あんこ

2020年11月09日 05時11分15秒 | 黒猫のひとりごと

             ―――

                          ァァァァ  ・・・・・

        zzz

チワワが寝てる・・・

僕がシャワーから出てきてポカポカしている間に、寝たみたい。

丸いネコベッドがあって、その上。

フカフカで心地よさそう。

      zzz

ポメラニアンも一緒に寝てる。

いつも一緒の耳ネコは寝ていなくて、トレーラーのキッチンをウロウロしている。

           

キッチンの金属のテーブルに前にイスを置いて、コニがドーナツたべてる。

「あんこがたくさん入ってるわ♪」

「♪」

      パタ

スリッパの音。

一緒にシャワーにいた男が、着替えてやってきた。

「マロックさんもドーナツたべる?」

「うん」

                チュン ♪

くつろぐ方のマヒワとメジは、暖かい風の出る近くで並んでる。

いつもあの辺にいるのだ。

「キャラメルのはある?」

「あんだけです」

男が小皿を持った。

「・・・・」

チラッと僕を見たけど、背中を見せて去る。

反対の手には、飲み物のボトル。

廊下に行く。

キッチンの奥にも階段があるけど、廊下を進んで玄関の近くにも階段がある。

2階に行くんだと思う。

「ニャ~」

「ごはんはまだよ」

僕が鳴いたら、ウェーブさんが返事した。

          

それに満足して、僕は男を追う。

         

               パタ

                            ァァァァ  ・・・・・

外は雨。

もっと強く降る様なら、巨大マグロが来るかもしれないのだ。

あのドーナツ、トレーラーの中だけにあるおやつの様。

孤児院のみんなには内緒で食べるつもりである。

「チュ♪」

マヒワがいた。

いつも飛ばずに移動しているマヒワだけど、孤児院ではパタパタ飛んでた。

知らない場所だと、頭の上とかで様子を見るみたい。

         

僕のシッポを伝って、上手に背中に跳ねて乗った。

マヒワがつつくなら、僕はその通りに歩いてあげる。

「♪」

・・・ただ乗っているだけみたい。

玄関にはニワトリがいるはずだけど、おとなしい。

寝てるのかも。

               パタ

階段を上る男を追う。

           

     ――

背中で、羽がうごいている音。

僕が階段を跳ねて上るから、フワッとする時につい動くのかも。

「チュ」

動くと点くライトが光ってる。

天井のライトは消えていて、誰もいない。

      パタ

                           ―――――

男が壁に手を近づけると、明るくなった。

パチっと押さなくても点くのだ。

ベッドの部屋があるのとは逆側で、3方向が大きなガラス。

ガラスの前にはカウンターがあって、イスもある。

           コト

男が小皿を置いた。

            ――  トン

僕はその近くに乗る。

手ごろなサイズの、まるいドーナツ。

       パク

男がたべた。

                   モグ  モグ

おいしそう。

            

マヒワが僕の背中から、カウンターの上に下りた。

                            ――――

外は暗い。

灯台が見える。

そこまでの森は暗いけど、ざわざわ動いている感じが分かる。

ガラスには僕が映っていて隣にマヒワ。

少し右上を見ると、ドーナツたべてる男も見える。

僕らがいるけど、少し奥を見ると、外が見える。

水の粒は、ガラスに付くと落ちていく。

            ―――

ブルっとする。

少し、空気が冷たい・・・・

              ・・・

                               ザァァァァ  ――――

           モグ


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