行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

朝ドラひよっこの工場現場を検証

2017-05-05 23:04:25 | Weblog
朝ドラひよっこの工場「向島電機」は1966年代の現場を思い出させた。歴史的考証はしっかりしてると思うけど、労働現場でのプラスαを思い出させた。当時の背景は現在とは大きく違い、ブルーカラーとホワイトカラーの処遇ははっきりしていた。ひよっこ達ブルーカラーは日給月給制度だった。ひよっこの登場人物で身体が弱くよく休み給料が引かれるといったセリフがあったが、当に現在のフルタイマーのごとく、休日祭日は給料が無かった。もちろん有給休暇はあったが、お盆、年始年末の帰省に充当することが多かったので病欠には使わないことが多かった。だから労働時間の短縮をすると、賃金が減ることになる。
 
朝の朝礼でいきなり「ご安全に」という挨拶が冒頭に出てきたのには驚いた。労働現場では安全第一というのが現在でも同じで変わりないが、田舎から出てきたひよっこ達には何が何だか解らなかったのでは無いか?「ご安全に」というかけ声は電機などより造船、鉄鋼での現場で馴染みがある挨拶だ。
 
当時、トランジスタ工場や家電工場では多くの女子工員が東京圏では東北、大阪圏では九州から集団就職で働いていた。ひよっこの工場と同じく、全寮制で中には華道、茶道を習わせる会社もあった。トランジスタから半導体になり、ひよっこ達が組み立てていた基板も機械で挿入するようになり、やがて基板そのものがLSIに置き換わって行く。その過程で工場が休業に追い込まれることも多く、休業手当は100%でなくその度に工員は減って、中には故郷へ帰らずホステスに転職した人もいた。もちろん職場結婚も多かった。
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