ザァァァァ ・・・・・・
ボョン ♪
動いた・・・
「♪」
ノロマさんは、腕を適当に動かしている様に見える。
教会前のタープにも、ランタンライトが吊ってある。
それほど明るくないけど、ノロマさんが不敵に笑っているのが分かる。
暗くて見えにくいけど、柄につながった何かが動いている。
ボョン ♪
フワフワよりも、すこし機敏に動く――
スル
!
腕の動きに合わせて飛び掛かったけど、外れた。
「ふふふ♪」
「・・・」
くやしい。
ボョン ♪
僕が動くふりをすると、ノロマさんの腕が動いて何かが動く。
ポチャ
お日様が去っても雨は降っていて、ノロマさんは僕らのタープにごはんを届けてくれたのだ。
男たちはそれを持って行った。
僕はノロマさんがそこにいたから様子を見ていたのである。
ボョン ♪
「・・・」
ノロマさんの腕の動く方とは、反対側に動いているみたい。
タッ
「!」
ボョォ ―― ゴロ
僕の前足は、それを掴んだ――
ガブ
そしてかじる。
「♪」
ノロマさんがそれを引くけど、僕は離さない。
「ニャ~」
動く方が予想できれば、捕まえるのは簡単である。
ボョョ
ミニクッションみたいなのが動いていたのだ。
ト
ボョン ♪
僕は満足したので、ごはんを食べに大タープに向かう。
――
去り際に、シッポに手があたった。
通路テントに入る前に後ろを見ると、ノロマさんは立ち上がってる。
孤児院に帰ると思う。
みんな、こっちには来ない。
男が暗くなる前に、動くと点くライトをあちこちい置いたから困らない。
通路テントの中にもある。
電池で点くやつ。
影がいくつかある。
前足を浮かせると、その影もいくつか。
何か所も同時にネコパンチできそう。
でもしない。
できたばかりのテントなのだ。
ト
もう大タープ。
いいにおい・・・・
ァァァァァ ―――