行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

春闘、定期昇給実施だけなら企業の負担増無し、非正規社員の賃金改善を

2010-02-28 22:36:38 | Weblog
2009年賃金構造基本統計調査(全国)によると、フルタイムで働く一般労働者の賃金(09年6月の所定内給与額)は29万4,500円で、前年と比べ1.5%減少し、4年連続の減少となった。雇用形態別では、正社員(40歳)が31万400円、非正社員(44歳)が19万4,600円で、それぞれ前年と比べ1.9%、0.1%減少したが、非正社員の賃金は正社員の62%と両者の格差はいぜんとして大きい。

産業別の賃金格差も大きく、男性の平均値で見ると、金融保険業は468千円(42歳)、最も低い運輸業、郵便業は261千円(46歳)

賃金カーブの年功序列も崩れつつあり、賃金カーブのピークは金融保険部門では45歳~50歳、製造業や飲食サービス業では50歳~55歳その後はカーブはダウンしている。賃金カーブを構成する主たるものは定期昇給であるがかつてのように定年近くまで定期昇給のある企業はなく、定年前15年なり10年で賃金はむしろダウンしている。

このことは企業にとって、大量の退職が出た団塊の世代が一斉に賃金ダウンカーブの軌跡をたどったことになり、人件費の節約(平均賃金の減)になったことを意味している。

今年の春闘では大半の大手企業労組は賃金カーブを上方へ平行移動するベア要求をせず、賃金カーブをなぞる定期昇給のみの実施要求だ。つまり定期昇給だけなら企業の負担増は原則無いのだ。それすら払わないという企業の言い分はデフレを加速させることになる。

重要なことは新たな賃金原資を非正社員の賃金改善に当て、正社員との格差を少しでも縮めておくことが今後の同一価値労働同一賃金に向けての改革にとって必要なことだ。
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金メダルよさようなら

2010-02-26 23:32:03 | Weblog
オリンピックの華、女子フィギュアの話題で持ちきりの1日が終わった。真央とヨナの世紀の闘いはヨナの完璧な演技で勝利に終わった。日本勢は安藤も鈴木もがんばったが両者の間に入る余地はなかった。カナダのロシェットは母が急死しそれをかてに3位に入った。

それにしてもキム・ヨナの演技には引き込まれそうな迫力があった。真央の可憐さに比しヨナは妖艶なるムードで、コスチュームもそれを引き立たせていた。世界最高点は誰でも認めるが、トリプルアクセルを何故しないのか素人には判らない。プルシェンコの4回転発言を思い出させた。

終わってからの選手のインタビューではオリンピックという大舞台で自分の力を出し切って、幸せだというアスリートらしい清々しい発言だ。今回の日本フィギュアスケート選手の活躍は多くの若者を勇気づけるだろう。

真央とヨナの若い二人の闘いはこれからも続くが、米国の長洲未来選手をはじめとするさらに若い選手も今回目についた。次のソチのオリンピックではどんな結果になるか?真央が磨きをさらにかけるか、ヨナは今回の完璧な演技をこえられるか、若い選手が伸びてきて二人の間に割ってはいるか楽しみだ。

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2009年の真実

2010-02-24 23:42:23 | Weblog
2月に入って09年の統計が続々と発表され、改めて2009年は歴史に残る大変な1年だったと認識せざるをえない。先ず年間実質GDPは5%減、戦後最悪の落ち込みだった。世界経済危機の発祥元米国でさえマイナス2.4%だし、ユーロ圏はマイナス4%に止まっている。

現場の企業マンの実感はどこまで落ちるか判らないエレベータに乗っているようだったと言っている。輸出が24%減、設備投資も19.3%減という数字を見ると理解できる。個人消費は1%減に止まっており、消費の不振が云われるが全体の57%を占める個人消費が歯止めとなったことに注目したい。

米国との差は米国は輸出への依存度が日本ほど高くない、個人消費の割合が高いことから成長率の落ち込みに差ができたのだろう。

09年の家計調査報告によると日本の消費には大きな変化が伺える。年代別に見ると全体では1.4%減だが60歳以上だけがプラス1.2%で30歳未満の若者の落ち込み(7.3%減)が大きい。世情良く言われる若者の車ばなれ、海外旅行ばなれはほんとだとしたら悲しい。また2009年の労働者1人当たりの月間現金給与総額は31万5164円と前年から3.9%減り、前年と比較できる1991年以来最大の減少率となったことも原因だ。

09年平均の完全失業率は前年を1.1ポイント上回る5.1%となり、2年連続で悪化した。年平均が5%台となるのは03年の5.3%以来6年ぶりだった。欧米の10%台の失業率に比べればましだが、これは手厚い雇用対策(雇用調整助成金)が支えているが、どのくらい持ちこたえるか心配になってきた。

近年、雇用構造における大きな変化は非正規労働者の増であったが09年は雇用の調整弁に使われ,前年より39万人減って1721万人となり、雇用労働者に占める割合は33.7%となった。しかし年代で見ると29歳以下の非正規労働者比率が年々高くなっており不安定雇用のままでは車を買うどころではないだろう。

04年に全体の3割をこえてからの非正規労働者の増加は日本のものづくりに影響を与えだしたのではないだろうか。その一例が車メーカーの相次ぐリコールでトヨタだけの問題ではない。
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政治、潮目が変わった?

2010-02-22 21:20:41 | Weblog
長崎知事選挙、町田市長選挙の結果が出た。現在の政治状況を占う注目の選挙で民主党への批判が決定的な結果として表れた。この二つの選挙の意義は一つが地方の様子、二つが東京都民の様子が反映されたことで、民主党の予想以上の負けっぷり(長崎知事選で26万票対18万票)で小鳩体制に対する国民の嫌悪感が明らかになった。

本日の朝日の世論調査報道でも鳩山内閣支持率は前回の41%から37%へ下落、民主党支持率も34%から32%へ下がった。上記の二つの選挙でも政党支持無し層が民主党から離れた結果だ。

小鳩の政治と金についての釈明は今以上のことはできないし、野党の追求しだいではさらに内閣支持率は落ちるだろう。予算と引き替えに退陣ということも考えられ、民主党にとってはその方が幸いだろう。野党にとっては参議院選挙まで引きずった方が良いかもしれないが、自民党の支持率が18%と上がってないことを先ず解決することだ。

オリンピックはいよいよフィギュア女子の熱い戦いが始まる。真央、ヨナが初陣を飾るか、みきが経験者としての意地を見せるかこちらは実に清々しい争いだ。
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金メダル症候群その3

2010-02-20 11:25:06 | Weblog
昨日の男子フィギュアでは数々のドラマが生まれた。前回のブログで書いた4回転ジャンプのプロシェンコはロシアの期待に応えられず金を逃した。終わってから「4回転ジャンプをしないなんて男子フィギュアじゃない」とのつぶやき、4回転ジャンプをしないで金メダルをさらった米ライサチェックと審判に対するあてこすりだろうが悔しさがにじみ出ていた。

フリーの審判内容をチェックすると結構おもしろい。フリーの審判構成は技術点と演技点からなり、1位、2位の外国人選手2人と日本選手3人を比較してみよう。
ライサの金メダルの要因は技術点でのリードでプルシェンコを押さえ、高橋とは10ポイントも差をつけた。技術点だけで見れば日本選手では織田、小塚、高橋の順で織田と高橋の差は9ポイントもあり、4回転で失敗した高橋と成功した小塚が逆転している。

演技点では高橋がトップで、ライサ、プルシェンコを2ポイント近く上回り織田とは7ポイント、小塚とは10ポイント差をつけた。日本人選手の今後の課題がこの分析からも浮かび上がる。特に技術点の中で基礎点では小塚は81点を取り、他の4人は70点台、5人の中ではダントツでこれからが楽しみだ。

日本選手3人では技術点ではそれほどの差がないので織田と小塚は演技点を稼ぐことが課題だ。その前に靴紐は新しいのに変えておくべきだが・・

相関関係 合計の時には転倒での減点、織田には靴紐減点がある
フリー合計 ライサ167.37>プルシェンコ165.51>高橋156.98

技術点   ライサ84.57>プルシェンコ82.71>高橋73.48
      織田79.69>小塚78.4>高橋73.48
   内基礎点小塚81.1>織田73.93>高橋70.28

演技点   高橋84.5>ライサ、プルシェンコ82.8
      高橋84.5>織田77>小塚74.2
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金メダル症候群その2

2010-02-18 21:34:00 | Weblog
女子の500mも男子に劣らずすばらしいレースであった。日本の選手では吉井小百合がトリノでは9位であったが今回は5位入賞で健闘し、1000mに望みをつないだ。それにしても韓国がこのレースでも金をとり、男女で金という快挙を揚げた。しかも李選手は第一人者といわれたドイツのウォルフと滑り競り勝ったのだからすごい。

李相花選手のインタビューからはスケートといえばキム・ヨナばかりに注目が集まる韓国内空気に対する反骨精神があったと感じられる。

一方可哀相なのはロシアのフィギュアのペア、中でも苦節10年、国籍を変え、開会式ではロシア国歌まで歌った川口悠子選手だ。演技開始直前に4回転を止めることにしたコーチの指示が裏目に出て、4位となった。ロシアでは1964年以来、このフィギュアペアでは連続金メダルを取っている。コーチには大きなプレッシャーがかかっていただろう。

ロシアはこの大会でまだ銅メダル一個、国内のブーイングは増しいる。川口選手は4年後のソチには出られるだろうか。復帰した男子フィギュア、プルシェンコに期待がかかり、これまた大きなプレッシャーだ。

男子フィギュアではフランスの4回転の名手で第一人者と自他とも許すブライアン・ジュベールは回転で失敗した。スタートの表情からは自信のなさが感じられ、金メダルのプレッシャーに押しつぶされたのではないか。
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金メダル症候群

2010-02-16 22:54:12 | Weblog
ようやく500mで銀、銅メダルが取れて号外が出たり列島は大騒ぎの一日であった。銀を取った長島圭一郎選手は金メダルにわずか0.16秒及ばなかった。こうなるとまさに運の世界と言っても良いだろう。大いに健闘を称えたい。

しかしマスコミは金が欲しかったのだろうか、フジテレビの特番でのキャスターにはあきれた。インタビューで長島選手が「良い滑りをしたのに(金を逃し)悔しい」と言っているのに追い打ちをかけるように金メダルへの感想はと聞き、さらに次のソチでは金を是非と言い、そこまで意識が及んでない長島選手はうなずくだけだった。それなのにそのキャスターは長島選手がソチで金メダルを約束してくれたと結んでいた。

金メダルへの選手のプレッシャーは相当なものだ。前回のトリノでは全くメダルが取れないままで向かえたフィギュアで点数に入らないイナバウワーをやってのけた荒川静香が金を取った。歴史に残るシーンであった。

今回の500mでは本命視されていた韓国のトップ二人が二人の日本選手に及ばなかったが、若手のモ選手が先輩の滑りを見て一念発起、2回とも34秒台という記録を出して金メダルを取った。これまた荒川級のすごいことだ。日本のマスコミは一切触れてない。
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昭和記念公園から梅だより

2010-02-15 21:39:19 | Weblog
ここのところ天候が良くなく、寒い日が続いている。昨日14日(日)は久しぶりに太陽が顔をだし、先週の雪の被害を心配しつつ昭和記念公園を訪れた。
日本水仙は雪の重さでかなり折れていた。
しかし、寒風や雪にもめげず梅は確実に開花し始めていた。








クロッカスはようやく芽を出し始めていた
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与謝野氏の発言「平成の脱税王」の重さ

2010-02-13 22:28:29 | Weblog
本日はバンクーバーオリンピックが華やかに開催されたというのに日本の国会では驚くべき恥ずかしいやり取りが昨日12日午前の衆院予算委員会でなされた。
その顛末は、鳩山由紀夫首相が自身の偽装献金問題を自民党の与謝野馨元財務相から追及され、色をなして反論する場面であった。
 質問に立った与謝野氏は首相の実弟である自民党の鳩山邦夫元総務相から「首相は実母からの資金提供を知っていた」と聞いた話を披露し、首相を「平成の脱税王だ」などと厳しく批判した。

 これに対し、首相は「『子分に配るカネをくれ』などと母に言ったりするはずがない」などと明確に否定。一方、鳩山邦夫氏は同日午前、記者団に「母から電話で『お兄さんは子分を養うのにお金が必要だと言っているが、あなたは必要じゃないの』と言われたことがある」と語った。

これが世界のメディアで流れると思うとやりきれない。それにしてもテレビ放送を意識してか、与謝野さんの一言「平成の脱税王」は極めて重大で深刻だ。先進各国では脱税は最も忌み嫌う犯罪で、政治家がやれば政治生命は絶たれ、経済人がやれば経済界から追放だ。イタリアでは税務警察を設けているほどだ。

日本の首相が国会でテレビ放送を通して国民の前で言われたわけだから、鳩山首相は与謝野さんの政治生命を絶つぐらいの覚悟で名誉毀損で与謝野さんを訴えるべきだ。見逃したとすると自ら脱税を認めたことになり、議員を辞職すべきだ。
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高速増殖炉もんじゅ運転再開には相当の覚悟を

2010-02-11 23:15:25 | Weblog
3月末までの運転再開を目指す日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市白木)は、経済産業省原子力安全・保安院が10日に運転再開を容認し、今後は内閣府の原子力安全委員会での審議とともに、機構と県、敦賀市との事前協議が焦点となる。敦賀市長は再開に前向きな発言をしている。

高速増殖炉は使う燃料がそれ以上の量の燃料を生み出しながら発電をするというまさに夢の原子炉で、SFの世界では宇宙の惑星で人間が死滅しても高速増殖炉は動いて発電をしているという話があった。しかし、もんじゅは14年前の事故でもあったように極めて危険で難しい原子炉だ。

もちろん世界で実験炉でも動いている実績はない。全くの未知への道へ乗り出そうとしている。原子炉技術の先進国フランスでは高速増殖炉に国運をかけ、フェニック炉、スーパーフェニックス炉を開発したがもんじゅと同じ冷却用金属ナトリウム漏れがおき火災事故が発生した。リヨンからスイス国境に近い同サイトを運転停止中に訪問したが冷却水に替わる金属ナトリウムの扱いにくさと危険性に強い印象を持った。その後フランス政府は検討した結果、フェニックスの巨大な施設と計画を放棄せざるを得なかった。

原型炉もんじゅの運転再開で年間150億円はかかり、年末の仕分けでもその実用性に疑問が呈されたが文科省の強い要望で残された。未知の世界だからいつ実用炉ができるかも不明だ。原子力発電は安全性と低コストが何よりも必要で、アブダビでの国際入札で韓国が初めて受注したことで新しい局面を開いた。

温暖化対策での風力や太陽光などソフトエネルギーに対抗するには安全性の向上が何よりと韓国では原子力発電を構築する膨大な部品の品質管理に力を入れだした。

もんじゅの再開は国際的な流れから離れた孤高の選択、相当の覚悟が必要で、場合によっては八ッ場ダムのような決断が必要だ。
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