アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

指揮者「山田一雄」の世界

2018-12-15 06:00:00 | 音楽/芸術

ここのところ、時間を見つけては山田一雄(1912-1991)のCDを聴き漁っている。

「ヤマカズ」と呼ばれこの世を去ってから20年余りの時間が経ってしまい、何を今更と思われても仕方がない。いつかは聴こう、聴いてみたいと思い続けて今日まで過ぎてしまったのだ。振り返ってみると、山田一雄の指揮で残されているCDは、1970年代以降のものが多く、およそ20年間だが、さほど録音には熱心ではなく、恵まれてはいなかった印象を持つ。もちろんアントンKも、ヤマカズという指揮者は知っていたが、当時はなにしろ朝比奈隆一辺倒の生活だったから、なかなか他へと目が行かなかったのが正直なところ。東の山田、西の朝比奈と言われていたから、当時から朝比奈派のアントンKは、山田を一度も聴いたこともないのに、自然と対抗心などという下らない気持ちになってしまっていたのかもしれない。もっともあの頃、限られた小遣いでチケットを買い、取捨選択の演奏会だったから、山田と朝比奈の演奏会がかち合えば、迷わず朝比奈の演奏会を取っていたわけだ。

このブログには、今まで朝比奈隆についてはさほど多くは書き残してはいない。いつでも書けると思ってきたし、書いて残したい内容はまだ溢れているからなのだが、今年生誕110年の朝比奈隆を機に、少しずつ書き残そうかと思い出した。記憶から消えてしまう前に・・

で今回は、山田一雄の第一印象を綴ることにする。過去に発売され、長い間廃盤になっていた録音がこの度復刻し、たまたま目に留まって昔描いていた想いを思い出し、写真に掲載した最晩年のものと、名盤とされる数枚を手に入れて集中的に聴いている。自分のオケを持たなかったからか、残された録音も、色々なオケを振っている。最晩年には新星日本交響楽団との演奏が多かったようだが、レパートリーは多岐にわたり、感情むき出しの表現は、現代の指揮者には少なくなってしまったとの感慨がわいた。実演奏に一度も触れていないのに、どこか懐かしく聴いている感覚なのだ。師走なこともあって、ベートーヴェンの第九にも集中してみたが、クライマックス直前の大見得や金管楽器群の誇張、ティンパニの強打などなどは、心が熱くなり聴いていて嬉しくなる。もちろんこの手の演奏は、録音では本質がなかなか伝わりにくく、誤解のある感想になることをご承知おき願いたい。聴き込めば聴き込むほど、やはりホールで聴きたかったと無念な気持ちが湧いてくるのだ。

ベートーヴェンの交響曲群、幻想交響曲、チャイコフスキー、展覧会の絵、そしてマーラー・・時間が足りず、まだ思うように聴けていないのが現状だが、年末年始に向けてもう少し聴き込んでみたいと思っている。また同時期を生きた朝比奈隆とも併せてご紹介してみたい。

 

 

 



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