黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

本陣に乗り込んでの敵将暗殺は・・・

2007-07-16 17:21:52 | 歴史
 最近,司法関係では記事を書くほどのネタがあまりないですね。コメント欄で,ある法科大学院の卒業生が黒猫のことを「おろか者の代表」などと呼んでいるというので,該当するブログを読んでみましたけど,アホらしくてまともに反論する気にもなれません。新司法試験を受験してから合否発表までの貴重な時間を,あんなくだらん記事を書くことに費やしているようでは,たとえ新試験に合格できても,就職活動か二回試験のどちらかでコケるのが落ちでしょう。

 そんなわけで,今日は大河ドラマの話題にします。
 昨日の大河ドラマ「風林火山」は,上田原の合戦がテーマでした。上田原は信州ですから,ちょうど今回の地震でかなりの被害があった地域でしょうね。被災者の皆様には,心からお悔やみ申し上げます(・・・震災の場合のあいさつって,この表現で合ってるのかな?)。
 ドラマの話に戻りますが,昨日のドラマでは,武田家の宿将板垣信方と甘利虎泰が壮絶な討死を遂げました。ただ,この戦いで両名が戦死したこと自体は史実通りですが,甘利虎泰が寝返りを装って村上義清の首を取ろうとしたという事実はなく,あれはドラマの創作です。ただ,創作すること自体は別に構わないのですが,あの老将が1人で村上義清を討ち取ろうなんて,あまりにも作戦が稚拙すぎますし,あのように無謀な作戦を取らなければならないほど,当時の武田軍は追い詰められてはいなかったと思います(なお,歴史群像シリーズでは,上田原の敗戦の原因は,先鋒の板垣信方が村上軍の第一陣を突破したことに気をよくして,敵を深追いしすぎて包囲され討ち死にし,村上軍を勢いづかせてしまったことにあるとされています)。
 甘利虎泰も,草葉の陰で「拙者はさような阿呆ではござらぬ!」などと抗議しているのではないでしょうか。

 ただ,戦国時代の戦いにおいて,敵の本陣に乗り込んで敵将を暗殺しようとした例はいくつかあります。まず,比較的有名なのは姉川の戦いで,浅井方の武将遠藤直経が,単身織田の本陣に乗り込み信長の首を取ろうとしましたが,竹中重矩(竹中半兵衛の弟)に発見され,重矩に討ち取られてあえなく失敗に終わっています。
 次に,沖田畷の戦いでは,龍造寺方の勇将で四天王の一人である江里口信常が,単身で島津家久の陣に乗り込み討死していますが,これは敵将の暗殺計画というよりは,主君の龍造寺隆信を討たれて壊滅状態となった龍造寺軍の武将たちが,死に場所を求めて決死の闘いをした一例と見たほうがよいでしょう。
 これらは失敗例ですが,一方で暗殺が成功した例もあります。備中の豪族三村家親は,永禄9年に美作に進出しますが,これに対し宇喜多直家は三村家親の本陣に刺客2名を送り込み,短筒(鉄砲)で家親を暗殺しています。
 また,これは事実かどうか明らかではありませんが,武田信玄が三河の野田城を落としたあと,そのまま上洛軍を進めずに甲斐へと引き返し,その途中で信玄が病死してしまったのは,野田城攻略の際,城兵の笛の音を聴いていた信玄が城兵に狙撃されて負傷したのが原因ではないかという説もあります。
 戦国時代には,敵将や邪魔な人物を謀殺した例は数限りなくありますが,やはり戦陣で敵将を暗殺するには,鉄砲を使わないと無理ということですね。

3 コメント

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Unknown (dedeko)
2007-07-17 06:47:51
 甘利の件は私も観ていて引きました。武将が背中にだけ矢を受けて死亡するのでは、設定がどうあれ草葉の陰で彼が怒っているのでは・・・
Unknown (やすひさ)
2007-07-17 21:15:11
「お見舞い申し上げます」の方がよりしっくりくるかと。
そのブログの件 (Unknown)
2007-07-19 18:55:48
コメントにあったという法科大学院(卒業)生のブログですが、失礼ながら黒猫先生は利用されているのではないでしょうか。

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