行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

世論調査に見るもう一つの日本人像

2020-01-30 22:33:03 | 生活

朝日新聞の世論調査(1/25)は40代後半働き盛りの団塊ジュニアを対象に実施した。何ともか弱い日本人像が浮かび上がった。就職氷河期と景気の低迷に遭遇した不遇な世代とも言われるだけあって、親の代と同じく進学・受験で損しているというのが63%、就職活動では69%が損していると回答し、給与・収入面では72%、年金となると82%が不遇を嘆いている。従って、将来への展望も長生きしたくないが59%にも達し、政府や自治体の就労支援には78%もが期待してないと開き直っている。朝日は厳しすぎた競争と分析しているが、結果が暗いと判断したのか、同世代でのスーパースターイチローや松井秀喜、そして刑務所まで入って苦労した堀江貴文をあげて激励している。

私なりに、分析をすると、同世代の就労期は高度成長を支えてきた国の職業訓練もマイクロエレクトロニクスや情報技術に対応できなくなり、派遣労働やアウトソーシングサービスの登場で企業側の教育訓練もおろそかになってきた時期だ。一方米国のIT企業は世界から人材を集め、教育訓練を重視し、福祉にも力を入れて発展してきた。グーグルは社内食堂での食事は無料だ。マイクロソフトでは社員研修に力を入れるだけでなく、労働時間の短縮で生産性を上げている。最近では週休3日制まで実験的に導入している。AT&Tのような伝統ある企業も新興IT企業に打ち勝つには、既存の社員の能力再開発による人間再創造しかないと言い切っている。これはかつての日本企業がやって来たことではないか?

団塊ジュニアだけで無く、将来の日本の労働力発展のためには、外国人材を含め、今政府がやろうとしている就労支援だけでなく、全国規模の政府と地域企業一体となった職業訓練の再構築ではないだろうか

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最近の世論調査に見る日本人像

2020-01-28 23:29:52 | 生活

日経の世論調査(1/11)を見ると、依然として保守的だなあと思う点と、変わったなと思う点が混在している。保守的だと思うのは、望ましい夫婦の形で、夫婦ともフルタイムで働くが19%で、主に夫の生計で妻はパートが53%、妻は専業主婦というのが13%と男女共同参画とはほど遠い。それにしても少子化が進んでいるのはどうしたことだろう。晩婚化が影響していることは間違いないが、子供を育てる環境が整っていないからか教育費が掛かるからか?。

政府の喧伝が効いているのか、70歳超えても働くという人が回答者の過半を超えた。それ故か将来の不安は、健康が71%と高く、ついで生活資金68%、介護49%。しかし、気になるのはお金の問題への備え、預貯金が61%、保険・個人年金への加入34%、何もしてないが19%でデフレが続くとなんとなく信じているようだ。お金の運用についても同じ傾向だ。金利が殆どゼロに近いのに預貯金に頼っている。それなのに将来のお金の不安について、86%が感じている。

消費税については日経が見だしで「望ましい消費税率10%以上が過半」とミスリードした。驚いて読んでみると税率10%が35%でトップ、税率15%~20%以上が16%、税率5%が14%、税率8%が7%、廃止が11%となっている。日経は増税への理解が深まったととしているが、税率減が廃止を含めると32%に対し、増税派は16%の結果で、おかしな記事を書いている。消費税に頼る財政再建は難しいと書くべきだろう。

日本人も変わったと思えるのは、「外国人の増加について良いことだ」という人が69%と予想外に高いことだ。その理由は8割以上が「働き手として重要」をあげている。日本社会は地殻変動期に入ったのかもしれない。

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德勝龍優勝まさかの因縁

2020-01-26 18:20:53 | スポーツ

誰も予想しなかった德勝龍の優勝、千秋楽の結びで大関貴景勝を堂々の寄り切りで14勝1敗の立派な成績、出身地の奈良は大騒ぎだ。世代交代の中で33歳の幕尻のベテランが正代をはじめ次々とライバルを下し、まさかの優勝だ。舞の海解説者は目を疑ったとも、北の富士解説者は幕尻優勝に実力に差が無くなったのか?とも言わしめた。優勝インタビューでは「もうでなくまだ33歳という気持ちで更に上を目指す」と決意表明した。遠藤をはじめベテラン力士の励みともなり、来場所が楽しみだ。

かつて小泉純一郎総理が人生には三つの坂がある 「のぼり坂」「くだり坂」そして「まさか」 があると後任の安部総理が突然辞任した時に述べたことは有名だが、今日はその安倍総理の内閣総理大臣杯を德勝龍が受けた。まさかの因縁か?

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昭島にはげたか?の手が

2020-01-24 12:07:36 | 昭島

本日の日経報道に目が釘付けになった。米国の投資ファンドベインキャピタルが23日、昭和飛行機工業に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表したからだ。1株2129円で、2月10日から3月10日まで行い、非公開化(非上場)を目的としている。同社の親会社三井E&Sホールディングスも持ち株65.5%を売却に同意し、455億円を受け取ることになる。かつての名門三井造船もかなり金に困っていたのだろう。


昭和飛行機の株価は昨年10月頃から急騰し、1500円ぐらいから2500円台になり、何が起きているのかなと思っていたが、その裏の事情がわかった。それにしてもこれは事情通が株をつり上げていた懸念が残り、事件になるかも。適正な株価は解散価値(PBR)だけで判断すると1100円~1400円だと思う。

住民はそんなことはどうでも良いのだが、ショッピングセンター森タウン、ゴルフ場、テニスコート、ヘルスケアジム、ホテル昭和館と代官山の森がどうなるのか心配だ。貴重な森やゴルフ場の緑が毀損されなければ良いが。最悪はバラバラにされ不動産が切り売りされることだ。ベインキャピタルは最近では東芝半導体を、以前は大江戸温泉物語、すかいらーく、ドミノピザを買収している。投資ファンドは経営不振の会社を建て直し、売却して儲けることにより成り立っている。昭和飛行機は経営は順調だし、何の目的でしかも高値で買収するのか意図が不明で不気味だ。

昭島市もしっかり対応して貰いたい。

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STOP及び腰春闘!!

2020-01-22 23:16:34 | 労働

日本の大問題は実質賃金が7年間も下がり続けていることで、世界でも日本だけだ。一方企業は財務省法人企業統計調査によると、「内部留保」(金融機関を除く全産業)は、2017年度末で446兆円となり、現金預金は2018年度、金融を除く全業種で120兆円にも達し、株主から自社株買いを促されているほどだ。

各産別労組が春闘の要求案を決めているが、7年間の経過を見ると、労組の力不足といわざるを得ない。3000円の控えめのベア要求なのに1000円で妥結をした電機連合には、ストライキを背景にかつて歯止めをかけて要求をとるという覇気は感じられない。自動車総連もトヨタの独自路線でバラバラだ。企業情勢からは最低でも3000円のベアは取り切り、連合の継続的要求である4%賃上げに近づけて貰いたいところだ。安倍首相も経済成長を念頭に置いて「東京オリンピックの時は12%の賃上げだった」と経団連の会合で経営者に賃上げを要請している。

ところが、18日付け日経の報道によれば、電機連合はベア3000円を一律に求める一方、賃金改善と教育や待遇などと合算した回答を認めることも検討しているとのことだが、これでは3000円のベアを取ることはできないだろう。経営側のペースに巻きこまれ、個別企業の事情による回答になり、自動車総連と同じ轍を踏むことになる。長い歴史の中で賃金引き上げとその他の処遇改善は労働協約交渉でときっちり分けて来たのはごちゃごちゃにされるとベア獲得に影響されるからでましてスト突入の統一歯止めなど決められない。

春闘では賃上げと割り切らないと、企業の内部留保を増やすだけだ。

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役者交代で面白くなった大相撲

2020-01-20 23:20:33 | スポーツ

両横綱が休場し、どうなるのかと思った初場所、高安と栃ノ心はこれがあの強かった大関かと思うほど人が変わったように脆く、気の毒のようだ。当然上り坂の若手の朝乃山、貴景勝に期待が掛かった。ところが、まだ若手には負けられないと人気の遠藤と3年前に期待され関脇までのぼった正代が若手に立ち塞がった。横綱白鵬は優勝を狙うと発言していたが、最近は張り手とかちあげの立ち会いでひんしゅくをかい、特に今場所は遠藤にかわされ通じず土俵に這わされみっともない相撲となり、休場に追い込まれた。

横綱、かつての大関に替わり、今場所は役者が代わった。本日は千秋楽の取り組みのように一敗どうしの貴景勝と正代が対戦し、正代が勝ち、優勝に一歩近づいた。正代は体躯にめぐまれ、体も柔らかく関脇陥落後は低迷していたが、ようやく飛躍への気付きがあったようだ。御嶽海と競り合い、リードされたが追いつき更に上に行くチャンスだ。

更に今場所を盛り上げている役者が炎鵬だ。特に遠藤や豪栄道に勝った取り口は上位の力士にも通用することを証明した。特にスピードと目を見張るのが相手の手を取ったり引っ張ったりする技で、これまでの力士には見られなかったもので、これから炎鵬に対戦する力士はどう対策をするか真剣に考えざるを得ない。相撲のうまさではトップクラスの遠藤でさえ手を焼いて負けてしまった。今日の豪栄道戦でも、遠藤が見過ぎて(もぐられると厄介だから)墓穴を掘ったので豪栄道は一気に押し込もうと自分流の立ち会いをしたのだが、炎鵬に変わりつつ手を取られ負けてしまった。

十両では元大関の照ノ富士が9連勝、単独首位で、これも注目したい。

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「世界最高の国」ランキングで日本は3位?

2020-01-18 22:43:55 | 生活

米誌「USニュース&ワールド・リポート」が発表した2020年の「世界最高の国」ランキングで日本は3位となり、19年調査の2位から順位を1つ落としたが新年のグッドニュースだが、子供の貧困や過労死が労働現場で起きており、なんとなくおもはゆい。スイスが4年連続首位、2位カナダ、以下4位ドイツ、5位オーストラリア、6位英国、7位米国、9位スエーデン、10位ノルウェーとなっている。

「世界最高の国ランキング」は16年に開始された調査で、20年調査は世界36カ国・計2万人以上を対象に行った。ペンシルベニア大学ウォートン校の研究チームなどが開発した評価モデルに基づいて、文化的影響力や生活の質、市民の権利、ビジネスの開放度など9項目について調査し、ランキングにした。3位の日本は、親しみやすさや楽しさ、風景など観光魅力度の評価を盛り込んだ「冒険的要素」や、税制や政府の透明性に基づいた「ビジネスの開放度」などの項目で高得点を得た。首位のスイスは「冒険的要素」のほか、食文化などの評価を含む「文化・自然遺産」や「政治・経済的影響力」で高得点を得ている。フランスやイタリアが入っていないが、米国より観光魅力度ではランクは上だし、人々が生活をエンジョイしている国だと思う。オランダや北欧は社会保障が安定し、安心して暮らせる国でランク入りは当然だろう。

昨年、エコノミスト誌の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた2019年の「世界で最も住みやすい都市」ランキングでは、オーストリアの首都ウィーンが昨年に続きトップを維持した。 ウィーンは昨年、それまで7年連続でトップだったメルボルン(オーストラリア)を抑えて首位となった。ウィーンはクラシック音楽や豊かな歴史で観光客を魅了する一方、緑も多く公共サービスも充実している。メルボルンは今年も2位。3位は同じくオーストラリアのシドニーで、昨年の5位から順位を上げた。EIUはシドニーについて「文化と環境の面でスコアが改善した」としている。しかし、オーストラリアは巨大な森林火災で今や非常事態、テニスの全豪オープンも選手がぜんそくで入院するほどだ。4位には大阪(日本)がランクイン。次にカルガリー、バンクーバー、トロントとカナダの3都市が続いた。かなり前に、カナダの3都市を訪れ、その美しさに魅了された。東京はトロントと同じ7位。大阪は物価の安さやインフラで東京より上だ。欧米の都市でのランチの値段は1500円くらい、東京でもワンコインランチがあり、インバウンドの観光客が喜ぶはずだ。

EIUは世界の140都市を対象に、5つの項目を基に「住みやすさ」を数値化。それぞれの項目が全体に占める割合は異なり、「安定性」と「文化・環境」は最も重要で各25%、「医療」と「インフラ」は各20%、「教育」は10%となっている。

日本は労働力を何らかの形で外国人労働者に依存しており、年々その比重は増すだろう。これからはこうした外国人労働者が日本最高といって貰えるようにしなければならない。

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河井議員ガサ入れで思う疑問だらけの検察の動き

2020-01-16 21:48:10 | 政治

メディアで大きく報道された参院選でウグイス嬢に法定上限(15000円)を超える報酬を支払った疑いで、事務所や自宅の家宅捜索を受けた河井案里参院議員と、夫で前法相の克行衆院議員、選挙違反であることは判るが、巨悪の方は何もしないのか検察の動きがおかしい。カルロス・ゴーン容疑者から、取り調べ方法で猛烈に批判された検察だが、こちらの方がもっとおかしい。

巨悪は「桜を見る会」の方だ。同会にに招待されるのは国政に「功績、功労があった人」だというのが政府のこれまでの説明だが、実際にはこの説明にそぐわないような、安倍事務所の後援会の人たちを数多く招待した。どう見ても国費で選挙活動をしたわけだ。前夜にはホテルで後援会招待者でパーティまで行っており、この時のバウチャーは一切無いという。名簿については、野党の要求にあわせて破棄しているが、誰が指示して破棄したのか明らかにしない。

さらに内閣府は16日の参院予算委員会の理事懇談会で、「桜を見る会」の推薦者名簿の推薦部局を隠して国会に提出していた問題について、加工が提出前日に行われたことを明らかにし、内閣府の大塚幸寛官房長が「一部異なるものを国会に提出し、多大なるご迷惑をおかけした。おわびしたい」と陳謝した。政府は、昨年11月20日の衆院内閣委で、内閣総務官室の推薦者名簿は「残っていない」と答弁しており、答弁に合わせて加工した可能性が指摘されている。内閣府は昨年11月22日、推薦部局名が「内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所」などと記載されていた推薦者名簿の1人分について、部局名の記載を消し、参院予算委理事懇談会に提出した。

政府は「桜を見る会」が公選法違反にならないように必死に工作したことが見え見えだ。広島地検がウグイス嬢にプラスαを払ったとしてガサ入れしたのに、巨悪の方には検察が動かないというのは理解しがたい。

 

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新成人へ、知識で武装を

2020-01-13 18:23:32 | 生活

希望と期待を膨らませながら成人式に臨んだ新成人へ人生の先輩としてお祝いの言葉の代わりに雑文を進呈したい。これからの人生で紆余曲折いろいろなことが君たちに降り懸かるだろう。その場面場面で怒り、悲しみ、悩み、そして笑うこともあるだろう。大切なのは自分にとって1回きりの人生だと思い、全てを肥やしにして人生を追求してもらいたい。

家庭の事情で大学に進めない人もいるが、幸いなことに学ぼうと思えばネットもテレビ放送もあるので大学に行かなくてもかなり高度の知識を蓄積できる。職についても、自分の思いと違う仕事であれば、学び転職もできる。以前中国の奥地で優秀な通訳に会ったが、NHKの海外向け日本語講座を何年か聴いて学び、日本には行ってなくとも通訳という職業で生活できると言っていた。また、いわゆるフェイクニュースがあふれる中、真実を追求することは難しくなっているが、思考停止だけは避けて、各種マスコミの報道を比較検討することが最低限必要で、ニューヨークタイムスとかBBC、Asia Times Online など外国のメディアもスマホでチェックしてもらいたい。私は年代からすると、付き合う人の多くは高齢者なので、なるべくネットでホリエモンとか前澤さんなど若い人の発信を聞いている。

今年の11月には米国大統領選挙があり、民主党の候補者ではエリザベス・ウォーレンさんが注目されている。彼女の最初の仕事はウエートレスで、19歳で結婚し、22歳で出産。子育てをしながら法科大学院に通った。自宅の居間で弁護士業を営んだ後、大学教授に転じ、ハーバード大で破産法の専門家として知られるようになった。知識を武器にのし上がり、現在はマサチューセッツ州からの上院議員だ。米国は貧富の差が激しいとされてるが、主婦でも学ぶ環境があり、彼女はもしかしたら大統領になるかもしれない。

世界幸福度ランキング2年連続トップのフィンランドで史上最年少34歳の女性サンナ・マリン首相が誕生! というニュースが昨年はメディアを賑わした。隣国のエストニア内相がレジ係が首相になったと発言して、大統領が謝罪する事態となった。マリンさんは母子家庭で育ち、アルバイトしながら大学を出て、市会議員になる前はデパートのレジ係だった。その後市議会議長、国会議員、運輸通信大臣を歴任し、その手腕が評価され、首相になった。苦学で得た知識がものをいった典型例だ。

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ESG投資事始め

2020-01-11 23:20:47 | 経済

今朝の日経でESG投資は今のところリターンが良くないといくつかのESGファンドを上げて紹介していた。日経ともあろうものがずれているのではないか?世界の潮流は環境・社会・統治の英語の頭文字をとったESGファンドだけで無く全ての投信に組み込む企業の判断基準にESG要素を判断材料にしている。日本の年金基金(GPIF)もESGを投資の基準とすることになった。たしかにすぐリターンに結びつくものではないが長期に存在し続けなければならないわゆるサステナビリティのためには企業はESG要素が必要十分条件だ。逆にESG要素がきちんとしている企業は安全で安定しているということだ。

日本の大企業にはESG要素がまだ判ってないというか欠けている。ようやく最近プラスチックの使用を減らすと宣言した企業も出てきたが、統治面では人権への配慮が十分ではない。過重労働やハラスメントで自殺者が出るような企業は投信への組み込みは止めることだ。また外国の日系企業では相も変わらずストを打たれると平気で労組役員を解雇し問題をこじらせている。一方、朝日ライフSRI社会貢献ファンドでは中小企業の中でESG要素が優秀な企業を組み込み長期間安定した成績(2000年設定以来TOPIX17.4%に対し94.9%)を上げている。このファンドは総資産の0.1から0.2%を社会福祉、環境、女性支援などの分野に寄付をし続けているから立派だ。

1999年国連がグローバルコンパクト(企業に対し、人権、労働権、環境、腐敗防止)を提唱し、企業に要請した。そして2006年には投資の意思決定プロセスにESGの課題を組み込むことを宣言したPRI(社会的責任)宣言を採択した。現在2300以上の投資機関が署名(GPIFも2015年に署名)している。

ファンドの評価をしているモーニングスターの朝倉社長もこれからはファンドの評価にあたって、従来の財務的要素に加えESG要素を重視すると強調している。社債投資でも投資適格かの判断にESG要素を取り入れ、安定的な運用を目指す「ORIX世界社債アクティブファンド」もあり、ESG要素の高い企業は長期安定が持続すると判定されている。

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