーザーで還元する。

この循環を大規模に行うために、静止軌道上に太陽光を集める衛星を置いて、軌道上から地上にレーザーを打ち込む研究も行われている。

ザァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・             ・・・・・・・・・ン

             ・・・・・・・・・・・ザァァァァ・・・・   ・・・・ン         ・・・・・・・・

・・・・エネルギーロスを減らすため、超伝導を用いた送電線の研究も行われている。

超伝導とは電気抵抗が0になった状態のことで、今のところ常温で超伝導状態になるものは発見されていない。

-200℃位に冷やす必要があって、研究されている送電線は2重の筒に入っている。

内側の筒には液体ヘリウムを入れて中心の電線を冷やす。

外側の筒は真空状態にして、周囲の熱を遮断する――この外側の筒は、大きいほうが真空にするのが容易になるので、小型化にはコストがかかる。

私の祖国では、交流を高圧で送電している。

高圧にすると送電ロスが減るのだけど、交流の方が変圧が容易なためである。

けれど、超伝導送電では長距離の送電が想定されているため、さらにロスを減らすために直流での送電になる。

そして私の祖国で、超伝導電線を用いた直流送電の実験施設が作られている。

その結果、2万世帯以上の電流を200m送電させて、電気抵抗は0だった。

これを用いれば、遠距離からの送電が可能になる。

サハラ砂漠は、南極をのぞけば世界最大の砂漠である。

ここで、大規模な太陽熱発電の計画が進んでいる。

そして私の祖国では、サハラ砂漠での大規模太陽光発電の研究がおこなわれている。

発電に使う半導体としては、シリコンを用いる。

高価だけど、発電効率が高く寿命が長く信頼性が高い。

でも高価なので、砂漠の砂から作る事が想定されている――このための研究が必要になる。

砂から作ったシリコンを用いた太陽パネルで発電して、そのエネルギーを使ってさらにパネルを生産する。

30年もあれば、原子炉100基分の発電量になる計算らしい。

それを、超伝導送電で私の祖国まで送る。

太陽光発電も、太陽熱発電も、風力発電も、その日の天気によって発電量に差が出る。

このような発電施設は、広範囲に沢山敷設されるほど、安定性が増す。

地球のあらゆる場所が、同時に雨とか、風が凪ぐとかはあまり起きないだろうからである――ある地域が曇っていても、どこかは晴天だろう。

超伝導送電が可能になれば、筒を破壊されるという不安定要素はあるものの、世界中の発電施設をつなぐことができる。

太陽光発電は、大気圏外の方が効率が高いため、静止軌道上に太陽パネルを浮かべて発電することも考えられる。

建設や保守点検が大変だろうから、宇宙エレベータのような施設ができなければ難しいかもしれないけど。

・・・海洋温度差発電や地熱発電なども考えられるけど、いずれも費用が掛かる。

時間もかかる。

経済の規模をある程度維持しなければ、これらのエネルギーに移行するのは難しいだろう。

そのためには、現在ある原子炉は当面利用するのが望ましい。

十分に安全を確認したうえで、再稼働させるのが現実的だろう――高速増殖炉に関しては、推進派は構造上安全だというけれど、基礎的には制御を失うと核爆発を起こす可能性があるため、断念すべきだと思う――

蓄電池を増やして、夜間それに蓄えて昼間放電すれば、電力負荷を平準化できる。

これによって、発電所自体の数を減らすことが可能になる。

私の祖国内だけであっても、ほとんどの家庭が屋根に太陽パネルをつけて、それらをスマートグリッドでつなげば、かなり電力負荷平準化に寄与するだろう。

どれも費用がかかるけど。

・・・・・    クォーーーー                    クォーーーー

                       クォーーーー             ・・・・・・

先に買い物に出た連中は、身軽に動くためにネコたちをみんな置いて行った。

「ニャー」

テラスには、リスやチンチラがいてくつろいでいる。

ひもを外してある黒猫も、くるくる散歩してる。

・・・・海は、きらきら太陽の光を反射している。

左にあるテーブルを見ると、シャープネコがお座りしている。

どうやら、海を見ているようである。

・・・それとも、鳥かな。

クォーーーー                          クォーーーー

  ・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・           ・・・・・ン

    ザァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・                ・・・・・・・ァァァァァァン


壊れた街

2011年07月05日 10時20分54秒 | 黒猫のひとりごと

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・

近くの木が、揺れる。

今日は朝からいい天気で、風がよく吹く。

タッ・・・          タタタタタ・・・・・・

大きな公園を散歩したり、同じような建物の街を歩いたりした後、壊れかけの建物の街にやってきた。

・・・壁が崩れていたり、大きな石が転がっていたり・・・・

「クゥ―」

チワワや僕たちは、カバンから出て自分で歩いている。

子ネコもチワワとひもでつながっていて、一緒に歩いているから、僕らの移動はゆっくり。

そのチワワのひもは、チーフさんが持ってる。

僕にもひもがついていて、斧さんがそのひもを持っている。

僕が外すようにお願いしても、斧さんは聞こえないふりをする・・・・

・・・・今度、斧さんの食後のフルーツを奪ってやるのだ。

「すごいね・・・」

・・・・首からさげた袋にリスを入れたノロマさんが、大きな柱を見上げてる。

丸い柱で、何本かが一緒にいる。

すでにコックさんとマッチョさんが、崩れかけた地面の上にあるその柱の下に立っているけど、人間よりもずっと大きな柱である。

さっき、この柱と同じようなのを持った建物を見たから、きっとこの柱は壊れた建物の跡である。

僕らのほかにも人が散歩していて、写真撮ってる。

ウェーブさんとカールさんも、同じようにカメラを覗いてる。

トトトトトトト・・・・・・・・・・・

左を見ると、大きな建物のてっぺんが丸くなっている。

細かな形に削られた壁や、大きな石像もあった・・・・

「ニャー」

どうしてここは壊れているのかな・・・・・

・・・・お腹が空いて頭に来た人たちが、壊したのかもしれない。

壊れた石の道の間に、草が生えている。

ゴロン・・・・

僕はそこで、仰向けになってひっくり返る。

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

             ・・・・・・・・・ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・木よりも柱よりも上の方から、風の音。

青い空には薄い白の線が何本もあって、綿みたいな雲もいる。

「ァゥ」

・・・斧さんが促すから、僕はまた4本の足を地面につけて、移動を始める。

                トン ――――

斧さんの肩に乗る。

肩が大きいから、あいかわらず乗りやすい。

僕は斧さんの背中の方を向く。

男が、壊れた石の積まれた所の側で、壊れた街を見てる。

左を見ると、大きなアーチの向こうに大きな扉・・・・

「ニャァ・・・」

どうやら、ここは巨人の家らしい。

それで、柱もあんなに大きいのだ。

道の向こうには人が歩いていて、長く伸びた影が一緒に動いてる。

ス ―――

僕は、垂らしていたシッポを高く上げる。

             ―――  パン

そして、斧さんの頭を叩く。

サヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・

     ・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・           ・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・


お皿の道

2011年07月01日 12時53分13秒 | 黒猫のひとりごと

ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・

・・・・窓の外は雨。

ホテルでシャワーを浴びた男たちは、ホテルの中のレストランに来ている。

2階にあって、曲線の窓ガラスの前にあるテーブルに、座っている。

ノッポさんの前に、グラス。

あの色は、ワインかな・・・・

それともグレープジュースかな・・・・

「ニャー」

白いお皿が沢山テーブルに並んでいて、僕は悩んでしまう。

どれを食べようか・・・・

コックさんの前に置かれたお皿を、見る。

スパゲッティの上に、お肉が乗っていて、そのお肉の上にはハムと緑色のが乗ってる。

スパゲッティはいいけど、上のお肉はおいしそうである。

チワワは達は、テーブルの下で大きな鶏肉をもらっていた。

それはおいしそうだったけど、僕は騙されないのである。

あのおいしそうなお肉で僕らを満足させて、自分たちはもっとおいしいごちそうを食べるに違いない。

・・・・・子ネコとリスも同じ事に気付いたようで、僕とは別の位置から頭を出して、様子を窺っている・・・・・・

ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

           ・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・男とシャープさんは、あいかわらず髪の毛が濡れている。

シャワーの後だからである。

しかし最近は、斧さんやノッポさんもマネしだした。

ブルブルすれば、もっと水が飛んでいくのに・・・・・

少し奥のお皿には、お魚とトマトと貝と丸いのが、乗ってる。

スープもある。

僕は、2つのイスに片足ずつ乗せてテーブルをのぞいていたけど、こっそりテーブルに這い上がる・・・・・

・・・・僕は、おいしそうなにおいの漂うお皿の間を、伏せて少しずつ前進する。

沢山あるお皿の間から、ノロマさんにシッポをつかまれたリスが見えた・・・・

僕よりも小さいのに、不注意なリスは見つかってしまったようである。

「キキッ・・・」

レストランの中には小さく音楽が流れているけど、雨の音の方が大きくてあんまり聞こえない。

そんな中、リスの声が聞こえた。

僕は少し移動して、リスの頭を見る。

おや・・・

小さなトマトを食べている。

ノロマさんにシッポを捕まれてはいるけど、ちゃんと食べているのだ。

・・・・まだ、フルーツは来ていない。

きっと、お肉とかがなくなってから出てくる。

それまで、他のものを頂くことにする。

スルリ・・・・                  スルリ・・・・

                                      ポト  ・・・・・ 

・・・・僕がお皿の間を進んでいると、目の前にお肉とハムが落ちてきた・・・・・

さっき、お皿に乗ってたのとは違う感じ・・・・

しかし、誰かがうっかり落としたに違いないのだ。

・・・しばらく見ていたけど、落ちたお肉とハムを持ち去ろうとするフォークは現れない。

僕がもらう。

パク・・・

まず、ハムを銜える。

       ペロ・・・              パクパク・・・

                      グィ・・・

ハムが、切れない・・・・

グィ・・・

             パン・・・

・・・・僕は、シッポでテーブルを叩くつもりだったけど、お皿の端っこにもあたったようである。

切れた。

              モグモグ・・・・

                             モグモグ  ・・・・

「ニャー」

おいしい。

・・・次は、お肉を食べる。

      パクパク・・・・                         ニャー

                            ミャ~ォ  ・・・・

ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

               ・・・・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・ァァァァァァ・・・・・・・・・