杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ジェシカ・アルバの“しあわせの方程式"

2012年01月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2010年製作 アメリカ 96分 日本未公開 

モナ(ジェシカ・アルバ)は数学と走ることが大好きな明るい女の子だった。しかし10歳の誕生日を境に、大好きな父(ジョン・シェア)が突然、こころの病にかかってしまう。好きなものを“諦める”ことで父が回復すると信じるモナは、走ることや映画やデザート、友達など、好きだったもの全てを断つが、大好きな数字だけは諦めることができなかった。やがて22歳になり周囲から浮いたまま宙ぶらりんのモナは、母(ソニア・ブラガ)から「お父さんは私が看ているから、あなたは自分の人生を歩みなさい」と家を追い出され、母校の小学校で算数を教えることになる。やんちゃな生徒達や、風変わりでハンサムな理科教師のベン・スミス(クリス・メッシーナ)と触れ合う内に、“諦めること”に慣れて閉じてしまった彼女の心が、少しずつ開き始めて・・・。

わざわざジェシカ・アルバのと銘打つからには軽いロマコメなのかと思ってレンタルしたのだけれど、あれれ?意外に重いヒューマンドラマじゃないですか。邦題間違ってるよ 原作はエイミー・ベンダーの『私自身の見えない徴』全米ベストセラーだそうですが、映画だけでは意味がよくわからないエピソードもあり理解度はいまいちでした。

モナは父親の変化が受け入れられず、自分の殻に閉じこもってしまった女の子です。自分の好きなものを断つことで昔の大好きだった父に戻ることを願ってきましたが、本当は父の病を受け入れるのが恐かったのでしょう。

モナが勝手に支えとしてきたのは数学と小学校の算数教師のMrジョーンズ(J.K.シモンズ)です。彼は数字のペンダントをいつも下げていて、気分の良さに比例して数字が大きくなります。彼が教師を辞めた後も気にかけていますが、暫く姿が見えなくなって心配して家に様子を見に侵入してベッドルームできまずいシーンを目撃するくだりは違和感があったかなぁ 彼が数字に拘るのを止めたきっかけが恋愛なのは良いとしてそれをあのような表現にする必要性があったのかしら?その後の2人の会話が良かっただけにちょっと残念でした。

モナが教え子のリサ(ソフィー・ナワイデ)を気にかけるのは、風変わりなリサが自分の子供時代と重なって見えたのと、彼女が置かれている状況(ガンで死期の迫った母がいる)に自分を重ね合わせたためでしょうか。けれどリサの方が現実を冷静に受け止めていて、逆にモナの方がリサから現実を受け入れる強さを学ぶことになります。

彼女の算数の授業は変わっているけど楽しいです。でも冒頭で父親が語った「お話」に関連しているとはいえ、オノを教室に持ち込むのはやり過ぎ。それが後に事件を起こしてしまうのもなんだかなぁ。

モナとベンの恋もかなり風変わりだけど、こういうのは嫌いじゃないです。
家を出て外からの視点で父親を見たことや、学校で生徒やベンと関わったことで、モナは自分自身を見つめる勇気を得て、父のことも「こころを病んだ人」と認めることが出来るようになりました。もう彼女は自分の足で歩いていくことができるでしょうと思えるラストでした。


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