アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

インキネンのブルックナー第5

2017-11-19 09:00:00 | 音楽/芸術

連日となってしまったが、今回はブルックナーを聴きにサントリーホールへ。

現在の日本フィルの首席指揮者であるピエタリ・インキネンが1月の第8に続いて第5を振るというので、とりあえず出向いてきたわけだが、結論を先に言ってしまうと、第8の時の印象とそれほど変わらず、アントンKにとっては無難な演奏に終始した。「無難」な演奏と書けば、良く受け取られてしまうだろうが、それはアントンKには最も恐れているイメージなのだ。第8の時もそうだったが、全体的にみて実に整いスマートな印象。ポイント各所の主張は存在し、心が熱くなる箇所もあったが、それはおそらく楽曲の素晴らしさから来る印象で、演奏そのものは在り来たりの印象を拭えない。

今回の演奏会のチラシにあった「瑞々しくも懐かしいブルックナー・・」のクレジットとは、いったいどれを指して言っているのか。ブルックナーの第5だから、20世紀末の朝比奈が築いた愚直な演奏解釈なのか、はたまたもっと前の1950年代から60年代のクナッパーツブッシュやフルトヴェンフラー時代を指すのか興味は沸いていたことは事実だったが、実際にはノヴァーク版による今日通常聴かれる演奏に終わった。これでは、以前ジョナサン・ノットで聴いた第5と何ら変わらない。オケはそれぞれ優秀だから、平均以上の演奏は可能だが、アントンKの求めるブルックナー演奏からは、やはり遠いところにあった。これは自分自身の体験が年齢とともに増えて、聴く前からある程度の心持でホールに向かってしまうから感じなくなったのか。反省をしながら今自問自答しているところだ。

それにしても、今回は定期演奏会にも関わらず6割~7割程度の聴衆だった。昔はプログラムがブルックナーだったらほぼ埋まっていたのに寂しい現実だ。これがプログラムのせいだとは思いたくはないが、やはりブルックナーは生演奏に限ると改めて思った次第。

日本フィルハーモニー交響楽団 第695回 東京定期演奏会

ラウタヴァーラ  In the Beginninng

ブルックナー 交響曲第5番 変ロ長調

指揮 ピエタリ・インキネン

日本フィルハーモニー交響楽団

コンマス 扇谷 泰明

2017-11-17   サントリーホール

 

 

 



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