行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

フォックスコン社への調査報告

2012-03-31 22:40:08 | Weblog

前回のブログでシャープの提携相手ホンハイ精密工業の中国本土子会社、フォックスコン社が労働者搾取で国際監視下にあると書いたが、本日の日経で米国公正労働協会の調査報告が報道された。

報告では長時間労働や未払い賃金、安全面で違法行為が行われているとし、これを受けてアップル社とホンハイ社は改善すると約束した。
ところが、この公正労働協会の調査を監視している香港のNGO「Good Electronics」によるとフォックスコン経営陣の労働者に対する非人間的な扱いや厳しい懲戒について見過ごしていると以下のように批判している。

公正労働協会の調査でも、61.3%の労働者が抑圧を感じていると答え、成都工場の新入社員は軍隊規律を要求されている。また安全面では違法行為があると認め、43%の労働者が実際の労災を経験したか見ていると回答している。NGOの調査でも2年勤務していても扱っている化学品の名前さえも知らされてない。

離職率も高く、公正労働協会は時間外労働が原因と報告しているが、実際の数字は表に出してない。離職の実態は2010年、深セン工場42万人のうち、5年勤続者は2万人しかいない、22万人の労働者は勤続6ヶ月未満だ。

公正労働協会は学生の実習生について問題ありとしているが、実際は偽装された実習生で繁忙ピーク時の対策労働者というのが本当の姿だ。問題ありでなく、廃止を要請すべきだ。また、現存する労働組合について経営側に管理されていると報告しながら改善要請をしていない。労働改善、安全改善のためには民主的な労働組合が必要で組合を通じて直接アップル社に苦情が言えるチャンネルを設けるべきだ。

詳細はGood Electronicsのホームページ(英文)を参照

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャープの提携、グローバル化と時代の流れか

2012-03-29 22:41:07 | Weblog

シャープは27日、電子機器の受託生産で世界最大手の台湾企業、鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携すると発表した。不振の液晶事業の立て直しが狙いで、シャープは鴻海グループ四社を引き受け手とする第三者割当増資を実施する。鴻海グループの出資比率は9.9%となり、筆頭株主となる。
さらに提携では、テレビ用大型液晶パネル生産の堺工場(堺市)を運営するシャープ子会社の株式の約46%を鴻海側に譲渡し、共同運営に移す。
という報道だ。今期670億円の経常利益の計画が300億円の赤字、純利益は2900億円という巨額の赤字となり、まさに存亡の危機、液晶パネルとテレビの価格下落によるもので藁を掴む思いの決断だ。

本来なら国内企業のパナソニックやソニーとの提携が考えられるがその2社とも同じテレビ部門と液晶部門で巨額の赤字では話にもならない。後は中国か韓国か台湾の企業という選択しかなく台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)鴻海精密工業にすがったのだろう。この世界最大手のEMSは連結売上高は8兆2992億円という急成長したマンモス企業だ。

このブログで何回か取り上げたアップルのiPad,iPhoneを中国で受諾生産しているフォックスコン社は鴻海精密工業の子会社だ。フォックスコン社は中国の農民工を劣悪な労働条件で雇い、目下国際的に監視下にある問題企業。シャープはこうしたことを飲み込んで提携に踏みきった点が心配だ。

1970年代初期、関西で勤務していた頃、シャープの友人に連れられ、西田辺の社員クラブになっていた創立者早川徳治さんの屋敷で食事をした記憶がある。当時、シャープは液晶を使ったポケット電卓を開発し、電池1本で100時間持つと世界中を驚かせた。私の1ヶ月の給料の半分ぐらいの値段だったがそろばんの下手な私は即、手に入れた。その後、太陽電池や液晶で業界の最先端を走っていたシャープがこの危機を乗り越え早く再建してもらいたい。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鶴竜に救われた春場所

2012-03-27 18:30:03 | Weblog

再起をかけた大相撲春場所、土俵際まで追い込まれたが鶴竜の活躍で救われた。追い込まれた原因は2つ、第一に挙げなければならないのは琴奨菊と稀勢の里のふがいなさだ。琴奨菊は右脇が甘く右ですぐ抱え込む悪い癖が出て苦戦続きだった。稀勢の里は白鵬戦で見せた力を下位力士には出さず油断して負けた闘いが多かった。

二人とも九勝六敗でクンロク大関となり、琴欧洲(今回は八勝七敗)の仲間入りになってしまった。これまで大関に安住し、優勝争いから圏外の大関が多かった。琴奨菊と稀勢の里にはそうなってほしくないし、日本人横綱の候補者として精進してもらいたい。

次に横綱の期待がかかった把瑠都だが、後半に固くなり自滅した感がある。白鵬が一人横綱で頑張り、優勝をしたが白鵬だけに重圧が掛かり、気の毒だ。はやく把瑠都が精神的に成長して横綱昇進を果たすことが望まれる。

そうした不振を鶴竜が救った。白鵬と同じく体重不足で1度は弟子入りを断られた鶴竜が努力し、今場所の優勝決定戦を白鵬と闘い盛り上げた。二人とも弟子入りを断られてモンゴルに帰国していたら大相撲はどうなっていたか、相撲協会幹部は胸をなで下ろしているだろう。

来場所は鶴竜も大関、6人の中で切磋琢磨して相撲の醍醐味を見せてほしい。6人の各大関は皆相撲の型が違うので実力を出し切れば実に興味のある面白い相撲になる。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の序曲、昭和記念公園

2012-03-25 21:30:53 | Weblog

クロッカスがようやく開花し、早咲きのチューリップとの共演も子供の森では見られる。梅はほぼ満開に近く、桜の根元ではムラサキハナナが咲き始めている。春の序曲といった風情だ。

公園の北、こもれびの里

クロッカスがようやく開花

 

早咲きのチューリップと

公園のあちこちに見かけるサンシュユは昭和天皇が好きだったからか

福寿草、今年は少なく寄り添うように咲いている(花の木園)

みつまたもようやく満開(花の木園)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウッドブリッジも年金生活者のワインへ仲間入り

2012-03-24 18:52:52 | Weblog

近所のイオンビッグからカルディがヨーカドーに移り、その後にカフェランテというカルディそっくりの店ができた。イオンが輸入食品専門店カフェランテを設立したのでそうなったらしく、流通業界の競争の激しさを見た。そんなことはどうでもいい、良いものが安く手に入れば良いのが消費者で、円高のおかげか縁遠かったロバートモンダビのウッドブリッジを1000円弱で売っていた。開店サービスで800円台だった。

現役の頃はウッドブリッジは定番のワインだったが、値段が1300円~1400円で年金生活者が毎日飲むワインとしては縁遠くなった。久しぶりにウッドブリッジ・カベルネソービニヨンを味わった。2010年ものでやや軽いが昔と同じ品質だ。最近はスクリュー栓になったと聞いていたが合成コルク栓で瓶の口も昔のように一回り盛り上がっていてワインをそそぎやすくなっている。

歳をとると、ワインをそそぐ時にこぼれてテーブルクロスを汚すことがままあるが、ロバートモンダビのワインはそそぎやすいので助かる。これは特許のせいかあまり普及してないのが残念だ。スクリュー栓にしたらコストは安くなるがモンダビの良いところがなくなるのではないだろうか

ナパバレーではモンダビの親戚のワイナリーを訪れて試飲したことがあり、ウッドブリッジを飲みながらあののんびりとした葡萄畑を思い出した。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀座がユニクロとアップルで賑わう

2012-03-22 23:45:40 | Weblog

今月に入って銀座がユニクロとアップルで賑わった。銀座もすっかり若返った街になったのだろうか。かつてのオフィス街、丸の内中通りが高級ブティック街に生まれ変わり、かつての浅草駅が業平橋になり、さらに今回はスカイツリーと駅名が変更になり、浅草周辺もこれから変わって行くのだろう。

日本の閉塞感を打破する動きと大いに期待したい。ユニクロ銀座店は世界からお客を呼び、100億円の売上高を目標としている。そのためには6カ国語対応体制を取るという。新卒採用の8割を外国人とする方針を発表したが、企業がグローバル化するとこうなるという一例だ。

日本人採用でも1年生から内定し、インターシップ制度を採ると発表し、物議をかもし出しているが東大の9月新学期制提起もあり、文科省が固く守ってきた大学の日本型システムに変化をもたらし、レベルの低い大学教育を見直す良いチャンスだ。企業の新卒採用というのは日本独特の制度で、欧米ではインターシップ等で何年か経験を積んだ人材を企業は随時採用している。

企業の方も、じっくり選び、経験者を採用した方がはるかにメリットはある。今の時代新卒採用してオンザジョブトレーニングをするのでは真の人材採用に失敗するリスクがある。学生は大変だというが、新卒採用という制度が無くなれば就職浪人もなくなる。いつでも就活ができるので、卒業して自分のキャリアを積んでから就職できる。

ただ気になるのは、ユニクロもアップルも製品は主として安い賃金の中国で生産していることだ。学生は華やかな店の雰囲気にのまれず、企業の実態を正確に把握してもらいたい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型iPadはそんなに価値があるのか?

2012-03-20 21:33:15 | Weblog

発売日には長蛇の列ができた新型iPad、蓋を開けてみれば画面がフルハイビジョンより微細になったのが唯一の取り柄で、カメラの500万画素や音声認識は若干の進歩、CPUの速さは変わらずで革新的とは言えない。前夜10時から並んだ人がいたが、苦労の甲斐があったのだろうか?

アップルの株価も一時600ドルにまで上昇した。更に利益を生み出すとの思惑だが、売値は競争上、iPad2より2000円下げ、それにつれてiPad2も値下げせざるをえなかった。生産工場のフォックスコンはじめ中国の下請けの最低賃金は上がっており、これまでどおりの高利益を享受できるとは思えない。

それなのにマスコミは凄いと煽る。アップルの戦略は発表日までには新製品の情報を一切漏らさず、「革新的な小型タブレットが出るのではないか」「キンドルに対抗して2万円台の値段が実現するのでは」等々、マスコミの予想報道で期待感をかもしだした。画面だけオーバースペックとも言える最先端品を出し、マスコミは見事に目くらまし戦術にはまった。もう300万台も売れたというが、故スティーブ・ジョブズのカリスマ性がなさる技としか思えない。

更にケチをつければ、50グラム重くなった、0.6mm厚くなったことだ。iPad2の16GBWi-Fiモデルは34800円、映像に拘らなければこちらで間に合うと思うのだが・・・
未完成の音声入力が完璧になってからでも新型iPadを買うのは遅くない。

 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サッチャー以上に鉄の女を演じたメリル・ストリープ

2012-03-18 23:04:26 | Weblog

増税をしたくない日本のポピュリズム政治家に見せたい映画だが、始めから終わりまでメリル・ストリープの見事なサッチャーに感動さえ覚えた。高失業、財政危機の中で政権を取り、国民に不人気の財政緊縮と外国資本を呼び込んでの経済立て直し、米国の反対を押し切ってフォークランド奪回戦争、IRAのテロに側近を失い自らもホテルで爆破に巻き込まるという激動の時代の指導者だった。

アルゼンチン軍事政権は英国領フォークランドを占領しても、まさか英国機動部隊が派遣されるとは思わなかっただろう。サッチャーは侵略とテロには妥協しないと最後まで筋を通したところが、鉄の女といわれたゆえんだろう。かつて来日したサッチャー首相の単独インタビューをテレビで見たが、メリルのサッチャーはアクセントの強い英語で実物以上に断固たる主張で鉄の女を演じた。

一方、名門の出身者が多い保守党の男性閣僚や側近に対し、厳しいリーダーシップを取ったためにやがて孤立して行く権力者の姿や引退して認知症を患う老婦人サッチャーの姿は鉄の女との対比で人間の弱さを感じさせられる。おやと思ったのは大衆への接し方をアッシジの聖フランチェスコに習い実行しようとした点だ。

103分の上映時間だから、やや説明不足は否めない。特に下院議員になり、多くの名門出の保守党議員の中で、グラスシーリングを破り如何にして初の女性首相までのし上がったか、一番苦労した時代だからもう少し時間を取ってもらいたかった。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012春闘の結果が見えてきた

2012-03-16 22:41:08 | Weblog

14日、200万人の組合員を擁する金属労協加盟大手組合に回答が示された。予想どおり、定期昇給のみの実施と業績による一時金(賞与)の回答で輸出産業主体の組織だけに厳しい内容となった。中でも赤字企業では定期昇給を実施しても、その後一律賃金カットを行うとの条件付きだ。金属労協とは異なり、比較的業績の良い内需産業の組合では若干のベースアップが期待できるが、平均的には過去2年間の実績並みの春闘になることは確実だ。

過去2年間の実績は厚生労働省が毎年7月末、従業員1000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額(定期昇給込みの賃上げ額)等を把握できた300社余の数字を以下のごとく公表している。
2010年妥結額5516円、増加率1.82%、前年比-114円、-0.01ポイント
2011年妥結額5555円、増加率1.83%、前年比+39円、-0.01ポイント

2012年も、5500円強の賃金改善で率にして1.8%強になると予想される。これはあくまでも大企業(資本金10億円以上、従業員1000人以上)での話であるが、時給に換算すると30円強の改善で、最低賃金やパート労働者の賃金改善の参考にはなる。

新聞報道によると、NECは赤字決算が予想され、リストラの一環として、従業員の賃金を4%、4月から12月まで一律カットしたいと会社側は提案した。定期昇給は実施してからカットするので定期昇給分だけ、カットは少なくなり、賃金体系にも影響しないので、簡便な方法だ。本来は賞与で業績を反映させるべきだが、会社の実態がそれでは間に合わないくらい悪いということなのだろう。組合としてはこのカットを飲んでも、将来業績が回復したらカット分を賞与に上乗せするか、臨時手当で埋め合わせを条件としたいところだ。

今回、表にはあまり出ないが、65歳までの雇用延長を労使交渉の俎上にのせている。今後の協議事項となろう。熟練労働者不足の造船業界では労使が積極的で、延長部分の労働条件が課題となっている。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和記念公園にようやく春が

2012-03-14 22:33:28 | Weblog

各地の梅の開花が2週間遅れ、河津桜が3週間遅れというニュースが流れているが、昭和記念公園の梅もようやく見ごろに入った。
花の木園南にある梅園、白(八重野梅)と紅梅(大盃)が満開だった。

 

サンシュユの黄も目立つ

西側の池端でようやく水仙が開花

1月上旬から咲いている寒菜の花は風雪に耐えた見事な最後の一花だ

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする