シルエット

2013年08月31日 14時26分05秒 | 黒猫のひとりごと

                           ・・・・   ァァァァァァ   ・・・・

             ――

窓の外は暗い・・・

カーテンは窓の端っこにまとまっているから、外を見ることはできる。

でも暗いから、すぐ近くしか見えない。

音で雨がふっているのはわかる。

僕とリスは、男の部屋にいる。

ベッドに寝転がった男は、まだ寝てない。

たまに目をあけて、窓の外を見てる。

お昼前に、男はライトとかを買っていた。

それは床のフワフワに置いてある。

すでに、僕はスリスリしておいた。

リスは本棚の上の方、本の上で寝てる。

               カチ

ニャ

男は、自分のそばに置いていた小さなランタンの灯りを消した。

部屋は暗くなった。

窓の外から入ってくる光もなくて、何も見えない。

             ――   ・・・

動く。

だいたい、ベッドの位置はわかる。

                                  トン

ベッドの上にのる。

動きを見つけた僕は、ネコタッチ。

                              ――

・・・ゆっくり動く。

お腹みたい。

頭を近づけて、息のする方へ接近する。

ひげが、男の頭にあたる。

「ニャー」

暗いのだ。

「・・・・」

                           カチ

灯りが点いた。

                                          ボト

男は、それをベッドの下に落とした。

もう寝るつもりである。

下を見ると、すこし丸みを帯びた三角つつのそれの光で、フワフワがみえる。

僕は、ベッドから窓の方へ進む。

                    グィ

途中、灯りを落として伸びたままの男の腕を、踏む。

窓というか、ガラスのドア。

僕はガラスをさわる。

ひんやりする。

すぐ向こうで動く水粒がみえる。

外はベランダで、屋根がある。

でも、風で飛んでる様。

ガラスで少し冷えた前足を置いて、灯りを背にお座りする。

水の粒の動きを、みていよう・・・

                         ――  ・・・

                                ・・・・   ァァァァァァァァ   ・・・・・

 


リュック

2013年08月29日 14時13分58秒 | マーロックの日記

                                    ザアァァァ    ・・・・    ン

                 ♪  ♪            ガャガャ  ・・・   ♪

外に出ると、風・・・

涼しい。

船の後ろにある森から、船の中に戻る間にボードウォークがある。

木の板の道で、周りにはお店があって、上の方は客室。

海を見れない内側のの部屋には、クルーたちが住んでる。

ただ、上の方は広い部屋もあるので、海と内側の両方に面している部屋もある。

私たちは、アウトドア用品が売っているお店に来ている。

次の寄港地で、キャンプに行くことになったので。

朝ごはんを食べた後に、そのまま来た。

マッチョさんとカールさんとウェーブさんは、今日は昼ごろから仕事なので来てる。

斧さんもいる。

私も、いろいろ買った。

お店の外にはテーブルやイスがあるので、そこに買ったものを置く。

               ニャー

黒猫がテーブルに乗って、一緒に見てる。

バックパックを買った。

合衆国軍の通信兵なんかが使っているらしいのと同じので、色は違う。

パラシュートなどに使うナイロンでできていて、頑丈。

容量は33リットルくらいなので、それほど大きくはない。

このカバンは、機能性の評価が高い。

それも重要だと思うけど、私が選んだ理由はデザインが気に入ったから。

3つのジップがY字に立体的につけられていて、ふた部分を手で引っ張るとV部分が簡単に開く。

縦の部分も開けば、カバンは大きく開いて出し入れが簡単。

背中の部分に棒状のものがついていて、より背中にフィットさせるようだけど、取り外せるので外した。

ウエストベルトは、側面に収納できるのでそうした。

本来はサイズなどを指定して、注文してから作ってもらうのだけど、ここは船の上だし、出来上がったものが置いてある。

サイズもウエストベルトと背中部分の長さが大ざっぱに分けられているだけなので、問題なかった。

マッチョさんと斧さんは、かなりでっかいのを選んだ様である。

ノロマさんとエレガントさんとウェーブさんは、小さ目のを見てた。

                               ♪ ♪

クリップライトや小型のLEDランタンも買った。

ランタンは2つで、どちらも小さい。

ひとつはそれほど明るくないけど、100時間ぐらい持つ。

もう一つは明るくて、調光もできるのでテントの中で使うのによさそうである。

カメラねじでも固定できるので、カラビナについたカメラねじも買ったけど、たぶん使わないと思う。

そして、新しいハンドライトを買った。

アルミニウム合金でできていて、表面にアルマイトという加工を3重に施してあり、非常に硬い。

このライトも、軍や警察などで使われるメーカーのもので、多くは専用の3Vのリチウム電池を使う。

だけど、アウトドア用に普通の単3電池で使えるのもあるので、それを買って、単3のリチウム電池を入れた。

リチウム電池は、リチウムイオン電池とは違う――軽くて非常に長持ちなので、非常用にもすぐれている。

十分に明るい。

手のひらでほぼ隠れるくらいに小さいけど、専用の電池を使うタイプのはもっと小さい。

マッチョさんは、前からそれを持ってる。

彼はそれを腰につけるホルダーも持っていて、そのまま前を照らせるようになってる。

ふつう、こんな頑丈なライトが必要なわけではない。

例えば、ホームセンターとか大きな雑貨店にいけば、いろんな工具や金具類が売っている。

それらを見ると、別に使う予定のないものでもほしくなるけど、あれと同じである。

              ヮィヮィ  ・・・   ♪

                                        ♪ ♪

ボードウォークにはレストランもあって、にぎやか。

店内を見ると、斧さんがライトを見ている。

2つあって、どちらも驚くほど明るいライト。

どっちでも同じくらい明るいので、どちらを買うか考えている様である。

ノロマさんたちは、靴を見ている様。

シャープさんは、ここからは見えない。

何を見ているのかわからないけど、ノッポさんは見える。

                                   ヒュゥゥゥゥゥ   ・・・・・・・・

             パタタ  ・・・

メジロが飛んできた。

「チュン」

「ニャー」

黒猫の頭に乗った。

私はイスにすわる。

船は北に進んでる。

次の寄港地では、とりあえず観光する予定になっている。

メジロの小屋を作る材料もないので、買おう。

黒猫が前足を浮かせて、戻した・・・

              ――                     ♪ ♪

                                      ザァァァァ  ・・・・・    ン


きのこ屋根

2013年08月27日 14時07分52秒 | 黒猫のひとりごと

                                ・・・・  ォォォォォォ    ・・・・・

                     ♪  ♪      ガャャ  ・・・   ♪

スプーンが床に落ちたような音が聞こえた・・・

後ろを見下ろせば、みえづらいけど湾曲した車が見える。

通りに人は少ない。

カウンターやテーブルとイスには、人がいる。

もう、寝ている人が多い時間である。

チワワは湾曲した車で、寝てる。

子ネコも眠そうだけど、僕について来る。

お店の2階の看板の前。

壁には草や葉っぱがいる。

看板はぼんやり光るのが何個か並んでいるので、その間で座れる。

近くの木から、ここに移動した。

少し頭を伸ばせば、窓から中を覗ける。

レストランではなくて、人もいないけど、少しだけ灯りがある。

看板は少し浮かせてあるから、僕らはその裏を進むこともできる。

ただ、子ネコは眠そうで危なっかしいので、僕は動かない。

だから看板と壁の間で、子ネコがウトウトしてる。

リスも近くにいて、葉っぱのくっ付いている蔓を引っ張っている。

「キキ」

窓のそばには葉っぱが多くて、その中に隠れた。

後ろみると、もう子ネコは寝ている。

                    パチ  ・・・

シッポでたたいてみる。

・・・起きない。

僕は前進する。

看板の裏を通ってもいいけど、上を通る。

でこぼこしている。

ニャ

湾曲した車よりも後ろで、小舟が浮き上がる。

あのまま上の公園まで浮き上がるのは、知ってる。

                   ガャガャ  ・・・   ♪

                                  ――   ♪ ♪       

少しそれを見ていた僕は、また前を見る。

3階部分に上がれる場所はないか、探す。

天井はへこんでいる場所もあって、そこは透明な壁。

お日様が出ていれば、あそこから光が届く。

あれは上の公園にある、透明な屋根である。

僕はあの上に乗って下を見たから、間違いないのだ。

それで、下から公園を見ようと思っているのである。

「ニャー」

でも、のぼれそうな場所がない。

下をみる。

通りの真ん中にもカウンターとイスがあって、その上には屋根がある。

長いまるの形をしたそれは、高さの違うのがいくつか並んでいる。

きのこみたい。

今度、あの上にのる方法も探すのだ。

僕がいるのと反対の壁の、もう少し先の3階部分にテーブルが見える。

灯りがついているけど、人はいない様。

    ――  ・・・

あくびする。

ニャ

葉っぱから頭を出したリスが、それを見ていた。

次の看板の間に進む。

僕はあおむけになる。

ちょっと寝るのだ・・・

                         ♪ ♪  ・・・

     ヮィヮィ   ♪                       ・・・・  ォォォォォォォ  ・・・・・・・


ネコのはし

2013年08月25日 19時08分12秒 | マーロックの日記

                            ・・・・  ァァァァァァ  ・・・・・

             サク  ・・・

木の端っこが、床についた・・・

私は、円板に乗っている。

木製の大きなコマみたいなもので、上に乗ってバランスをとる。

部屋でシャワーを浴びた私は、ごはんの前にバランスボードに乗っている。

一緒についてきた黒猫は、近くで丸まってこっちを見ている。

灯りはオレンジ色のLEDだけで、ラグマットの上いるから、黒猫の境目があいまい。

          ――

また、ボードを浮かせる。

コマの高さは3段階に調整できて、一番高くしている。

「キキ」

後ろからリスの声。

本棚の上の方にいる。

窓の外は暗い。

                       タタタ   ・・・

                                    ・・・・  ァァァァァァ   ・・・・・

細胞の中でATPを合成するミトコンドリアには、外膜と内膜がある――内膜の内側はマトリックスと呼ばれ、細胞外マトリックスとは違う。

内膜では複合体Ⅰ~Ⅳが電子を伝達し、ATP合成に必要なエネルギーを得る。

複合体ⅠおよびⅡから、CoQに電子が渡され、それがⅢに届けられる。

CoQ…ユビキノンは呼吸生物に広く分布し、疎水側鎖を持つため、内膜の脂質二分子膜に溶けることができる――内膜は、親水部が疎水部を挟んだ構造。

この側鎖はイソプレン単位でできており、哺乳類はそれが10個なのでQ10と呼ぶ――Coはコエンザイム…補酵素の意味で、他の生物のCoQはQ6またはQ8

複合体Ⅳ…シトクロムcオキシターゼでは電子の還元が行われ、これはふつう迅速で正確だけど、たまに部分還元で活性酸素種…ROSが遊離してしまう。

ROSのスーパーオキシドラジカルは、複合体ⅠとⅢからまれに漏れ出る電子とO2の反応でも生じる――低酸素時には、生成が増える。

スーパーオキシドラジカルは他の活性分子種の前駆体でもあり、これがプロトン化…H+が付加されると、より強い酸化剤になる――生体で最も反応性の高いROSは、比較的無害な過酸化水素からできるヒドロキシラジカル。

ROSは、他の分子から電子を奪ってラジカルに変え、連鎖反応を引き起こす――ラジカルによる攻撃はランダムで、反応生成物の特定は難しい。

ほとんどの生体分子は、ラジカルの攻撃でダメージを受ける――細胞内の多不飽和脂質が酸化されると、生体膜が壊れてDNAが攻撃される。

アミノ酸の側鎖が酸化されれば、酵素機能が低下するかもしれない。

パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病などの神経変性疾患は、ミトコンドリアの酸化的損傷を伴っている。

このことから、通常の代謝で起こるラジカル反応が、程度は少ないかもしれないけど、部分的には老化の原因になるのでは、という説がある――これを支持するものとしては、ミトコンドリアDNAに先天性欠陥があると、運動神経の障害や難聴などの老化症状が現れる。

抗酸化剤は、ROSを壊す。

スーパーオキシドジスムターゼ…SODは、スーパーオキシドラジカルを過酸化水素にする触媒。

そしてα-トコフェロール…ビタミンEとアスコルビン酸…ビタミンCも、強力な抗酸化剤である。

トコフェロール類は、植物油に少し含まれる。

もっとも多く存在し、作用も強いのはα-トコフェロールで、他にもβ-、γ-、δ-、などがある。

ビタミンEの欠乏症は、動物で異なる。

成長したメスネズミは子供ができなくなるけど、妊娠しないからではなくて、胎児が新で子宮から吸収されるため――オスネズミでは、生殖組織が変性する。

ウサギとモルモットでは、急性の筋無力症に、ニワトリでは血管の異常がおこる。

人の場合、ビタミンEの欠乏症ははっきりしない。

過剰摂取では、骨粗しょう症などのリスクが高まる様。

              タッ タタタ   ・・・・

ビタミンK類が不足すると、血液が凝固しにくくなる。

ビタミンK1…フィロキノンは植物、K2…メナキノンは、細菌や魚肉などから得られる。

ビタミン源としては植物を食べればいいけど、K2は細菌、特に腸内細菌が作るので、健康な動物では欠乏することはあまりない――腸内細菌を殺したりすれば…抗生物質を長期間服用したり、何かの異常で小腸からの吸収が妨げられれば、欠乏を起こし、血液凝固時間が伸びることがある。

過剰摂取による症状は、今のところない。

                                 ・・・・   ァァァァァァァ  ・・・・・

         サク

・・・ボードの端っこが、床についた。

「ニャー」

見ていた黒猫が鳴いた。

おなかすいたのかな。

ごはん食べに行こう。

               トコ   ・・・     トコ   ・・・

ボードはそのままに、私は歩き出す。

「キキ」

リスも下りてきた。

ラグマットの端で、サンダルを履く。

足元を見ると、リスが黒猫にのってる・・・

                                 カチャ  ――

                                      ・・・・ォォォォォォォ   ・・・・・・・


つつく

2013年08月24日 21時19分57秒 | 黒猫のひとりごと

                           ・・・・  ォォォォォォォ   ・・・・・・

             トッ  ・・・     トトト   ・・・

滝から、水粒がとんでくる・・・

それを見ている僕と滝の間に、メジロがいる。

僕の頭の上から、そこに移動したのだ。

「ピィ」

近くにある大きな石には、男が座っている。

斧さん達は去ったけど、一人残っているのだ。

子ネコとチワワもノロマさんについて行ったけど、リスは残っている。

下の森は、上の森が屋根になっている。

だから空は見えないけど、そろそろお日様も帰っている頃である。

ごはんの前に、男はシャワーを浴びに部屋に戻ると思う。

僕はそれについて行こうかと思っているけど、男は座ったまま。

「・・・・」

僕にはわかっている。

メジロが手に乗るのを、期待しているのだ。

たまにメジロが近くに来ると、手をさりげなく近づけているから。

しょうがないので、僕もお座りして待ってる。

             ツンツン

メジロはくちばしでもう1羽をつついてる。

毛づくろいの様。

                   ・・・・・・     ォォォォォォォォ   ・・・・・・

              パタタタ  ・・・・

メジロが、石の上に移動した。

     チュン

                       ツンツン

もう1羽は、滝の前で自分で毛づくろいしてる。

           トン  トン  トン

メジロが男に接近した。

・・・だけど、男は手を出さずに上から見てる。

             パタタ  ・・・

「ピィ」

ニャ

男の肩に乗った。

               ト トトト   ・・・・

男が腕をあげると、手の甲に移動した。

そして腕がゆっくり回ると、それに合わせてメジロは手のひらに乗った。

「・・・・」

                   パタタタ   ・・・・

手から飛んだ。

滝の前のメジロも、一緒に飛んで去った。

「・・・戻ろう」

男は立ち上がった。

「ニャー」

歩き出した男を追いかける・・・

                トコ   ・・・         トコ   ・・・

                                  ・・・・   ォォォォォォォォ    ・・・・・


石の上側

2013年08月22日 13時54分16秒 | マーロックの日記

            ・・・・   ァァァァァァァァァァ  ・・・・・・・・・・・・

                                  ザヮヮヮヮヮヮ  ・・・・・

雨と冷たい風で、涼しい・・・

船底の倉庫で窓の位置まで荷物を積み終えた私は、さっそく窓から水の中を覗いてみた。

だけど、真っ暗で何も見えなかった。

雨が降ってきたから。

まだ、薄ら太陽の光は届いている。

船の建物から外に出る場所には、傘が置いてある。

勝手に使っていい。

返す必要はあるけど。

だけど、それほど強い雨でもないので、傘は持ってない。

                チャプ  ・・・

船の後ろの森の石の道を歩いている。

隙間に水がいる。

木の下に来た。

樹冠が覆っているので、私にあたる雨粒が減った。

メジロの様子を見に来たのだけど、いない。

下の森にいるのかな・・・

                   チャプ   ・・・          タッ  ・・・

                               ・・・・ ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮ  ・・・・・・・・・・・・

ビタミンD類は、くる病の予防に有効な化合物である。

くる病は、子供の骨の石灰化不全による、成長障害と骨変形――成人では骨軟化症と呼ばれ、これは脱石灰により骨が弱くなる。

くる病の最初の記録は368年前だけど、動物脂肪で予防が可能だと分かったのは、1世紀ほど前――特に魚肝油の予防効果が高い。

また、日光浴か230~313nmの波長の紫外線…UVの照射でも、予防できる。

ただ、紫外線の浴びすぎは皮膚がんのリスクを高めたり、黒目の後退、皮膚の老化の影響があるため、WHOは子供の頃からの対策が必要だとしている――年間6万人ほどが、紫外線の影響で死んでいると推定している。

ビタミンD類は酵素の補因子ではなく、ホルモン。

ビタミンD3…コレカルシフェロールは、動物の皮膚にUVを照射することで7-デヒドロコレステロールから非酵素的に合成される。

植物にUV照射すると、エルゴステロールからビタミンD2…エルゴカルシフェロールができる――市販されている。

D3とD2は、鎖に二重結合があることとメチル基…CH3-の数が違うだけで、生物活性は同じ――なので、添加物として用いる場合は普通D2が使われる。

ただビタミンD3とD2は、このままではホルモン活性はなく、肝臓と腎臓の酵素反応で活性型になる――D3は肝臓で25-ヒドロキシコレカルシフェロールになり、それが腎臓で1α,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール…1,25(OH)2Dになり活性を得る。

1,25(OH)2Dは小腸の粘膜の性質を変え、カルシウムイオン…Ca2+の透過性がよくなる――Ca2+は、骨の主な無機成分であるヒドロキシアパタイト…Ca5(PO4)3OHを形成する。

このホルモンは、小腸上皮細胞の核でCa2+結合タンパクの転写因子として働くので、Ca2+結合タンパクの合成を増やして吸収を促進する――このタンパクが、Ca2+の小腸粘膜輸送に使われる。

電気的中性を保つため、主にリン酸イオン…Piの吸収も促進する。

そして1,25(OH)2Dは、骨からのCa2+とPiの放出を促して血清のCa2+とPiの濃度を高める。

これは、1,25(OH)2Dによって骨の石灰化が進むことと矛盾するようだけど、小腸でのCa2+とPiの吸収が高まって血清濃度が高まっているので、溶出量以上に骨が取り込めるのだろうと考えられる。

ビタミンDは免疫応答も調整し、ある種のがん予防、心疾患の予防と回復に効果がある様である。

脂溶性なので長期間とりすぎると、血清のCa2+濃度が高くなりすぎ、様々な軟組織で異常な石灰化がおこる――腎臓ではそれが顕著で、腎結石になり、やがて腎機能不全になる。

主に低緯度に住む人の肌が濃いのは、このビタミンD中毒を防ぐ効果があるためだと思われる――皮膚がんのリスク低減や、葉酸が破壊されるのを防ぐ効果もある。

             ・・・・    ザァァァァァァァァァァァァ   ・・・・・・・

                                  チャプ  ・・・       トン   ・・・

階段を下りる・・・

水が一緒に流れ落ちてる。

                     ――  ♪

                                   チュン ♪

ノロマさんとエレガントさんの声がする。

「マロックさん、こんにちは」

「こんにちは」

斧さんもいる。

ノロマさんとエレガントさんは半分のオレンジを持っていて、それにメジロが乗ってつついてる。

たまに腕に移動したりしている。

・・・私は、まだメジロを手に乗せたことがない。

「さっきまで寝てたんですよ」

「そう・・・」

下の森には、上の雨音が響いてる。

ぼんやりした照明で照らされているから、洞窟の中の様。

おや。

奥の滝の前に、ガードさんがいる。

隣にはレトリバーがお座りしている。

あの滝、船に降った雨が集められてできている。

あのまま下の層に流れて行って、ろ過して土などが海に流れ出ないようになっている。

「ニャー」

黒猫がいた。

つかんでやる・・・

                   ニャ~              ♪ ♪

        ピィ  ♪              ・・・・・・   ォォォォォォォォォォ   ・・・・・・・・・


柱のよこ

2013年08月20日 14時13分25秒 | 黒猫のひとりごと

                    ・・・・  サヮヮヮヮヮヮヮヮ  ・・・・・・

                                        ・・・・ ヒュルル  ・・・・・

暗くなってきた・・・

まだお日様は帰る前。

大きな雲が上にいるからである。

雨降るかな。

僕は、空を見る。

「ピィ」

頭にはメジロ。

「こんにちは」

ニャ・・・

ノロマさんが、僕の背中を撫でながらメジロに話しかけている。

「チュン」

                ピョン

おや。

メジロは、ノロマさんの手に移った。

「うふふ♪」

・・・メジロは、ノロマさんに連れ去られた。

後ろには、レトロな車。

僕は、メジロに秘密基地であるレトロな車を紹介したのである。

そしたら、ノロマさんとエレガントさんがやって来た。

レトリバーとシロネコもいる。

ガードさんは、お皿持ってる。

まだ、レトロな車が再び僕らの秘密基地になったことは、ばれていないと思う。

だから、僕は反対を向いて知らんぷりしているのである。

                              ピィ ♪

                     ミー                    サヮヮヮヮヮ  ・・・・・

・・・ニャ~

僕は、少し体をひねって後ろみる。

相変わらず、子ネコはレトリバーと遊んでる。

僕は、そのシッポを押さえに行くふりをして、レトロな車の方に向かう。

車のガラスから、シロネコが外をみてる。

中に入った様である。

エレガントさんとノロマさんは、木のベンチに座ってメジロを見てる。

「ミャ~」

僕は前足で子ネコのシッポを押さえる。

ガードさんが持っていたお皿は、ベンチの屋根の柱のそばに置いてある。

子ネコのシッポがすり抜けた。

                                ポツ ポツ ポツ  ・・・

お皿に近づくと、お水が入ってる。

       ペロペロ

おいしい。

                               ズルズル  ・・・

前足で、お皿をベンチの下に移動させる。

隠してしまうのだ。

「クゥ」

チワワもやって来た。

               ペロペロ  ・・・

飲んでる。

                                ボタ  ・・・

                                          ポタタタタタ  ・・・・・

水が落ちてくる。

「ニャー」

雨が降るみたい。

                       ピィ ♪    ピィ ♪

メジロの声が増えた。

もう1羽も、飛んできたみたいである。

僕はベンチの下から出て、木の柱から頭を出す。

                             ザァァァァァァ  ・・・・・・・・・

                                        ・・・・ァァァァァァ  ・・・・・・・

雨でぬれる。

お皿の水がなくなったら、外に出せばまたお水がいっぱいになりそうである。

いいアイデアを思い付いた僕は、ベンチの上に乗る。

雨が降ってきたから、ガードさんも屋根の端っこにやって来た。

「ミャ~」

レトリバーと子ネコも、屋根の下に来た。

ノロマさんとエレガントさんの背中が見える。

僕は距離を保ったまま前に移動する。

               チュン ♪

やっぱり、メジロは2羽いる。

ノロマさんの足の横から、リスがそれを見てる。

          ゴロ  ・・・

横になる。

4つの足と、シッポを伸ばす。

風が冷たくなった・・・

        ―― ♪         ピィ ♪           ・・・ヮヮヮヮヮ  ・・・・・

                                ・・・・・ ザァァァァァァァァァァァ  ・・・・・・・


2枚のガラス

2013年08月18日 19時46分28秒 | マーロックの日記

                             ・・・・・    ォォォォォォォォ   ・・・・・・

    トコ  ・・・      トコ  ・・・

薄暗い通路を進む・・・

私が通過する辺りだけ、ライトが点く。

午後、私はこっそり船底に侵入した。

船底は3層ある。

場所によっては、吹き抜けの部分もある様。

一番上の層は、クルーたちの部屋が並んでいる。

ただ、多くは上の階に移動しているから、ほとんどは空き部屋だろう。

                 トコ   ・・・         トコ   ・・・

階段があったので、下る。

今のところ、誰にも遭遇していない。

チーフさんでも見つけたら、倉庫の場所を聞きたいのだけど。 

                                     ・・・・  ォォォォォ  ・・・・・

                     ギィィィィ   ・・・・

植物とほとんどの動物は、D-グルコースからアスコルビン酸…ビタミンCを合成する――水溶性のビタミン。

私たち霊長類やモルモットは、この過程の途中で必要なL-グロノラクトンオキシターゼという酵素がないので、合成できない。

このため食べないといけない――私たちの祖先が森にすんでいたころ、果物などビタミンCが豊富な食べ物がよく手に入ったなどの理由で、合成できないことが不利ではなくなったのかもしれない。

アスコルビン酸が慢性的に不足すると、壊血病になる――浮腫、皮下出血、貧血、歯や歯肉の変化を起こす病気。

昔、長い航海をする船乗りたちの命を脅かす病気だったけど、新鮮な野菜や果物を食べるとかからない。

これは、アスコルビン酸の不足で結合組織の細胞外マトリックスに含まれるムコ多糖の性質が劣化するため――上皮、筋、神経でない組織を結合組織と呼び、アミノ酸を含むヘテロ多糖…2種以上の単糖でできた多糖のことをムコ多糖という。

アスコルビン酸が生理作用で酸化すると、デヒドロアスコルビン酸になる――これは可逆的な変化で、グルタチオンなどの作用でアスコルビン酸に戻る。

デヒドロアスコルビン酸が加水分解されると、ビタミン活性のないジケトログロン酸になる――これは不可逆的な変化…一方向にしか進まない反応。

コラーゲンはすべての多細胞生物に存在し、脊椎動物では最も多いタンパク――全タンパク重量の30%ほど。

これは細胞外にあって、不溶性で張力に対して強い繊維で、骨、歯、軟骨、腱、靭帯、皮膚、血管の繊維など、結合組織をひずみに強くしている――コラーゲンは、あらゆる組織にある。

哺乳類では、少なくとも46種の遺伝的に異なるコラーゲンペプチド鎖があって、28種のコラーゲンをつくる。

放射性同位体によるラベル実験で、コラーゲンは合成されたのちにヒドロキシ化される――このための酵素はプロリル4-ヒドロキシラーゼ。

プロリル4-ヒドロキシラーゼが働けない条件で合成されたコラーゲンは24℃で変性するけど、天然のコラーゲンは39℃で変性する――変性したコラーゲンは、ゼラチンという。

このプロリル4-ヒドロキシラーゼの活性に、アスコルビン酸が必要になる。

つまりアスコルビン酸が不足した状態では、合成されたコラーゲンが正常な繊維をつくれず、皮膚や血管が脆弱になり、傷が治りにくくなって、最後には死んでしまう。

―――コラーゲンとともに、結合組織にはエラスチンも含まれる――関節や皮膚が異常にのびるエーラース・ダンロス症候群は、ゴムのような性質を与えるエラスチンが多くなり、コラーゲンが欠陥するために起きる。

これらの繊維はゲル状の構造の中に埋まっていて、これを構成するのがムコ多糖…グリコサミノグリカン…GAGで、この溶液は粘性、弾性が大きい。

ヒアルロン酸…ヒアルロナンは、マトリックス、滑液…関節の潤滑液、目の硝子液…硝子体などの、重要なGAG成分――細菌の莢膜にも存在する。

これは、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-グルコサミンが結合した二糖単位が250~25000くらい結合した多糖分子。

ヒアルロン酸は分子量が大きく互いに反発する陰イオン基が多いので、溶液中ではのびて乾燥状態の1000倍の体積を占めるようになる。

ヒアルロン酸の粘度はせん断応力によって変化する――せん断応力は面に平行に働く力。

せん断応力が小さいときは分子はもつれ、溶液は粘性が高まり流れにくくなる。

応力が増すと、硬いヒアルロン酸の分子が流れて並び、抵抗が減る。

この性質が、ヒアルロン酸の衝撃吸収と潤滑に優れた性質をあたえる。

ヒアルロン酸はヒアルロニダーゼという酵素で分解され、これは、多くの組織、細菌、ヘビや昆虫の毒に含まれている――細菌が組織に入り込むのに、役に立っている―――

                     トコ  ・・・       トコ  ・・・

                                            ギィィ  ・・・

ビタミンA、D、E、Kなどは脂溶性のビタミン。

これらはすべて、イソプレンの誘導体であるイソプレノイド――ある化合物が、酸化、還元、原子や基の置き換えなど変化したものを誘導体という。

水溶性のビタミンと違い、脂溶性のビタミンは体内に貯まる――特に肝臓。

このため、過剰に摂取すると毒性を示す。

ビタミンA類のレチナールは、β-カロテンが2つに切れてできる――体内でビタミンに変わるものをプロビタミンという。

レチナールがアルコールデヒドロゲナーゼでレチノール…ビタミンA1に還元される――カロテンのトランス構造はそのまま残るので、レチナール、レチノールともにトランス型。

植物は、α、β、γ-カロテンやクリプトキサンチンを合成するけど、動物はしない――これらはカロテノイドで、体内でレチノールになる。

レチノールのプロビタミン源としては、緑黄色野菜がすぐれている――カロテンは疎水性で、脂肪を含む部分にも多い。

淡水魚の肝油には、3-デヒドロレチノール…ビタミンA2がある。

レチノールが欠乏すると、上皮細胞がケラチン化し、でこれが起こると眼球乾燥症…ドライアイになる――ケラチンは機械的耐久性の大きい化学反応しにくいタンパクで、外皮や角質では、細胞タンパクの85%を占める。

人と動物実験では、まず夜盲症がおこる――幼い動物では骨に異常が起き、成長が遅れる。

レチノールを過剰に摂取した場合、動物は余分な分を排泄できず、脂肪組織にたまる。

過剰な状態が長期間続くと、骨がもろくなり、嘔吐、衰弱、皮膚炎などが起きる。

                        タッ  ・・・

                                     ・・・・ ォォォォォ  ・・・・・・

見つけた・・・

倉庫だ。

                カタ

ライトをつける。

そんなに明るくはない。

あった・・・

前の船と同じで、上の方にひとつ窓。

布の袋など、いろいろある。

でも、そこそこ整っている。

これを積みなおして、あの窓から海の中をのぞける様にする。

とりあえず、置いてあるものをみよう・・・

                           ギィィィィ  ・・・・

                                 ・・・・    ォォォォォォ   ・・・・・・・・


上から下へ

2013年08月18日 02時36分28秒 | 黒猫のひとりごと

                  チャリン チャリン  ♪

                                    ピロピロン   ♪

「ピィ」

僕の頭の上には、メジロが乗ってる。

おひるご飯のあと、僕はチワワたちと階段を下りた。

そして、スロットマシンを見つけたのだ。

                            カラカラカラ   ♪

子ネコはさっそく頭を床に近づけて、コインを探している。

「チュン」

とりあえず、僕はカウンターを目指す。

「・・・・」

チョッキさんが、こっち見た。

                           チャリチャリン  ♪

後ろ見て、チワワが付いてきているのを確認する。

音がいろいろで、足音がよくわからないからである。

                     トッ   ――

                                        スル

イスに乗って、体を伸ばして前足と頭をテーブルの上に乗せる。

僕ら以外には、カウンターに座っているお客はいない。

「ニャー」

チェリー5つ。

僕は、あいさつ代わりにチェリーを注文する。

「いつものだね」

チョッキさんは、小皿をひとつ用意した。

                            ポト    ポト

そして、チェリーが5つ。

「ミャ~」

子ネコも、においでやって来た。

「クゥ」

                       トン

ニャ

しばらくイスの下をウロウロしていたチワワが、ジャンプしてイスに乗った。

「キキ」

                     パク

リスがチェリーをかじる。

いつものと違って、1本枝がついてる。

                                パク

僕も食べる。

ニャ

種がある。

いつも種がないチェリーだったのに。

                           モグモグ

チワワと子ネコも、食べた。

                                 ツンツン  ♪

メジロも、つつく。

「ニャー」

おいしい。

                        コロコロコロ   ♪

              ♪♪                      ジャララララ    ・・・・   ♪

          ト  ト  ト

イスから下りると、子ネコが見つけたコインが一枚。

「ミャ~」

「・・・・」

僕はそれを銜えて、スロットマシンを目指す。

たくさんあるので、どれにしよう・・・

              パタタ

                               ピィ ♪

メジロが飛んで、スロットマシンのイスに乗った。

                                      ――  タ

僕はメジロの選んだイスに乗る。

目の前には、ぶどうやグレープフルーツの絵がある。

果物の絵が多いのだ。

「クゥ」

チワワと子ネコも乗ったので、せまい。

「キキ」

そして、リスが僕を促す。

                               チャリン  ♪

コインを一枚、いれる。

前足をレバーに乗せる。

              ガコン  ――

                               ガラガラガラ   ・・・・

スロットマシンの絵が、回りだす。

どきどき・・・

子ネコが少し身を乗り出しているけど、チワワはお座りして見ている。

「チュン」

僕の頭の上に移動したメジロも、緊張しているようである。

               ゴン

「ミャ」

一番左が止まった。

イチゴである。

                   ガラガラガラ  ・・・

                                        ゴン

続けて、真ん中が止まる。

「・・・・」

みんな、黙っている。

真ん中もイチゴだったのだ。

                                 ガラガラガラ   ・・・・

僕らは、右側の絵を見つめる・・・

                                                       ゴン

「チュ」

・・・最後はスイカ。

「ニャー」

ざんねんである。

               ト  ト  ト  トト   ・・・・

イチゴが食べられなかった僕らは、スロットマシンを後にする。

カウンターを見ると、チョッキさんがチラッとこっち見た・・・

            ガチャン  ♪                ♪ ♪

             チャリリン  ♪                カララララ  ・・・・   ♪


空の青

2013年08月15日 13時14分25秒 | マーロックの日記

                     ザァァァァ     ・・・・       ン

                                      ・・・・ ヒュルルル   ・・・・・・

太陽がずっと上にいる・・・

直接は見ないけど。

船の屋上、一番後ろに来ている。

レトロな車のある林の裏から、ミニゴルフのコースがここまで続いている。

一番外側は通路になっていて、ここから森が見下ろせる。

ずっと下。

屋上の一番後ろは、船の一番後ろよりも内側なのである。

透明な壁は、船の後ろから、ここの通路の下の方まで覆っている。

でも、昨日から開いている。

だから、メジロが1羽来てる。

こっちを見てる。

横でも下でもなくて、正面を見る。

水平線と雲。

他の船は見えない。

海と空が見えるから、青い。

大きな雲が浮いているから、見る。

少しずつ、形が変わる。

近くに小さいのがいる。

                      ピィ

・・・よこ見ると、メジロがこっち見てる。

                          トト トトット   ・・・

「・・・・」

素早く手すりの上を移動して、私の手の甲のすぐ隣に来た。

手に乗るのかな・・・

          チュチュ

目が細くなった。

小さく動いてる。

                                  トトト  トットト   ・・・・

接近してきたのと同じくらいの素早さで、去った。

手には乗らなかった。

お腹すいたのかな。

正面を見る。

さっきの雲がいる。

細かな形まで覚えてないから、さっきと変わらないように見える。

手すりの方に、背中を向けてもたれる。

おや。

離れたメジロが、こっち見てる。

上を見ると、空の青に白い雲。

船の屋上の辺りは、空気がよく流れてる。

あの雲は、そんな風でもなく浮かんでいる・・・

                ピィ              ・・・・  ゥゥゥ ・・・

                                      ザァァァ    ・・・・      ン