高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

ヒナゲシ

2008-05-16 09:07:32 | 山野草
四川大地震の状況がわかるにつれ、被害の大きさには驚いている。
また中越地震にも見られたように、土砂が川の流れを遮ることによるダム湖の出現による二次災害や、各種伝染病の発生も危惧される。
地震国の日本から消防庁の精鋭部隊の派遣を申し入れていたが、中国からは安全上の配慮ができないなどの理由で断ってきた。中国との友好の証としても今回受け入れてもらえなかったのは残念である。
(この件に関しては、救出の限界の72時間を待ったかのように、15日昼に中国政府は日本からの援助隊を受け入れると表明した。日本では一旦解散した国際緊急援助隊を再度編成し、同日の夜間に北京に向けて第1陣31名が飛び立った。
中国政府の方針が変わった背景はわからないが、日本を最優先に支援を期待したことを素直に受け取り、援助隊の活躍に声援を送りたい。)

今回の地震の震源域は三国志に出てくる成都に極めて近い。垓下の戦い(がいかのたたかい)で、武将・項羽は天運はすでに自分にないと悟り自刃する。項羽の愛人虞美人(ぐびじん)の墓の周りには赤いヒナゲシ(雛芥子)の花が咲いたことから、グビジンソウ(虞美人草)の名が付いたと伝わる。

ヒナゲシや長い実のナガミノヒナゲシ(長実芥子)、オニゲシ(鬼芥子)などは植えてもかまわないケシである。最後の画像を見ながら植えてはいけないケシは、①葉や茎に毛が生えていない、②葉が茎を抱いている、③葉の切れ込みが浅い、この特徴があったら要注意である。

次回はオニゲシ(鬼芥子)とヒマラヤの青いケシを予定している。

 
(ヒナゲシ)           (ナガミノヒナゲシ)

 
(ナガミノヒナゲシ)       (植えてはいけないケシ)

雛芥子/ケシ科/ケシ属。
ヨーロッパ原産で江戸時代に渡来した一年草。別名グビジンソウ(虞美人草)、ポピ-など。
葉は根生葉で切れ込みが深く無毛である。茎の先に赤、白、ピンクなどの4弁花を付ける。園芸種では八重咲きの品種が多い。
花期:5~8月。
(東京都薬用植物園)
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ケシ

2008-05-15 06:14:39 | 山野草
朝から雲一つなく、そして風もない。さわやかな一日になりそうである。画像の整理もできたし、ケシ(芥子)のまとめをしよう。

東京でケシの花は、東京都薬用植物園でしか見られない。
法律により厳しく管理されており、周囲に二重の金網を張り巡らし、門扉には厳重に施錠されているが、開花するこの時期には外側の柵の中に入り、少しだけケシに近づくことができる。
未熟果に傷を付け(5番目の画像)、出てくる乳液を乾燥させるとアヘン(阿片)になる。
アヘンは中毒になると人を廃人にする麻薬として恐れられているが、精製したモルヒネはがん患者の激痛を和らげる鎮痛鎮静剤として医学薬学的に極めて重要である。
日本の乾燥アヘンは年間わずか5kgの生産量で、不足分の約100トンは輸入に頼っているとのことである。医学部か薬学部の学生であろうか、二重の柵の中で熱心に職員の説明を聞いていた。

一方、法律で厳しく取り締まっている植物に大麻がある。こちらはアサ科の植物で、葉はヤツデ(八手)の葉ををさらに深く切り込んだような形をしている。
ケシの右隣にある15cmほどの植物が大麻と思われるが、残念ながら柵に中では目立たなかった。成長する7月頃に再度確認をしたい。
河井継之助が長崎で手を出しそうになったのは、こちらの大麻のほうであろう。
明日は植えても良いケシを取り上げ、見分け方をおさらいしよう。

 

 

 

芥子/ケシ科/ケシ属。
植えてはいけないケシはソムニフェルム種、セティゲルム種などがあるが、茎は無毛で、葉柄がなく葉が茎を包む、葉の縁の切れ込みが浅いなどの特徴がある。
花期5~6月。
(東京都薬用植物園)
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ニシキギ

2008-05-14 13:59:15 | 樹木
きのうは東京都薬用植物園で、特別に公開しているケシの花を見学してきた。薬用植物園は久しぶりに訪れたので、ケシ以外にもいろいろな植物をカメラにおさめてきた。
きょうはこれから画像の整理をすることになるが、ケシは果たしてうまく撮れているか楽しみである。
うまく撮れていれば、明日はケシの花の公開である。きょうは庭に咲いているニシキギにしよう。
枝にはコルク質の翼があり、秋の赤い実と見事に紅葉するニシキギ(錦木)はよく知られている。では花となるとあまり思い出せないが、今年はじっくり観察した。紅葉などが美しいだけに、観賞価値がないといわれる黄緑色の4弁の花は、それなりに美しいと思う。


 
(ニシキギの花と秋の紅葉)

錦木/ニシキギ科/ニシキギ属。
山地に生える落葉低木、紅葉が美しく庭や公園に植えられる。剃刀のような形からカミソリノキや、種子が有毒なことからシラミコロシの別名がある。葉は倒卵形または広倒皮針形で細鋸歯があり対生する。黄緑色の小さな四弁の花が多数付く。秋に実が赤く熟し、紅葉が特に美しく観賞価値が高い。名前の由来:秋の紅葉した姿が錦織に見えることからこの名が付いた。
花期:4~5月。
(寅太の庭)
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タツナミソウ

2008-05-13 06:39:51 | 山野草
葛飾北斎の絵から飛び出たような花を咲かせる。
狭いにはではあるがいたるところに紫と白の花を咲かせている。
いつも少しは整理しても良いと思うのだが、花が咲くとついそのままにしてしまう。
わが家にあるのは、白いのはゴバノタツナミソウ(小葉の立浪草)で、紫色がタツナミソウ(立浪草)である。

立浪草/シソ科/スクテラリア属(タツナミソウ属)。
山野に生えるシソ科の多年草。
葉は心形で毛があり、花は茎の先端に穂状に一方向に向いて咲く。花色は紫、桃、白などである。
名前の由来:花の咲き方と模様が「泡立つ波」を連想させることからこの名が付いた。
花期:4~5月。
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ベニシタン

2008-05-12 12:11:38 | 樹木
昨年の12月にベニシタン(紅紫檀)の実はブログに載せたが、花はまだ取り上げてない。
小さいが想像していたよりはずっと綺麗な白い花がいっぱい咲いた。
今年の秋には赤い実がたくさんなりそうである。

 
(ベニシタンの花)       (ベニシタンの実)

紅紫檀/バラ科/コトネアステル属。
中国が原産のバラ科の低木で、わが国へは昭和の初めに渡来した。庭木、生垣、盆栽などに利用される。
枝は互生しよく分岐し、横に這うように長く伸長する。春先に淡紅色の花を開き、秋に5mm程の赤色の小果が枝一面に付く。
本来は常緑性であるが、関東地方では晩秋に紅葉して落葉する。
花期:5~6月。
(寅太の庭)
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アマドコロ

2008-05-11 06:48:07 | 山野草
わが家のアマドコロ(甘野老)は庭の隅にあり、斑入りのアマドコロが玄関先にある。
園芸種の斑入りのアマドコロのほうが育て易いようであるが、この斑入り種も斑入りナルコユリ(鳴子百合)で売られていることもあって、アマドコロとナルコユリは見分けが付き難い。
花の数の違いもあるが、茎を触ったときに少し角張った感じの陵があるのがアマドコロで、茎は丸いのがナルコユリと判別したほうがよいようである。


(斑入り種)

甘野老/ユリ科/アマドコロ属。
山野の草地などに生える多年草。
地下茎の先から1本の茎を出し、茎には稜がある。葉は互生し長楕円形で葉腋から花柄が下垂し、白色で先端が緑色の円筒形の花を付ける。
液果は球形で黒紫色に熟す。
名前の由来:根茎に甘味があり、根茎の形がヤマイモ科のトコロ(オニドコロ)に似ていることからこの名が付いた。
花期:4~5月。
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ハクサンチドリ

2008-05-10 00:31:36 | 山野草
各種の山野草がたくさんあることを聞き、川崎市のある農園を訪問した。
たしかに所狭しと山野草や、草もの盆栽に使えそうな小さな樹木を売っていた。
訪れる客も洋種ものとは違った素朴な植物を求めてやってくるようである。

イワチドリ(岩千鳥)などかなり高価であった。イワチドリはネットで入手した10個の小さな球根と、実生にも挑戦しているところである(実生では1~2mmの小さな芽が出始めた)。
同じラン科の仲間でもハクサンチドリ(白山千鳥)は逆に1本420円とかなり安い。
ハクサンチドリは花が美しいことから、園芸店などでしばしば販売されるが、寒冷地の植物であるため、暖地での栽培は難しいと言われている。
山どりだったらまずいなと思いながらも、栽培不可能と言われるキンラン(金蘭)が咲いたことに気をよくし、1本購入して農園を後にした。



白山千鳥/ラン科/ハクサンチドリ属。
山地から高山帯にかけての草地や湿地に生える多年草。別名シラネチドリ。
茎の高さは20~40センチで、茎頂の総状花序に直径1.5cmほどの紅紫色の花を多数付ける。
名前の由来:花の形が千鳥の飛ぶ姿に似ていることからこの名が付いた。
花期:6~8月。
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ミズキ

2008-05-09 12:27:22 | 樹木
近くの川は渓谷のように谷底が深く、自然が良く残っている。
イチリンソウ(一輪草)ニリンソウ(二輪草)ヨゴレネコノメソウ(汚れ猫の目草)などの山野草や、数多くの樹木が生えている。

遠くからみると真っ白な花が付いた木があり、このあたりによく生えているウワミズザクラかと思い近づいた。
総状花序を出し、木いっぱいにたくさんの白い花を付けているのはミズキ(水木)の大木であった。

 

水木/ミズキ科/ミズキ属。
丘陵地から山地のやや湿った所に生える落葉高木。
葉は互生し、広楕円形で全縁、先はとがる。枝先に総状花序を出し、直径は約1cmほどの小さい白花を密につける。
名前の由来:、樹液が多く、早春に切ると水が滴り落ちることからこの名が付いた。
花期:5~6月。
(多摩丘陵)
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シライトソウ

2008-05-08 09:38:21 | 山野草
きょうの未明に関東地方を中心に発生した地震には、かなりびっくりして飛び起きた。気象庁でも緊急地震速報を出して警戒を呼びかけたが、地震の発生から約1分後であり、改めて地震の予知の難しさを露呈することになってしまった。
さて、試験管を洗うブラシのように見えるこの花は純白で、糸状のところが少しヒトリシズカ(一人静)の花にも似ていたので、2年ほど前に山野草店で小さな苗を購入した。
花穂が重いのか茎が曲がった先端に、白い花が咲きだした。わが家での開花は今年が初めてである。

 

白糸草/ユリ科/シライトソウ属。
山地の林の中や谷沿いに生える多年草。
根生葉はロゼッタ状に展開、花茎は15~40cmで茎頂に総状花序をだし、ブラシ状に白い花をたくさん付ける。
名前の由来:細い花びらを白糸にたとえてこの名が付いた。
花期5~6月。
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ユキザサ

2008-05-07 06:19:53 | 山野草
北海道などにはユキザサ(雪笹)が群生し、若芽や若葉が山菜として利用されたという。でも乱獲で群生地は減っているというのは残念に思う。
わが家でのユキザサの開花は初めてである。笹に似た特徴ある葉と雪の結晶に似た白い可愛い花はユキザサのネーミングに相応しい。
昨年から実生にも挑戦しているので、雪国の雪原のような群生地を夢見ている。

 

雪笹/ユリ科/ユキザサ属。
山地や落葉広葉樹林に生える多年草。
茎の高さは20~50cmで、上部は傾いてほぼ水平になる。茎頂に円錐花序を付け、白い花を多数付ける。球形の液果を付け、秋には赤く熟す。
名前の由来:花が雪の結晶、あるいは粉雪が付いているように見え、葉の形が笹に似ているところからこの名が付いた。
花期:4~5月。
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