―――
ゥゥゥゥ ・・・・・
パチ
ちいさい・・・
「ミャァ」
耳ネコの前足。
パチ
小さなうごきで、しきりに私の指をたたく。
荷台に入ってすぐの箱島の向かいに、それより小さな木箱の山がある。
そこに座っていたら、黒猫が耳ネコを銜えて来た。
チワワも一緒で、耳ネコを置いてどっか行った。
「クゥ」
このミニ島は、長方形の木箱7つ分の広さ。
壁に沿って縦向き2つ分の厚みの後ろに、同じ向きのが1つ、その横に横向きの2つ。
その後ろに横向き1つで、その後ろが縦向き1つ。
高さは低い場所で4段。
5段と7段と6段の所もある。
チワワも耳ネコも自分では上れないので、私が連れて来た。
・・・
リスがいる。
7段の箱は、向かいの箱とつっぱり棒で支えあっている。
その棒の上。
落ちたら危ないから、空箱を持って来てミニ島に置いた。
タッ
チワワはその中。
空箱の中に、開いてる方の手のひらで影を動かす。
「♪」
シッポを振りながら、クルクル回る。
荷台は暖かくないから、ミニ毛布を入れてある。
チワワが回るから渦になってる。
耳ネコの方の手は、親指と小指で挟んでる。
残りの3つの指を動かすと、ネコパンチする。
――
「ミャ」
2つの指で2つの前足を抑えて、真ん中の指で耳ネコの頭をたたく。
―――
バタバタ足を動かすけど、私の指からは逃れられない。
折れた2つの耳もたたく。
「ミャァ」
真ん中の指に他の指も付いてくるから、前足がひとつすり抜けた。
パチ パチ
それで反撃してきた。
「クゥ♪」
チワワの方の手が止まっていたから、鼻があたる。
タッ
「♪」
また回す。
ガチャ ・・・
「・・・まだ小さいんだから気を付けるんだよ」
リフの声。
トン
「・・・」
黒猫。
「キュ♪」
ポメラニアンを銜えてる。
家トラックから連れて来たらしい。
「あ・・・」
リフが私に気付いた。
タ
黒猫の影が、素早く動く。
「・・・・」
リフがこっち見てる。
「・・・りんご食べていいよ」
「いいよ・・・」
パタン
外に戻った。
「・・・・」
耳ネコと遊びたかったのかな。
まだ太陽は空にあるけど、たき火してる。
さっきリフは、そこでトラネコと遊んでいた。
トン
「キュ」
ポメラニアンを銜えたまま、黒猫がミニ島に跳び移った。
ト
「クゥ♪」
ポト
空箱に入れた。
「ニャ~」
鳴いた。
空箱の細い枠の上で、器用に伸びてあくびしてる。
トン
私が座っている6段の高さより上、7段の木箱に移動した。
「・・・」
寝るらしい。
まるくなった。
―――
目を閉じるだけかもしれないけど。
「♪」
手のひらで耳ネコを支えて、親指でお腹を撫でる。
「・・・・」
小さい。
重さはほとんどない。
鳴いても声は小さい。
「クゥ」
チワワは回るのをやめて、ポメラニアンに毛布をかけた。
「♪」
バサ
ミニ毛布と言っても、空箱で折り返せるくらいの面積はある。
私が敷き直す。
ミィ
耳ネコも入れて、3匹を毛布で挟む。
ト ト ト
リスが来る。
バサ
空箱の縁に張り付いた。
ゴソ
そのまま中の毛布にもぐり込んだ。
「♪」
壁と7段箱に体を預ける。
5段箱と壁で両足を安定させた。
「・・・・」
これならいい。
昼寝しよう・・・・
♪
ゥゥゥ ・・・・
ピィ