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●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」

2023年04月11日 00時00分02秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年03月27日[月])
〝反核燃サイクル〟派…反核燃サイクルを唱えただけですが、それが、いまや「核武装」支持派になり果てて…。発送電分離(所有権分離)についてもいいこと言ってるよね、2013年3月野党自民党当時に。【電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり ウラで蠢く“電力族”はオモテに出て議論すべし ――河野太郎・衆議院議員インタビュー】では、《―発送電分離の議論はどのように見ているか。…発送電分離はあたりまえだ。電力利権に事故の原因があることは、国民のだれもがわかっているはずだ。所有権分離にまで踏み込むのは当然だ。そうでなければ、分離にならないでしょう。社内カンパニー制にすることはまったく意味がない。体質がそもそも問題なのだ。福島第一原発でおきた臨界事故を28年間も隠していた会社ですよ、東京電力は。》《――東京電力はどうすべきだったのか。…今のようにゾンビ企業にしないで出直させるべきだった。だいたい、資本主義の世界で、当時官房長官だった枝野氏は特定の会社を取り上げて破綻させないと言った。こんなことがあっていいのか。しかもその会社の株は、市場で自由に売り買いされている。知り合いの中小企業のオヤジさんたちは「じゃあ、うちの会社も破綻させないっていってくれよ。なんでもやるよ」と笑っている》。

   『●原発人災、犯罪者を追求すべし: 
      なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
        「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」

 『報道特集』(2017年12月2日)《核廃絶 問われる日本の姿勢》にて。河野洋平河野太郎親子の天地の違い…。息子は、大惨事アベ様内閣で入閣して以降、壊れゆく一方だ。「反核燃料サイクル派」さへかなぐり捨てていたかと思えば、外部大臣として自身の「ブログを読め」との御宣託だが、「核武装」支持派に回るとはね。あまりの情けなさ、壊れっぷりに呆れ果てた。

   『●行政改革担当相兼COVID19ワクチン接種担当相の河野太郎氏に、
     大変に名誉なことに、いつの間にかツイッターをブロックされていた…
   『●《「ブロック太郎」…過剰な自慢話は醜悪…長期にわたって新型コロナ
      ワクチン行政を混乱させた張本人が、何を血迷っているのか、と。》

 さて、西田直晃山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【河野太郎氏も警鐘を鳴らした使用済み燃料プールの危険性とは 原発への攻撃はウクライナ侵攻で現実化】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/232485)によると、《使用済み核燃料を巡り、貯蔵プールもろさを指摘する声は過去にもあった。「3.11で脆弱性がはっきりしたのは使用済み核燃料プール」「警備体制はどのように変わるんですか」 発言の主は河野太郎氏。今のデジタル相だ。東京電力福島第一原発事故から半年余りたった2011年11月、衆院決算行政監視委員会でこうただした。野党議員だった頃だ。翌12年9月にも自身のブログで「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」と書きつづった。いまも当時と同じ考えなのか。事務所を通じて質問したが、今月21日夕までに回答はなかった》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/232485

河野太郎氏も警鐘を鳴らした使用済み燃料プールの危険性とは 原発への攻撃はウクライナ侵攻で現実化
2023年2月22日 12時00分

 ロシアのウクライナ侵攻から24日で1年。この間、原発への攻撃が世界に衝撃を与えた。日本で備えを考える時、重要になるのが使用済み核燃料の扱いだ。原子炉で役目を終えると主に貯蔵プールで保管されるが、あの団体、あの政治家が問題視するのがプールの脆弱ぜいじゃくさだ。今のままでは原発が攻撃された際に「泣きどころ」となり、甚大な被害を招きかねない。岸田政権は原発稼働ばかりに力を注ぐ場合ではない。(西田直晃山田祐一郎

【関連記事】核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること


◆ロシアは侵攻直後から原発を狙った

     (ザポロジエ原発=ウクライナの原子力企業
      エネルゴアトムの公式サイトより)

 ロシアメディアがウクライナの原発への電源供給を遮断させるため、関連施設への攻撃を提唱している—。18日、米シンクタンクの戦争研究所はそんな見解を示した。

 翌19日。ロシア軍が占拠し、軍事拠点化しているウクライナのザポロジエ原発を巡り、同国の外務省は声明を発表した。ここでは安全確保のために常駐する国際原子力機関(IAEA)の専門家の交代をロシアが拒んでいると非難した。

 原発への攻撃は早くから危惧された。昨年1月の段階でウクライナ駐日大使のセルギー・コルスンスキー氏が懸念した。悪い見立ては的中し、ロシアの侵攻直後から原発は狙われた

 攻撃は続き、使用済み核燃料の貯蔵施設付近にも着弾したという。ロシア側はウクライナ側から攻撃を受けたと主張したほか、攻撃による最大のリスクは原子炉ではなく、使用済み核燃料の貯蔵施設と訴えた。

 甚大な被害をもたらしかねない使用済み核燃料は、ウランを原料とする。原子炉内で4〜5年間使用した後に取り出される。

 原子力資料情報室上沢千尋氏によると、この状況でも発熱量や放射線量はなおも高いままだ。国内では主に原子炉建屋内の貯蔵プールに保管し、水を循環させることで発熱量などを下げている。

 保管方法は貯蔵プールだけではない。プールで5〜6年冷やした後に「乾式キャスク」という金属製の容器に入れ、空気循環で冷却するタイプもある。「安全面では頑丈なキャスクのほうが数段上と言えるが、コスト面の事情もあり、まだ普及は道半ば。欧州に比べ、乾式キャスクの普及が遅れている」(上沢氏)


◆「外部攻撃に脆弱」と指摘するのは…

 ウクライナ侵攻後、貯蔵プールの脆弱性を問題視してきたのが、笹川平和財団の小林祐喜研究員だ。

 財団のサイトでは「原子炉が鋼鉄製で、さらに格納容器に守られ、外部からの攻撃に一定の頑強さを有する」とつづった一方、使用済み核燃料の保管は「多重防護の仕組みになっていない場合が多い」「外部攻撃に脆弱」「(水が尽きるなどして)使用済み核燃料が大気にむき出しになれば、高濃度の放射線が広範囲に放出される」と訴えた。

 東京電力福島第一原発事故でも4号機で水素爆発が起きた際、使用済み核燃料の貯蔵プールで異変が起きた可能性が取り沙汰された。取材に応じた小林氏は「福島事故後も日本はどう対策していくかが定まらなかった。やや認識が甘かったとも言える」と語る。

 ちなみに笹川平和財団の名誉会長だったのは故笹川良一氏。流れをくむ別団体の「笹川保健財団」の評議員には、福島県立医科大副学長の山下俊一氏がいる。福島原発事故後の講演で「放射線の影響はニコニコ笑っていれば来ません」と楽観論を披歴した人物だ。

 笹川平和財団も警鐘を鳴らす貯蔵プールの脆弱性。前出の上沢氏も「有事の際に貯蔵プールなどが破壊されると、建屋に近付けなくなる。取り返しの付かない事態が起きる」と話す。


◆野党議員時代の河野太郎氏も「潜在的な弱点」

     (河野太郎氏=1月28日、名古屋市で)

 使用済み核燃料を巡り、貯蔵プールもろさを指摘する声は過去にもあった。

 「3.11で脆弱性がはっきりしたのは使用済み核燃料プール」「警備体制はどのように変わるんですか」

 発言の主は河野太郎氏。今のデジタル相だ。東京電力福島第一原発事故から半年余りたった2011年11月、衆院決算行政監視委員会でこうただした。野党議員だった頃だ。翌12年9月にも自身のブログで「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」と書きつづった。

 いまも当時と同じ考えなのか。事務所を通じて質問したが、今月21日夕までに回答はなかった。

 では、岸田政権はどう対応しているのか。

 昨年10月の衆院予算委では、立憲民主党の岡田克也幹事長が「プールにある使用済み核燃料、本当に厄介だ」「ミサイルが当たったらどうなる」と質問。使用済み核燃料は貯蔵プールから出した上、金属製容器の乾式キャスクに移すことにより、防護力を高めるよう求めた。

 これに対し、答弁した西村康稔経済産業相は「原子力規制委員会が一元的に所掌している」「経産省としては差し控えたい」と述べ、所管外と言わんばかりの姿勢が際立った


◆規制委は「事実上無理だ」

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 名指しされた規制委がどうかといえば、ウクライナ侵攻直後の昨年3月、委員長だった更田豊志氏が会見で「武力攻撃に対して堅牢(けんろう)性を持つ施設という議論は計画もしていないし、事実上無理だ」と語り「お手上げぶり」をあらわにした。その上で一般論として「使用済み燃料プールよりも乾式キャスクのほうが防御力は高まる」と語った。現在の山中伸介委員長も見解を踏襲する。

 この1年で対策は進んだのかというと、規制委の広報担当者は「原子炉等規制法は、武力攻撃を想定していないという見解に変わりはない。テロ対策として乾式キャスクへの移行を改めて規制委が指示したということはない」と明かす。

 元原発設計技術者の後藤政志さんは「各電力会社はキャスクへの移行を計画してはいるが、使用後の燃料はプールで冷やした上で移す必要がある。この時間が相当かかる」と述べ、原発を運転し続ける限り、貯蔵プールでの保管は避けられない問題だと指摘する。

 岸田政権の鈍さにはこう憤る。「事故やテロといった大きなリスクがあるにもかかわらず、発生確率が低いと見なし、有効な対応を打たずにいる


◆核燃料サイクルが破綻しているのに活用に前のめり

 日本国内で原発で貯蔵している使用済み核燃料は、膨大な量だ。およそ2万トンに上り、多くは貯蔵プールで保管する。政府は「核燃料サイクル」を掲げて再利用をもくろむが、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場は完成が延期され続けている。再利用で減らそうにも、要の施設が機能せず、思うようにいかずにいる。

 だが、岸田政権は原発活用に前のめりだ原発の60年超運転次世代型への建て替え容認にかじを切った。脆弱なプールに貯蔵される使用済み燃料は増え続け、それだけ防護に手間も時間も要することになる

 「サイクルがずたずたに途切れているのに、政府は回っているように扱い、問題に向き合うことを避けている」。青山学院大の本間照光名誉教授(原子力損害賠償制度論)はそう語る。

 福島で原発事故が起き、ウクライナ侵攻で原発稼働に大きなリスクがあることが露呈したと訴え、こう続ける。「手に負えないリスクとコストに責任を持たないで来た。原発を動かす判断をするならば最低限、前提となるテロ対策、安全対策に手を打つべきだ」


◆デスクメモ

 原発が、使用済み核燃料の貯蔵プールが標的になる恐怖は容易に想像できる。攻撃されたときに生じる民間人の被害も。にもかかわらず、備えの議論は滞る。対して自衛隊は、防護対策として司令部の地下化まで論じられる。誰かを見捨て、誰かを守る。そんな国を愛せと言うの。(榊)
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●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている

2015年11月28日 00時00分07秒 | Weblog


asahi.com/aeraの記事【たまり続ける日本のプルトニウムに募る懸念 原発再稼働で指摘される別の問題】(http://dot.asahi.com/aera/2015111600063.html)。

 《最近まで「原子力ムラ」の中心にいた。その鈴木氏ですら、日本の原発で生み出され続けるプルトニウムが、これからの原子力政策を左右しかねないと心配する…核燃料サイクル固執する政府…世界の心配は核兵器への転用》。

 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《国際的に心配されているのは、日本の核燃料サイクルの破綻ではない。プルトニウムが核兵器に転用される恐れだ》。「空が落ちてくる」=「核兵器への転用」というのは杞憂だ、「核兵器など作れない」という原発推進派……《原子炉で生まれたプルトニウムでは核兵器が作れないというのは誤解に過ぎず現に米国では62年に成功している》。

   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず
   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、 
       「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
   『●「核燃サイクル―限界が迫っている」
         ・・・・・・いえ、すでに破綻しています

   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村:  
       どちらも「地獄」という二択だったのか?
   『●核発電という「経済麻薬」で思考停止: 
       川内原発2号機も再稼働へ向けて九電が暴走
   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     …私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
   『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
      「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」

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http://dot.asahi.com/aera/2015111600063.html

たまり続ける日本のプルトニウムに募る懸念 原発再稼働で指摘される別の問題
by ジャーナリスト・桐島瞬 (更新 2015/11/16 13:23)

    (フランス南部にあるMOX燃料製造工場。
     日本で使われる燃料もここで製造された。
     円筒形の容器はプルトニウムの運搬用
     /2013年10月 (c)朝日新聞社)
    (フランスから戻ってきたMOX燃料集合体が
     運び込まれた関西電力高浜原発3号機
     燃料プール/2013年7月 (c)朝日新聞社)


 政府が着々と進める原子力発電所の再稼働。事故への不安から反対運動が続く。しかし国際的には、別の角度から懸念の声が上がっているのだ。(ジャーナリスト・桐島瞬

   「(原発からできる)プルトニウムの核拡散リスクを
    過小評価しているのが、いまの日本。このままいけば、
    日本が掲げる非核政策にも国際社会から疑念が
    高まりかねない」

 こう話すのは、長崎大学核兵器廃絶研究センター長の鈴木達治郎氏。昨年3月までの4年間、内閣府原子力委員会の委員長代理を務めるなど、最近まで「原子力ムラ」の中心にいた。その鈴木氏ですら、日本の原発で生み出され続けるプルトニウムが、これからの原子力政策を左右しかねないと心配する。

 核兵器廃絶を目指す世界の科学者らが集まり、11月5日まで長崎で開かれた「パグウォッシュ会議」でも、日本のプルトニウム問題は議題になった。参加者らは青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働を無期限延期するよう安倍晋三首相宛てに要望書を送った。六ケ所村の再処理工場が動き出せば、さらにプルトニウムが増えるからだ。


●核燃料サイクル固執する政府

 日本が保有するプルトニウムは約47トン。軍事用も含めた全世界のプルトニウム約500トンの10%近くを占め、核兵器保有国以外では圧倒的に多い。うち10トンは国内の原発などに保管され、残り37トンは再処理を頼んだイギリスとフランスにある。

 では、なぜそんなに日本にはプルトニウムがたくさんあり、その何が問題にされるのか。

 原子力発電所で使用済みになった核燃料には、重量で約1%のプルトニウムが含まれている。プルトニウムを分離し、再び原発で使えるように加工する作業を「再処理」と呼ぶ。

 再処理されて生まれた分離プルトニウムを含む核燃料は、高速増殖炉やMОX炉と呼ばれる原子炉で使われる。なかでも高速増殖炉は、燃料に多く含まれる燃えないウランをプルトニウムに効率よく転換させる能力があり、使った分以上のプルトニウムを生み出すことから、何度でもリサイクルが可能。それが「核燃料サイクル」だが、実用化した国はいまだない

 高速増殖炉では、熱をよく伝えるナトリウムを冷却剤に使う必要があるが、ナトリウムは水と反応すると爆発するため技術的なハードルが高い。1995年に「もんじゅ」で起きた火災事故もナトリウム漏れが原因だった。

 鈴木氏はさらに指摘する。

   「もともとはウランの枯渇に備えてできた計画ですが、
    今ではウランは採掘可能年数が増し、海水にも
    無尽蔵にあることが分かってきた。早急に開発する
    必要性が薄まってしまったのです」

 先進各国の多くが80~90年代に次々と高速増殖炉の開発をやめる中、日本は諦めず、核燃料サイクルを続けるために、使用済み燃料をすべて再処理する政策を維持する。

 一方、肝心のもんじゅも事実上の「レッドカード」が見え隠れする状況に追い込まれている。試験運転中に燃料交換用機器を炉内に落とすトラブルで2010年から長期停止中。その後も約1万点の機器の点検漏れが発覚し、業を煮やした原子力規制委員会は11月13日、運営主体を日本原子力研究開発機構以外に代えるよう勧告した。代わる運営主体が見つからなければ、廃炉も現実味を帯びる。


●世界の心配は核兵器への転用

 ただ、国際的に心配されているのは、日本の核燃料サイクルの破綻ではない。プルトニウムが核兵器に転用される恐れだ。テロリストが盗み出して核兵器を作る。もしくは、再処理施設を核兵器製造の隠れみのにする国家が出るかもしれない。


●テロリストには十分の品質

 米ローレンス・リバモア国立研究所の国家安全保障政策研究所副所長を務めるブルース・グッドウィン氏は、最近東京で開かれたシンポジウムでこう断言した。

   「核兵器を作る初期の技術があれば、再処理された
    プルトニウムから広島型原爆の破壊半径の3分の1以上に
    なる核兵器が作れる原子炉で生まれたプルトニウムでは
      核兵器が作れないというのは誤解に過ぎず現に米国では
    62年に成功している

 実際、複数の核の専門家にも聞いたところ、テロリストが脅しに使う程度には十分な威力を発揮する核兵器が、再処理されたプルトニウムから作れるという。コンピューターの計算能力が飛躍的に向上したためだ。

 国際原子力機関(IAEA)プルトニウムが8キロあれば核兵器が製造できるとみている。日本国内の保有量は1350発分に相当する。

 IAEAには、核物質の兵器転用を防ぐ目的で査察に入る権利が認められているが、

   「査察に入るまでは準備などに4週間が必要。一方、
    核兵器転用には1~3週間あれば十分。これでは間に
    合わない」(米・核不拡散政策教育センター理事の
    ヘンリー・ソコルスキー氏)

 90年代にホワイトハウスで科学技術政策局次長を務めたフランク・フォンヒッペル米プリンストン大学名誉教授は、強い調子で指摘する。

   「日本の核施設は武装した警備員がいないなど、
    セキュリティーレベルが高いとはいえない。警備員が
    銃を携帯している米国ですら、核施設の警備体制を検査する
    模擬攻撃で特殊部隊が原発に潜入し、プルトニウムを
    “盗み出す”ことに成功してしまったことが一度ならずある。
    米国はすでに再処理をやめた。日本が再処理を続けよう
    とするのは危険すぎる」

 米国だけではない。中国の軍縮大使は10月に開かれた国連総会の第1委員会で、日本の余剰プルトニウムが核武装につながる可能性があると言及した。

 また、対北朝鮮に向けて核武装を望む国民が過半数を占めると言われる韓国。

   「日本が再処理をこのまま進めれば、米韓原子力協定で
    韓国も再処理の権利を主張するだろう」(米・天然資源防護
    協議会のジョンミン・カン氏)

 核拡散ドミノを防ぐ打開策はあるのか。

 鈴木氏やフォンヒッペル氏は、全量再処理した後の放射性廃棄物を地下深くに埋めるという政策をやめて、使用済み燃料をそのまま廃棄物として埋設する直接処分(ワンススルー)を採り入れるべきだと提案する。

   「地下深くに、拡張される前の羽田空港ぐらいの広さの処分場を
    一つ作れば、国内で発生する使用済み核燃料をすべて
    片づけられる」(鈴木氏)


●原発再稼働でさらに増加へ

 その場合、使用済み燃料を二重構造の乾式キャスクに50~100年程度、中間貯蔵して熱が下がるのを待ってから埋めることになる。使用済み燃料プールよりも頑丈なキャスクに納めて保管したほうが災害や盗難に対する安全性が高まるうえ、「埋設前に冷ますことで燃料同士の距離を詰められ、貯蔵スペースの節約にもなる」(フォンヒッペル氏)という。

 政府は昨年4月のエネルギー基本計画で、使用済み核燃料に関して直接処分の調査研究を進めると明言したものの、この調査研究はあくまでも「選択肢の幅を広げる意味」(資源エネルギー庁放射性廃棄物対策課)との位置づけで、核燃料サイクルの堅持の方針は変えていない

 経済産業省によると、東京電力福島第一原発の事故で国内の全原発が停止中だった昨年3月末時点で、約1万7千トンの使用済み燃料が国内の原発などに貯蔵されていた。その3分の2が再処理を待っている状態だ。

 加えて、今年8月の九州電力川内原発1号機を皮切りに始まった再稼働の流れが強まれば、再処理を待つ使用済み核燃料がますます増えることになる。

 核兵器問題を扱うアナリストの田窪雅文氏はこう強調する。

   「核兵器に利用可能なプルトニウムがあり余っている状態で
    再処理工場を動かして、さらにプルトニウムを取り出そうなど
    というのはもってのほか。他の多数の国々がやっているように
    使用済み燃料を中間貯蔵した後、直接処分するという政策に
    変えるべきです」

※AERA 2015年11月23日号
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●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

2014年01月31日 00時00分19秒 | Weblog


asahi.comの社説【原発政策―政治の無責任は許されぬ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付)。
東京新聞の社説【年のはじめに考える 福島への想い新たに】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html)。
asahi.comの社説【原発輸出―立法府から再考促せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付)。
asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?】(http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html)。
東京新聞の記事【原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html)。
北海道新聞の社説【理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな】(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html)。
asahi.comの記事【政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」】(http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01)。
最後に、東京新聞の社説【東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014011602000139.html)。

 『原発政策―政治の無責任は許されぬ』のならば、そのためには自公政治家に投票していてはダメ。『年のはじめに考える 福島への想い新たに』したいけれども、どうも自公政権を支持している人たちは、東京電力原発人災を忘れたがっているようだ

   『●国際的な「恥の上塗り」な恥さらし行為:
               「安倍政権 「復興予算」を「原発輸出」に流用」

 大飯原発が再稼働する以前も、再稼働停止後も、原発ゼロでも大丈夫だったじゃないの? 一方で、電力会社と原子力「推進」委員会は再稼働をやる気満々のようだが、3.11東京電力原発人災を経験した我が国がそのようなことをすることに対して倫理的に許されるのか? 「恥」「恥ずべき行為」でしょうに。

   『●続・今年「も」電力は足りた
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、
             さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい

 ましてや3.11原発人災の当事者の原発再稼働を政府が認めるわけだから、「以外の言葉が思い浮かばない。『政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」』に対して何も感じない自公支持者、自公議員投票者にも同じ言葉しか思い浮かばない。そして、原発輸出までしたくてうずうずしている自公政権、それでも、何にも感じませんか? それは、「将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている」という如実に「核=原子力」であることを示していますのに。

   『●醜悪な構図2: 原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付】

原発政策―政治の無責任は許されぬ
2014年1月6日(月)付

 福島第一原発の事故に苦しむ日本が、脱原発に向かうのか、それとも元の道に戻るのか。
 今年はその分岐点になる。
 原発の再稼働に対し、新しい規制基準にもとづく原子力規制委員会の最初の判断が、春ごろ示される見通しだからだ。
 これまでに規制委に審査を申請したのは、7電力会社の9原発16基。東海地震の想定震源域にある中部電力の浜岡原発(静岡県)についても、近く申請される予定だ。

目に余るご都合主義
 歩調を合わせるように、自民党内では「早期再稼働」の声が大きくなっている。
 昨年12月25日には、原子力規制に関する党内チームの座長を務める塩崎恭久衆院議員が規制委に出向き、田中俊一委員長に、もっと国会議員や立地自治体の首長、電力会社らの意見を聴くよう迫った。
 規制委の設置にあたり、民主党政権が出した法案に「独立性が足りない」と詰め寄り、今の形に修正したのは、塩崎氏をはじめとする自民党だ。
 ところが、規制委が活断層の調査や規制基準の策定に厳格な姿勢を見せるや、原発推進派の不満が噴出する。自民党が政権に返り咲くと、影響力を行使しようとする流れが加速した。
 ご都合主義が目に余る。
 自民党の長期政権下で原発の安全神話を増長させ、必要な対策を怠ってきたことへの反省はどこへいったのか。
 ただでさえ、急ごしらえの規制委は人材が不足し、財政面での制約もある。むしろ、そうした態勢面の充実をはかることが政権党のつとめだろう。
 安倍政権は、表面的には「原発比率を下げる」と言いつつ、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、規制委の基準に適合した原発は動かす方針だ。
 しかし、規制委が判断するのは科学的な根拠にもとづく最低限の安全確認にすぎない。事故リスクがゼロにならない以上、口先だけではなく、「原発比率を下げる」手立てを総合的に講じるのが政治の役割だ。
 そうした見取り図も示さず、再稼働の判断はすべて規制委に丸投げし、そこへの圧力めいた動きは放置する。なし崩し的な原発回帰と言うほかない。

■採算なき再処理事業
 再稼働への政権の姿勢が原発政策を無責任に「元に戻す」典型だとすれば、「元のままでやり過ごす」無責任の象徴が、使用済み核燃料を再処理して使うサイクル事業の維持である。
 巨額のコストがかかり、資源の有効活用という意義がなくなった核燃サイクル事業は、「撤退」が世界の流れだ。
 政府は、非核保有国として唯一、再処理を認められた事情から「日米による原子力協力」を掲げる。
 だが米国には、日本が海外での再処理によって核兵器数千発分のプルトニウムをため込んでいることが、他国のプルトニウム保有の口実になりかねないことへの強い懸念がある。
 再処理や核拡散問題に詳しい海外の研究者ら5人も、青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働中止を求め、それがすぐに決められない場合は長期間棚上げすべきだ、などとする共同提案をこのほど朝日新聞に寄せた。
 「再処理しないと使用済み燃料があふれる」との政府の説明も説得力に欠ける。
 将来、地中に埋めることを前提に、当面は「乾式キャスク」という容器に入れて地上で保管する方法が海外ではすでに確立している。日本学術会議もこの方式を提言している。

■政策転換への機会に
 福島第一原発の事故収束や老朽化した原発の廃炉、代替電源の開発、送電網の再構築など、電力産業が今ほど資金を必要としているときはない。
 一方で、巨額の設備投資を電気料金で確実に回収できる総括原価方式は、廃止が決まっている。巨大な「金食い虫」になることが確実なサイクル事業を続ける余裕はないはずだ。
 政府内では過去にも政策転換が模索されてきた。それが実現しなかった背景には、使用済み燃料を再処理への「資源」として受け入れてきた青森県に「廃棄物の処分場にはしない」と約束してきた経緯がある。
 再処理をやめれば、各原発が青森県から使用済み燃料の引き取りを求められ、原発の稼働に支障が出るという恐怖心だ。
 だが、これだけ大きな原発事故を起こしたのである。切るに切れなかった不良債権を処理する機会にすべきだ。
 もちろん青森県にはていねいに説明する必要がある。乾式貯蔵についても電力消費地を含めた協議が必要だ。必要な費用を誰がどう負担するかなど課題は山積している。それでも、意味のないサイクル事業を続けるより、はるかに建設的だ。
 原発事故の後始末で、国は一歩前へと出る決断をした。原発政策全体についても、責任放棄は許されない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html

【社説】
年のはじめに考える 福島への想い新たに
2014年1月4日

 時間を押し戻そうとするかのような北風が、年の瀬を駆け抜けました。三度目の年頭。もう一度、心に深く刻まなければなりません。福島を忘れない。
 オランダの首都アムステルダムの街を歩くと、三つ並んだ十字の印を至る所で見かけます。
 赤い地の真ん中に、黒っぽい横線が一本、その上に白い十字が横に三つ並ぶのは市の旗です。
 そして、二頭のライオンに挟まれて、十字が縦に三つ並ぶのが市の紋章です。

十文字が意味するもの
 三つの十字の意味はと言えば、その昔、街を襲った三つの災い、洪水、火災、感染症を表しているそうです。
 起こりうる災いの怖さを子々孫々まで語り継ぎ、常に備えを怠ることがないように、あえて十字を掲げています。
 江戸時代からオランダに多くを学び、近代化の礎にしたこの国も、災厄を歴史に刻む方法までは、教わらなかったと言うのだろうか。首都東京の中心が、忘却の波に沈み始めているようです。
 福島の事故現場は収束に向かうどころか、混迷を深めています。
 爆発を免れた4号機では、傷ついていない核燃料の取り出し作業が始まりました。
 しかし、1~3号機から溶け出した燃料は所在さえつかめません。原子炉格納容器の外に溶け落ちた恐れもある。無事故でも一基百年といわれる廃炉、解体への道は、緒に就いたとも言い難い。
 汚染水は年末年始もお構いなしに流れ出ています
 熟練の作業員は、被ばく線量が限度に達して次々に現場を離れ、作業の質は低下する。
 自治体に丸投げされた、有事の際の避難計画作りは一向に進みません。計画はできたとしても、目に見えない放射線からどこへ逃げれば安心なのか。
 使用済み核燃料の捨て場所は、どこにも見つからないでしょう。リサイクルの計画も夢物語の域を出ていません。
 十字、いやバツ印をいくつ付ければいいのでしょうか。
 これだけ多くの災いの種を抱えているにもかかわらず、政府は前政権の「二〇三〇年代原発ゼロ」から一転、原発を「重要なベース電源」と位置付けました。
 ベース電源とは、二十四時間、しかも安価に稼働させられる電源です。震災前は、原発と揚水発電以外の一般水力。そして石炭火力がそうでした。

原発こそ不安定では
 電力需要時に足りない分を補うのが、ピーク電源と呼ばれるLNGや石油火力です。
 原発は、出力調整が極めて難しく、一度運転を始めたら、二十四時間最大出力で、突っ走るしかありません。
 今、国内に五十基ある全ての原発が、再び停止しています。
 天候に左右されやすく、出力が不安定な風力や太陽光には、ベース電源の重責を担えないといわれています。
 だとすれば、無限大の安全管理が必要な、扱いにくい原発こそ、最も不安定な電源なのだと考えなければなりません。
 原発を動かさないと、LNGや石油火力の燃料費がかさみ、電力会社は年間三兆六千億円の負担増、百万キロワット級の原発一基を稼働させれば、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、一年で0・5%減らせるとされています。
 原発は、本当に割安なのか。
 政府によれば、福島の賠償と除染、さらに廃炉や汚染水対策に、少なく見積もって約二十兆円の費用がかかります。
 東電の負担なら電気料金への転嫁、国が持つなら税金です。結局つけは国民に回ります。どれだけお金を使っても、福島の人たちの暮らしや風景は、もう元へは戻せません。
 現在十六基の原発が、原子力規制委員会に再稼働の申請を出しています。政権は今年を、再稼働の年にしたいのでしょう。
 原発は金のかかる危険なものだということに、国民の多くはもう気づいているはずです。
 温暖化対策ならば、再生エネルギーの普及の方が王道です。私たちは“太陽と風の年”をめざしましょう。

フクシマを心の地図に
 ドイツでは、再生可能エネルギーへの転換が着々と進んでいます。総電力の約二割を賄い、温室効果ガスを一九九〇年比で二割以上減らしています。
 市民自ら電力会社を設立し、再生可能エネルギーでつくった電力だけを地域へ供給するという、エネルギー自治も進んでいます。
 なぜでしょう。
 スリーマイルとチェルノブイリとフクシマを、心の地図にしっかりと、刻みつけているからです。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付】

原発輸出―立法府から再考促せ
2014年1月8日(水)付

 安倍首相がトルコのエルドアン首相と会談し、日本からトルコへの原発輸出を進めることを確認した。
 経済浮揚につながるとして原発輸出に積極的な安倍政権だが、過酷事故が起きれば被害は一国にとどまらず、日本も責任を負わせられかねない
 使用済み核燃料の最終処分や管理方法の確立といった国際課題もある。日本とトルコとの原子力協定は、核燃料サイクルをめぐる記述すらあいまいだ。
 協定の発効には国会の承認がいる。与野党の議員は立法府の責任として、政府に再考を促すべきだ。
 トルコとの原子力協定で問題視されているのは、ウラン濃縮と、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理に関する記述である。将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている
 いずれも核兵器の製造につながりかねない技術だけに、国際社会はきわめて神経質に対処してきた。
 今回、協定が発効したとしても、トルコが簡単に再処理できるわけではない。先の国会でも岸田外相が「日本として認めない」と答弁している。
 にもかかわらず、不明瞭な記述となったのは「肯定的な表現」を求めるトルコ側の要望を受けてのことだという。原発輸出の道筋を早くつけたい日本の前のめりぶりを表している。
 ごく一部の国に限られていた原発の利用は、ここにきてエネルギー不足に悩む新興国に広がっている。安倍首相がトップセールスで原発を売り込んでいる先も新興国ばかりだ。
 原発開発を急ぐ国々には、政情不安な地域や非民主的な政治基盤のところが少なくない。安易に原発を売り込み、相手の求める内容で協定を結べば、核不拡散への国際的な取り組みは難しさを増す。
 ただでさえ、国際原子力機関(IAEA)による従来型の査察は強制力に欠けるなどの限界が指摘されている。
 日本自体、核燃サイクルは頓挫しており、海外への再処理委託で大量に積み上がった余剰プルトニウムの確実な処理が国際的な関心事となっている。
 まずは、足元の問題解決に専心し、放射性廃棄物の管理や処分をどうするかという国際課題に正面から取り組む。それが、安倍政権の責務だろう。
 野党はもちろん、自民党内にも拙速な原発輸出や協定発効に対する慎重論があるという。与野党協力して立法府の良識を示してほしい。
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http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?
2014年1月10日09時30分

■原発ゼロで迎えた新年

 あけましておめでとうございます。高速増殖炉のもんじゅ君ですだよ。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 じつは2014年は、1970年代以来、はじめての原発ゼロで迎えたお正月だったんだ。昨年9月に福井の大飯くん3号機、4号機が定期点検のためにストップして、そのままゼロがつづいているんだね。
 いまは暖房の必要な冬の季節だけれど、原発がなくたって電力不足にはなっていないね。このことがもっと知られるようになるといいな。

■年の瀬ぎりぎりの再稼働申請
 ところで、年末ぎりぎりにふたつの原発が再稼働の申請を出したんだよ。そのあとすぐ世間はお正月休みに入っちゃって、あまり大きなニュースにはならなかったけれどね。
 ひとつは12月25日、島根原発2号機が再稼働を申請したんだ。
 島根くんは松江市に位置していて、全国で唯一、県庁所在地にある原発なの。万が一の事故があったときに、人口の多い市街地まで10キロという近さなんだよ。

震災で被害のあった女川も再稼働?
 そしてもうひとつは、宮城県にある女川原発の2号機。こちらは12月27日と、まさに仕事納めの日に申請が出されたの。
 女川原発1~3号機は、ふくいち君とおなじように、2011年の東日本大震災で被害を受けたんだ。電力の5系統のうち四つが地震で断線して、過酷事故にもなりかねない状況だったといわれているんだよ。
 再稼働申請を出した2号機なんかは、震災で建屋の地下が浸水して、冷却水ポンプもこわれたの。国際原子力事象評価尺度(INES)では「レベル2」の事態だと認定されたんだ。

■地震・津波がくるとわかっているのに
 巨大地震と津波におそわれることのある場所だとわかっていても、女川くんは再稼働申請が出されちゃったんだ。建屋の耐震性を上げたり、防潮堤を建てたりという安全対策は計画されてはいるものの、こんなに早く再稼働を表明できてしまったことに、ボクはすこしびっくりしたよ。
 2013年10月の宮城県内の世論調査では、再稼働に反対する声が60%を超えていたから、県民の要望というわけでもないんだよね。
 いかにいま、原発をとりまく雰囲気がゆるんでいるのか、電力会社さんたちがエイヤッと申請してしまえるような政治的追い風があるのか、ということを痛感しちゃうよ。

■ずさんすぎて再稼働の許可に遅れ
 そんなわけでいまは全国で7電力会社、9原発、16基から再稼働の申請が出ているの。
 当初は再稼働の審査には半年から1年ほどがかかるといわれていたんだ。だから、早ければ昨年7月に申請した原発たちが2014年頭に再稼働をはじめるかな?という見方もあったんだけど、そうはなっていないよね。
 それは、原子力規制委員会さんは「安全に動かすためにはこれとこれを用意してくださいね」と条件を出していたのに、多くの電力会社さんが「えーい。まじめにぜんぶ準備してたら時間かかっちゃうもんね。とりあえず書類を出しちゃえ」と見切り発車で申請しているからなんだ。

■安全審査の見切り発車はやめてね
 2013年7月の申請ラッシュのときには、ボクもニュースを見ながら「あれれ? 準備が不十分なままでも再稼働の書類って受理してもらえるんだ。雑だなぁ……」とびっくりしてたんだけど、さすがにそのままでは審査はパスしないみたい。
 ただでさえ日本の安全基準は、真下の活断層ばっかり気にしていてヌケやモレが多いといわれているの。審査だけでもせめてしっかりとして、見切り発車はやめてほしいよね。
 春以降には審査の済んだ原発も出てくるかもしれないけれど、そのときには地元の人たちの「こわいよ」「ホントに大丈夫?」って声がますます重要になってくると思うよ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html

原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変
2014年1月10日 朝刊

 安倍政権の原発政策で矛盾が表面化している。安倍晋三首相や自民党の石破茂幹事長は「原発依存度をできる限り低減させる」と強調するが、昨年末、政府がつくったエネルギー基本計画案では原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けている。原発再稼働にも突き進もうとしており首相らの言葉は「二枚舌」と批判されかねない。 (金杉貴雄

 首相は六日の年頭記者会見で、原発について「エネルギー源の多様化を図りながら、可能な限り依存度を低減するのが基本方針だ」と強調した。
 首相らは、脱原発を求める世論を意識。「首相が決断して即ゼロに」と求めている小泉純一郎元首相の影響力も考慮し、原発政策を語る時は必ず「依存度減」を強調する。石破氏も「小泉氏と方向性は変わらない」と取りつくろう
 だが、現実の対応は逆だ。エネルギー基本計画案では、民主党政権時代の「二〇三〇年代の原発ゼロ」を破棄。原発を「重要なベース電源」と位置付け「基盤となる」との表現まで追加した。「依存度を可能な限り低減」との表現も盛り込んだが、原発推進の姿勢を鮮明にした。
 政権の姿勢には、経済成長には原発による安定的な電力供給が不可欠との判断や、自民党内で電力会社と密接な関係を保つ電力関係議員が発言力を増している影響がある。
 政権は、各電力会社が原子力規制委員会に申請した再稼働の審査が終わる見込みの春ごろから、原発を再稼働させていく方針。現在の「原発稼働ゼロ」の状態を転換し、稼働率を高めていこうとしている。
 だが、エネルギー基本計画案には自民党内からも「東京電力福島第一原発事故を引き起こした過去の原発政策への反省がない」と批判の声が出ている。連立与党の公明党からも異論が出始めている。
 政府は、計画案を一月中に閣議決定する方針だったが、ずれ込む可能性もある。
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html

社説
理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな(1月11日)

 将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている
 原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画案、福島第1原発事故による避難住民の全員帰還を断念する復興加速指針、事故対策への国費投入を拡大する東電の新再建計画。
 政府は昨年末、議論を尽くすことなく、これらの重要な政策を矢継ぎ早に打ち出した。
 年が明け、新たな規制基準で原発再稼働を判断する原子力規制委員会の審査が始まってから半年が経過した。早ければ今春にも最初の審査結果がまとまる見通しだ。
 エネルギー基本計画案は原発依存度を可能な限り低減させるとしながら、将来の電源構成比率を示していない。時間を稼いで再稼働の既成事実を積み重ね、その結果を追認させようとする意図は明らかだ。
 これが原子炉3基の炉心溶融という大惨事を引き起こした国の政策だろうか。事故の反省も再生可能エネルギーを育てる意欲も見えない。なし崩しに原発回帰を図るようなやり方は断じて認められない。

   ◆サイクル堅持する愚◆

 日本原燃は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委に審査を申請した。
 工場は20回も完成延期を繰り返し、本格操業のめどは立たない。
 それでも申請に踏み切ったのは、「核燃料サイクルの推進」を盛り込んだエネルギー基本計画案に力を得てのことだろう。
 長期にわたって巨額の費用を投じながら、展望が全く開けない国家プロジェクトの事例の中でも、核燃サイクルは最悪の見本だ。
 仮に再処理工場が稼働しても、プルトニウムを燃やす高速増殖炉が実用化される見込みはない。
 プルトニウムを通常の原子炉で使用するプルサーマル計画は安全性に疑問があり、コストも高い。
 日本は既に、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを国内外に44トンも抱えている。さらに増え続ければ、核不拡散の見地から国際的な批判を招くだけだ。
 核燃サイクルが破綻した現実に目をつむり、ひたすら延命を図る厚かましさには驚くほかない。
 青森県など関係自治体と代替策を話し合い、サイクル撤退の道を追求することこそ政治の役割だ。

   ◆問題多すぎる再稼働◆

 再稼働に向けた安全審査は、北海道電力泊原発を含む9原発16基について行われている。電力各社の地震や津波の想定には甘さが目立ち、安全対策への熱意がうかがえない。
 北電も原子力規制委の指摘を受け、最大津波の高さをはじめ火山噴火や竜巻被害の想定などで修正を繰り返してきた。敷地内や海底の活断層の疑いも依然残されている。
 規制委は政治的圧力や経済性に左右されぬ原則を貫き、厳格な審査に徹しなければならない。
 周辺自治体の住民避難計画作りも遅れている。泊原発から30キロ圏内の13町村は本年度内に作成する予定だが、問題はその中身だ。
 計画の基礎となる防災指針自体が急ごしらえで、規制委によってさみだれ式に追加修正された。計画はあっても、渋滞対策など詰めるべき課題が多い。訓練も不足しており、現状では実効性が疑わしい。
 政府は再稼働の問題を規制委に、避難計画を自治体にそれぞれ丸投げし、成り行きまかせの状況を静観している。無責任な態度と言わざるを得ない。
 少なくとも「原発依存度を下げる」と言うのであれば、全原発が停止している今こそ、その展望と電源多様化の具体策を示すべきだ。
 福島の事故後、国内の原発はほとんど稼働していない。政治の意思と目標が明確になれば、多くの国民は新たな挑戦に踏み出す用意がある。

   脱原発の見取り図を

 跳ね上がる安全対策費、立地対策を含む社会的コストなどを考えれば、原発は割安な電源ではない。あてのない放射性廃棄物処分、福島の事故の賠償、除染、廃炉の費用も際限なく膨らむだろう。
 復興加速指針は、政府が福島の一部地域について原状回復を事実上放棄することを意味する。
 放射能汚染によって故郷が失われ、人が住めなくなってしまうような事態をコストに換算することなど、そもそも不可能なのだ。
 一昨年、民主党政権に「原発ゼロ目標」を掲げさせた脱原発を求める民意は、決して揺らいでいない。
 将来のエネルギーの選択は結局、どのような社会に暮らしたいかという根本的な問題につながる。
 途方もない危険と巨額で無意味な負担を先送りしない見取り図を描き、真剣に到達の道筋を考える時だ。
 そのために国民が議論する機会さえ封じておいて、脱原発の目標をあっさり否定するのは、民意軽視も甚だしい。
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http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01

政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」
2014年1月15日19時07分

 政府は15日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を正式に認定した。2014年度中に柏崎刈羽原発(新潟県)の4基を再稼働させるなどして、年間で1千億円以上の経常黒字を安定して稼げるようにする。再稼働が想定より遅れた場合、電気料金を最大で1割値上げすることも盛り込んだ。
 政府は、原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を通じて東電株の過半数を保有し、実質的に国有化している。再建計画は、除染など福島第一原発事故の対応で東電を支援する前提になっており、政府と東電は一体となって原発の再稼働を進めていく。
 新たな再建計画は、東電と原賠機構が昨年末に政府に申請していた。認可された計画では、原子力規制委員会が審査している柏崎刈羽6、7号機の7月からの再稼働をめざす。安全対策工事をしている1、5号機も15年3月までに動くと想定し、14年度は1677億円の経常黒字を見込む。

・・・・・・・・・。
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●原子力「安全神話」とは何だったのか?: 「”ピンホール”問題先送り」問題

2013年12月14日 00時00分46秒 | Weblog


河北新報の二つの記事【福島第1原発1号機 燃料震災前破損70体 全体の4分の1】(http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131116t63022.htm)と【福島第1原発・破損燃料80体 移送困難 廃炉阻む】(http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131202t63008.htm)。また、『小出裕章ジャーナル』の記事【燃料棒70体が震災前から損傷? 「70年代の初め頃はそういうことが年がら年中あってですね、あっ、また穴があいちゃったということで、使用済燃料プールの中に移すということをやってきました」~第47回小出裕章ジャーナル】(http://www.rafjp.org/koidejournal/no47/)。

 「福島第1原発1号機の使用済み燃料プール内にある燃料棒70体が東日本大震災前から損傷していた」、また、「70体の燃料棒は、小さな穴が空いて放射性物質が漏れ出すなどトラブルが相次いだため、原子炉から取り出してプール内に別に保管していた」のだそうです。それをずっと先送りしてきていたわけです。しかも、それをずっと東電は隠していました。「安全神話」を垂れ流していたのです。「東電は専用の輸送容器を新たに製造するなど対応策を検討する」って、震災前・原発人災前は一体何をしていたのでしょうか? 2番目の記事が言う通り、
  
   「破損燃料は1号機が運転を始めた1971年以降、保管された。
    ひび割れや穴から放射性物質が漏れて移送が難しく、東電は
    破損燃料が出るたびにプールに仮置きする弥縫(びほう)策に終始し、
    長年、問題解決を先送りに・・・・・・」
  
してきたのです。
 後藤政志さんによると、「破損燃料からはフィルターでも除去できない放射性の希ガスが大量に発生し、10万年単位で隔離する必要がある」・・・・・・そうで、一体どんな「安全神話」だろうか!?、と呆れ返る。

 「破損燃料は東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)にも計38体が保管されていた」そうだが、それさえ解決出来ないのに、それでも柏崎刈羽を再稼働しようというのだから、一体どんな企業倫理なのか?
 当たり前ですが、東電だけでなく、小出裕章さんの話によると、関電も相当に「汚いこと」をやっているようです。所詮、電力会社に企業倫理や環境倫理を求めても詮無いことでしょうが、その結果の重大性があまりに大きすぎます。
 
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http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131116t63022.htm

福島第1原発1号機 燃料震災前破損70体 全体の4分の1

 福島第1原発1号機の使用済み燃料プール内にある燃料棒70体が東日本大震災前から損傷していたことが15日、分かった。プール内に保管されている使用済み燃料292体の4分の1に相当する。損傷した燃料棒を取り出す技術は確立しておらず、2017年にも始まる1号機の燃料取り出し計画や廃炉作業への影響が懸念される。
 東京電力は、15日まで事実関係を公表してこなかった。同社は「国への報告は随時してきた」と説明している。
 東電によると70体の燃料棒は、小さな穴が空いて放射性物質が漏れ出すなどトラブルが相次いだため、原子炉から取り出してプール内に別に保管していたという。
 18日に燃料取り出しが始まる4号機プール内にも損傷した燃料棒が3体あり、東電は通常の取り出しが困難なため、対応を後回しにしている。
 損傷した燃料棒は1、4号機プールのほかにも2号機プールに3体、3号機プールに4体の計80体ある。東電は専用の輸送容器を新たに製造するなど対応策を検討する。
 損傷燃料が1号機に集中している理由について、東電は「1号機は当社で最も古い原発で、燃料棒の製造時、品質管理に問題があり粗悪品が多かったと聞いている。2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」と説明した。
 1号機は東電初の原発で、1971年3月に商業運転を開始した。

2013年11月16日土曜日
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http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131202t63008.htm

福島第1原発・破損燃料80体 移送困難 廃炉阻む

  (4号機で始まった燃料取り出し作業。破損燃料の存在が明らかになり、
   廃炉作業に支障を来す可能性がある=11月26日、福島第1原発)

 福島第1原発1~4号機の使用済み核燃料プールに、原発事故前から80体の破損燃料が保管されていたことが明らかになった。処理が難しく、4号機で始まった取り出し作業に影響する可能性がある。

 東京電力によると、80体は燃料集合体で1号機に70体、2号機に3体、3号機に4体、4号機に3体。ほかに5、6号機に各1体、第2原発2号機に2体ある。ひび割れがあったり、小さな穴が開いたりしている。
 1号機の使用済み燃料は計292体で、破損燃料の比率は4分の1に迫る。70体のうち67体が米ゼネラル・エレクトリック社製で、残る3体は日本ニュクリア・フュエル社(現グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン)が製造した。
 破損燃料は1号機が運転を始めた1971年以降、保管された。ひび割れや穴から放射性物質が漏れて移送が難しく、東電は破損燃料が出るたびにプールに仮置きする弥縫(びほう)策に終始し、長年、問題解決を先送りにした。
 燃料取り出しは廃炉工程の主要作業で、東電は第1弾として11月18日に4号機で始めた。2014年末までに全1533体を取り出す予定だ。3号機は15年度、1、2号機は17年度に実施する計画を立てている。
 東電は「破損燃料は専用のキャスクを作って対応する」と工程への影響を否定しているが、福島原発での破損燃料の移送実績はなく、成否は不透明だ。国も破損燃料の輸送と保管に関し、合理的な安全規制の必要性を緊急課題に挙げている。
 破損燃料は東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)にも計38体が保管されていたことが判明し、原発問題の新たな論点に浮上している。
 元原子炉設計者で芝浦工大非常勤講師の後藤政志さんは「破損燃料からはフィルターでも除去できない放射性の希ガスが大量に発生し、10万年単位で隔離する必要がある。廃炉作業に与える影響は大きい」と指摘している。

2013年12月02日月曜日
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http://www.rafjp.org/koidejournal/no47/

小出裕章ジャーナル
燃料棒70体が震災前から損傷?「70年代の初め頃はそういうことが年がら年中あってですね、あっ、また穴があいちゃったということで、使用済燃料プールの中に移すということをやってきました」~第47回小出裕章ジャーナル

聞き手:
河北新報が11月16日に驚くべき発表をしました。福島第一原発1号機の使用済燃料プールの中にある燃料棒70体が3・11の地震の前から損傷していたと発表したのですが、地震の前に燃料棒って損傷するんですか?

小出さん
するのです。特に福島第一原子力発電所の場合は1号機で損傷は多発したと東京電力は言っているのですが、福島第一原発1号機というのは1971年から動きはじめまして、米国の中でも原子力発電所の運転経験がない頃に、米国のGEが作ったという原子力発電所で、燃料棒に度々欠陥が生じてですね、穴が空いてしまったり割れてしまったりというそういうトラブルがたくさんありました。


聞き手:
燃料棒に穴があいたり、割れたりするとどうなるんでしょうか?

小出さん
放射能が漏れてきて、一時冷却水が汚れてしまうわけです。


聞き手:
そんな時が通常運転の時から・・・。

小出さん
そうです。70年代の初め頃はそういうことが年がら年中あってですね、あっ、また穴があいちゃったということで、使用済燃料プールの中に移すということをやってきました。


聞き手:
また穴があいちゃったって、そんなことを言っている場合じゃないと思いますけど。

小出さん
本当はそうですけど、やったことがないこと、原子炉を動かすということを始めた頃の事なんですね。やってみたら、原子炉を動かす様々なトラブルが出てくるというそんな時代でした。


聞き手:
1号炉は欠陥炉である上に、操作も欠陥だったんですか?

小出さん
操作というか、燃料棒の、ジルコニウムという金属でできているのですが、その製造の仕方とか、そういうことも手探りでやってきた時代だったのです。ですから、燃料棒を作ってみたけれど、やっぱりこれでは穴があいてしまう、一冷却水の燃料棒管理もこんな形ではよくないな、と手探りでやっていたのです。


聞き手:
今もきれいな福島の海を汚しているのですが、もっと前から汚してきたのですか?

小出さん
原子力発電所が運転されてしまえば、汚れない空気もないし、汚れない海もなかったのです。ただ、今進行しているのは、それとは全然桁違いの汚染が生じているわけですけれども、汚染自身は原子力発電所が動いてしまえば、どうにもならずに生じてきたのです。


聞き手:
これね、今になって東電は公表するんですよ。

小出さん
それが汚いですよね。


聞き手:
今まで放っといたのですか。

小出さん
原子力安全委員会とか、そういうところには、彼らはピンホールと呼ぶのですが、本当に針でつついたような小さな穴があきました、というそういう報告はたぶんしていたと思います。

ただし、実際に本当にピンホールであったのか、大きく破損していたかということは実はわからないことでして、例えば、関西電力の美浜1号機という原子炉が1971年から動き始めたのですが、そこでは動き始めてしばらく経って、73年に2本の燃料が70センチも欠けてなくなったという、そんな事故があった。それなのに関西電力はそれを一切報告しないまま隠してしまったということがありました。

その事故は76年になってようやくに発覚したのですが、その時も関西電力は燃料棒を動かすときにぶつけて落ちちゃっただけなんだという嘘、偽りの釈明をしました。


聞き手:
嘘というのはなぜ・・・。別の理由があったんですか?

小出さん
私はその時の事故調査に加わったのですけれども、もう壊れた時に、一時冷却水に大量の放射能が漏れてきたりと、そういうデータがちゃんと残っていました。それはすぐに関西電力もわかるはずで、定期検査になってすぐに取り出して隠してしまった。そういうことをやったのです。

聞き手:
そういうことはほかの原発でも起こっている可能性が高い。

小出:もちろん、東京電力が言っているピンホールというのは当時から山ほど起きていましたし、実はピンホールではなくて、もっと大きな破損というのもあったかもしれないのです。


聞き手:
福島第一原発4号機の燃料棒を取り出した後はどうするんですか? 中間貯蔵施設に入れるということですか?

小出さん
それぞれの原子力発電所には、それぞれの燃料プールというのが元々あったのですが、次々と使用済燃料棒が増えてきてしまいまして、すでにもうほとんどの原子力発電所の中の敷地の中のプールは満員なのです。そのために何を始めにやったかというと、六ケ所村の再処理工場というのを作りまして、そこに3千トン分の使用済燃料棒が入るプールを作りました。

そこに次々と使用済み燃料棒プールを移動させました。本来であれば、再処理工場が動けば燃料がなくなっていくわけで、そこで次々と移そうとしていたのですが、再処理工場は全く動きませんので、もう六ヶ所の再処理工場の使用済み燃料棒プールも満員になってしまった。そうするともう入れ場がなくなりましたので、今度は中間貯蔵施設というものを青森県のむつ市に作りました。

ただし、むつ市の中間貯蔵施設に入れられるのは、東京電力と日本原子力発電の燃料だけです。ただ、5千トン分ありますので、東京電力と日本原子力発電はこれからしばらくの間は中間貯蔵施設を使うことでなんとか凌げるだろうと思います。

ただ、他の電力会社は今どうにもならなくなっていますので、新たにまた、中間貯蔵施設を作らなければならなくるだろうと思います。
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●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・恐怖の作業の状況は、いま、どうなっているのか?

2013年12月13日 00時00分11秒 | Weblog


asahi.comの記事【(ニュースのおさらい)原発の廃炉が本格化したね】(http://www.asahi.com/articles/TKY201311300062.html)。

 「つり下げた容器が落ちないようワイヤを二重(にじゅう)にしている。また、建物にカバーをかけて放射性物質が外に出るのを防ぐ」そうだが、それでも落下した際、キャスクが破損して取り返しのつかないことにならない保証はあるのだろうか? 大変に心配だ。

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
           「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●「宙吊り」下の「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の
                   14000発分」を「UFOキャッチャー」・・・
   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
                  「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業
   『●東電の「万全」神話: 「作業員の安全を祈らずにはいられなかった」
   『●東電原発人災「事故収束」=廃炉:
        最初の一歩ではあるが、とてつもなく遠く、とてつもなく危険な道のり

 関連ニュースは、(非)特定秘密隠蔽法関連で、吹っ飛び、全く情報がマスコミでは無くなってしまったように思う。
 隠蔽法のために、何も情報が出てこなくなるようであれば、より一層恐ろしい。経産省も「脱原発」の方針を覆そうとしており、また、我国には原子力「推進」委員会”しか”存在していない心細い状況。隠蔽法のために、現場からの声も潰される。

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
   『●特定秘密隠蔽法と恫喝: 被曝労働の上に世間に「声」を発することも許されず

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http://www.asahi.com/articles/TKY201311300062.html

(ニュースのおさらい)原発の廃炉が本格化したね
2013年11月30日14時55分

 東日本大震災で事故を起こした東京電力福島第一原発(とうきょうでんりょくふくしまだいいちげんぱつ)から、使用済(しようず)み核燃料(かくねんりょう)を取り出す作業が18日、始まりました。人体に悪影響(あくえいきょう)のある放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)を含(ふく)んだ燃料を爆発(ばくはつ)した建物の外へ出すことで、40年かかる廃炉作業(はいろさぎょう)が本格化(ほんかくか)します。しかし、作業には多くの難題(なんだい)が待(ま)ち構(かま)えています。


■核燃料の取り出し 慎重に

 福島第一原発は全部で6基(き)あり、1~4号機(ごうき)で事故が起きた。原子炉(げんしろ)の中で核燃料が溶(と)けたり、爆発で原子炉が入った建物が壊(こわ)れたりした。その結果、燃料に含まれている放射性物質が外に飛び散ってしまった。
 事故のとき、4号機は検査中(けんさちゅう)で止まっていた。原子炉の中に燃料はなく、同じ建物にある燃料プールに保管(ほかん)されていた。核燃料は熱を出し続けていて、水で冷(ひ)やさないと大事故につながる。当時、大津波(おおつなみ)で冷やす装置(そうち)が故障(こしょう)し、大量の放射性物質が飛び散るのではないかと世界中の人が心配した。
 今も核燃料は冷やしながらプールで保管中だ。ただ、爆発で壁や天井が吹き飛び、大きな地震の揺(ゆ)れに耐(た)えられるのか心配されている。そうした危険(きけん)を減らすため、燃料を100メートルほど離れた別の建物にある「共用(きょうよう)プール」に移す。
 作業は、棒状(ぼうじょう)の燃料を束(たば)ねた「燃料集合体(しゅうごうたい)」を、1体ずつ専用の装置を使ってつり上げ、輸送容器(ゆそうようき=全長5・5メートル、91トン)に入れる。容器をクレーンで建物の外に出し、運搬車(うんぱんしゃ)で共用プールに運び出す計画だ。容器には燃料集合体が22体入り、移動に約1週間かかる。4号機には作業前に1533体あり、来年12月に運び終える見通しだ。
 ただ、作業そのものにも危険性がある。原発を監視(かんし)する原子力規制委員会(げんしりょくきせいいいんかい)の田中俊一(たなかしゅんいち)委員長は「潜在的(せんざいてき)には非常に大きなリスク(危険性)を持っている」と話し、慎重(しんちょう)な作業を求めた。
 プールの中には爆発でがれきがたくさん落ちた。東電はがれきを取り除いてきたが、小さながれきがまだ残っている可能性がある。このため、燃料を取り出す時に、がれきで傷つき、放射性物質が外へ出ないように注意して作業する。つり下げた容器が落ちないようワイヤを二重(にじゅう)にしている。また、建物にカバーをかけて放射性物質が外に出るのを防ぐ。建物の補強(ほきょう)工事もしていて、東日本大震災ぐらいの地震には耐えられるという。


■ロボット操縦も必要

 4号機の燃料取り出し作業が始まる前、福島第一原発の小野明(おのあきら)発電所長は「一つのスタート。本当の意味での廃炉が始まる」と話した。
 東電や国は2011年12月、原発の解体(かいたい)までの道のりを示した廃炉計画の工程表(こうていひょう)を発表した。3期に分け、これまでのがれきの撤去(てっきょ)などの準備作業を1期、燃料プールからの燃料取り出しを2期としている。
 1~3号機のプールの燃料の取り出しは、早くて2年後の15年からの予定だ。4号機より遅いのは、原子炉の中の燃料が溶けて散らばり、強い放射線が今も出ていて、作業をする人たちが簡単には近づけないからだ。作業には、離れた場所から操縦(そうじゅう)できる装置を開発したり、建物についている放射性物質を取り除いたりする必要がある。
 廃炉作業で最も難(むずか)しいのが、1~3号機の溶けた燃料の取り出しだ。廃炉計画の3期にあたり、始めるのは早くても7年後が目標(もくひょう)だ。これほどひどい状態(じょうたい)にまで燃料が溶けた事故は世界的にも例がなく、どうやって取り出すかまだ決まっていない。
 それどころか、溶け出した燃料がどんな状態なのかや、燃料が入った原子炉が壊れているのかもわかっていない。まずは燃料の状態を知らなければならない。作業をする人たちが受ける放射線の量を減らすために、遠くから操縦できるロボットが不可欠(ふかけつ)だ。
 手探(てさぐ)りの作業が続くうえに、もし溶けた燃料や原子炉の状態が想像よりも悪ければ、廃炉の計画を大きく変えなければならなくなるかもしれない。(川田俊男)
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●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・「まさに『神頼み』」、それほど危険な作業

2013年11月17日 00時00分01秒 | Weblog

asahi.comの記事【東電4号機燃料棒の恐怖 東日本を再び放射能汚染が襲う悪夢】(http://astand.asahi.com/webshinsho/asahipub/weeklyasahi/product/2013102800002.html?ref=comtop_btm)。

 この記事でも、「作業は約1年。この間、強い地震や地盤沈下が起こり、クレーンでつり下げた崩壊熱を帯びた燃料棒が落下したら。移動先の共用プールの強度も懸念される……」と、東京電力の「万全」神話に懸念が示されている。世界で初めてのこの恐ろしい作業、原発に疑念を持つ世界中の人達が固唾をのんで視ている。「まさに神頼み』」なのだが、東電に「万全」な作業を任せていて大丈夫なのか・・・・・・本当に怖い。自公議員やその投票者・支持者はその恐怖に気付いているのだろうか?

   『●原発人災は続いている: 小出裕明さん、日本は「お終いです」
   
     「どこが「収束」宣言なのか。怒り心頭、そして、ゾッとした。爆発〝事象〟の
      なかった福島第一原発4号炉の燃料プールが〝宙ぶらりん〟になっている
      問題。地震・余震が続くなか、危機は続いている。原発人災は続いている。
      市民はそこに目をつむり、マスコミは覆い隠し、原子力ムラの住人は
      口をつぐみ、原発再稼働・原発建設再開・原発輸出をするという。
      〝犯罪者〟は刑務所に入ることさへない」
     「<その何年という間に建物を壊すような地震が来たら
      おしまいです」

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
             「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●「宙吊り」下の「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の
                          14000発分」を「UFOキャッチャー」・・・

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http://astand.asahi.com/webshinsho/asahipub/weeklyasahi/product/2013102800002.html?ref=comtop_btm

東電4号機燃料棒の恐怖 東日本を再び放射能汚染が襲う悪夢
2013年11月08日

 福島原発事故後、多くの専門家らが危惧してきた4号機の燃料棒1533本の溶融。東電は2013年11月、倒壊の恐れがある建屋最上階の使用済み燃料プールから、ようやく燃料棒の取り出し作業を始める。作業は約1年。この間、強い地震や地盤沈下が起こり、クレーンでつり下げた崩壊熱を帯びた燃料棒が落下したら。移動先の共用プールの強度も懸念される……。東電は「約束を守らずウソをつく」「(借金の問題で)きちんとした判断ができなくなっている」。泉田新潟県知事の疑念とともに、最悪事態の可能性を探る。

◇第1章 世界で初めて事故機から取り出し開始
◇第2章 「東電まかせではまた事故が起こる」 再稼働のキーマン、泉田裕彦新潟県知事が激白!



第1章 世界で初めて事故機から取り出し開始

 10月25日の東京電力の定例記者会見で、本誌記者の質問に、今泉典之・原子力・立地本部長代理は、表情を硬くした。
 「燃料棒を下ろしてくる過程において、実際に落下した場合。地元の皆様も、大変に心配しているところかと思います。そういったことは、私どもの対策としては、絶対に避けなければならない事象です」
 東電がここまで明白に恐れる『事象』とは、早ければ11月8日にも始まる福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの燃料棒の取り出し作業についてだ。
 東日本大震災当時、停止していた4号機では、1~3号機と違いメルトダウンは起きていない。その代わり、水素爆発でグチャグチャに吹き飛んだ建屋の上部にある燃料プールに、1533体もの燃料棒が残されたままになっている。
 建屋が倒壊する恐れもあり、取り出しは急務だ。プール上に急造されたクレーンなどの装置で燃料棒を取り出し、4号機から約50メートルの距離にある共用プールに移す。プールからの移動は原発事故前にも行われていたが、事故で破損した不安定な原発での作業は世界初で、『未知の世界』だ。
 事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語る。

   「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体ずつ
    キャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から露出させたら
    作業員は深刻な被曝を強いられる水中で落下させて燃料を覆う金属の管が
    破れても汚染は深刻フロアの全員退避は避けられない

 無事にキャスクに詰めたら、今度は大型クレーンで空中に吊り上げ、専用トレーラーに載せて共用プールまで移動。そこで取り出しとは逆の工程を行い、燃料棒をプールに収める。
 ここが、最大の難関だという。クレーンで吊っている最中に大地震など不測の事態が起きた場合、約100トンもあるキャスクが地上に落下する恐れがあるのだ。
 廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏が指摘する。

   「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が
    放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熱を帯びており、
    本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が
    溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、
    作業全体が頓挫してしまう」

 むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」(原子力工学の専門家)というすさまじい放射線量だ。こうなると、1~3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面する。
 東電の今泉本部長代理によれば、キャスクは事前に落下試験を行って頑丈さを確認しているが、実際の作業では試験以上の高さまで吊り上げるという。

   「落ちれば当然、何らかの破損があることは想定される。ワイヤを二重に
    するなど、落下させない対策をしっかりやる」(今泉氏)

 だが、東電はこんな危険な作業を、4号機だけでも2014年末まで、約1年間も延々と続けなければならないのだ。
 それならやめればいいかというと、そうはいかない。4号機の建屋は、今も地震や地盤沈下による倒壊の危険があるからだ。
 プールが壊れて1533体もの燃料がむき出しになった場合放出される放射性物質はチェルノブイリ事故の約10倍ともいわれる東日本に人が住めなくなると言われる最悪の事態。作業が頓挫して現場に近づけなくなれば、危機を解決する手段が失われてしまうのだ。

   「危険な作業でも、やらねばならないのは確か。われわれの命にかかわるので、
    作業の映像を全公開してほしい」(前出の川井氏)


◎本当に怖いのは炉よりもプール
 先の原発メーカー元社員は、記者の前で手を合わせて拝むしぐさをしながら、こう語った。

   「まさに『神頼み』。私が携わった通常の取り出し作業は年に数回なので、
    地震の確率は『ないもの』として無視していた1年もの長丁場で、大地震が
    起きない保証はない。原発の最大の恐怖は原子炉ではなく、大量の
    放射性物質が格納容器にも守られずに1カ所に集まった燃料プールなんです」

 そして無事に1533体を運び終えても、問題が解決したわけではない。
 1~3号機のプールにはさらに計約1500体の燃料がある。燃料を運び出した先の「共用プール」は、6千体以上の燃料棒で満たされたままだ。作家の広瀬隆氏がこう語る。

   「共用プールも、いつ余震でヒビが入り水が漏れだすかわからない。
    プールに移すのではなく、水を使わない『乾式キャスク』に入れて地上で
    保管するように東電に求めているのですが、聞く耳を持ちません・・・」

・・・・・・・・・。
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●「宙吊り」下の「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の14000発分」を「UFOキャッチャー」・・・

2013年11月13日 00時00分46秒 | Weblog


小出裕章ジャーナル」の記事【第44回小出裕章ジャーナル/4号機の燃料棒取出し「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の14000発分がまだプールの底に眠った状態のままになっています」】(http://www.rafjp.org/koidejournal/no44/)。

 ますます憂鬱に。「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の14000発分」を、「支えを入れられたところは使用済み燃料プールの約半分だけなのです。残りの半分は何の支えも入れられないまま、結局、宙吊り状態のまま今日まで来てしまっていま」っているところから、「UFOキャッチャー」作戦で、「1500回以上も繰り返すのだ」そうです。神に祈りたくなります。「ゾウの暴走」なんて言語道断で、「・・・タコ、ネズミ、イタチ、モグラ・・・」にさえ手を焼いている訳ですから、本当に神に祈るしかありません。

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
               「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   
    「作業員はプールに沈んでいる大量のガレキを避けながら、長さ約5メートル、
     重さ約300キロの燃料棒を1本ずつキャスクに移動する。それを1年かけて、
     1500回以上も繰り返すのだ。これだけでも相当、至難のワザだ。さらに
     複数の燃料棒が入ったキャスクの重量はざっと100トンにもなる」・・・・・・
     想像するだに恐ろしい・・・・・・。小出裕章さんの言葉が頭から離れません」

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http://www.rafjp.org/koidejournal/no44/

4号機の燃料棒取出し「広島原爆が撒き散らしたセシウム137の14000発分がまだプールの底に眠った状態のままになっています」 ~第44回小出裕章ジャーナル
2013年11月8日〜11月15日

聞き手:
今日のテーマは福島第一原発の燃料棒取り出しについてです。11月に入ってこの燃料棒を取り出す予定が組まれていますけれども、これは廃炉作業の一環と聞いております。まず、2011年3月11日の事故後、4号機はどういう状態にあるのでしょうか?

小出さん
2011年3月11日に4号機は定期検査の最中でした。そのため原子炉の炉心の中には燃料は一切ありませんで、全ての燃料が使用済み燃料プールというところに移されていた状態で事故に突入しました。その使用済み燃料プールの中には、もともとの使用済み燃料もありましたし、定期検査のために原子炉の中にあった燃料棒も全て取り出して使用済み燃料プールにあったのです。

大量の使用済みになった燃料棒がプールの中にあるという状態で事故になりまして、運転中でなかったにも関わらず、4号機の原子炉建屋でも爆発が起こりまして、建屋が大規模に破壊されてしまいました。

そして4号機の場合には、かなり特殊な爆発が起こりまして、原子炉建屋の最上階、オペレーションフロアというところがあって、1号機の爆発も3号機の爆発もそこだけが吹き飛んでいるのですが、4号機の場合にはオペレーションフロアと呼んでいるフロアの更にその下の階までもが、爆発で壁が吹き飛んでしまっているのです。実はそこの階に使用済み燃料プールが埋め込まれているわけで、使用済み燃料棒プールは宙吊りのような形になってしまったのですね。


聞き手:
建物の中に、宙吊り状態になったのですか?

小出さん
そのことの危険性は東京電力もすぐに気がつきまして、使用済み燃料棒プールが崩れ落ちないようにということで、下の階から鋼鉄製の支えを入れて、そしてコンクリートで固めるという工事をやったのですが、その工事自身が猛烈な汚染環境の中でやったわけで、しっかりとした工事が行われたのかどうか私は大変不安に思っていますし、実際上、爆発が起きてしまって、その支えを建てようと思った階の床の部分すら損傷しているわけですから、支えを入れられたところは使用済み燃料プールの約半分だけなのです。残りの半分は何の支えも入れられないまま、結局、宙吊り状態のまま今日まで来てしまっています

その使用済み燃料プールの中には、先ほども聞いていただいたように大量の使用済み燃料棒が眠っていて、私の計算によると、広島原爆が撒き散らしたセシウム137の1万4000発分がまだ、プールの底に眠った状態のままになっています。


聞き手:
燃料棒が、広島原爆の1万4000発分あるということですか?

小出さん
そうです。使用済み燃料がプールの底に入れてあるわけですが、その燃料の中に広島原爆の1万4000発分のセシウムが含まれているということです。


聞き手:
燃料棒取り出しは1533本ですが、燃料棒1本はどれぐらいの大きさのものなのですか?

小出さん
今、おっしゃったのは燃料棒ではなくて、燃料集合体と呼んでいるものです。燃料集合体というものは、燃料棒が8行8列に組み合わされたものです。1本1本の燃料棒は直径が1センチ、長さが4メートルという、細長い物干し竿のようなものです。


聞き手:
これをプールから取り出して50メートル離れた共用プールに移すという作業ですが、こういう作業が必要という理由は何でしょうか?

小出さん
先ほどから聞いていただいているように、4号機の使用済み燃料プールは、爆発によって建屋が壊されて宙吊りのような状態になっています。今現在も福島第一原発周辺では毎日のように余震が起きているわけですけれども、もし大きな余震が起きて使用済み燃料プールが崩れ落ちてしまって、中に水を蓄えることができないような状態になってしまいますとまた燃料が溶けてしまうわけですし、大量の放射性物質がまた吹き出してきてしまうということになるわけです。ですから少しでも危険の少ないところに一刻も早く移さなければいけないという仕事があったのです。


聞き手:
これは緊急を要する作業ではあるということですね?

小出さん
本当はすぐにでもやって欲しかったのですけれども、ただし使用済みの燃料というのはプールの底から空気中に吊り上げてしまいますと、周辺の人がバタバタと死んでしまうというほどの放射能性物質の塊なのです。

ですから簡単にはプールからまず出せないのです。出すためには私たちがキャスクと呼ぶ巨大な鋼鉄と鉛の容器をプールの底に沈めまして、そのキャスクの中に使用済み燃料集合体を1体、2体、3体と入れていきまして、約20体ぐらい入るのですが、その段階でキャスクの蓋をしてキャスクごとプールの水面から引き上げるということをしなくてはいけないのです。


聞き手:
これはクレーンで引き上げるのですか?

小出さん
そうです。キャスク自身が100トンもある重さのものですので、巨大なクレーンがないと吊り上げることができないのですが、すでに4号機の建屋は爆発で吹き飛んでしまいまして、クレーンも何もみんな壊れてしまって使えなかったのです。

ですから東京電力は今日までかけて4号機の壊れてしまった建屋を撤去しまして、その部分に新しい巨大な建屋を立てまして、そこに巨大なクレーンを設置してようやく、11月、まあ、今月から取り掛かれるところまでやっとたどり着いたのです。


聞き手:
キャスクという大きな容器をプールの中に沈めて、燃料棒を入れていくということですが、どうやってやるのですか? 人手でやるのですか? 機械でやるのですか?


小出さん
元々、機械です。燃料交換器という機械がありまして、それで実行するのですが、元々あった燃料交換器自身はすでに爆発で壊れてしまいましたので、新しい燃料交換器をまた新たにそこに設置したのです。それを使ってやることになります。


聞き手:
この作業、順調に行くのでしょうか? 心配になるのですが・・・。

小出さん
私自身も大変心配で、4号機は1号機、2号機、3号機に比べると、放射能の汚染ということでは比較的少なかったのですが、それでも使用済み燃料プールの周辺は放射能で汚れているわけですし、そこで作業をしようとすれば、作業員が次々と被曝をしてしまうというそういう中で作業をしなければいけないわけです。熟練した作業員がきちんと集められるかどうかということが心配です。


聞き手:
作業員が集められるかどうかというのは基本的な問題ですね?

小出さん
そうです。その上で、爆発によって使用済み燃料プールの中には大量の瓦礫がすでに落っこちてしまっていて、その瓦礫をこれまで取り除いてきたのではあるのですけれども、それでも大小様々な瓦礫がプールの中に残っているわけですし、瓦礫が崩れ落ちた時に使用済み燃料そのものが変形してしまっていたりすると思った通りには抜けない、ラックの中に入っているのですが抜けないし、キャスクの中にうまく入れることもできないかもしれないのです。これはやってみるしかないのですけれども、被曝環境の中でやらなければいけないし、なかなか困難な作業になるだろうと思います。


聞き手:
やってみなければ分からない。それでもやらなければいけないのですね。

小出さん
そうです。必ずやらなければいけません。


聞き手:
これだけでもいろいろ問題がありますが、さらに地震が起きて崩れ落ちると大変なことになりますよね?

小出さん
崩れ落ちてしまうことを私自身、一番恐れているですが、これまで福島第一原発事故で大量に吹き出してしまったセシウム137の量というのは日本国政府によれば、広島原爆の168発分だと言っているのですが、先ほど聞いて頂いたように、使用済み核燃料プールの底には14000発分もあるわけですから、これまで、最悪の場合にはこれまでの数10倍、あるいは100倍と言った放射性物質が吹き出してくる可能性があるということなのです。


聞き手:
使用済み核燃料を移すということは、4号機だけでなく、1・2・3号機でもやらなければいけないということですね?

小出さん
そうなのです。先ほど、聞いていただいたように、4号機は放射能の汚染という意味では比較的汚染が少なかったので、まだ使用済み燃料プールの近くまで作業員が行くことができるのですけれども、1・2・3号機の中には、そこに行くまで作業員がまず行かれませんので、これから一体どうやって作業をできるか、大変不安に思っています。


聞き手:
この燃料棒取り出しは大事な作業ですので、注目していきたいと思います。
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●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」

2013年11月12日 00時00分29秒 | Weblog


www.cyzo.comの記事【週刊誌スクープ大賞 「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”】(http://www.cyzo.com/2013/10/post_14943_4.html)。

 東京電力原発人災4号炉問題、「想像するだに恐ろしい・・・・・・。小出裕章さんの言葉が頭から離れません」。記事のタイトルにある通り、特定秘密保護法という「うそをつく人達が作る猛毒」で4号炉問題を隠そうとしているようです。これまでもこの問題は十分に報道されず、法案が通ってしまえば、この国では未来永劫に語られることがなくなるかもしれません。

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が伝えられなかった
                             ・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   『●東京電力原発人災4号炉問題
               ・・・・・・「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする

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http://www.cyzo.com/2013/10/post_14943_4.html

週刊誌スクープ大賞
「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”


・・・・・・。

 すでに国民の記憶から薄れていっている福島第一原発事故だが、これを風化させてはならじと、朝日が一番心配される4号機について巻頭で特集を組んでいる。

 現代も「東電破綻」という巻頭特集を組んでいるが、こちらは東電が破綻したときの経済的な観点からの記事なので、朝日のほうを紹介したい。

 これを読んで震えがくるのは、寒くなってきた季節のせいばかりではない。じっくり読んで欲しい記事である。

 早ければ11月8日にも始まる、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの燃料棒の取り出し作業だが、ひとつ間違えば大変なことになるのだ。

   「東日本大震災当時、停止していた4号機では、1~3号機と違い
    メルトダウンは起きていない。その代わり、水素爆発でグチャグチャに
    吹き飛んだ建屋の上部にある燃料プールに、1533体もの燃料棒が
    残されたままになっている

(朝日)のである。

 事故前に燃料棒の移動に携わっていた元大手原発メーカー社員が語っている。

   「作業には熟練の技術が必要。まず水中で機器を操作し燃料棒を数十体
    ずつキャスクという金属容器に詰める。燃料棒をちょっとでも水から
    露出させたら、作業員は深刻な被曝を強いられる。水中で落下させて
    燃料を覆う金属の管が破れても汚染は深刻
    フロアの全員退避は避けられない」

 廃炉工程を検証している「プラント技術者の会」の川井康郎氏もこう指摘する。

   「キャスクが落下して破損し、中の燃料が露出したら、大量の放射性物質が
    放出される。作業員はもう近づけません。燃料棒はまだ崩壊熱を帯びており、
    本来は常に冷やし続けなければならない。長時間放置すると燃料が
    溶融する可能性があります。こうなると燃料の回収は困難になり、
    作業全体が頓挫してしまう」

 むき出しになった燃料は、「人間が近づけば即死」(原子力工学の専門家)という凄まじい放射線量である。こうなると、1~3号機のメルトダウンに匹敵する深刻な危機に直面するという。

 まだまだ危機など去っていないし、汚染水すらコントロールされていないのだそれなのに安倍首相と東電は柏崎刈羽原発を再稼働しようと企んでいるのである

 再稼働のキーマンであるv新潟県知事もインタビューで「東電まかせではまた事故は起こる」と言いきっている。

 泉田知事が9月25日に東電の広瀬社長と会談した翌日、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委に申請することを認めたため、「知事は心変わりしたのではないか」と受け取った人もいるという問いに、「心変わりではなく、むしろ安全性をいかに高めるかを考えた上での決断です」と答えている。

 さらに今の東電は、知事の要求に応えることができるでしょうか、という問いに対しては、

   「最大の問題は、東電がお金の問題で首が回らなくなって、きちんとした判断が
    できなくなっていることです。事故処理のために9600億円の引当金を
    積んでおきながら、1000億円がもったいないと言って遮水壁を造らなかった
    事故処理の費用を電気料金に上乗せして返すという今の形は、
    もう限界にきています」

 東電の破綻処理もあり得るかという質問には、

   「日本航空だって破綻処理をして、経営陣が責任をとった上でOBの年金も
    カットして、V字回復したわけです。東電は負担をすべて電気料金にかぶせて
    いますが、株主や金融機関の責任はゼロでいいんでしょうか。破綻処理を
    しても電気料金という日銭が入ってくるんですから電気供給は止まりませんし、
    債権の見直しをすればすぐに料金を値上げする必要はありません

 しかし、原子力規制委の田中俊一委員長に面会を申込んでいるのに、会ってくれないそうですねという問いには、

   「規制委に国民の命と安全と財産を本気で守るつもりがあるのか疑問です。
    守っているのは、電力会社の財産ではないか。規制委には地方自治に
    明るい人が一人もおらず、断層のチームと原発設備のチームしかいない。
    新潟県は中越沖地震の時に原発事故との複合災害を身をもって体験しています」

 そして最後にこう言っている。

   「国民の皆さんは正しい情報さえ与えられれば、的確な判断ができるんです。
    情報を与えないで誘導するのでは、また同じ過ちを繰り返してしまう。
    まさに今、日本の民主主義の熟度が試されていると思います」

 そうなのだ! 今の安倍自民党政権が目指しているのは、国民に知らせたくない情報をすべて隠すことができる国にしようということなのだ。

 国民の多くが原発事故を忘れたわけではない。メディアが報じないから記憶が薄れてしまっているのだこれだけの大事故が3年も経たずに風化していくとしたら、メディアも日本という国も最低だと、私は考える。

(文=元木昌彦
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●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする

2013年11月04日 00時00分45秒 | Weblog


gendai.netの記事【世界中が不安視…燃料棒取り出し「UFOキャッチャー」作戦】(http://gendai.net/articles/view/newsx/145587)。

 「作業員はプールに沈んでいる大量のガレキを避けながら、長さ約5メートル、重さ約300キロの燃料棒を1本ずつキャスクに移動する。それを1年かけて、1500回以上も繰り返すのだ。これだけでも相当、至難のワザだ。さらに複数の燃料棒が入ったキャスクの重量はざっと100トンにもなる」・・・・・・想像するだに恐ろしい・・・・・・。小出裕章さんの言葉が頭から離れません。

   『●福島第一原発3号炉の使用済み燃料プールの問題
   『●原発人災は続いている: 小出裕明さん、日本は「お終いです」
     「どこが「収束」宣言なのか。怒り心頭、そして、ゾッとした。爆発〝事象〟の
      なかった福島第一原発4号炉の燃料プールが〝宙ぶらりん〟になっている
      問題。地震・余震が続くなか、危機は続いている。原発人災は続いている。
      市民はそこに目をつむり、マスコミは覆い隠し、原子力ムラの住人は
      口をつぐみ、原発再稼働・原発建設再開・原発輸出をするという。
      〝犯罪者〟は刑務所に入ることさへない」
     「<その何年という間に建物を壊すような地震が来たら
      おしまいです」

   『●大飯原発、本当に再稼働などしている場合か?
            ~東京電力福島第一原発4号機問題~
   『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?
   『●福島第一原発4号炉問題、「加害国として罪悪感に欠ける」
     「福島第一原発4号炉の危機をことさら無視しているようには感じる。
       4号炉の使用済み燃料プールが地震などで崩壊したら、
       大変な問題だと思うのだけれども・・・。」

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http://gendai.net/articles/view/newsx/145587

世界中が不安視…燃料棒取り出し「UFOキャッチャー」作戦
2013年10月31日掲載

 原子力規制委員会は30日、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールから「燃料棒」を取り出す実施計画を認可した。水素爆発で破壊された建屋から、使用済み燃料1331体、未使用燃料202体の計1533体もの燃料を取り出す作業は人類史上初だ。

 計画によると、4号機建屋の上部に設置したクレーンなどを使い、地上30メートルの高さにあるプール内の燃料棒を1本ずつ輸送容器(キャスク)に移動。次にキャスクを吊り上げて地上のトレーラーに載せ、敷地内の共用プールに運ぶ。作業は11月8日にも始まる予定だ。

「原発で使用済み燃料を取り出す場合、通常は位置や状態があらかじめコンピューターに入力されているため、スムーズに作業できます。しかし、福島原発は違う。燃料プール内にはコンクリート片や金属片など500個余りのガレキが沈んでいる上、燃料棒が破壊されている可能性もあるため、作業員が目視で作業を進めることになります」(経済ジャーナリスト)

 作業員はプールに沈んでいる大量のガレキを避けながら、長さ約5メートル、重さ約300キロの燃料棒を1本ずつキャスクに移動する。それを1年かけて、1500回以上も繰り返すのだ。これだけでも相当、至難のワザだ。さらに複数の燃料棒が入ったキャスクの重量はざっと100トンにもなる。

 地上に運ぶ際、何らかのトラブルでキャスクが傷付いたり、落下したりして燃料棒が空気に触れれば、たちまち即死レベルの放射性物質が放出される。仮に1500本を超える燃料棒がムキ出しになれば、放出される放射性物質の量はチェルノブイリ事故の10倍東日本に人が住めなくなるのは間違いない失敗が許されない命懸けの「UFOキャッチャー」作戦だ。

 規制委の田中俊一委員長も会見で「潜在的に非常に大きなリスクがある。個人的には汚染水以上に心配」と本音を漏らしたが、本当に大丈夫なのか。

 原子炉格納容器の設計に携わっていた元東芝技術者の後藤政志氏はこう言う。

   「燃料が空気に触れたら作業員の大量被曝は避けられません。燃料を
    キャスクに移動している時や、キャスクをトレーラーに載せる時など、
    極めて慎重な作業が求められる場面で地震などが起きたらどう対応するのか。
    規制委や東電がトラブルに対してどこまで検討しているかが重要です」

 世界中が固唾(かたず)をのんで見守っている。
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●オンカロと死の灰と、フィンランドとニッポン

2013年02月07日 00時00分23秒 | Weblog


核のゴミ死の灰オンカロについてのasahi.comの記事http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201301230452.html?ref=top)と、東京新聞の一連の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000149.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012902000119.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013002000130.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000123.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020102000123.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020202000119.html)。

 東京新聞の社説が珍しいことに1週間通してのシリーズでした。内容もフィンランドオンカロについてで、大変に興味深いもの。本当に10万年もオンカロでさへもお守りできるのかという疑問と同時に、我国に100,0000年どころか10,0000年さへも死の灰を貯蔵する施設など存在し得ないことを理解させられます。少しでもその絶対量を減らす努力をする時であり、もうこれ以上一刻も原発を稼働しちゃぁならんと、改めて、思いました。

   『●100万年間核のゴミを管理するなんて言うことはおこがましい
   『●リラッキングとオンカロ
   『●まずは第一歩目かな・・・??
   『●10万年という数字に慄く

 「多くの専門家にインタビューを試みた。その中の一人に「オンカロを掘ってはいけない国がありますかと尋ねると、即座に日本」と答えたという。地震国だから」と答えた専門家って誰だろう??

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http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201301230452.html?ref=top

2013年1月24日10時13分
原発ゴミ最終処分、実現へ 世界初、フィンランドの施設

 【オルキルオト=編集委員・服部尚】北欧フィンランドで、高レベル放射性廃棄物である原発の使用済み燃料を400メートル以深の地下に埋める民間最終処分場計画が大詰めの段階を迎えた。昨年末に建設許可が申請され、同国の審査が順調に進めば来年6月に建設を始める。2020年操業が目標だ。「トイレなきマンション」という原発の課題を世界で初めて乗り越えることになる。

■地下400メートルに9000トン埋設
 処分場の予定地はフィンランドの首都ヘルシンキから北西へ250キロのバルト海に浮かぶオルキルオト島にある。車で約4時間、雪に覆われた景色を見続けながら現地に入った。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000149.html

【社説】
どうする核のゴミ<1> 危険とは知らなかった
2013年1月28日

 とび色の瞳に、不安がよぎる。
 「それは、知らなかった
 首都ヘルシンキから北西へ約二百五十キロ。ボスニア湾へ突き出るように、短い橋で本土と結ばれた、オルキルオトは原発の島。隣接するラウマ市で専門学校に通うエウラ・ニエミネンさん(17)は、ふとその目を伏せた。もし島で原発事故が起きたらどうなるか。ほとんど何も知らされず、だから考えることもなく、これまで過ごしてきたという。
 フクシマの事故は知っていた。だが、自分の人生とは無関係だと信じ込んでいた。
 島のオルキルオト原発は、一九七九年に運転を開始した。エウラさんが生まれるずっと前から、風景の一部になっていた。完成すれば、最新鋭の欧州加圧水型炉(EPR)の初号機となる3号機の増設も、4号機の計画も。そして世界初の高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設も、抵抗なく受け入れてきた。深さ約五百メートル。「オンカロ(隠れ家)」という名の巨大な洞窟だ。
 ラウマ市のホテルに勤めるマリカ・キウルさん(60)は、割り切っていた。「仕事さえ与えてくれれば、それでいい
 原発やオンカロは、人口六千人の地元エウラヨキ町を中心に、一万人の雇用を生み出した。フィンランドには、日本の電源立地交付金のような制度はない。ただし、自治体には不動産税が直接入る
 原発を動かすTVO社も、オンカロを造るポシバ社も、それらがいかにいいものであるかは、教えてくれた。工期の遅れも知らせてくれた。ところが、それが抱える深刻な危険については、十分に伝えていなかったと、二人は言う。
 古い強固な岩盤に守られて、足もとの揺れることなど想像さえできない人たちに、フクシマは文字通り、別の世界の出来事だった。
 世界中が頭を悩ます核廃棄物の処分地を、フィンランドは、なぜ見つけられたのか。日本はどうするか。読者の皆さんとともに考えたい。 (論説委員・飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012902000119.html

【社説】
どうする核のゴミ<2> “共存の歴史”が決めた
2013年1月29日

 オンカロは、なぜオルキルオト島にあるのだろうか。
 「それは長い物語」と、オンカロを建設するポシバ社コミュニケーション・マネジャーのティモ・セッパラさんは話し始めた。
 一九七九年、オルキルオト原発が運転を開始した。実はこの時、フィンランド政府は、五年間しか運転許可を出していない。その間に使用済み核燃料の最終処分計画を立てなさい。でなければ、許可は更新しない。つまり、運転の継続を認めないという強いメッセージを、電力会社に発していた。
 八三年、処分場選定までの行程表を政府が提示した。二〇一〇年までに、処分場を決めて、建設許可を取るように、と。
 電力会社は当初、核のごみは、海外で処分してもらえばいいと考えていた。もう一つのロビーサ原発は、十年にわたってロシアへ持ち込んだ。
 だが、九四年の原子力法改正で、その道を封じてしまう使用済み核燃料の輸出入を禁止したのだ。背景には、長い間支配を受けた隣の大国ロシアに対する根強い不信があった。
 原発を運営する二つの電力会社はその翌年、ポシバ社を設立し、処分場建設の体制を整えた。
 電力会社による処分場の候補地探しは、八三年に始まっていた。フィンランド全土を五~十平方キロのブロックに分け、文献などから地質や周辺環境を考慮して百二カ所の調査エリアを決めた。
 ポシバ社が、そのうち五カ所でボーリング調査などを実施して四カ所に。その中で住民が受け入れに好意的だったのがハーシュトホルメンとオルキルオト、つまり原発のある自治体だった。
 九九年、最終的にオルキルオトが残った理由の一つは、オルキルオト原発の方が、廃棄物の排出量が多く、移送費用がかからないから、だったという。
 「原発との共存。それが決め手でした」と、セッパラさんは振り返った。本当にそれでよかったのだろうか。(論説委員・飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013002000130.html

【社説】
どうする核のゴミ<3> 権威が言えば信頼する
2013年1月30日

 核処分場オンカロのあるエウラヨキ町のハッリ・ヒーティオ町長は、口元に笑みを浮かべて言った。「オンカロを受け入れた最大の理由は、責任です」
 エウラヨキには、国内四基の原発のうち二基がある。三基目はすでに原子炉建屋が出来上がり、四基目の計画も進んでいる。町内から出るごみだから、その処理も町内でという姿勢は、一見潔い。
 処分場の候補地として文献調査に応じただけで、莫大(ばくだい)な補償が受けられる日本とは違い、直接の見返りは高率の不動産税だけしかない。それでも、雇用創出効果は高く、エウラヨキは税収の四分の一を原発関連に依存する。
 オンカロを引き受けたから4号機が誘致できたと、町長も認めている。オルキルオトにも原発マネーはめぐっている。やはり、きれいごとではすまされない
 フィンランドには「原則決定」という制度がある。
 オンカロなど重要な原子力施設を造る時には、事業者からの申請で、政府がまずその計画の是非を判断し、国会の承認を仰ぐ。大筋は、先に決まってしまうのだ。
 自治体には拒否権がある。だが現実には政府の関与で比較的スムーズに事業は進むという。
 原則決定をする時は、独立した規制機関の放射線・原子力安全センター(STUK)が、事業の安全性を判断する。
 一九五八年設立のSTUKは「警察以上に信頼されている」(雇用経済省幹部)という。テロ・バルヨランタ所長は「隠し事がないからです」と言う。
 「STUKが安全だといえば、それを信頼するしかない。一番の権威ですから」と、ヒーティオ町長は笑顔を消して話した。
 信頼できる規制機関があるのはいい。でもどこか、日本とよく似た空気が流れていないか
 (論説委員・飯尾歩)

 ◆ご意見、ご感想をお寄せください。〒460 8511(住所不要)中日新聞論説室、ファクス052(221)0582へ。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000123.html

【社説】
どうする核のゴミ<4> 日本でまねできるのか
2013年1月31日

 核のごみを埋めるオンカロ、正しくは「地下特性調査施設」の構造は、単純素朴。オンカロという名前の通り、巨大な洞穴、隠れ家というしかない。
 フィンランドでは使用済み核燃料を再処理せずにキャニスターと呼ばれる筒状の容器に入れて、地下約四百メートルの結晶質岩中に閉じ込める。キャニスターは腐食にも荷重にも強いよう、銅と鋳鉄の二重構造になっている。
 洞穴の坑道をバスで斜めに下っていくと、地下四百二十メートル地点に試掘の横穴がある。そこに五メートル間隔で、深さ八メートルの竪穴が並んでいる。キャニスターを差し込み、粘土で封をするための穴だ。
 洞穴の中には、岩盤に生じた亀裂を示す黄色い線が縦横に引かれている。驚くことに、地下水がしたたり落ちているところもある。
 竪穴は三種類。亀裂がなく、乾いた穴、多少水が染み出ていても何とか埋められそうな穴、水たまりができて使い物にならない穴=写真。水の出方は随分違う。水たまりができるようなところは、実際には使わない。
 地質は古い。十六億年前からほとんど動いていない。オンカロを運営するポシバ社の地質学者、ユルキ・リーマタイネンさんは「この岩盤ができたあとで、欧州とアメリカ大陸が二度くっついて二度離れたよ」と笑っていた。
 大地震の原因になるプレートの境界からもはるかに遠い。フィンランドの住人は、地面の揺れをほとんど感じた記憶がない。
 穴の視察には世界中からやって来る。日本人が最も多いそうだ。だがオンカロを守っているのは、特別な技術というよりも、フィンランド固有の地質である。世界有数の地震国日本では、まねのできないやり方だ。
 日本では二〇〇二年から、地層処分場を引き受ける自治体を公募しているが、適地は恐らく見つからない
 その国の自然や社会に見合う処分技術、管理手法を工夫すべきだとオンカロは教えているようだ。
 (論説委員・飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020102000123.html

【社説】
どうする核のゴミ<5> オンカロは原発7基分
2013年2月1日

 核のごみ最終処分施設のオンカロがあるオルキルオト島では、仏アレバ社が開発した最新鋭の原発(EPR)オルキルオト3号機(百六十万キロワット)の完成が近い。欧州では二十年ぶりの増設となる世界最大級の原子炉だ。
 さらに巨大な4号機も、三年前に政府の承認(原則決定)を受け、着工を待っている。
 ヤン・バパーブオリ雇用経済相は「フクシマの事故後も、フィンランドの原発政策は変わりません」と力を込めた。
 緑の党から入閣したビレ・ニーニスト環境相は「現政府では、これ以上の新増設は認めません」と、自然エネルギーへの転換を図っている。だが中部で計画中の別の一基も含め、人口五百万余の国に将来的には原発七基。フィンランドはすでに十分原発立国だ。
 オンカロの容量は九千トン今運転中の四基を六十年動かすとして、使用済み核燃料はすべて受け入れ可能という。オンカロがあるから新しい原発ができるのか。
 運営するポシバ社幹部は「七基までなら大丈夫」と話していた。
 世界初。その陰の部分を海の向こうのデンマークから見つめ続けて、映画にした人がいる。
 「100、000年後の安全」を監督したマイケル・マドセンさんだ。コペンハーゲン近郊で、マドセンさんの話を聞いた。
 「オンカロの是非は、ちゃんとした議論になりませんでした」と振り返る。フィンランドの上映会で「あれが何かを初めて知ったと憤る地元の人もいた。立地には、政府や電力事業者の意向が強く働いていたと、マドセンさんは感じている。
 七年前に映画のための調査を始め、多くの専門家にインタビューを試みた。
 その中の一人に「オンカロを掘ってはいけない国がありますかと尋ねると、即座に日本」と答えたという。地震国だから。
 「議論のない社会は危険です」と、マドセンさんは日本に向かって訴える。 (論説委員・飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020202000119.html

【社説】
どうする核のゴミ<6> 増やさず、管理下保管
2013年2月2日

 使用済み核燃料を埋設するフィンランドのオンカロは、日本に何を教えてくれるのか。
 最大のメッセージは、日本にはまねが難しいということだ。
 オンカロは自然の地下要塞(ようさい)だった。技術の粋ではない。国土を覆う厚さ数十キロの巨大な岩盤が、危険な使用済み核燃料を地上の営みから隔て、万一の放射能漏れからも守ってくれる。
 オンカロを運営するポシバ社は二一〇〇年に核のごみの搬入を終えたあと、入り口を固く閉ざして、そこに何があるのかを忘れ去る方針という。その後の管理は“国土”が引き継ぐことになる。
 フィンランドは地震を知らない国である。オンカロのあるオルキルオト島の住民は何事もなく原発と共存し、原発の恩恵を受けながら、町を発展させてきた。
 繰り返すが、日本は世界有数の地震国である。地層処分の適地は見つかりそうもない。
 このような両国の違いを踏まえて提言したい。使用済み核燃料の「最終処分」という看板を、今は掲げるべきではない、と。
 日本学術会議は昨年九月、核のごみの「暫定保管」と「総量管理」を提案した。
 核のごみを数十年から数百年、いつでも取り出せる状態で、処分ではなく保管する。その間に最終処分の研究を進め、新技術が確立すれば保管したごみを取り出して、やり直す。
 一方で、核のごみの排出総量を規制する。つまり原発の稼働を減らす。原発ゼロなら、当然ごみも一切でない
 オンカロを見た目で、これらの提案はもっともだ。
 保管場所は、民主的手続きを経て決めるしかない。保管には、止めた原発のプールの活用や冷却水の不要な乾式キャスクを用いたり、さまざまある。
 核のごみの存在を消費者が意識することも大切だ。これ以上増やさないような工夫なら、私たちにもできる。
 日本では、核のごみを“国土”に引き受けてはもらえそうもない。新技術が確立されない限り、その時代を生きる人間が面倒を見続けていくしかない。
 十万年先への責任を負うのは、むろん私たち自身なのである。 (論説委員・飯尾歩)
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●大飯原発、本当に再稼働などしている場合か? ~東京電力福島第一原発4号機問題~

2012年07月01日 00時00分02秒 | Weblog


久しぶりに、小出裕章ワードプレスの記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/17/gendai_2012jun6/http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/17/tvasahi_2012may25/#more-3067)。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012063002000231.html)と、関連した神保哲生さんと福島みずほさんのツイート。

 本当に大飯原発再稼働など、やっている場合なのか? FUKUSIMA第一原発の人災の一体何が解決したというのだろう。特に、東京電力 福島第一原発4号炉使用済み核燃料プールが問題である。報道ステーションの映像を、是非、見てみてください(すいません、映像を貼らせていただきました)。
 東京新聞の記事を見ってギョッとした。さらに、神保哲生さんや福島みずほさんのツイートを見て、より一層怖くなる。「冷却装置が停止した福島第1原発4号機の使用済み燃料プールについて、予備の冷却装置も起動できない状況にあると発表」って、一体どうなってるんだ!? 本当に、大飯原発再稼働なんて、やっている場合か? このCMLの記事「[CML 018118] 【拡散希望】大飯原発敷地内の破砕帯(断層)について新たな動き 杉原浩司Koji Sugihara」も必読である。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/17/gendai_2012jun6/

66 4号機の場合、燃料集合体が破損している恐れ その場合は専用のキャスクを作り直さなければならない 小出裕章(現代ビジネス)

6月6日、小出裕章さんのコメントが、「現代ビジネス」に掲載されました。

何もできないから、運を天に任せるで、いいのか 福島第一原発4号機が「爆発する危険性」をどう考えるべきか 3000万人に避難勧告、そして日本は終わる | 経済の死角 | 現代ビジネス

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32700

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「プールの中には事故の影響で大量のガレキが沈んでおり、燃料棒が詰まった『燃料集合体』を吊り下げるラックなどが破損している可能性があります。また、水中に置いたまま、特殊な『キャスク』と呼ばれる容器に収めなければなりませんが、4号機の場合、燃料集合体が破損している恐れがあり、その場合は専用のキャスクを作り直さなければなりません」(京都大学原子炉実験所・小出裕章助教)
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※上記リンク先では、小出裕章氏以外に、元スイス駐日大使村田光平、アーニー・ガンダーセン、ワイデン上院議員、元米国エネルギー省長官上級政策アドバイザーで、使用済み燃料問題の第一人者であるロバート・アルバレス氏、などの発言が紹介されています。
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http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/17/tvasahi_2012may25/#more-3067
   ・・・・・・ ブログ主: すいません映像を貼らせていただきました

525 4号機プール核燃料】セシウム137の量は広島原爆に換算すれば少なく見積もっても5000発分 やるべきことは使用済み燃料を安全なところに早く移すこと 小出裕章

2012年5月25日、報道ステーションに小出裕章さんがビデオ出演されました。

▼録画


▼内容文字おこし
「4号機は大丈夫か」佐野眞一氏 5/25報道ステーション(動画・内容書き出し)

– みんな楽しくHappy♡がいい♪
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1925.html

▼小出裕章氏のコメントのみ引用
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小出裕章:
(4号機プールの核燃料は)セシウム137の量は広島原爆に換算すれば、少なく見積もっても5000発分はあると思っています。
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小出:
使用済み燃料プールが埋め込まれている階そのもので爆発が起きて、壁などがもう、吹き飛んでしまっている。本当に大きな余震がきて、使用済み燃料プールがくずれおちてしまうというようなことになれば、また、再び大量の放射性物質が吹き出してしまう事になると思っています。
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小出裕章:
大量の放射性物質をすでに抱えてしまっているのですから、それが大気中に噴出してくるという、その危険が何よりも重大だし、それを何とか防ぐという事をしなければなりません。やるべきことは、中に入っている使用済み燃料を、とにかく安全なところに早く移すという事だろうと思います。
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※上記リンクでは、番組全文が文字に起こされています。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012063002000231.html

福島4号機 燃料プール冷却停止
2012年6月30日 夕刊

 東京電力は三十日、福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの冷却装置で、午前六時二十五分ごろに異常を知らせる警報が鳴って自動停止したと発表した。

 冷却が停止した時のプール温度は三一度で、放射性物質を含む水の漏えいは確認されていないという。東電は、水温が急上昇するとはみていないが、原因を調査するとともに、別系統の冷却装置を稼働させるか検討している。

 4号機の燃料プールでは、六月四日にも冷却が停止していた。

 4号機プールは原子炉建屋五階にあり、未使用の燃料二百四体を含む計千五百三十五体が保管されている。今夏に未使用の燃料を試験的に取り出す予定。
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【twitterより】

神保哲生@tjimbo
こういう事態になった時、再稼動の前日にまともな情報公開が期待できるとはとても思えないから、心配なんだよね。RT 東京新聞:予備の冷却装置起動できず 福島4号機の燃料プール http://bit.ly/LWqlpq
2012年6月30日 - 22:09

福島みずほ@mizuhofukushima
東京電力は30日、冷却装置が停止した福島第1原発4号機の使用済み燃料プールについて、予備の冷却装置も起動できない状況にあると発表したと報道。福島原発事故は収束していないどころか大変な事態原発再稼動なんてとんでもない
2012年6月30日 - 22:09
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コメント
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●リラッキングとオンカロ

2011年07月12日 00時01分55秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/29/tanemaki-jun28/)。

 このまま福島第一原発の汚染問題が何らかの終息を見たとしても、これまで生成されてきた核のゴミを数万年、数十万年と管理し続けなければならない。今後、運転すればするほど放射性廃棄物が増え続ける。本当にバカげた発電方式である。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/29/tanemaki-jun28/

628 全国の原発で使用済み燃料を密に詰めなおし余裕を切り落としている 小出裕章(MBS

2011
年6月28日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。


番組案内
9000人以上の株主が詰めかけた東電の株主総会。怒号が飛び交う中、混乱の幕開けでした。原発被災者の株主は、福島に帰ることができない無念を訴えるとともに、原発撤退を求めました。この株主から提案された原発撤退は否決され、総会に出席した多くの株主の怒りは収まらないままの閉会。それでは、原発は投資に値するものなのか?株主はどのように判断するべきなのか?投資家の助言機関大手の「日本プロクシーガバナンス研究所」の吉岡洋二さんに聞きます。
京都大学の小出先生とは、話題のあの映画について話します。


録画
20110628 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

要約
・(昨日の核のゴミの話に引き続き伺いたい。昨日の話は発電するときに核のゴミを生み出し、全国の原発で行き場がない。六ヶ所再処理工場に作った燃料冷却のプールも満杯。置場が無くなっている使用済み核燃料を冷やすプールの容量が足りないので、本来なら間隔を空けて保管しなくてはいけないものを詰め込んでいるという話を聞いたんですが?)私たちはそれをリラッキングと呼んでいる。元々は使用済燃料を安全に保管するためにはこの程度の感覚で詰めたほうが良いとプールに入れてきたが、スペースがなくなってきたので密に詰め始めている。ビールやワインを箱に詰めるときには間に緩衝材を置いて、触れないように割れないようにする。その緩衝材を(使用済燃料プールでは)とっぱらって詰めるようにしている。冷却ということをもっと考えなくてはいけない。核分裂の連鎖反応がまた始まってしまうかもしれない。ギリギリという限度という余裕を切り落とそうとしている。

・(リラッキングは極めて稀なのか)全国の原発でやろうとしている。(外に出す保存が行なわれているというふうに聞いているが)本来は使用済燃料を取り出した直後は水で冷やすほかありません。プールに沈めて冷やすのが有効。4年から5年冷やしておけば線量が減る。ある程度冷えたあとは水にに頼らないで保管したいと思うようになるものです。既に実績があり、大部分は金属製のキャスクというものの中に入れて、空気中に放熱する工夫を山のように凝らして、水で冷やさないですむようにするもの。実績もそれなりにあります。

・(それならまだまだ核のゴミが出てきても保管できるのか?)すでにもう核のゴミが出続けてきてもうどうしようもない状態になって、再処理工場を作りそこに移したわけですが、再処理工場自身動かないし、原子力発電所が動いている限り核のゴミが出てしまう。仕方が無いので乾式貯蔵をしなければいけない事になった。そして今は青森県のむつ市に東京電力が5000トン分の乾式貯蔵施設をつくろうとしている。六ヶ所村の再処理工場のプールは3000トンです。

・(本当はプールで冷やさなくてはいけないものをしょうがなくやってる状況なわけですね?)はいそうです。

・(私ある映画を見まして、「100000年後の安全」というものです。この映画の中でフィンランドでは地下500メートルのところに大量に眠らせようとやっている。とりあえず10万年眠らそうということができるのかという映画。核のゴミにとって10万年という値はどういう時間を意味するものですか?)皆さん10万年後を想像できるでしょうか。日本では高松塚の古墳が出たと言ってるわけですが、1000年2000年の前のこともわからないと言ってる中で興味があって調べている。それが10万年、私は100万年と思っているのですが、人間としては想像を絶する時間の長さのことを話しています。

・(少なくとも10万年この建物がもつはずだとフィンランドの技術者達は作っているらしが、まず1万年もった建物は誰も見たことがなく6万年後には氷河期が来ると考えられており、10万年後に「あけないでください」と書いておいても、人類がいるかもわからないと思うのだが?)居るはずがないですね(笑)。5000年前の石に書かれた言語を私たちはわからない

・(フィンランドの人は少なくとも最終的なことに決着をつけようと向き合っていると思ってたのだが?)私たちの世代が原子力に手をつけてしまって、どうしようも無いゴミを生み出しているなんとか決着を付ける責任は私たちにある。しょうがないから地下に埋めようとしている。私はその方法すら正しいとは思いません。せめてゴミは生み出さないようにしたい原子力はやめたほうがいいというのが私の意見です。

・(東電の株主総会で原発推進の方向は変わりませんでしたが?)不思議ですね。東電は何十回倒産してもまだ足りないぐらいの被害を今起こしているわけで、株主の方は1銭の配当も得られない。投資したものが全部なくなるという事態に至っている。それなのになぜ原子力を推進するのか私にはわからない。どういう社会システムで今の社会が成り立ってるんですかね。
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