―――
ァァァァ ・・・・・
zzz
チワワが寝てる・・・
僕がシャワーから出てきてポカポカしている間に、寝たみたい。
丸いネコベッドがあって、その上。
フカフカで心地よさそう。
zzz
ポメラニアンも一緒に寝てる。
いつも一緒の耳ネコは寝ていなくて、トレーラーのキッチンをウロウロしている。
♪
キッチンの金属のテーブルに前にイスを置いて、コニがドーナツたべてる。
「あんこがたくさん入ってるわ♪」
「♪」
パタ
スリッパの音。
一緒にシャワーにいた男が、着替えてやってきた。
「マロックさんもドーナツたべる?」
「うん」
♪ チュン ♪
くつろぐ方のマヒワとメジは、暖かい風の出る近くで並んでる。
いつもあの辺にいるのだ。
「キャラメルのはある?」
「あんだけです」
男が小皿を持った。
「・・・・」
チラッと僕を見たけど、背中を見せて去る。
反対の手には、飲み物のボトル。
廊下に行く。
キッチンの奥にも階段があるけど、廊下を進んで玄関の近くにも階段がある。
2階に行くんだと思う。
「ニャ~」
「ごはんはまだよ」
僕が鳴いたら、ウェーブさんが返事した。
ト
それに満足して、僕は男を追う。
ト
パタ
ァァァァ ・・・・・
外は雨。
もっと強く降る様なら、巨大マグロが来るかもしれないのだ。
あのドーナツ、トレーラーの中だけにあるおやつの様。
孤児院のみんなには内緒で食べるつもりである。
「チュ♪」
マヒワがいた。
いつも飛ばずに移動しているマヒワだけど、孤児院ではパタパタ飛んでた。
知らない場所だと、頭の上とかで様子を見るみたい。
ト
僕のシッポを伝って、上手に背中に跳ねて乗った。
マヒワがつつくなら、僕はその通りに歩いてあげる。
「♪」
・・・ただ乗っているだけみたい。
玄関にはニワトリがいるはずだけど、おとなしい。
寝てるのかも。
パタ
階段を上る男を追う。
ト
――
背中で、羽がうごいている音。
僕が階段を跳ねて上るから、フワッとする時につい動くのかも。
「チュ」
動くと点くライトが光ってる。
天井のライトは消えていて、誰もいない。
パタ
―――――
男が壁に手を近づけると、明るくなった。
パチっと押さなくても点くのだ。
ベッドの部屋があるのとは逆側で、3方向が大きなガラス。
ガラスの前にはカウンターがあって、イスもある。
コト
男が小皿を置いた。
―― トン
僕はその近くに乗る。
手ごろなサイズの、まるいドーナツ。
パク
男がたべた。
モグ モグ
おいしそう。
ト
マヒワが僕の背中から、カウンターの上に下りた。
――――
外は暗い。
灯台が見える。
そこまでの森は暗いけど、ざわざわ動いている感じが分かる。
ガラスには僕が映っていて隣にマヒワ。
少し右上を見ると、ドーナツたべてる男も見える。
僕らがいるけど、少し奥を見ると、外が見える。
水の粒は、ガラスに付くと落ちていく。
―――
ブルっとする。
少し、空気が冷たい・・・・
・・・
ザァァァァ ――――
モグ