遅い目覚め

2010年09月29日 11時02分52秒 | マーロックの日記

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ゴソ  ・・・・・・

体を動かすと、ネコっぽい何かにあたった・・・・

「・・・・・」

黒猫だ。

・・・・・良く寝てた・・・・・

昨日の夜は、雷がすごかったりで寝るのが遅くなった・・・・・

・・・・・みんな起きてたから、今朝はお昼前まで寝てようという事になった。

時計を見ると、朝の11時前・・・・

ゴォォォォォォ・・・・・・              ・・・・・・・・・・ン

           ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・まだ雷が鳴ってる・・・・・・

私が寝る前、ネコたちは外で遊んでたから、いつでもテントに入れるように、ファスナーを少し開けていた。

・・・・・雨がすごくて、少し寒いからである。

簡易テントだけど、1人で使うには十分な広さがある。

ファスナーは上向きの半円型で、ダブルスライドになってて、好きなところを開けておける。

バサ・・・・・

上体を起こしたから、毛布も一緒にめくれた。

「・・・・・・・・」

モソモソ・・・・・

黒猫は、もそもそと毛布の中に移動した・・・・・

・・・・靴を履こう・・・・

ナノ防水スプレーを持って来たのは、正解だった・・・・・

布にも使えるから、足元全体にかけてる。

・・・・カバンの側に、カーディガンとブルゾンがある。

雨がすごいし、ブルゾンを選ぶ。

ジィィィィィィィィィィィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                              ――――  バサ

傘をさして、外に出る・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・            ・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・暗い。

一瞬夜かと思うほど、暗い。

中からハンドライトを、取る。

腕ライトもつけて、キャンピングカーの方に向かう・・・・・

ジャリ・・・・              ・・・・・チャプ・・・・

           ジャッ・・・・                      ジャリリ・・・・

・・・・おや。

シート屋根の端っこに、メタボネコがいる・・・・

雨を眺めているようで、めずらしいな・・・・

・・・・・いつもテーブル下の真ん中とかで、どうどうと丸くなってるのに。

「おはよう・・・」

「ミャゥ・・・・」

「キュキュ・・・」

チンチラは、その背中に乗ってる。

ガタッ―――

「・・・・・あっ・・・おはようございます」

「・・・・・・・」

私が返事する間も与えずに、ノロマさんはチワワと子ネコを抱えて去った・・・・・・

・・・・・急いでいたけど、何かを隠していたような・・・・・

バサ・・・・・

・・・・傘を閉じて、長テーブルにかけておく。

カーテンが開いてるからバス型の中を見ると、マッチョさんが起きてる・・・・・

・・・・・コックさんは寝てるのかな・・・・・・

バス型にはベットが3つしかないから、あまった人はソファーで寝たり、寝袋で寝たりしてる。

ベットは、ひとつはテムが使って、あとの2つは日替わりの様・・・・

バチバチバチバチ・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・チチチチ・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・・・バチチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・シート屋根は、朝からいい音を出してる。

今日は・・・・この雨じゃ自転車で見に行く必要はなさそうだな・・・・・

流れの勢いが増してることはあっても、引いてる事はなさそうである。

今日はのんびり出来そう。

シャワーの前にイスに座って、テーブル下をのぞく・・・・

おや。

シャープネコの背中が見える・・・・

横倒しになった段ボールも前で、キョロキョロしてる・・・・・

「・・・・・・・・」

                    ―――――    バコン

・・・・・中に飛び込んだ。

ボコ・・・

・・・・中から頭を出したから、私と目が合った・・・・

「ニャー」

「・・・・おはよう・・・・」

・・・・・シャワーをあびて、カレーの前に崖に行ってみよう・・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ゴォォォォォ・・・・・・           ・・・・・・・・・ン

ゴロロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


冷たい雨

2010年09月27日 11時46分58秒 | 黒猫のひとりごと

バチバチバチバチ・・・・・・・・・・・・・・・・         バチチチチチ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・バチバチバチ・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・シート屋根がばちばちうるさい。

「じゃあ・・・寝るときは中に入れよ・・・・」

「キュキュキュ・・・・」

・・・・カールさんが、メタボネコとチンチラを運ぶ時に入れるケースを、長テーブルの下に置いて、去った・・・・・

昨日の夜は、僕とリス以外は家車の中で寝た。

・・・・・そしたら、白ちゃんとノロマさんにリスが見つかってしまったのだ。

2人とも協力的だったから結果的には良かったけど、何度も幸運はないのだ・・・・

それで、今日はみんな外で寝る。

リスが発見されないように、ガードするのだ・・・!

メタボネコのケースには、タオルが入っててあったかそう。

「いいのがあったよ・・・・・」

・・・・・ノロマさんが、家トラックから出てきた・・・・・・

家トラックのドアからノロマさんたちの席まで、地面に開いた段ボールが敷かれてる。

地面に寝てるより温かいから、僕はその段ボールの上にいる。

そしてノロマさんは、箱のままの段ボールを持って来た。

「ニャー」

あの中にはおコメが入ってたのだ・・・・

・・・・昨日中に入ろうとしたら、おコメがあって入れなかったから知ってる・・・・

「・・・・中にタオル入れとくからね・・・・」

「キキッ・・・・」

リスが鳴いた・・・・・

「風邪ひかないでね・・・」

ノロマさんは、なんか言ってリスを段ボールの中に入れた・・・・・

・・・・・タッ・・・・                   タッ・・・・

・・・・とんがってない靴を鳴らして、段ボールのじゅうたんの上を歩いて去った・・・・・

ドキドキ・・・・・

・・・・・手ごろな大きさの段ボールが来たのだ・・・・・・

僕と子ネコとシャープネコ・・・・そしてメタボネコまでもが、段ボールを狙ってる・・・・・

・・・・・・・          トン・・・・・

――――僕は、ふいに前足を一歩進めた――――

             タッ    ――――

                                 ――――    バコン   ・・・・・

「ニャー」

僕が最初に入ったのだ・・・・!

「キッ・・・」

中にはタオルが2枚。

・・・僕は段ボールから顔だけ出して、辺りを伺う・・・・・

バンバンバン・・・・・・

「ミャ~ォ・・・・!」

子ネコが、段ボールのひらひらした所を連続ネコパンチで叩いて、くやしそう。

「ニャー」

・・・・・シャープネコ・・・・・

ひらひらがひとつ真上に立ち上がっていて、僕からは見えない反対側に、シャープネコがいる・・・・

カリカリ・・・・

・・・・・どうやら、外に出るように促してる・・・・・

しょうがない。

シャープネコには何度か助けられたから、外に出よう・・・・

カッ・・・                     トン・・・・

・・・・地面に足をつけると、ひんやりする・・・・・

ボン・・・・

                       ――――    バコン   ・・・・・・

・・・・シャープネコは中には入らず、段ボールを横にこかした。

「クゥー・・・」

トトトトト・・・・・・・                ボコン

・・・・すると、チワワが中に入った・・・・

ニャ・・・・

・・・・シャープネコは、入りたいけどジャンプ力の問題であきらめていたチワワのために、段ボールを転がしたのだ・・・・・

「ニャー」

・・・僕は恥ずかしいのだ・・・・!

シャープネコの思いやりに感心して、僕は段ボールをあきらめるのだ。

「ミャ~ォ・・・」

子ネコも、中に入った・・・・

タッ・・・・タタタタタタ・・・・・・・・・・

おや。

リスが木の実を持って、出てきた・・・・

あれはノロマさんがリスからもらったもので、段ボールの中に入れといたようである。

「ニャァ・・・」

シャープネコは、リスが近づいてきたから、鼻をリスに近づけた。

              ――――――    パコン

そんなシャープネコの鼻を、木の実でリスが叩いた。

タタタタッタタ・・・・・

満足したリスは、再びタオルの中に消えた・・・・・

シャープネコが、いきなり段ボールにジャンピングネコパンチをお見舞いしてこかしたから、中にいたリスはびっくりしたに違いない。

その、仕返しかな・・・・・

ガタ・・・・

・・・・ずっと丸くなってたメタボネコが、ケースの中に入った・・・・

チンチラも一緒。

・・・・シャープネコは、タンボールのじゅうたんの上を歩いて去る・・・・・

僕は・・・・・テーブルの上に乗ろう。

バチバチバチバチ・・・・・・・・・・・・・・・・

               ・・・・・・・・・バチチチチチチチチチ・・・・・・・・・・・・・・・・

家トラックの窓は開いていて、中からチーフさんとウェーブさんとノロマさんの声が聞こえる・・・・

今夜も人間達は、夕ご飯後に長々と話し込んでたのに、あの3人はまだ話してる。

そうだ・・・

・・・・僕は、男のテントを目指すことにした・・・・・

タッ・・・・             タッ・・・ タッ・・・          ・・・・・・・・・・・

・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・シート屋根の外は、激しい雨のしぶきで前が見えない・・・・・・

チャプ・・・                      チャプチャプ・・・・・

                 ジャッ・・・                   チャプン・・・・

・・・男のテントの前まで来た。

光った   ―――――

  バリバリバリバリバリバリバリ―――――――

            ――――     ゴォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・ン

「ニャー」

――――雷がいじけてるから、僕はあわてて鳴いた・・・・・・!

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

           ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォ・・・・・・・・・        ・・・・・・・・・・ォォォォォ・・・・・・・

・・・・びっくりした・・・・・・

あんまり雷がゴロゴロいうから、僕はずっと無視していたのだ。

そしたらいじけた。

・・・・・やっぱり雷は困ったやつである。

ジィィィィィィ・・・・・・・・・・

・・・・・おや。

男のテントが開いた・・・・・

「・・・・・・・・・・」

あまりのしぶきに、頭を出した男が引っ込めた・・・・・

「ニャー」

あけてくれたの・・・・?

「今のは近かったな・・・・」

テントの中に入ると、男が靴を履いてる・・・・・

「ニャー」

毛布が2枚ある。

・・・・ゴソゴソ・・・・・

中に入る。

あったかい。

バサ――――

毛布から頭を出して見ると、男がブルゾン着て外に向けて傘を開いてる。

「ニャー」

「そこにいろ・・・」

ジャリ・・・

外に出た・・・・

ジィィィ・・・・

・・・・男がテントを閉めようとしたから、僕は急いで外に出る・・・・

         ・・・・ィィィィィ・・・・・・・

明るい・・・・

男は、ハンドライトを持ってる。

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・明るいけど、水で前が見えないのは同じ。

                             ――――  タッ   ・・・・・

・・・・僕は男の肩にのる。

シート屋根の方へ歩いてく・・・・

・・・・・この高さだと、少し先が見える。

シート屋根の下に、マッチョさんとかみんなが出てきてる・・・・・

・・・・リスが、ピンチである・・・・・!

・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


細かな水

2010年09月25日 04時54分12秒 | マーロックの日記

・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

            ・・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バチバチバチバチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・バチバチバチバチ・・・・・・・・・・・

・・・・・・シート屋根の下にみんな集まって、夜のごはんを食べている。

おいしいカレーで、私のにはから揚げとソーセージが乗ってる。

パンとライスがあったけど、みんなライスで食べてる。

サラダもある。

おコメやパンは、たくさん持ってきてるようである。

バチバチとシートに雨が落ちてくるから、みんなの話す声は大きい・・・・・

日が沈んだ頃からまた雨の勢いが増して、ランタンライトに照らされたシート屋根の外は、落ちてくるのと地面ではじけてる水滴とが重なって、ぼんやりしてる・・・・・

・・・・黒猫たちがテーブル下にいないけど、トラック型の下で食事してるらしい。

カレーのルーは2種類で、辛口と甘口。

私は辛口。

ゴォォォォォ・・・・・・・           ・・・・・・・・ン

            ・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・辛いとかぴりっとする味覚は、化学的には痛みの刺激である。

痛みの神経には、秒速約20mで信号を伝えるタイプAの細い繊維と、秒速約1mで信号を伝えるタイプCの太い繊維の、2つのタイプがある。

タイプAを速い痛み、タイプCを遅い痛みといい、どちらの神経線維も脊髄に入ってる―――熱感覚の神経も一緒に入ってる。

速い痛みはきわめて局所的で、怪我したときの痛みがそれにあたる。

遅い痛みは鈍く、それほど局所的ではない場合が多い。

2つのタイプの神経線維は、脊髄のゼラチン質で相互作用する。

タイプAの信号は速く、このゼラチン体の細胞を刺激して脳に信号を伝える。

後から届くタイプCの信号は、それを抑制する。

2つのタイプの信号は複雑に相互作用するため、結果として脳に信号を送る細胞を抑制することもある。

さらに脳は、痛みの信号があるとエンドルフィンとエンケファリンという鎮痛作用のある分子を分泌する。

・・・・痛みを感じるのは神経末端そのもので、熱の刺激に応答するようなレセプター・・・受容体はない。

熱の刺激には2つのタイプのレセプターがあり、ひとつは暖かさに対応し、もうひとつは冷たさに対応する―――暖かさのレセプターよりも、冷たさの方が10倍多い。

熱の刺激の信号も、タイプAとタイプCの神経線維で伝達されるため、激しい熱刺激は痛いと感じる。

カレーに含まれる香辛料の多くは、口の中の傷みを感じる神経末端を刺激する。

――――なお、痛みの応答と分子構造の関係は良く分かってない。

甘味などの感覚は、それを感じるレセプターと分子の形が一致することによってうまれる。

痛みの応答にも、分子の形を利用した何かがあると考えられている。

痛みを刺激する分子が、痛みの神経末端の壁にあるタンパク質の形に一致すると、そのタンパク質が信号を発するのではないかと思われている。

その考えが正しそうに思える事のひとつとして、カプサイシンとジンゲロンの分子が非常に似た形をしている事がある。

カプサイシンはトウガラシに豊富に含まれている分子で、ジンゲロンはショウガに含まれる分子で、どちらも辛い成分である――――

辛い物を食べて感じる幸福感は、それによる痛みの刺激が脳を刺激して、エンドルフィンを分泌させるためだと思われる。

バチチチチチバチバチバチ・・・・・・・・・・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・バチバチバチ・・・・・・・・・・              ・・・・・バチチチチ・・・・・

・・・・おいしい。

予定だと、今頃は船に戻っているはずだった・・・・・

船の出港の予定もあるから、1週間くらがここで粘れる限度である。

それまでに雨によって現れた急流が引かなければ、ハンスさんの小屋を経由して駅のある町に行くしかない。

その場合、キャンピングカーをここに置いていく事になるから、水が引いたら、だれかに取りに来てもらわないといけない。

それで、ギリギリまでここでがんばる事でみんな合意した。

食料は余裕をもって用意した様だけど、明日から少し節約する。

なので、うれしいことに明日の朝もカレー。

食事の前に、マッチョさんがハンスさんと船に連絡をしている。

状況を理解したハンスさんは、必要な物があれば持ってきてくれると言ってくれた様。

・・・・・その場合、こっちから取りに行く事になるだろう。

車が足止めされて、テムは元気がなくなったけど、今はまた元気。

病気の母親のことが、心配だったのだ。

けど船との電話で、すでに元気であることが伝えられた。

・・・・・・どうやら栄養失調で、船の医務室で栄養治療食による回復が行われている。

私たちが船を出た日に、すぐにテムの母親の所に老夫婦が出かけたらしい。

今日で6日目で、お母さんの体重は急激に回復しており、直に治療を終えそうだと言う事である。

程度が深刻ではなかったこともあるけど、テムを残して死ぬわけには行かないという意思が強く、順調な回復を見せている様である。

・・・・おそらく、少ない収入で得られた食べ物は、ほとんどテムに食べさせていたんだろう・・・・

・・・・この長テーブルに置かれたお皿を見ても、テムのカレーライスの量は、ものすごい。

       ――――トン

おや・・・

黒猫が、テーブルの上に跳び乗った。

「ニャー」

「・・・・・いちご好きね・・・・」

パク・・・・

ノロマさんの側で鳴いて、おいしそうなイチゴをひとつもらってる。

      タッ――――――

それを銜えて、去った・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピカ――――――                       ・・・・・・ォォォォォォ・・・・・・

・・・・・ォォォォォォォン・・・・・・・・・               ゴォォォォ・・・・・・    ・・・・ン


日没の直後

2010年09月23日 12時31分36秒 | 黒猫のひとりごと

ゴォォォォォォ・・・・・・                    ・・・・・・・ン

                      ゴロロロロロォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・シッポを立てた僕は、上を見上げる・・・・・

雨に煙った樹が見える。

・・・・・森のアーチの前、激しい雨に打たれている丸テーブルの上に、いる。

雨がひどくなって辺りは暗いから、もうランタンライトが点いてる・・・・・

シート屋根の方を見ると、その灯りがぼんやりしてる・・・・

・・・・・僕はゆっくりシッポをおろして、テーブルの上にいる水を動かす。

         ――――   チャプン   ・・・・・・

・・・・・地面におりると、次々と落ちてくる雨粒がはじけて散ってるから、前が見えない・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・

・・・・暗くてよく分からないけど、もう夜なのかな。

雨が激しくなる前は、まだお日様はいた。

・・・・・シート屋根の下に戻ると、ここはシート屋根を叩く雨の音がすごい。

開きっぱなしの家トラックの窓から、カレーの匂いがする。

長テーブルの下に、さっきからずっとメタボネコがいる。

大きな体を横に転げさせて、丸まってる。

その大きなお腹の上や頭の辺りを、チンチラがウロウロしてる。

「ニャー」

「キュキュキュ・・・・」

・・・・チンチラは、返事した。

メタボネコはくつろいでいて、こうなると叩いても動かない。

僕はそのまま歩いて、家トラックの入り口へ向かう・・・・

・・・・運転するところとは別に、ドアがある。

中に入ってからも、運転する所にいけるようにドアがあるのだ・・・・

カタ・・・・

おや・・・

僕が、そのドアから中に入ろうとしたら、ノロマさんが出てきた・・・・・

昨日までと、靴が違う。

スニーカーじゃなくて、かかとの少し高いサンダルみたいな靴。

「ニャー」

・・・・すぐ後ろから、チワワが出てきた・・・・・

再びカッパを着せられていて、フードもかぶってる・・・・

ゴソ・・・・

ニャ

そのフードが持ち上がって、中からリスが出てきた・・・・

「・・・・上手く出れたね」

「キキッ・・・・」

リスは、チワワから降りてメタボネコの方へ走ってく・・・・・

・・・・メタボネコは、人気である。

雨音がすごいから、安心である。

「遊んできていいよ・・・」

「クゥー」

チワワも、テーブルの下へ・・・・

そしてノロマさんは、再び中に戻った・・・・

子ネコがいないから、たぶん寝てるのだ。

     ・・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕も家トラックに乗ると、中で料理してるコックさんが見える。

「ニャー」

「・・・・・・」

僕が鳴くと、コックさんが一瞥した。

マッチョさんとチーフさんとウェーブさんも、手伝ってる。

                  ――――タッ  ・・・・・

外に出る。

テーブルの下を見ると、メタボネコの側で、チワワも丸くなってる。

雨が激しくなって、冷たい風が吹いてるのである・・・・・

タタッ・・・・

・・・・足音・・・・

家トラックはそれぞれ逆を向いてるから、家バスのドアはシート屋根の反対側にあって、そこから人が出てきた・・・・・

「やぁ・・・」

白ちゃんとカールさんである。

・・・・また、パソコン持って来たのだ。

白ちゃんの頭を見ると、濡れてる。

たぶん、シャワーを使ったのだ。

男とシャープさんと白ちゃんは、タオルでちゃんとふかない。

スタ ――――

僕はイスに座った白ちゃんのひざの上で、丸くなる・・・・・・

・・・・それにしても、よく雨の降る森である・・・・・・

・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・ゴロロォォォォォォォォ・・・・・・・・・ン

・・・・・・ォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・               ゴォォォォ・・・・・・・ン


MTB

2010年09月21日 12時37分53秒 | マーロックの日記

ザァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ジャリッ・・・・・                ジャァァァァ・・・・・・

マウンテンバイクに乗って、走っている・・・・・

・・・・すでにキャンピングカーは昨日の広場に戻っていて、私とシャープさんが、試しに問題の急流を見にいってる・・・・・

直線距離で3kmと少しで、起伏を考えると4kmくらいだろう・・・・

道がデコボコしてて水溜りも多く、無理して速度は出してない。

私は子供のころからのクセで、まっすぐなハンドルの両端に、手の平を軽く引っ掛けるようにして乗る――――ブレーキは親指でかける。

でも、さすがにこのデコボコ道は、ちゃんとハンドルを握ってる。

いい自転車で、でこぼこ道の衝撃も、サスペンションがよく吸収してる。

バチャチャチャ・・・・・            ガウン・・・・

・・・・・・ライトは強力なのが2つ。

ひとつは斜め下を向いていて、ひとつは前方を向いてる。

ハンドルバーに、付属で出っ張ったグリップが付いてて、そこにコンパスをはめれる。

まあ、タイヤの跡もあるし獣道が続いてるから、必要ないけど。

・・・・車に乗ってるとあんまり気にならなかったけど、思ったより起伏もある・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

         ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ついた。

私は、後ろを走るシャープさんに合図して、止まる。

・・・・カバンにつけてるネコ時計を見ると、走り出して25分くらい・・・・

思ったよりかかったな・・・・・

これから何往復もするだろうし、慣れればもっと速くなるだろう。

スタンドはついてるから、自転車を立ててとめる。

ジャリ・・・・             ジャリ・・・・

・・・・・あいかわらずの流れで、周囲の土を削りながら流れてる。

対岸を腕ライトで照らすと、大樹の根が少し露出していて、流れにさらされている。

さっき来たときに深さを調べた枝が、あった。

・・・・測らなくても変わってないことは分かるけど、一応調べる・・・・・

「変わりないですね・・・・・・」

目印の切り込みが、水面から出たり隠れたり・・・・・

チャプ・・・・

枝を上げて、流れの側から離れる。

突然土が崩れたら、いやだからである。

・・・・トラック型とバス型に、それぞれシャベルが1本ずつあった・・・・

左側の盛り上がった土を、一気に流し込んだらどうかな・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・             ・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・この流れじゃ、意味ないな・・・・・・

幅も10m以上あるし・・・・・

「後は明日でいいだろう・・・・」

「・・・・・そうですね」

明日は、もう少し周囲の様子を調べてみよう・・・・・

ジャリ・・・・

マウンテンバイクのもとに、歩く・・・・

・・・・帰りは、もう少し速度を上げてみよう・・・・・

ジャリ・・・・                       ジャリリ・・・・・

・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォ・・・・・・・・・・・・・・


戻ってきた

2010年09月21日 11時32分00秒 | 黒猫のひとりごと

ザァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

             ・・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

家トラックの屋根にあたる雨音が、中に響いてる・・・・

・・・・・足のないベットが置いてあって、お布団が3つ並んでる。

ここは階段の上で、僕はそこから下に向かう・・・・・

トン・・・・                        トン・・・・

                     ――――スタン      ・・・・・・・

「キキッ・・・・」

ニャ

ウェーブさんがこっちに歩いて来るのに、不用意にリスが鳴いた・・・・!

「ク・・・クゥー・・・・・」

「ミャ~ォ」

慌てたチワワと子ネコが、リスを隠した・・・・

「どうしたの・・・」

さらにノロマさんが、チワワを撫でるふりしてリスを隠した・・・・・

ニャァ・・・・

危なかったのだ・・・・

ソファーは少し高い場所にあるんだけど、僕はそこまで跳べるのだ。

少し身を屈めて、一気に跳ねる――――――

                                       ボワン ――――

「わぁ・・・・」

ふふん・・・・

すぐ目の前で僕のネコジャンプを見ていたウェーブさんが、ポカンとしてる。

窓が開いてて、板がまた外にはみ出てるから、そこから長テーブルに出る・・・・

・・・・・家車はお昼頃に走り出したけど、川があったからまた帰ってきたのだ。

・・・・もう少しで無事にリスを船に連れていけるところだったのに、まだしばらく隠しておく必要があるのだ・・・・・

外は、昨日とまったく同じようにシート屋根が付けられて、長テーブルも置かれてる。

ソファーがあるところが高いのは、少し段になったそこに、物置があったからなのだ。

シート屋根とかは、外からそこに収まるのだ。

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・            ・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・雨は昨日ほど強くない・・・・・・

昨日と同じ場所に、男がテントを置いてる。

    トントン・・・・・                    ピチャ・・・・

ウィィィィィィィィィ・・・・・・・・・・・・・・・

おや・・・・

・・・・・男の所に行こうかと思ったら、家トラックの後ろが動いてる。

後ろには回るのとは別のタイヤがあって、その下がおりて来る・・・・

・・・・それに自転車が2つのってる。

シャープさんが、それを見てる。

「ライトはもう付いてるのか・・・・」

・・・・男がいつの間にか来てた・・・・

「一度行ってみるか・・・・」

「うん・・・・・」

シャープさんと男が、自転車を動かしだした・・・・・

「ニャー」

僕お腹すいた・・・・・

ジャリ・・・・

しかし男は、無視。

「ためしに走ってきます・・・・」

「・・・・分かりました・・・・気をつけて・・・・」

マッチョさんと男があいさつして、男は自転車に乗って走り出した・・・・・

「ニャー」

どこいくの・・・?

ジャリジャリリ・・・・・・・・・

・・・・・・シャープさんも一緒に走り出したけど、シャープネコは見てるだけ。

どうやら、すぐ戻ってくるみたい・・・・

「・・・・僕も乗ってみたい・・・・・」

折りたたまれたイスを広げてた白ちゃんが、走り去った自転車を見てる。

               ――――トン

僕は、マッチョさんの肩に乗る。

斧さんとマッチョさんの肩が、一番広い。

「ニャー」

何かちょうだい・・・・・・

「お腹すいたのか・・・・・」

ジャリ・・・・

・・・・・家車がいない間に水溜りも出来てるシート屋根の下を、マッチョさんが歩き出す・・・・・

ニャー

・・・・食べ物くれるのかな・・・・・

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・          ・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・

       ・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


進めない

2010年09月19日 07時47分05秒 | マーロックの日記

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・すごい流れだ・・・・・・・

幅は10m以上で、北西から南東に向かって水が流れてる。

最初にバス型が通ってきた道は、途中の土砂崩れで通行不能だったため、トラック型は反対側からやって来た・・・・・

・・・・その道を戻っていると、この急流に道を阻まれたのだ。

今朝は霧が濃く、おいしいハムエッグを食べながらゆっくりして、昼前に出発した。

崖の側を曲がって、やや北東方向に3kmほど走ったところである。

・・・2台が並んで走るのは無理な獣道で、この道自体も周りより少し低い。

雨しだいでは、この辺りも水に浸かるかもしれない・・・・

ブロロロロロ・・・・・ン       ・・・・・・・

                         ・・・・・ジャリジャリジャリジャリ・・・・・・

・・・・・後ろを見ると、トラック型が狭い道を後進していく・・・・・

バス型から離れて、方向を変えるんだろう。

「マロックさん・・・・」

・・・・バス型の扉の前で、話し合いが終わったらしいマッチョさんが、私を呼んだ・・・・・

ここに着いたのは30分前。

どうするかの話し合いになって、私は昨晩泊まった細長い広場に戻った方がいいと言った・・・・・

船との連絡がいつでも取れるし、ハンスさんの所にも連絡できる。

話し合いになった対案は、この近くで水が引くのを待つ・・・・というものだ。

通れる位の水位になった時に、チャンスを逃さないためにも、この近くで待つというものだ。

連絡は、トラック型の後ろに積んできた自転車を使って崖まで戻り、そこで衛星電話を使う。

逆に昨日の場所まで戻った場合、自転車でここまで見に来て、水位を確認する。

みんなが相談する間、私はちょっと川を見ていた・・・・

・・・・そして結局、戻るようだ・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・持って来た自転車はマウンテンバイクで、山道を走るのに適している。

細かい起伏での機動力を保てるよう、変速機も低速域で細かく設定されていて、そんなに速く走るためのものじゃない。

マウンテンバイクを舗装路用にしたのはクロスバイクと呼ばれて、ギアは高速域で細かく設定されている。

舗装路で一番速いのはロードバイクと呼ばれてるもので、ハンドルが湾曲してるのと、まっすぐなハンドルのフラットロードと呼ばれてるものがある。

ロードバイクは軽い上に、ギアもかなり重くなるから、十分な脚力が備わっていれば、驚くほどの速度で走れる。

歩いたり車に乗ったりといったあらゆる移動手段と比べても、単位距離を進むのに必要なエネルギーは、自転車が最も少ない。

ただ、燃料を燃やして進む車と違って、自転車は自分のエネルギーを燃やして進めるから、疲れるけど。

ジャリジャリジャリ・・・・・・・・・・・             ブォォォン   ・・・・・・

                  ジャリリリ・・・・・・                ・・・・・・

2台のキャンピングカーは、方向を変えるために、狭い道を何度も行ったり来たりする・・・・・

・・・・アデノシン三リン酸・・・ATPは、あらゆる生化学的反応の直接のエネルギー源である。

DNAがタンパク質を作るときや、脳が何かを考える時、食物を代謝するときなど、その原動力を直接与えているのはATPである―――生命のあるところにはかならずATPがあり、このことはリン酸塩が非常に重要であることを意味しており、リンは世界人口を支えている重要な化学肥料のひとつである。

ATP1molあたりが生み出すエネルギーは11kcalで、4.7トンのものを1m持ち上げられる力である――――mol・・・モルは、その分子の約6.022×1023個分を意味する単位で、この数はアボガドロ数という――――

筋肉はこのATPをゆっくり燃やすことで、最大60%を力学的なエネルギーとして利用できる―――ガソリン車の場合、理想的な条件で燃やして最大25~30%くらい。

ATPは端っこに、3つのリン酸基が連なった構造をしている。

手前からα、β、γと頭に付けられていて、一番末端のγリン酸が切り離された際のエネルギーで、化学反応を進める。

リン酸基がひとつ離れてアデノシン二リン酸・・・ADPになった分子と遊離したリン酸基は、グルコースを代謝する際のエネルギーで、再びATPに戻る。

グルコース1分子を、酸素を使って好気的に代謝した場合、ATPを33個以上再構成できる。

ATPの再構成の速度を、ATPの消費量が越えなければ動き続けられるけど、そうでなければ動けなくなる。

それなら、たくさんATPを持っていれば、いい様に思える。

けれど実際には、運動に直接使われるATPはそれ程なくて、一定に保たれている。

筋細胞内のATPには運動以外にも役割があって、運動状況に左右されていては、細胞内でトラブルが起きるからである。

それで生物は、ATP以外にエネルギーを蓄える仕組みを進化させている。

筋肉には大量のクレアチンという化合物があって、ATPはクレアチンとの間でリン酸基を受け渡しできる。

リン酸基を受け取ったクレアチンはクレアチンリン酸となり、リン酸基を渡したATPは、ADPになる。

この反応によって、大量のエネルギーをクレアチンリン酸に蓄えておくことが可能である。

筋肉が全力で動くと、ATPはすぐに使い切ってしまう。

すると、すぐにクレアチンリン酸はリン酸基をADPに供給する―――この両方向の反応を、ローマン反応という。

クレアチンによるエネルギーの備蓄の事を、クレアチンリン酸プールと呼ぶ。

人の場合、訓練をつんだ短距離走者が、最もクレアチンリン酸プールが発達している。

またローマン反応とは別に、緊急でATPの再構成を行う手段として、無酸素でグルコースを代謝する解糖という反応があり、この場合グルコース1分子あたり2個しか再構成できない。

この嫌気的な代謝で出来たピルビン酸は乳酸になって、血中の乳酸濃度を上げる。

すると、酸素の供給量を上げようとして自律神経が呼吸を早めているにも関わらず、肺で血中に取り込める酸素の量が減る。

それで、息を激しく出し入れする事になる・・・・・

ガシャン―――

向きを変えたキャンピングカーに、みんな乗る・・・・・

バス型はマッチョさん、トラック型はコックさんが運転してる。

・・・・とりあえず、昨日の場所に戻るのだ・・・・・・

・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・ロロロロロ・・・・・ン            ジャリジャリジャリ・・・・・・

     ブロロロン・・・・・                    ブォォォォォォ・・・・・・・・


雲の中の森

2010年09月18日 16時47分17秒 | 黒猫のひとりごと

ザァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

              ・・・・・・・・・・・・・・・・・ァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・朝。

男が崖から空を見てるから、僕は肩の上から見る。

雨は夜ほどすごくはないけど、ずっと降ってる。

時々、雲が光る・・・・・

・・・・見下ろすと、僕らの下には雲がある。

でも、僕は知っている。

あの中には、森があるのだ。

その雲が、川みたいに流れていく・・・・・

ジャリ・・・・

男が、歩き出した・・・・・・

ザヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

          ・・・・・・・・・・・ヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮヮ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・霧で見えないけど、森のアーチが風で揺れてる・・・・・・・

           ―――――  タッ  ・・・・・・・

         タッ        タッ           タッ       ・・・・・・・・・・・・

・・・・・僕は地面に下りて、一足先に家トラックに戻る・・・・・・

リスが隠れてるから、男に見つからないようにするためである。

霧が流れていて、少し離れた場所は、良く見えない。

おや・・・・・

家トラックの下に潜った僕は、異変に気づいた・・・・・

リスがいないのだ・・・!

「ニャー」

・・・・鳴いても返事はない・・・・・

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      ・・・・・・・ァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・雨の音の響く中、僕の耳はノッポさんのテントのある方に、物音を捉えた。

タッ・・・・             チャプ・・・・・

                                  キキッ・・・・

いた・・・・

白ちゃんも一緒・・・・

「おはよう・・・」

「ニャー」

どうやら、白ちゃんに見つかったらしい。

リスはバナナを食べてる。

                   ――――――

さらに気配を感じた僕は、すばやく左後ろを見る。

・・・・ノロマさんだ・・・・・・

家トラックの陰から、ちょこっと顔を出して見てる・・・・・・

・・・・・・僕が見たから、白ちゃんも気づいた。

             ト  ト  ト  ト  ト  ・・・・・・・・

・・・・それで、ノロマさんもこっち来た・・・・・・

「・・・つれて来てたの・・・・・?」

「ううん・・・・自分で来たんだよ・・・・」

「キキッ・・・」

ニャァ・・・・

大失敗なのだ・・・・

2人に見つかってしまった。

「・・・きっと一緒に行きたいんだよ・・・」

「そうなの・・・?」

「キキッ・・・・・」

ノロマさんが、バナナを食べ終えて満腹なリスを、抱えた。

「・・・・あっ・・・マロックさん・・・・」

白ちゃんが、コソコソなんか言った・・・・

タッ・・・・       タタタ・・・

すると、2人はリスを抱えたままトラックの反対側に逃げた・・・・・

・・・・男の足音がする。

どうやら、男から隠れたのだ・・・・・

ニャ・・・・

もしかして、ノロマさんたちはリスを隠すのを手伝ってくれるのかな・・・・・

タッ・・・・・                    タッ・・・・・

・・・・・僕も、リスを追いかける。

「・・・・マロックさんには内緒よ・・・・」

「うん・・・・・」

「ニャァ・・・・」

あたらしい協力者である。

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・         ・・・・ァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ・・・・・・・・・ザァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


森のアーチ

2010年09月17日 12時17分18秒 | マーロックの日記

ゴォォォォォ・・・・・・・・・・・                 ・・・・・・・・ォォォォォォ・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォ・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・ォォォォ・・・・・・・・・・

・・・・車のとまっている細長い空間から、少し幅のあるアーチの様・・・短いアーケードの様な大樹の葉の下を抜けると、ゆるやかに曲がった崖に出る。

勢いの良い雨だから、葉の下でもお構いなしに傘を鳴らしていたけど、崖に出るともっと音がすごくなった・・・・・

周囲に大樹があるけど、顔の向きをそっちに向けなければ、視界一杯に空が広がる・・・・・

・・・・・その空は、雷で雲が照らし出されてる・・・・・

頭を下げると、雷の光はうっすらと、広大な森を浮かび上がらせる・・・・・

すでに霧が出ていて、森は半分隠れてる・・・・・

・・・・・ものすごい雨量である。

ペチペチ・・・・

おや・・・

足に何か当たるので見ると、黒猫がいる・・・・

・・・・・シャープネコではなく、黒猫だ・・・・・

前足で、私の足を叩いてる。

どうやら鳴いたみたいだけど、雨がうるさくて気づかなかった・・・・

何か用かと思ったら、叩かれてうっかり広げた私の両足の間にはまって、前足で顔をスリスリし始めた・・・・・

・・・・・もしかしたら鳴いてはなくて、最初から私の足を広げさせるために叩いたのか・・・・・

       ・・・・・・・・ゴォォォォォ・・・・・・・          ・・・・・ォォォォォ・・・・・・・・

・・・・・                     ゴォォォォ・・・・・      ・・・・ン

しま模様に人懐こい性格で、人気のネコの品種がある。

毛の色は豊富で、黒いのもある。

黒い毛に、ちょっと違う黒さでしま模様があるらしい。

それとは別に、やっぱり人懐っこくて、人に甘える黒毛の品種のネコがいる。

その2品種を交配させて出来た、同一の黒い毛だけのネコの品種がある。

その品種は、好奇心が旺盛で運動量が多く、人が好きだという・・・・・

・・・・ノロマさんが、黒猫はその品種か、それに他のが混じった雑種じゃないかという・・・・

子ネコの時から育てたけど、私は知らない。

ブルルルルル・・・・・・・・・・・・

・・・・・私の両足の間にいるというのに、お構いなしにブルブルした・・・・・

子ネコの時から追いかけっこが好きなネコで、私はいつも容赦なく捕まえてたから、いつのまにか運動力がよくなったらしい・・・・・

こないだのネコレースで勝ったし・・・・

「・・・・・戻るぞ・・・・・」

私は足で黒猫を軽く押して、促す・・・・・

「ニャー」

歩き出すと、ちゃんとついて来た・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・            ・・・・・・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・

ゴォォォ・・・・        ・・・・・・・・・ン

             ・・・・・・・ゴロロロロォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・まだみんな起きていて、思い思いに過ごしてる・・・・・・

チーフさんとウェーブさんとノロマさんは、シート屋根の下のテーブルにいて、テムに色々話を聞かせてる・・・・・

葉のアーチを通り抜けたすぐそこに、小さなテントが張ってある。

細長い空間の、車を挟んで反対側にも、ひとつ張ってある。

こっちのは私の寝るテントで、向こうのはノッポさん。

バス型の中だけだとちょっと狭いので、トラック型の方に、積んできた簡易テントである。

トラック型には、居住空間の他に、外からしか出し入れできない荷台がある。

そこに入れてた。

他にも、予備のバッテリーやガソリンもある。

タンクの水をバス型に入れて、再び雨のもとに置いた斧さんが、シート屋根に戻ってきた・・・・

雨水をろ過して溜める、タンクである。

トラック型は、屋根から直接集めれる。

「ご苦労さま・・・・」

「ァゥ」

カッパを脱いで、水を飛ばしてる・・・・

雨の音が楽しい私は、シート屋根の手前で立ってる。

その足元で、黒猫が前足を動かして踊ってる・・・・・・

・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・ン

・・・・・・・・・                        ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・


タネ見つけた

2010年09月15日 12時48分11秒 | 黒猫のひとりごと

ゴォォォォ・・・・・                ・・・・・・・・ン

                    ゴロロォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・          ・・・・・・・・・・・ォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・

・・・・・ずっと晴れてたのに、急な大雨。

食事を終えた後も、人間達はシート屋根の下とか家車の窓際とかで、ずっと話してる。

そんな中、僕はこっそりとリスをテーブルの下につれて来ている。

「キキ・・・・」

これだけ雨の音がうるさければ、鳴いたって平気である。

「ニャー」

ノロマさんの側で鳴いたらイチゴくれたから、リスにあげるのだ。

それを、両方の前足でリスが抱えた。

サクサクサクサクサクサク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・              ・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・                サクサクサクサク・・・・・・・・・・・・・

・・・・・サクサク食べだした・・・・・・

ものすごい速さのサクサクである。

シャープネコとチンチラとメタボネコは、僕らがリスをかくまっているのを察して、協力してくれるのだ。

メタボネコがリスを隠すようにどっしり丸くなってるから、不意にノロマさんがテーブル下をのぞきこんでも、大丈夫である。

ト・・・       ト・・・

リスが、乗っていた大皿の上を2歩動いた。

その目線の先には、何についていたのか、メロンの種がある。

カリカリ・・・・

それを、食べだした・・・・・

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・         ・・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・

・・・・チワワはカッパを着ていたけど、ノロマさんに新しい服に替えられた。

新しいのにも、フードがついてる。

リスは見つかりそうにないし、僕は安心してテーブルの下から出る。

家バスと家トラックは、道ですれ違ったみたいにとまってるから、シート屋根から出ることなく、中に入れる。

家トラックの方が大きいから、シート屋根は少し斜めになっている。

雨は直接落ちてこないけど、地面は湿ってる・・・・・

タッ・・・・                   タタタタタタタ・・・・・・・・・・・

       チャッ・・・・                チャプッ・・・        ジャッ・・・・

・・・・屋根から出て、シャープさんが座っていた丸テーブルの下に来た。

今は、シャープさんもシート屋根の下にいる。

・・・・人間達のあの雰囲気だと、まだしばらくは話してそうである。

シート屋根の中は、いくつかのランタンライトが置いてあるから、ここからみるとぼんやり光ってる。

おや・・・・

ひもで繋がれてないから自由な子ネコは、シート屋根のギリギリの所にいる。

そこで、上から落ちてくる雨粒を眺めたり、前足をなめたり、ネコパンチを出したりしてる・・・・・

・・・・・・・・・しかし、あの雨粒の量では、子ネコのネコパンチの速度では追いつかないのだ・・・・・・・

「ニャー」

僕ならいけるのだ・・・・・

丸テーブルの端っこに行って、集中する。

        ――――――        シュッ・・・            シュシュシュ・・・・

   シュッ シュッ         シュシュシュシュシュ・・・・・・・

両方の前足を使って、息もつかせぬ連続のネコパンチ・・・・・・

・・・・・でも、数え切れないほどの雨粒を捉えることは出来ない。

ニャァ・・・・・

ざんねんである。

あきらめのいい僕は、前足を地面につけて、頭を丸テーブルから出す。

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ふふん・・・・・

シッポと体にはあたらないけど、耳と頭だけ雨の雫があたる。

ゴロン・・・・・

・・・・・・・そして僕は、そのまま仰向けになる。

雨の勢いがすごくてよく見えないけど、細長い空が光ってる・・・・・・

・・・・・・ォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・            ・・・・・・・・・ォォォォン・・・・・

ゴォォォォォォォ・・・・・          ・・・・・・・ン         ゴロロォォォ・・・・・・ン

・・・・・・ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・          ・・・・・・・ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・・