高尾山などの「寅太の山野草」

中越地震で被災した小千谷市と長岡市にある戊辰史跡の復興を応援しています。
山野草を中心にしたブログです。

ケシ

2008-05-15 06:14:39 | 山野草
朝から雲一つなく、そして風もない。さわやかな一日になりそうである。画像の整理もできたし、ケシ(芥子)のまとめをしよう。

東京でケシの花は、東京都薬用植物園でしか見られない。
法律により厳しく管理されており、周囲に二重の金網を張り巡らし、門扉には厳重に施錠されているが、開花するこの時期には外側の柵の中に入り、少しだけケシに近づくことができる。
未熟果に傷を付け(5番目の画像)、出てくる乳液を乾燥させるとアヘン(阿片)になる。
アヘンは中毒になると人を廃人にする麻薬として恐れられているが、精製したモルヒネはがん患者の激痛を和らげる鎮痛鎮静剤として医学薬学的に極めて重要である。
日本の乾燥アヘンは年間わずか5kgの生産量で、不足分の約100トンは輸入に頼っているとのことである。医学部か薬学部の学生であろうか、二重の柵の中で熱心に職員の説明を聞いていた。

一方、法律で厳しく取り締まっている植物に大麻がある。こちらはアサ科の植物で、葉はヤツデ(八手)の葉ををさらに深く切り込んだような形をしている。
ケシの右隣にある15cmほどの植物が大麻と思われるが、残念ながら柵に中では目立たなかった。成長する7月頃に再度確認をしたい。
河井継之助が長崎で手を出しそうになったのは、こちらの大麻のほうであろう。
明日は植えても良いケシを取り上げ、見分け方をおさらいしよう。

 

 

 

芥子/ケシ科/ケシ属。
植えてはいけないケシはソムニフェルム種、セティゲルム種などがあるが、茎は無毛で、葉柄がなく葉が茎を包む、葉の縁の切れ込みが浅いなどの特徴がある。
花期5~6月。
(東京都薬用植物園)
【山野草の索引(2)へ】
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする