羽がのびる

2013年09月30日 13時41分16秒 | 黒猫のひとりごと

            トコ  ・・・            トコ  ・・・

                                              ミー

外はまだ暗い・・・

ミニバスに荷物をのせた男は、外で空を見ている。

天気がよく変わるので、なかなかお月様も見えないのである。

「今日もお願いできる?」

「ァゥ」

ニャ

ホテルの前にいるミニバスの前で、斧さんがネコカートを受け取った。

昨日、ウェーブさんに奪われたのである。

そのまま、ノロマさんたちの部屋に持ち去られた。

だけど、メジロは見つかることはなかったのだ。

ハットさんが、ギリギリのところでハットの中に隠すことに成功したのである。

そのまま、ハットさんの部屋に匿われていた。

「おはよう」

「ァゥ」

ハットさんが出てきた。

「積んでおきますよ」

「ありがとう」

ノッポさんが、ハットさんの荷物を持ってミニバスの中に去った。

怪しまれないように、チラッとハットさんの頭を見る。

あの中に、メジロがいるはずである。

     トコ  ・・・     トコ  ・・・

ウェーブさんが来た。

「ニャー」

「おはよう」

僕の横でしゃがんだ。

              ツン    ツン

指でつついてくる。

                              ト ト ト ト   ・・・・

にげる。

「そろそろ行きましょう」

「うん」

               トッ         トト   ・・・

みんなバスに乗り始めた。

「おはよう」

「おはようございます」

「月は見えたかね」

「すこし・・・」

ハットさんと男が話してる。

                  タッ         タタタ   ・・・

僕もミニバスに乗る。

シャープネコが、ハットさんの頭を見ている。

メジロに気づいたのかな。

                                   パタン

ドアが閉まった。

                     カチャ

斧さんが一番前のイスを回転させて、横に向けた。

一つ後ろのイスとLの形になった。

ネコカートをそこに置いて、斧さんは座った。

通路を挟んだ反対のイスにハットさんが座った。

さらにもう一つ後ろには荷物が積んであって、安全である。

                                ブロロロロ   ・・・・・

ミニバスが動き出した。

僕は斧さんのいるイスの背もたれで、周囲を見張る。

ななめに落ちそうに揺れたけど、僕は耐えた。

ハットさんはハットを横に置いている。

だから、中からメジロが頭を出した。

そしてそれを持って、ハットさんがネコカートに接近する。

「狭かっただろう」

                      ピョン

メジロはネコカートに移動した。

「ニャー」

僕は、ハットさんに感謝を伝える。

メジロは羽を広げて、少し動かす。

中にはシロネコとメタボネコがいるので、その間に挟まった。

そのまま伏せた。

寝るのかな。

                     パチ

メタボネコのシッポが、メジロにあたった。

まだ外は暗いし、僕は後ろの荷物の上でくつろぐことにする・・・

                  ガタタ  ・・・

                                     ・・・・   ロロロロロ   ・・・・・


古い駅

2013年09月28日 13時43分40秒 | マーロックの日記

                                 ヒュルルル  ・・・・・

            ―― ♪

黒い蒸気機関車がある・・・

他にもあるけど、カラフルなのが多い。

レプリカもあるけど、実物もある。

ここは、世界で最初の鉄道の駅のひとつで、博物館になっている。

今日は朝、ミニバスで北に移動して、この街に来た。

お昼ごはんの後、美術館を見て、ここに来た。

航空機もあるし、いろんな乗り物がある。

                              ―― マロックさん

「・・・・」

遠くから、呼ぶ声がする。

もう少しゆっくり見て行きたいけど、そろそろミニバスに戻る。

          トコ  ・・・              トコ  ・・・

明日は、朝早くに出発する。

ウェーブさん達が、急ぎ足の観光コースを考えたので。

その分、キャンプに日数をかけるので、そこでゆっくりできる。

さらに北の街で、マッチョさんたちと合流する予定で、間に合えばマリオットさんも来る。

                  ・・・  ガャガャ    ♪

                                    ヮィヮィ   ・・・  ♪

外は人は結構多くて、にぎやか。

「そろそろ私達にもかしてよ!」

「ァゥゥ・・・」

おや・・・

斧さんが、ウェーブさんとネコカートの奪い合いをしている。

船を降りてから、斧さんはずっとネコカートを押している。

斧さんは体が大きくて力もあるので、それ以外にもいろいろ荷物を持ってくれたりする。

ありがたいわけだけど、今回は一度もネコカートをはなさない。

寝る時も、自分の部屋に持って行ってしまう。

それを、ウェーブさんが奪うとしている。

もちろん斧さんがその気になれば、ウェーブさん達が束になっても奪われることはないだろう。

でも、そうもいかないので、もう奪われそう。

「ニャー」

黒猫も一緒になってネコカートを押している。

「ここは何度来てもいいね」

「・・・ゥゥゥ」

ハットさんが来た。

                       ――

                                     パサ

奪い合いをしているネコカートを覗き込んで、手に持っていたハットを頭にのせた。

「ニャ・・・」

「ふん」

・・・ネコカートを奪ったウェーブさんは、見ていたノロマさん達のもとに押して行く。

「またお願いするからね」

「ァゥ」

「ミー」

中にいたシロネコが、抱えられた。

「?」

カートの中を覗いていた子ネコが、外に出た。

「クゥ」

チワワが鳴いた。

そして、私たちはミニバスへ向かう・・・

                     ・・・   ♪

                                             ブロロロ  ・・・・


鳥のせて

2013年09月26日 14時02分23秒 | 黒猫のひとりごと

                                 ・・・   ヒュゥゥゥ   ・・・・

              タッ  ・・・

すばやく移動したネコカートは、木の前で動くのをやめた・・・

「ニャー」

「ァゥ」

もう大丈夫である。

後ろを見ると、ノロマさんはこっちを見ているものの、追っかけてはこない。

「ピィ」

メジロはシロネコのけづくろい。

メタボネコとチンチラも、中にいる。

斧さんは、ずっとネコカートを押している。

ノロマさん達に渡さないから、そろそろ怪しまれるかもしれないのである。

「ミャ~」

僕と子ネコは、ネコカートの後ろで警戒する。

子ネコはレトリバーとひもでつながっているので、レトリバーも一緒。

レトリバーは大きいので、ノロマさんやエレガントさんの動きを壁のように止めることができるので、強力である。

ただ、エレガントさんやフワリさんに呼ばれると、子ネコを連れてそっちに去ってしまうけど。

近くにいるハットさんは、目の前の大きな建物を見てる。

古い建物である。

上の方には、時計の塔。

今日は、お日様が出たころからミニバスで移動して、別の街。

お日様は上にいて、雲は少ない。

隣の木のそばにいる男が、こっち見てる。

メジロの声が、風にのって届いたのかな・・・

                            ・・・  ――

反対向いて、歩き出した。

横見ると、子ネコがあくび。

                      グィ  ・・・

「クゥン」

子ネコはレトリバーを引っ張って、ノロマさん達の方へ進む。

寝るのかな。

風が冷たいから、抱えてもらうつもりかもしれない。

斧さんも建物みてる。

                                 ・・・  サヮヮ    ・・・

            ・・・・

ずっと上には時計があるけど、メジロなら近くまで行けるはずである。

メジロは小さいから、僕をつかんでは飛べそうにない。

4羽くらいいれば、飛べるかな。

               パシ

ネコカートにタッチする。

僕は警備をしているわけだけど、暇である。

ガードさんを見る。

いつものように、できそこないの石像である。

僕の石像ネコは、もっと上手である。

ニャ

ゆらゆらする影・・・

上見ると、葉っぱが一枚おちてくる。

ひらひらしてる。

僕はそれを見ながら、少し前進。

          ト    ト   トト   ・・・

                                     パチ

ふふん・・・

僕はネコパンチで葉っぱをつかまえた。

「・・・葉っぱだね」

上見ると、ハットさん。

僕が葉っぱを押さえつけたのは、ハットさんの足。

「ニャ~」

僕は鳴く・・・

            ブロロロロロ  ・・・・・

                                         ・・・・  ゥゥゥゥ   ・・・・・


テーブルとイス

2013年09月24日 14時32分30秒 | マーロックの日記

                              ブォォォォ   ・・・・

        ―― ♪                            ・・・  ォォォ ・・・・

時計塔が、少ない灯りで浮かんで見える・・・

羊の丘から北に移動して、大きな街に来た。

もう太陽は沈んでいる。

ホテルに荷物を置いて、ごはんを食べるために散歩している。

古い建物はオレンジ色の灯りで照らされている。

たまに、白い光もある。

信号や街灯、道しるべの看板など、街の雰囲気によく合ってる。

2階建てのバスも走っているけど、タクシーがレトロ。

                    ~~   ♪  ♪

                                    ~~  ♪♪

少し前を歩いているエレガントさん達が、テラス席のあるお店の前で相談している。

ネコカートもいるし、テラス席の方が落ち着く。

「ここでいいですか?」

「うん」

早速、ノッポさんがイスに座ってる。

                    ♪ ♪   ~~

                                   ♪ ♪

すぐ側の街灯の前で、数人が楽器で演奏してる。

「ニャ~」

軽快なリズムに誘われて、黒猫が私の足元に来た。

楽器の動きを、目で追っている様。

その向こうにもテラス席のお店があって、主に食事をしている人が聞いている。

近くの街灯のそばでも、少し聞いている人がいる。

・・・黒猫を見ると、片方の前足が浮いてる。

空は曇っているから、星がなくて暗い。

街に着いたときは、雨が降っていた。

まだ、少しだけ落ちてくるけど、傘は必要ない。

「座ったらどうかね」

・・・ハットさんの声。

私に言ったのかな。

「ニャ~」

黒猫を抱えて、テーブルに向かう。

演奏が横に見える席に、座る。

その横のイスに、黒猫をのせる。

                      スル

背もたれから頭を出して、また楽器を見てる。

シッポが浮いていて、少し動いてる。

隣のテーブルにはノロマさん達がいて、その下にレトリバーがいる。

子ネコのひもはレトリバーにつなげておいたので、子ネコも一緒にいる。

レトリバーの上に乗って、テーブルの縁から覗いてる。

                     ♪  ♪     ~~

         ♪

おや・・・

メニューがある。

「・・・・」

ステーキにしよう。

私は、すぐに食べるものを決めた。

魚もあるようだけど、黒猫のはノロマさん達が注文するだろう。

     ――

・・・黒猫のシッポの先っぽが、ゆっくり動いてる。

                   パタ                  パタ

手をそこに置くと、指にシッポがあたる。

シッポは少し横に移動した・・・

             ニャ~ ♪               ♪ ♪  ~~

    ♪ ――                             ブロロロロロ     ・・・・・・・


雲のよう

2013年09月23日 04時39分52秒 | 黒猫のひとりごと

                                     ・・・    ヮヮヮヮ   ・・・・

                        メェェ  ・・・

羊がいる・・・

緩やかな斜面に、モコモコしたのがたくさん。

斜面の上に道があって、ミニバスはその横にいる。

お昼ごはんも、バスの周りで食べてる。

サラダやパン。

僕は、おいしいサーモンのお刺身。

                              ♪ ♪   ――

                   パク  ・・・

ノロマさんやウェーブさんは、いつも通り食べるのが遅いので、まだ食べてる。

               カサ   ・・

                                    カササ   ・・・

僕は、短い草に覆われた斜面を少し進む。

                                       ヒュゥゥゥ  ―――

                 サヮヮヮヮヮ   ・・・・・・

風で草は揺れるけど、移動はできないので、羊に食べられている。

                                         メェェ  ・・・

たまに木があって、その近くに男が立っている。

ひもでつながった子ネコも一緒で、そばでお座りして羊を見てる。

何度か羊に近づこうとした様だけど、男が動かないからあきらめて座っているのだ。

横に寝て、くつろいでいる羊もいる。

シャープさんも、羊を見るために斜面を移動してる。

でも、シャープネコはいない。

ウェーブさん達に捕まってしまったのだ。

リスとチンチラも。

斧さんは、すでにネコカートを持ってミニバスから離れているので、安心である。

ハットさんは、キャスケットを被ってる。

「メ~」

羊がきた。

「ニャー」

                      フサ

僕は、その背中に乗る。

「?」

突然僕が目の前から消えて、羊は辺りを見ている。

僕は雷のような素早さで背中に乗ったので、羊にはわからなかったのだ。

         サク   ・・・              サク   ・・・

歩き出した。

斜面の上でも下でもなく、横に歩く。

モコモコしていて、乗り心地はなかなかである。

ニャッティラがお腹を見せて休んでいる。

そこに向かっている。

ニャッティラは大きいから、仲間だと思ってるのかな。

                   サク   ・・・            サク   ・・・

「メェェ」

「ミャ~ゥ」

羊は歩くのをやめて、伏せた。

「・・・」

移動しないので、僕は背中からおりる。

         ペチ

そして、羊をシッポでたたく。

「?」

羊が僕を見た。

空には細長い雲。

斜面にはモコモコしたのが群れていて、たまに動く。

               サク   ・・・

「・・・・」

男が来た。

手を伸ばして、羊のモコモコをさわった。

子ネコも、前足でタッチしてる。

僕は4つの足をのばして、くつろぐ・・・

              メ ~

                                     ・・・  ゥゥゥゥ   ・・・・


羊がいない

2013年09月22日 10時26分39秒 | マーロックの日記

                              ヒュゥゥゥゥゥ   ―――

      チャプ  ・・・

川に鳥・・・

泳いでる。

                    ペチ

お腹を掴んで抱えている子ネコのシッポが、腕にあたった。

              サク  ・・・

                                   タッ  ――

歩くと、子ネコが前足を前に、後ろ足を後ろに伸ばした。

・・・飛んでるのかな。

草の上から、道に戻った。

朝早く出発したので、まだ太陽は昇る途中。

丘の上、羊がたくさんいる地域に来ている。

                  ――  ♪ ♪

少し前にエレガントさん達がいて、カメラで村の様子を撮っている。

石灰岩のレンガで造られた家が、植物に囲まれている。

数百年を経て、色は褪せている。

少し濃い色のと、そうでないのが混ざってる。

「ミャ~」

子ネコが動く。

前足で私の手を叩いた。

子ネコはひも付きの服を巻かれている。

ひもを持って散歩すると、子ネコは花をジッと見て動こうとしなかったので、掴んでいる。

後ろを見ると、ネコカートを押す斧さんとハットさんがいる。

                                   ・・・・  ヮヮヮヮヮ  ・・・・・

            ト  ・・・

石の道があって、その先に家。

色の違う花がいくつもある。

種類ごとにまとめられていて、場所ごとに分けて植えてある。

古い家だけど、まだ人が住んでいる。

石の壁や、家の壁にも植物が張り付いている。

壁一面が植物の家もある。

                         ――  ♪

道には、私たちのように観光に来る人がいるから、にぎやか。

レトリバーのひもを持ったノッポさんが、ひとつ先の家を眺めてる。

太陽が出てくる前、この辺りも雨が降っていた様で、草や道には水が残っている。

青い空には、雲が浮いてる。

壁に花が張り付いた家もある。

ちゃんと、壁ごとに色がわかれている。

地中海で寄った寄港地で見た廃墟も、建物に植物が張り付いていたけど、あれとは違う。

壊されていないし。

川には古い橋もあって、石でできてる。

バス停の看板には苔が張り付いていて、それを黒猫が見てる。

                   タッ

                                     タ   ・・・

子ネコが体を伸ばす。

遠ざかる花を見ているのかな。

バス停に寄ると、黒猫がチラッとこっち見た。

「行こう」

「ニャー」

呼ぶと、来た。

羊いないかな。

風に乗って、焼き立てのパンの香りがする・・・

                   ♪ ♪          ・・・

                                      ヒュゥゥゥゥゥ    ・・・・・・・


2013年09月19日 13時18分43秒 | 黒猫のひとりごと

                           ――   ヮヮヮヮヮヮ   ・・・・・・・・・

          サク  ・・・

草はそよそよしている・・・

その中で、ネコカートを押していた斧さんが、動きを止めている。

シロネコの下から、メジロが頭を出しているのである。

「ピィ」

鳴いた。

僕は後ろを見る。

近くには誰もいないし、風と草の音もあるので、大丈夫。

メジロを隠しておくのは大変なので、斧さんにも手伝ってもらうのだ。

「ニャー」

みんなには内緒だよ。

「ゥゥゥ」

                   サク  ・・・     サク  ・・・

斧さんはネコカートを置いて、ミニバスの方へ去った。

お日様が出た後、お店に寄ってサンドウィッチやサラダを買っていた。

そして、ミニバスを道の横に止めて、朝ごはんを食べている。

斧さんはすでに食べ終えているけど、メジロのために何か取りに行ったのだ。

                ガサ  ・・・

おや。

ウサギがいる。

                           ――  ピョン ピョン

3匹。

小さいのが2匹で、遊んでいる様。

草は短いけど、たまに長いのもいる。

少し前まで雨が降っていたから、草はきらきらしている。

雲はあちこちに去っていて、青い空が見える。

さっきミニバスから降りたときに、僕はお日様に朝の挨拶をした。

いつも通り、お日様は返事はしなかった。

                       ピョン

光を反射する草の上で、子ウサギがゴロゴロしてる。

ミニバスの横では、トランクケースをイスにして、エレガントさん達がサラダを食べている。

そこにいたレトリバーが、斧さんと一緒にこっちに来る。

ハットさんが、少し後ろを歩いている。

こっちに向かっている様。

「ニャー」

隠れているのだ。

「チュン」

前足をネコカートの端っこに乗せて、中を見る。

ちゃんと、メジロはシロネコの下に隠れている。

                     サク   ・・・          サク   ・・・

ゆっくり歩いて、斧さんが来た。

後ろからついて来るハットさんを気にしている様。

「ゥゥゥ」

「ニャー」

僕は斧さんが持っているオレンジを奪って、少しかじる。

とりあえず、僕がもらってごまかすのである。

「ウサギがいるね」

「ァゥ」

ハットさんが来た。

「ニャー」

オレンジの近くで、僕は目を上に向けてハットさんを見る。

こっちをジッと見ているのだ。

「ミー」

シロネコが鳴いた。

「小鳥がいるんじゃないかね?」

「ァゥ・・・!」

ニャ

斧さんが驚いている。

ハットさんは、シロネコのお腹の下を見ている。

そこを見ると、隙間からメジロの目が見える。

ばれているのだ。

「ピィ」

メジロが出てきた。

                  ツン ツン

そして、僕の前にあるオレンジをつつく。

「小さいね」

「ァゥ」

斧さんは、辺りを見渡している。

「誰にも言わないよ」

ハットさんは笑っている。

「ゥゥ」

・・・どうやら、ハットさんは僕らに協力してくれるようである。

ハットさんは子ウサギを見に、移動した。

僕もそっちを見る。

まだゴロゴロしてる・・・

              ピィ           ツン ツン

                                 ・・・・    ヮヮヮヮヮヮヮ     ―――


魚バス

2013年09月18日 13時15分59秒 | マーロックの日記

                                        ・・・ ロロロロ  ・・・・

                 ・・・・   ァァァァァァ    ・・・・・

雨の音がする・・・

午前5時なので、まだ暗い。

朝早くにホテルを出た私たちは、ミニバスで北に向かっている。

気温は低い。

まだ、目覚めてまもない。

ぼんやり響いていた雨音が、鮮明に聞こえる。

            ・・・・

黒猫が、通路から私を見ている。

朝ごはんは、途中でどこか見つけて食べる予定。

ここからいくつか街を観光しながら、北に移動していく。

距離はそれなりにあるので、鉄道でもよかった。

だけど、動物もたくさんいるし、ミニバスの方が気楽だということになった。

運転はガードさん。

一番後ろの長いイスには、ノロマさんやフワリさんがいる。

眠いのか、ひっそり。

マッチョさんたちはまだ来ていないので、席は空きがあり、荷物が積まれている。

ミニバスと言っても、十分な広さがある。

              ・・・   ロロロロ   ・・・・

                                         ・・・ ザァァァァ  ・・・・

壁にもたれたら、耳がガラスにあたった。

冷たい・・・

温度は粒子の運動エネルギーの平均で、総量ではない。

なので同じ分子なら、数が少ない方が、少ないエネルギーで温度が高くなる。

研究中の核融合炉の中では、燃料は数億℃という高温のプラズマになるけど、それはとても希薄なので、もし炉壁にプラズマが当たっても、それを溶かすだけのエネルギーはない。

窓に水の粒。

頭の近くに、冷たい空気が流れている。

太陽が出てくるまで、景色もよく見えない。

・・・目を閉じてみる。

眠るか起きるかのあいまいな状態は、心地よい。

バスも穏やかにゆれるし。

「・・・・」

足元に気配。

黒猫かな。

・・・確認はしない。

ガラスにふれた場所が、冷たい・・・

           ・・・・・  ァァァァァァァ    ・・・・・・・・

                                          ・・・  ロロロロロ  ・・・・


レトロな建物

2013年09月16日 13時04分45秒 | 黒猫のひとりごと

                                 ・・・・ロロロ   ・・・・

                ・・・・  ザヮザヮ      ・・・・

「ミー」

「ここがいいの?」

・・・シロネコは爪をネコカートの中の布に引っかけて、持ち上げようとしたノロマさんに対抗した。

あきらめたノロマさんは、去った。

「ニャー」

あぶなかったのだ。

僕と子ネコは、いつでもネコカートに飛び乗れるように身構えていた。

シロネコのお腹の下には、メジロが隠れているのである。

             カタ  ――

                              パクパク  ・・・

夜の街で、男たちは食事を食べている。

壁のないレストランで、通りのそばのテーブルに座っている。

上には、布の屋根。

僕はすでに、お肉とレタスを一枚食べた。

おいしいメロンも一切れという、ごちそうだったのだ。

      トコ  ・・・       トコ  ・・・

ニャ

去ったはずのノロマさんが、戻ってきた。

「ニャー」

僕は、ノロマさんの靴を前足で押さえる。

                  スル

靴は、すり抜けた。

「はい」

「ミー」

シロネコのごはんをのせた、お皿を持ってきたのだ。

「ミャ~ォ」

子ネコがノロマさんの足元に近づいたから、ノロマさんはしゃがんでなでる。

もう片方の手で、僕の背中もなでている。

                           トコ   ・・・      トコ   ・・・

僕は、立ち上がってテーブルに戻るノロマさんを追う。

       ト ト ト ト

子ネコも来る。

テーブルの下にはレトリバーが丸まっていて、ニャッティラも丸くなっている。

その間に挟まって、チワワが寝てる。

メタボネコは、辺りを見ている。

               ・・・  ♪ ♪

                                  ♪♪  ――

テーブルに跳び乗る。

「?」

座ったばかりのノロマさんが、僕をみる。

「ニャー」

メロンをください・・・

向かいには、ひも付きの服を来たリスがいる。

フワリさんに捕まったままなので、あとで救出する必要がある。

「いる?」

ノロマさんは僕の要請にこたえて、小さくカットされたメロンをひとつ僕に近づけた。

         パク

くわえて、フォークからとる。

                      スル

僕はお礼の代わりに、シッポを腕にあてて去る。

          ミャ~

子ネコはノロマさんのひざの上に乗って、丸まってる。

寝るのかな。

              ト ト ト   ・・・・

メロンをくわえた僕は、ネコカートを目指す。

                            ――  トン

ネコカートの上に来た。

僕は、メジロのごはんを持ってきたのである。

                        ツン ツン

ニャ

シロネコの下からくちばしを出して、シロネコのメロンをつついてる。

「・・・・」

                       パク

                                          ポト

僕は持ってきたメロンを食べる。

                                 モグモグ

「ニャー」

おいしい。

僕がかじった残りのメロンが、ネコカートの布の上に落ちている。

         ツン ツン

すると、シロネコの横からくちばしが出てきて、それをつつく。

辺りを見る。

ハットさんがこっちを見ているけど、あそこからでは、メジロは見えないはずである。

                               ――  トン

床に下りる。

通りを見ると、レトロな建物が浮かんでる・・・

                 ガャガャ   ・・・        ――

                                        ・・・  ロロロロ  ・・・・


池のほとり

2013年09月15日 23時58分57秒 | マーロックの日記

                        サヮヮヮヮヮヮヮヮ    ・・・・・・・・・

           サク   ・・・              サク   ・・・

木が増えてきた・・・

食事の後、すぐそばの公園を散歩している。

広くて、レトリバーが遊んでる。

私は、歩いてより奥へ向かっている。

チワワがついて来る。

「クゥ」

見ると、チワワも気づいて見上げた。

              サク   ・・・              サク   ・・・

空は少し晴れてる。

四角い雲が一列に並んでいて、その横が青い。

もっと横には、大きな雲。

小道の向こうに、また小道。

他にも、散歩してる人がいる。

チワワがちゃんと付いてきているのを確認して、私は前進する。

この公園の中には、グリニッジ天文台がある。

今は天文台としての役割は終えている。

そこを見てきた。

経度0が通る場所で、以前は世界の標準時も、ここが基準だった。

今の経度0は、天文台の前から少しずれている。

天文台にはカフェがあったので、そこで少し遅いお昼ご飯を食べた。

                            ・・・・   ザヮヮヮヮヮヮ   ・・・・・

             ト  ――

池がある。

鳥もいる。

歩く速度を落とすと、チワワが私より前に出た。

ウロウロしながら、私の動く方向を確認してる。

池のほとり、木陰でとまる。

すると、チワワも動くのをやめてお座りした。

たまに私を見るけど、池を見てる。

私も、池を見る。

水面が光を反射している。

「クゥ」

向こう側に、歩く鳥。

水面は少し動いていて、光の感じも少し変わる。

チワワと一緒に、それを見ていよう・・・

                        ――   ヮヮヮヮヮ   ・・・

                                   ・・・・  ヮヮヮヮヮヮヮヮ   ・・・・・・