バサ
――― ァァァァ
ポタ ポタ
「ピョ」
細長い・・・
男が大タープの下に、寝袋を置いたのだ。
テントの近くにある木の根の側で、小鳥が上に乗った。
トコ
男が去る。
トレーラーの部屋にあった荷物を、テントに運んでる。
教会前のLテントまで、運んでくれてあったのである。
そこに布団もあったから、テントの中にもともとあった寝袋が不要になったのである。
ゴソ
ピョョ ♪
寝袋の中に小鳥が入った。
「ニャ~」
温かそう。
外側は雨粒があたっても平気そうな布。
これなら寒がりなチワワがきても大丈夫そうだけど、こっちには来ないみたい。
ト
僕もテントに向かう。
ザヮヮヮヮ ――――
木がざわざわしてる。
風で。
スーパーで見つけて来た、大きなテントが張ってある。
これからここに泊まる様。
「・・・・」
入口に近づくと、大タープから落ちてくる水粒を集めていた小さな器が置いてある。
その側にタオル。
チャプ
足を洗えという意味みたい。
「ニャ~」
つめたい。
ト
僕は器からタオルの上に移動する。
―――
おや。
ガラガラケースのほかに、トレーラーに引っ掛けてあった男のコートとかもある。
プラスチックのケースに入れてあって、そのケースごとテントの中にある。
「ニャ~」
ゴソソ
僕が呼ぶと、畳んであるコートの中からリスが頭を出した。
「キキ」
「・・・・」
男もそれに気づいた。
ポケットの中にでもいたのかも。
ト ト
そのまま、テントの奥に走って行った。
僕も中に行く。
天井にはランタンライトが吊るしてあって、明るい。
テントの中は広くて、さらに左右にそれぞれ別の部屋がある。
左側に、布団があるはずである。
さっきまで、そこに寝袋があった。
キキ
テントの布にはいくつかポケットもあって、その中にリスが隠れたみたい。
床部分はすこし柔らかい。
段ボールを何枚か地面に敷いて、その上にシートを張って、その上にテントが置いてあるから。
ゴロ
ひとつクッションがあって、それを枕に男が寝ころんだ。
―― ト
僕は男のすねに乗る。
「・・・・」
―――
すると、浮いた。
僕を乗せたまま、男が足を動かす。
「・・・」
僕は落ちない。
少し傾けば、少し移動するのだ。
――――
足が下がる――
クル
その反動で男が足を振り上げたので、僕は浮いて体を回転させた。
スタ
そして着地。
「・・・・」
クッションに頭をのせたまま、男がこっち見てる。
あそこで僕が思わずジャンプしていれば、テントの屋根に頭をぶつけたかもしれないのだ。
ト
暇そうだから、外に出る。
小鳥とネコソングの練習でもするのだ。
キキ
リスの声。
一緒に行くみたい・・・・
ポタ タ
――――――
ピョ