行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

21世紀の資本論と時給のアップ

2014-05-31 21:59:02 | Weblog

フランスの経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏が書いた所得格差に関する書籍「21世紀の資本論」が22日、米インターネット小売大手アマゾンの売れ筋ランキングで1位に躍り出た。同書は、過去2世紀のデータを用い、経済全体の所得の多くを富裕層が蓄えており、既存の政策ではそれがますます拡大するだけだと論じている。前週、ピケティ氏は米ワシントンD.C.を訪問し、ジェイコブ・ルー米財務長官やバラク・オバマ大統領の経済顧問らと面会した。近年の経済学で最も重要な著作の一つと称賛する学者と、空想に過ぎないと否定する学者で論争を呼んでいる。

エコノミスト誌によると、ピケティ氏の主張で重要な点は、「資産と投資の収益率は常に経済成長率より高いため、自由市場システムは、おのずと富の集中を進めるという傾向を備えている」と指摘し、富裕層に対する資産課税と高所得層に対する80%の所得税を課す必要があると説いている。

グローバル化が進み、所得格差が途上国でも先進国でも拡大していることは各種データから明らかで、今年に入って貧困層からのそれに対する反撃が試みられている。米国のファストフード店働く労働者はほとんどがパートタイムで、連邦最低賃金7.25ドル(約736円)で週40時間フルに働いても、年間所得は1万5000ドル(約152万3550円)しか得られず、時給を15ドル(約1524円)に引き上げようとする運動はメディアの関心を集め、サービス労働組合(200万人)などの強い支持を得ながら、急速な広がりを見せている。5月15日にマクドナルドなど、ファストフード店における低賃金への抗議活動がアメリカ、アルゼンチン・香港、イタリア、ニュージーランド、日本、ドイツ、パキスタン、韓国など35カ国以上の国で「ファストフード世界同時アクション」として、抗議活動が展開された。

日本でも、すき家や和民のような居酒屋チェーンで人出不足による閉店が相次ぎ、5月15日の世界同時アクションデイに時給を1500円に増やしてという要求も出てきた。全世界で同額の時給1500円アピールはパートタイマーにもようやく陽が当たりだしたと期待したい。

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復活したホワイトカラー・エグゼンプション

2014-05-29 21:21:26 | Weblog

政府は28日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、専門職を中心に週40時間を基本とする労働時間規制を外す方針を決めた。首相は、働いた時間ではなく成果に給与を払う第一次安倍内閣でつぶれた「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入に執念を燃やしている。集団的自衛権の導入への思い入れと同じだ。

厚労省はディーラーなど高度な専門職に限って導入をするといっているが、企業経営者からなる民間委員は首相と伴に職種拡大を狙っている。言い分は年間労働時間に上限を設け、かつ有給休暇の取得下限を設けることで長時間労働は避けられる。また労使の合意や本人の同意を前提とする。など、条件面の整備を挙げている。

連合をはじめ、労働組合はホワイトカラー・エグゼンプションは残業代ゼロ制度だと導入に反対して、昨日は日比谷公園で大集会を開催した。派遣労働法にしても最初は職種を13に限定し、当初製造業には拡大しないという国会決議もしたのに、その後職種がどんどん拡大し、最後はネガティブリスト化(対象職種限定でなく、やってはいけない職種のリスト化)になって派遣切りが社会問題となった。まして最近はブラック企業という法自体を守らない企業の続出で企業への不信感は強い。

今回の議論で疑問を感じるのは労働時間に上限を設けるから大丈夫だという推進派の学者の論で、時間管理を外すホワイトカラー・エグゼンプション対象者の労働時間をどうやって把握するのだろうか、対象職種は多分ネガティブリストとすることになるのだろうが、企業側は経理・総務にまで対象を広げたい意欲のようだ。また、居酒屋チェーンなどサービス業のように店の営業時間が決まっている職種はネガティブリストに入れると言っているが企業側は納得するのだろうか

米国のようにホワイトカラー・エグゼンプションの選択は本人の同意と言ってるが、契約意識の高い米国のように本人の意志が反映されるのだろうか、何となくホワイトカラーの労働時間が長いから生産性が日本は低いのでホワイトカラー・エグゼンプションの導入で生産性を上げたいという企業側の意向が表に出すぎている。現状の労働環境のままで導入すれば、手品でも使わないかぎり労働時間はそのままで残業代がゼロになるだけだ。

企業現場の問題点は多く、実験的に導入するなど、時間をかけて検討すべきだろう。

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遠藤で始まり,白鵬で終わった夏場所

2014-05-27 18:47:35 | Weblog

 昨年のブログ

 

 

 

 

昨年の夏場所のブログと同じ結果の夏場所となったが、白鴎の偉大さ以外に変化もいくつか見られる。
先ず、大きな変化は鶴竜が横綱になって初めての夏場所ということだ。昨年の時点では稀勢の里が最有力の横綱候補だったが、入れ替わりに鶴竜が横綱になっている。勝負の世界の厳しさを思わせるが、皮肉なことに今場所は昨年と同様稀勢の里が白鵬と優勝を争い準優勝となった。今場所の白鵬戦では、稀勢の里が立ち会いに失敗し、相撲にならずまたも?期待外れとなった。稀勢の里は白鵬を前にすると急に縮こまる傾向が見受けられ、精神面で克服すれば、実力を発揮できるのにと思うが・・・

昨年期待した妙義龍は伸び悩んでいるが、昨年居なかった遠藤が登場している。ようやく髷を結えて、人気も急上昇、満員御礼の膜も6日間掛かった。結果は7勝8敗で、上位の壁を経験したが、稀勢の里と対照的に精神面で強いものを持っている。来場所は立ち会いに磨きをかけて期待に答えるだろう。

平幕で優勝争いに加わった「勢い」は和製白鵬を思わせる体の柔らかさで新たに加わった希望の力士だ。大阪出身ということで、大阪場所での躍進を期待したい。

 
白鵬の偉大さが目立った夏場所

終盤まで稀勢の里と白鵬の優勝争いで盛り上がったが、白鵬の全勝優勝で
25度目Vとなり、大鵬、千代の富士に継ぐ偉大な横綱の誕生となった。
白鵬も最近は以前ほどの圧倒的な強さはないが、自分...>続きを読む
 

 

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官庁の休みが増える喜べない祝日増

2014-05-25 19:09:12 | Weblog

山の日が8月11日になるという。山の日を設けることには賛成だが海の日もそうだが国民の祝日とするには疑問が残る。むしろこの際,国民の休日を見直すべきだろう。かつて週休2日制でなかった時代、何とか皆で休みたいというニーズから祝日を増やしてきた。当時は労働者のほとんどが正社員、月給制で祝日が増えると喜んだ。

時代は変わり、非正規社員や時間給契約社員が働く人の半分も占めようとしている。こうした労働者は祝日を増やしても、関係ないし、むしろ収入減になる。またコスト増となる祝日増は中小企業においては、休めない厳しい現実があり、大企業の労働者や公務員が喜ぶだけだ。政府は何パーセントの労働者が山の日に有給で休めるのか調査をしたのだろうか?したら発表して欲しい。

欧米では国民の祝祭日は10日前後で、日本は16日と俄然多くなっている。むしろこのブログでも毎年ふれてるが、有給休暇の取得率をヨーロッパ並みに100%にすることが先決だ。山の日は8月の第2日曜日という具合に16日のうち6日はその月の第なん日曜日と決めて国民の祝日を10日ぐらいに整理すべきだ。11日は大震災の犠牲者の祥月命日でここを祝日にする感覚は信じがたい。

各国の国民の祝祭休日

英国 8~10日、仏、スエーデン、フィンランド11日、ドイツ9日、米国10日

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京都、青楓の寺

2014-05-23 18:54:55 | Weblog

5月の京都は修学旅行生、世界各国からの観光客が来て、京都駅や繁華街、そして世界遺産クラスの寺ともなると人種のるつぼ状況だ。しかし、今回青楓の風情を訪ねた寺院は別世界のように静まりかえっていた。京都の寺院はどこの寺院でも歴史的な曰く因縁があり、行くたびに新たな発見があるのも楽しい。青楓の美しい寺は当然、秋の紅葉が素晴らしくその時期は多くの人が訪れるが、新緑の時期は静かだ。


永観堂は東山に沿って建てられており、最上部からは市内が一望できる。ご丁寧にエレベータまで設置されており、本尊の「みかえり阿弥陀」がある阿弥陀堂へは念仏寺らしく高齢者にも拝観できるようになっている。


光悦寺の光悦垣

光悦寺の近所、血天井という看板に引かれ入った源光庵本堂の血天井は伏見桃山城を守備していた鳥井元忠が石田三成に攻められ、自害した380人の血が染みこんだ床板を天井板に使っている。家康が忠臣を鎮魂したというが何となく血痕を見るとおどろおどろしい。その本堂にある悟りの窓からの青楓

大徳寺には各大名が競って名庭園を造作した22の塔頭がある。
前田家の芳春院

 

細川家の高桐院

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利休を訪ねよ

2014-05-21 23:56:21 | Weblog

山本謙一作「利休にたずねよ」はこれまでの利休像を大きく変えるものであった。わびさびの枯れた茶人というイメージが艶かしいたくましい男へと変わり、興味深い時代小説となっている。所用で京都を訪れる機会があり、利休の足跡を訪ねた。

利休の最大にして最期の危機を招いた大徳寺を訪れた。秀吉が通らされた山門は巨大で朱色が年月でくすんでいた。肝心の利休の像は公開されておらず大きな山門を見上げるのみであった。

大徳寺は信長の葬式を秀吉が取り仕切り、天下人へのスタートを切った寺だけに敷地内には多くの大名が寺院を建立している。公開しているのは少ないが当時の庭園や狩野派の絵画が見られ、かつ各大名が利休の弟子だったゆえに利休好みの茶室も見聞できる。古いものだとにじり口がないものもある。青かえでの鮮やかさは秋の紅葉の見事さを想像させる時期であった。

利休との関わりで、鷹ヶ峰の光悦寺を訪れ光悦垣と云われる竹垣をみた。写真とは違い本物はがっちりとした大きくてダイナミックな曲線を描いていた。

今回の主目標は東山の野村美術館で、6月8日まで利休縁の展示物があると聞いた。瓦屋長次郎に茶碗を造らせた経緯は「利休にたずねよ」の中の秀作で、あくなき美への追求の一例だ。その長次郎が焼いた茶碗と利休がこだわって創った竹花入れ、利休自筆の軸や手紙、珍しい秀吉の大茶会成功を喜ぶ狂歌、など京都ならではのお宝の数々

 

 

 

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韓国の沈没事故もトルコの炭鉱爆発も人災だ

2014-05-18 22:52:24 | Weblog

韓国の珍島沖で起きた客船「セウォル号」沈没事故は若い高校生を中心に死者・行方不明者304人を出した大惨事となり、建国以来の沈鬱な空気となっていると報道されている。日常的に行われてきた法違反の過重積載、避難誘導の訓練もされてなかった船長や乗組員,いずれも経営者による人災で、船長ら4人を殺人罪で起訴したところで根本的な解決にはならない。また監督官庁の監査が甘かったという行政の人災が重なって、韓国国民の怒りは大きい。

トルコでは13日、一酸化炭素の爆発による炭鉱事故で301人の労働者が犠牲となり、史上最悪の惨事となった。かねてよりソマでは炭鉱事故が頻発し、労働組合や最大野党の共和人民党(CHP)などは4月末、問題視し、国会で調査委員会設置を求めたが、エルドアン政権が拒否した経過があり、これも行政による人災だ。

昨年の4月に起きたバングラデッシュの繊維工場ビルの崩落で1138名の若い労働者が犠牲となったことは記憶に新しい。事前に建物にひびが入り、危険を指摘されながら操業を続けた経営側の人災であり、安全査察の時には普段は塞がれている非常口を確保するなど、手の込んだことをやって事故の犠牲者を増やした。1年経って,ようやく補償の話がスタートするという無責任さにはあきれる。

いずれの事故も、人命より利益を優先させた人災であることが共通している。日本でも我々の周囲でそうしたことが起きてないか、政労使は安全第一を再確認だ。

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一首相の思い入れ?思い込み?で日本だけ大騒ぎ

2014-05-16 23:32:23 | Weblog

昨日の安部首相の記者会見、何としても集団的自衛権を実現したいという意欲以外は何も判らない、その意図さえ解らない記者会見だった。米艦で避難する母親にだかれた赤ん坊の絵をわざわざ首相自ら大きく書かせ、これを守るためには集団的自衛権が必要だと何回も繰り返した。記者が時の内閣が憲法解釈を変えても良いのかと言う質問にも国民の生命を守るにはその米艦を守れるようにすべきだとはぐらかした。

またNPO活動で従事する日本人を守るには集団的自衛権が必要とも説明した。米艦で避難する邦人がこれまでいたかどうか記憶にはないが、日本人が乗船してなかったら守らないのだろうか、こんな希な事例を出してでも前回の安倍内閣で実現できなかったことをやろうという思いなのだろう。

私はかつて国際労働財団でNPO活動をしていたが、自分の身はその国の警察なり、軍が守ることが基本で、事実パキスタンの炭鉱で活動していた時には4人の警察官が終日ガードしてくれた。自衛隊がパキスタンまで出張するなんてその国の尊厳を損なうことになる。内戦になり、その国から自衛隊の派遣要請があって初めて邦人救出になるわけで集団的自衛権と言われてもぴんとこない。現在でも海賊対策など個別自衛権の範囲で可能だ。

安倍首相は限定された中で集団的自衛権を行使するのだと上記の2つの事例を出したが、限定された範囲の想定が難しい。現憲法でも集団的自衛権を認めていると解釈している村副総理は集団的自衛権の地域限定は不可能だと本日の会見で述べている。安倍内閣で集団的自衛権は憲法9条で認められていると解釈したら、同盟国米国からの要請にはなかなか断れないだろう。自衛隊が他国での戦争に巻き込まれることはないと安部首相は明確にしたが米国の要請でアフガンに自衛隊が派遣されれば即戦闘に巻き込まれるだろう。

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スマホ革命はどこまで進むのか

2014-05-14 22:06:26 | Weblog

何年か前、iPhoneが出てきた頃、ある大学の先生が最近、講義では私語がなくなり静かになったと思ったら、学生はスマホに集中していたと嘆いていた。ところが今日日、東海大学の小泉眞人教授は「広報・広告論」の講義で、そのスマホ自体を利用するという教授側の逆襲を演じている。つまり学生が所有しているスマホを使った双方向講義を実践しているとのこと。学生は、講義中に手持ちのスマホでアンケートに答えたり、質問、意見などをリアルタイムに発信したりでき、かつその内容は、講義室前面のスクリーンで、全員が共有できるようになっている。いつの間にか、講義に引き込まれ、授業に参加してしまう仕掛けだ。

大学、高校ではこのようにうまくスマホを学習の手段にすることは出来ても、小中学生だと全員がスマホを持てるわけではないし、Lineによる虐めも出てきているのでので、学校にスマホの持参を禁じたり、登校時に別保管したりして弊害をなくそうとする試みがなされている。

先日、現役の後輩とゴルフをやったら、私以外の3人はスマホ持参でラウンド、ひっきりなしに通話したりメールをやりながらのゴルフで、ゴルフ場の風景も変わってきた。電話では即時に決断しなければならない事態もあり、グリーン上では間違った判断もやりかねない。要する重要な案件でも慎重に時間をかけて検討したり、逃げたりすることがやりにくいのだ。会社によってはGPS追跡ができるようにスマホを支給し、即時に連絡が取れ、ビジネスが早くなることは結構だが、充分なデータもない出張先での判断に落とし穴がなければ良いが。

それにしてもスマホのインパクトは大きく、どこまで社会を変えるのか誰も予想はできない。電車の中でも、歩行中でも、はては自転車に乗りながらもスマホの画面を見ているのを見ると、人間のスマホ化が進むのではないかと危惧せざるを得ない。



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早起きは3文の得

2014-05-12 23:12:30 | Weblog

ここのところ、大手商社や銀行が深夜残業を禁止して、早朝残業?を奨励しているという話題が紙上を賑わしている。勤務時間をシフトすることにより生産性を上げようとの狙いだ。このことは通勤時間帯が前倒しになるため、交通機関も対応すると言っている。

高齢化がその動きを促進しているようだ。高齢者は早起きだから早朝に動く、朝食も取る人がいるのだからコンビニや外食も早朝サービスの動きを加速させている。ただし、この一連の動きは労働時間の短縮を伴うものでなければならない。深夜残業を禁止しないままで早朝勤務を入れたら悲劇的な事態となるからだ。早朝族がいれば、若い深夜族もいるからそれに対応しようとすれば外食産業においてはその危険性がある。日本でも伝統的に農業や卸売り市場関連の職場は早朝労働で実績はあり、函館の名物イカどんぶりは7時ぐらいまでに行かないと食べられない。

労働時間の短い北欧では、早朝組と深夜組のシフトを組んで対応している。子供が学校へ行く前に仕事を終わらせるパートタイマーも多い、朝4時ぐらい真っ暗な中を出勤するので大変そうだが、習慣となっているのでごく普通のスタイルだ。シフト制をうまく使えば雇用の増加に結びつくだろう。

サマータイムの実施もできない政府を横目に民間の動きは素早い。役所も当然早朝勤務への動きに対応しなければならない。

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