にぎやか

2020年11月17日 13時20分36秒 | マーロックの日記

              

                    ヮィ  ヮィ  ♪

                             ―――  ァァァァァ

外は雨・・・

窓には水滴が張り付いていて、外が見えにくい。

昼はあんなに暖かかったのに、急に気温が下がってきた。

宿舎の北側は暖房が使える状態ではないので、ガードさんたちが地下の古いヒーターが動かないか試している。

上手く動けば、また止まるまでの間だけでも暖めることができる。

毛布はたくさんあるので、各部屋に多めに配ってある。

         うふふ  ♪

孤児院の小さな子が、スーパーから持ってきたらしい新しい服を来て喜んでる。

ノロマさんたちが選んだやつだろう。

耳付きのフードを被ってる。

孤児院の教室は食堂にしていて、みんなパスタを食べてる。

スープやサラダもあった。

当面は、町にある大きなスーパーにあるもので足りそう。

大雨の被害が落ち着いたら、近くの街から食料も送ってもらえる予定みたい。

「・・・・」

あった。

部屋の端っこの床に、小さな長方形の通気口。

間隔をあけて、いくつもある。

古い方のヒーターで温めた温水が循環して、温めた空気がここから出てくる。

いくつかは、空気を吸う方だろうけど。

古い金属で色がくすんでる。

新しいヒートポンプの方は、天井に通気口がある。

教室は新しい方も使えるので、上から暖かい空気が流れてくる。

          

すでにおいしいトマトソースのパスタを食べ終わった私は、外に向かう。

               パチ パチチ  ・・・

暖房をつけているけど、設定温度はそれほど高くはしていない。

この部屋は広く、もともと食事などに使っていたようで、古い暖炉もある。

そこで薪を燃やしていて、おじいさんやおばあさんが近くで食事してる。

あそこなら、暖かそう。

レトリバーも丸まって休んでる。

                     ――  パタン

ドアを閉める。

廊下も暖かい。

大きなヒートポンプで水を温め、建物全体を温めている。

すぐ隣はキッチンで、大きな冷蔵庫がある。

私たちのトレーラーからもいろいろここに運んでいて、エレガントさんたちが食事の準備をいつも手伝ってる。

避難してきた町の人たちも数日経って少し落ち着いて、食事の準備も手伝ってくれる人が増えた。

200人以上の食事の準備をするのは大変そう。

コックさんがいればよかったんだけど。

彼は客船のメインダイニングで働いているから、大人数の食事を作るのは慣れているみたい。

食器を洗うのなら私も手伝えるけど、大きな発電機がきたので食器洗い機が使える。

大型の食器洗い機で、とても速い。

               

私が廊下から食器洗い機を見ていたから、中のノロマさんが気づいた。

「まだ食べますか?」

「・・・・」

首を横に振って、私は去る。

                    ミ~

シロネコの声。

               ギィ

渡り廊下に出るドアを開ける。

                            ザァァァァァ  ・・・・・

通路には屋根があり、雨があたる音が大きい。

「クゥゥン」

ドーベルマンがいた。

夜になると、見張りをしている様。

そう教え込まれていたんだろうか。

「♪」

頭を撫でると、シッポ振った。

「・・・」

おや。

黒猫もいた。

ドーベルマンの向こう側にいたから分からなかった。

コニの所に連れて行ってもいいけど、散歩するのも好きそうなので連れて行こう。

       

「ピョ」

小鳥がいる。

・・・昼も黒猫たちと一緒にいたやつだろうか。

「ニワトリなら中にいるよ」

「♪」

教えてあげる。

ドアは開けてあげないけど。

            ――  タ   タ

「・・・・」

リスもいた。

私の背中を上ってくる。

「キキ♪」

チンチラたちと、しばらくネコカートから離れなかったようだけど。

ここにも慣れて、少し辺りを探索し始めた様。

黒猫がいればもっと早く動き回っていたかもしれないけど、黒猫は私と一緒に町をウロウロしていた。

フードの中に入ったからよく分からないけど、たぶん頭を出して外を見てる。

フサフサのシッポがたまに首にあたる。

この通路は、倉庫や宿舎を繋いでいて長い。

傘がなくても散歩できるので、歩こう。

           

小鳥を背中に乗せたドーベルマンが、黒猫と一緒に付いてくる。

東側に向かっていくと、宿舎がある。

途中で北側に分かれていて、そっちには倉庫。

もとは倉庫ではなかったようだけど。

スーパーから運んだものが、そこに置いてある。

         ニャ~

黒猫が鳴いた。

「―――」

見ると、ドーベルマンと一緒に足をとめて後ろ見てる。

ドアのガラスに、レトリバーが見える。

外に出たいなら、あいつなら自分で出れるだろう。

器用にドアも開ける。

私たちがどこに向かうのか気になっているのかもしれない。

        

                  ギィ

開ける。

「クゥン」

すると、外に出てきた。

「・・・・」

さっきまで、暖炉の前でくつろいでいたのに。

私がりんごを食べに行くと思ったのかもしれない。

                  パタン

そのつもりはなかったけど、倉庫に行ってみよう。

りんごあるか分からないけど。

トレーラーに行けばある。

                    バチチ

風が強くふくと、横から雨があたる。

ドーベルマンは、レトリバーと同じくらいの大きさ。

どっちも耳が垂れているけど、レトリバーはフサフサ。

          

鳴いていなくても、たくさんいると気配でにぎやか。

倉庫は近い。

みかんはあるかな・・・・

               

                             ザァァァァァ  ・・・・

     キキ ♪


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