海に吹く風

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読書

2017-08-21 14:49:13 | 読書



五木寛之が長い休止期間ののち『青春の門』完結編を書き始めたとネットニュースで読んだのは1月ごろだった。
昔はこの小説とそれを映画化したものは一世を風びしたなぁ。
映画で織江役は大竹しのぶだったか。
私は小説の方を読んだかどうかも忘れてしまったが、ふと懐かしくなり『青春の門』を読み始めた・
それを8月初め8部まで読み終わった。

『青春の門』は筑豊編はよかった。
筑豊という男気のある世界を背景に少年が成長していく姿が魅力的に描かれていた。
しかし男性週刊誌に連載の小説で、段々とあらすじの興味だけで読ませるようになり、荒唐無稽なあらすじも多くなって来た。
青春成長小説から冒険小説になってしまった。
読みだした長編漫画が段々気に入らなくても結末は知りたいから読んでいただけだった。
8部の終わり・・信介がスパイ小説みたいな設定でパスポートも持たず数人のグループでシベリアに行き、信介一人がヨーロッパを目指すというところで終わっている。
果たして信介は無事ヨーロッパまで行けるのか?
完結編の構想ではアフリカまで行って独立運動にかかわる?或いは傭兵になる?・・これは単なる噂でどうなるやら。

ハードボイルド小説みたいなのをずっと読んできたので、今度はまったく作風の違う純文学を読みたくなった。
そこで私の一番好きな小説家・・赤江瀑 を読みだした。
赤江瀑はマイナーな作家だと思うので知らない人も多いのではないか。
作風を一言で言うと泉鏡花の世界にエロスと狂気の香りを強く振りかけたような小説。
主人公は芸術(歌舞伎・和の楽器・絵など)に魅入られて必然の破滅(自殺或いはそれに近い行動など)へ向かって突き進むというストーリーが多い。
ギリシャ悲劇にもちょっと似ている。
私が本当は持っている情念の世界とそれは一致する。
現実世界で実行に移せば破滅だが、想像世界ではそれは目くるめく世界なのだ。
短編も多いので図書館で次々借りては読んでいる。
あまりこの小説ばかり読んでいると現実世界から遊離しそうだ。
赤江瀑は数年前に亡くなられたそうだ、知らなかった。
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