本当は怖い童話～白雪姫

眠りから覚めずにいればよかったと白雪姫の嘆く晩年

ジャム

ジャムの蓋温めてから開けるごとあなたの心覗いてみたい

ハナミズキ

あんなにもまつさらなままハナミズキ天からの文をまだ待つてゐる

バレンタインチョコ３

赤色は好意の印さりげなく赤いチョコ入りセットを渡す

バレンタインチョコ２

こだわりは赤いハートのチョコレート入ったものを必ず選ぶ

バレンタインチョコ

この頃は自分のチョコを買いあさる恋の思い出はるかに遠く

エコー検査

エコー検査大丈夫でしたそのあとでバレンタインのチョコ買いに行く

著我

群生に咲いてもどこか寂しさの似合う花なり著我の薄青

河津桜

そこだけが別の世界のように咲く河津桜を見たことがない

花闇

ふれてみよと風にささやく山桜うすくれなゐの花芯さらして

　自らの放つかをりに酔ひしれて桜さくらは芯まで揺るる

　春の夜にあくがれいづる魂の行き尽くところ桜なるべし
　
　呪をはらむもの生まれくる春なれや美しき吐息の匂ふ花闇

散りゆける桜の幹を抱きしめて我もいきたし花闇の果て