トコ ・・・ トコ ・・・
ミー
外はまだ暗い・・・
ミニバスに荷物をのせた男は、外で空を見ている。
天気がよく変わるので、なかなかお月様も見えないのである。
「今日もお願いできる?」
「ァゥ」
ニャ
ホテルの前にいるミニバスの前で、斧さんがネコカートを受け取った。
昨日、ウェーブさんに奪われたのである。
そのまま、ノロマさんたちの部屋に持ち去られた。
だけど、メジロは見つかることはなかったのだ。
ハットさんが、ギリギリのところでハットの中に隠すことに成功したのである。
そのまま、ハットさんの部屋に匿われていた。
「おはよう」
「ァゥ」
ハットさんが出てきた。
「積んでおきますよ」
「ありがとう」
ノッポさんが、ハットさんの荷物を持ってミニバスの中に去った。
怪しまれないように、チラッとハットさんの頭を見る。
あの中に、メジロがいるはずである。
トコ ・・・ トコ ・・・
ウェーブさんが来た。
「ニャー」
「おはよう」
僕の横でしゃがんだ。
ツン ツン
指でつついてくる。
ト ト ト ト ・・・・
にげる。
「そろそろ行きましょう」
「うん」
トッ トト ・・・
みんなバスに乗り始めた。
「おはよう」
「おはようございます」
「月は見えたかね」
「すこし・・・」
ハットさんと男が話してる。
タッ タタタ ・・・
僕もミニバスに乗る。
シャープネコが、ハットさんの頭を見ている。
メジロに気づいたのかな。
パタン
ドアが閉まった。
カチャ
斧さんが一番前のイスを回転させて、横に向けた。
一つ後ろのイスとLの形になった。
ネコカートをそこに置いて、斧さんは座った。
通路を挟んだ反対のイスにハットさんが座った。
さらにもう一つ後ろには荷物が積んであって、安全である。
ブロロロロ ・・・・・
ミニバスが動き出した。
僕は斧さんのいるイスの背もたれで、周囲を見張る。
ななめに落ちそうに揺れたけど、僕は耐えた。
ハットさんはハットを横に置いている。
だから、中からメジロが頭を出した。
そしてそれを持って、ハットさんがネコカートに接近する。
「狭かっただろう」
ピョン
メジロはネコカートに移動した。
「ニャー」
僕は、ハットさんに感謝を伝える。
メジロは羽を広げて、少し動かす。
中にはシロネコとメタボネコがいるので、その間に挟まった。
そのまま伏せた。
寝るのかな。
パチ
メタボネコのシッポが、メジロにあたった。
まだ外は暗いし、僕は後ろの荷物の上でくつろぐことにする・・・
ガタタ ・・・
・・・・ ロロロロロ ・・・・・