アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

東大宮までの疎開回送列車

2018-07-31 22:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

国鉄時代には、多くの夜行列車が上野を目指して毎日上京していたが、上野駅地上ホームは、車止めのある行き止まりホームとなり、独特な雰囲気を醸し出していた。これは現在でも同じ光景が見られ、小ぎれいにはなったものの懐かしさが漂う。そして客車列車の場合、ここから回送で尾久の車庫まで機関車が推進で向かうのだ。

一端尾久に引き上げた後、電留線の確保なのか、定期で東大宮までの回送列車があり、当時は気になっていたことを思い出している。午前中の通勤電車に混じって回送されていたので、あまり目立たず地味な存在であった。アントンKは列車の存在を気にかけてはいたが、正直下り列車は朝方撮影には光の関係から不適と考え、無視してしまうことが多かったように思う。そんな中から、朝もやに煙った回送列車を掲載しておく。これは急行「能登」の回送列車。もう一本急行「鳥海」も同様に回送していたと思うが、寝台客車が後方についているから、自分の中では今一つの列車だった。

1979-07-22  回3614ㇾ  EF5835    東北本線:浦和付近


新たな挑戦を感じたチャイコフスキー

2018-07-29 16:00:00 | 音楽/芸術

新日本フィルの定演も今回の演奏会で終了し、9月からは新しいシーズンへと向かう。昨年に続き、シーズンの最後を飾る演奏会は、リクエストコンサートとなり、聴衆が事前に投票し、その中から監督である上岡氏が楽曲を選択しプログラムが決定するという演奏会だ。今年はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とチャイコフスキーの第5交響曲が選出された訳だが、どちらの楽曲も日本では有名かつお馴染みのもので、やはり人気がある楽曲、ということが再認識できた。

さてその演奏だが、事前トークの中でも話があったように、まず過去の演奏のどれとも類似していない内容だったと言えるだろう。むしろこの楽曲から味わえなかった音色の色彩感が新鮮で、陰と陽の対比、光と影のバランスが絶妙だった。連日鑑賞した演奏会だったが、やはり2日目の方がより強くそれを感じることができたと思っている。上岡氏の演奏の場合、どの楽曲でも独自性が強く、前例に捕らわれない傾向は多々あるのだが、同じチャイコフスキーでも第6の時より、さらに練り込まれた内容のように感じた。全楽章にわたり現れる「運命の主題」は、暗く重いが、感情移入が激しすぎることなく、どちらかというとあっさり淡泊な印象。感情にまみれたドロドロの表現とは無縁だった。全体的には快適なテンポと言えるだろうが、デュナミークはやはり際立ち的を得ていて心地よい。それは第1楽章の第1テーマから、はっきりと弦楽器群に現れ、実に細かな指示が浸透していることが読み取れる。音楽が大きくなってきても、極端な爆発は無く各声部が手に取るように聴こえてくるのだ。これがいわゆる上岡節で、いつもの堀が深い演奏なのだが、このチャイコの第5で聴くと新鮮に聴こえて、音楽の奥深さを思い知り新たな発見が生まれたのである。

アントンK自身の好みは別として、その最たる解釈は第4楽章のコーダだった。高々しく奏されるVnによる運命の主題は、勝利に向かって前進するというより、むしろ潤いを帯び、力感は満載なのだが美しく力強い。ここでは金管群よりも木管楽器の響きが弦楽器と絶妙なマッチングだった。そしていよいよ音楽が大きくなるfffからは、威圧的なTrpのテーマ誇示ではなく、なんと弦楽器の圧倒的な刻みが音楽をけん引していたのだ。これはまさに、76年のロストロポーヴィチの第5を彷彿とさせ、プレストに突入するまでの響きの世界は極上だったと断言してしまおう。金切り声を上げて威圧する演奏の多い、ここのポイントは、過去の経験を覆してしまうような大きさを持っていた。

朝比奈隆が生前、最後の指揮となったのがベートーヴェンでもブルックナーでもなく、このチャイコフスキーの第5番だった。(2001年10月 名古屋)その当時、朝比奈がロシア物のプログラムを組むとこぞって会場に出向き、重厚なサウンドを身体で味わったもの。朝比奈サウンドで聴くロシア物は、当時のアントンKにはビタミン注射のようなもので、終演後の充実感は相当なものだった。あれから30数年、同じ楽曲でも、全く別の音楽による大きな感動を味わうことができた。比較なぞ意味を為さず、どちらの音楽もアントンKには必要なのだが、今は来期に向かってさらに走る上岡敏之氏と新日本フィルに期待を寄せていきたいと思っている。

第592回 定期演奏会 トパーズ

ラフマニノフ  ピアノ協奏曲第2番 ハ短調  OP18

チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調  OP64

アンコール

プロコフィエフ  ピアノソナタ 第7番~3mov.

ニールセン  仮面舞踏会~第3幕 若い雄鶏たちの踊り

指揮  上岡 敏之

ピアノ  オルガ・シェプス

新日本フィルハーモニー交響楽団

コンマス 崔 文洙

2018年7月27日/ 7月28日 すみだトリフォニーホール

 


頑張れ!EF6627

2018-07-27 22:00:00 | 鉄道写真(EL)

相変わらず機関車ファンに人気が高いEF6627。すでに0番台はこの27号機のみ稼働であり、コイツがやってくる沿線は、カメラが放列を成す状況が未だに続いているようだ。同じEF66でも100番台は人気がなく、その差は大きい。スタイルからくるものなのか、色合いの違いからか、ちょっとアントンKには理解できないでいるが、同じロクロクでも、男性的か女性的かくらいの差は確かに感じる。

別の目的で線路端に立ったが、このEF6627も上京してくるというのでかなりの遊び心で流し撮り。前面プレートわが命とばかり数字に集中してみた。嫌いな頭のコブは容赦なくカット!ニーナが一番素敵に見える角度。自然災害で寸断された大動脈の1日も早い復旧を祈らずにはいられない。

2018-07         EF6627    JR東日本/東海道本線:新鶴見付近

 


ローカル線を走った客車列車

2018-07-26 16:00:00 | 鉄道写真(DL)

客車列車自体ほぼ皆無になったと言っても良い現代。ECやDCと比べてもデメリットばかりではないはず。今一度客車列車の旅がしたくなる今日この頃である。

アントンKの中では、北東北で乗った普通客車列車の思い出が多い。そのほとんどが、旧型客車と言われるオハ47やスハ43たちで、重厚で静かなイメージが今でも残っている。冬場には、暖房が入る音がして、座席がやたらと熱かったことも今では懐かしい。走行音も独特で、発車の時の振動は特徴的だった。

掲載写真は、いよいよ引退すると告知され出向いた磐越西線の50系客車列車。早朝に1往復の運転があったと記憶しているが、関東からは行きづらく大変だった思い出がある。この磐越西線や東線は当時から好きな路線だったため、年に数回ではあるが行っていたものの、なかなかそれだけでは、お気に入りの写真は残っていない。この時は、引退を惜しむようにDD51には新潟支社お手製のヘッドマークが掲げられ、この地独特の屋根を持つ集落をバックに最後の力走を見せてくれた。

1995-11-26   223ㇾ  DD51793    JR東日本/磐越西線:荻野付近


EF5861「バーボン・エキスプレス」

2018-07-25 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

国鉄が解体され、分割されてしまった年、「バーボン・エキスプレス」なる団体列車が複数日走った。どんな列車だったか、まるで忘れてしまっているが、その後流行したビール列車のはしりだったのかもしれない。車内で高級なお酒を振舞い、つかの間の贅沢を味わうようなツアーだったのか・・・

とにかく見ての通り、50系と12系の混結編成に特別な塗装(現在のようなラッピングではないと思う)を施し、横須賀線内を何日間か走行した。もちろん、この手の団臨にはEF5861が当然のように登板され、最後部にもEF65PFが付いたPP運転だった。アントンKも何度か撮影の機会を持ったが、当時EF58にこんな編成は似合わないと辟易したことを思い出す。この後ぐらいからか、何かとイベントにこのロクイチが登場し、ファンがあふれ返って撮影もままならず、アントンKはこういった企画列車にはだんだん足が向かなくなっていく。

1987-10-20   9721ㇾ  EF5861 バーボンEXP.  JR東日本/横須賀線:鶴見付近