うず

2017年02月02日 13時54分14秒 | マーロックの日記

                                ―――

                                                 ゥゥゥゥ  ・・・・・

                       パチ

ちいさい・・・

「ミャァ」

耳ネコの前足。

         パチ

小さなうごきで、しきりに私の指をたたく。

荷台に入ってすぐの箱島の向かいに、それより小さな木箱の山がある。

そこに座っていたら、黒猫が耳ネコを銜えて来た。

チワワも一緒で、耳ネコを置いてどっか行った。

「クゥ」

このミニ島は、長方形の木箱7つ分の広さ。

壁に沿って縦向き2つ分の厚みの後ろに、同じ向きのが1つ、その横に横向きの2つ。

その後ろに横向き1つで、その後ろが縦向き1つ。

高さは低い場所で4段。

5段と7段と6段の所もある。

チワワも耳ネコも自分では上れないので、私が連れて来た。

                     ・・・

リスがいる。

7段の箱は、向かいの箱とつっぱり棒で支えあっている。

その棒の上。

落ちたら危ないから、空箱を持って来てミニ島に置いた。

     タッ

チワワはその中。

空箱の中に、開いてる方の手のひらで影を動かす。

「♪」

シッポを振りながら、クルクル回る。

荷台は暖かくないから、ミニ毛布を入れてある。

チワワが回るから渦になってる。

耳ネコの方の手は、親指と小指で挟んでる。

残りの3つの指を動かすと、ネコパンチする。

           ――

「ミャ」

2つの指で2つの前足を抑えて、真ん中の指で耳ネコの頭をたたく。

        ―――

バタバタ足を動かすけど、私の指からは逃れられない。

折れた2つの耳もたたく。

「ミャァ」

真ん中の指に他の指も付いてくるから、前足がひとつすり抜けた。

        パチ パチ

それで反撃してきた。

「クゥ♪」

チワワの方の手が止まっていたから、鼻があたる。

            タッ

「♪」

また回す。

                                ガチャ  ・・・

「・・・まだ小さいんだから気を付けるんだよ」

リフの声。

          トン

「・・・」

黒猫。

「キュ♪」

ポメラニアンを銜えてる。

家トラックから連れて来たらしい。

「あ・・・」

リフが私に気付いた。

            

黒猫の影が、素早く動く。

「・・・・」

リフがこっち見てる。

「・・・りんご食べていいよ」

「いいよ・・・」

                          パタン

外に戻った。

「・・・・」

耳ネコと遊びたかったのかな。

まだ太陽は空にあるけど、たき火してる。

さっきリフは、そこでトラネコと遊んでいた。

                                トン

「キュ」

ポメラニアンを銜えたまま、黒猫がミニ島に跳び移った。

          

「クゥ♪」

       ポト

空箱に入れた。

「ニャ~」

鳴いた。

空箱の細い枠の上で、器用に伸びてあくびしてる。

        トン

私が座っている6段の高さより上、7段の木箱に移動した。

「・・・」

寝るらしい。

まるくなった。

         ―――

目を閉じるだけかもしれないけど。

「♪」

手のひらで耳ネコを支えて、親指でお腹を撫でる。

「・・・・」

小さい。

重さはほとんどない。

鳴いても声は小さい。

「クゥ」

チワワは回るのをやめて、ポメラニアンに毛布をかけた。

「♪」

               バサ

ミニ毛布と言っても、空箱で折り返せるくらいの面積はある。

私が敷き直す。

           ミィ

耳ネコも入れて、3匹を毛布で挟む。

                     ト  ト  ト

リスが来る。

              バサ

空箱の縁に張り付いた。

        ゴソ

そのまま中の毛布にもぐり込んだ。

「♪」

壁と7段箱に体を預ける。

5段箱と壁で両足を安定させた。

「・・・・」

これならいい。

昼寝しよう・・・・

                

                                                     ゥゥゥ  ・・・・

                                 ピィ


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