ポケット

2021年02月08日 11時18分41秒 | 黒猫のひとりごと

     バサ

                                ――― ァァァァ

                  ポタ ポタ

「ピョ」

細長い・・・

男が大タープの下に、寝袋を置いたのだ。

テントの近くにある木の根の側で、小鳥が上に乗った。

   トコ

男が去る。

トレーラーの部屋にあった荷物を、テントに運んでる。

教会前のLテントまで、運んでくれてあったのである。

そこに布団もあったから、テントの中にもともとあった寝袋が不要になったのである。

  ゴソ

          ピョョ ♪

寝袋の中に小鳥が入った。

「ニャ~」

温かそう。

外側は雨粒があたっても平気そうな布。

これなら寒がりなチワワがきても大丈夫そうだけど、こっちには来ないみたい。

    

僕もテントに向かう。

                            ザヮヮヮヮ  ――――

木がざわざわしてる。

風で。

スーパーで見つけて来た、大きなテントが張ってある。

これからここに泊まる様。

「・・・・」

入口に近づくと、大タープから落ちてくる水粒を集めていた小さな器が置いてある。

その側にタオル。

         チャプ

足を洗えという意味みたい。

「ニャ~」

つめたい。

      

僕は器からタオルの上に移動する。

                 ―――

おや。

ガラガラケースのほかに、トレーラーに引っ掛けてあった男のコートとかもある。

プラスチックのケースに入れてあって、そのケースごとテントの中にある。

「ニャ~」

              ゴソソ

僕が呼ぶと、畳んであるコートの中からリスが頭を出した。

「キキ」

「・・・・」

男もそれに気づいた。

ポケットの中にでもいたのかも。

      ト   ト

そのまま、テントの奥に走って行った。

僕も中に行く。

天井にはランタンライトが吊るしてあって、明るい。

テントの中は広くて、さらに左右にそれぞれ別の部屋がある。

左側に、布団があるはずである。

さっきまで、そこに寝袋があった。

                  キキ

テントの布にはいくつかポケットもあって、その中にリスが隠れたみたい。

床部分はすこし柔らかい。

段ボールを何枚か地面に敷いて、その上にシートを張って、その上にテントが置いてあるから。

           ゴロ

ひとつクッションがあって、それを枕に男が寝ころんだ。

           ――  ト

僕は男のすねに乗る。

「・・・・」

                   ―――

すると、浮いた。

僕を乗せたまま、男が足を動かす。

「・・・」

僕は落ちない。

少し傾けば、少し移動するのだ。

     ――――

足が下がる――

                     クル

その反動で男が足を振り上げたので、僕は浮いて体を回転させた。

       スタ

そして着地。

「・・・・」

クッションに頭をのせたまま、男がこっち見てる。

あそこで僕が思わずジャンプしていれば、テントの屋根に頭をぶつけたかもしれないのだ。

      

暇そうだから、外に出る。

小鳥とネコソングの練習でもするのだ。

                キキ

リスの声。

一緒に行くみたい・・・・

           ポタ タ

                                     ――――――

              ピョ